第5回衛星データ処理勉強会 はやぶさのデータ処理とアーカイ ブス 安部正真(固体惑星科学研究系) 吉川真(宇宙情報・エネルギー工学研究 系)

Slides:



Advertisements
Similar presentations
All Rights Reserved, Copyright © 2001 GeoBasic® & IIMS® Networking GIS データ共有型 GIS 2001年2月 ジーイーネット 株式会社.
Advertisements

IBMユーザ研究会九州研T3 3.Web2.0を実際に使ってみた. Web2.0を実際に使ってみました 研究会をプロジェクトに見立 てて “ Google SpreadSheet ” で会議を開く “ SNS ” でコミュニケーションを補助する “ Wiki ” で成果物を共有する.
TCP/IP によるチャットプログラ ム 薄井 秀晃. 基礎知識編 TCP/IP とは? IP とは・・・ Internet Protocol の略称であり通信方法の技術的なルールで あり、実際にデータを送受信する前にデータを小さなデータ に分割し、それに発信元と受信先の IP アドレスを付加させて.
Web-GIS の開発と地盤情報の 高度利用に関する共同研究について -具体的な共同研究テーマ ( 案 ) - 「地質・地盤情報協議会」・ 「 Web-GIS コンソーシアム」説明会資料 全国地質調査業会連合会・情報化委員会.
スイングバイを行う惑星 探査機軌道の再現 B 上杉耕玄. 目的・研究概要 スイングバイを再現するために 3 次元の運動方程式を ルンゲクッタを用いて解き, 精密な太陽系シミュレー タを作成した. 各惑星とパイオニア 10 号の初期位置と初期速度を打 ち上げの 1 ヶ月後,6 ヶ月後, スイングバイの.
太陽面爆発の発現機構の解明 前回シンポ討論からの課題 清水 敏文 (ISAS/JAXA)
Copyright © AstroArts Inc 日食シミュレーションソフト・ エクリプスナビゲータでの 月周回衛星「かぐや」 LALT データの利用 H27 ( 2015 )年度宇宙科学情報解析シンポジウム 2016 年 2 月 12 日 株式会社アストロアーツ 門田健一.
多面体の画面への投影 ケプラーの太陽系モデルとミウラ折 り 宇宙物理・数理科学研究室 情報システム学科 B 奥野駿哉.
GIS の効率的利用方法 東京大学名誉教授 村井俊治 はじめに GIS とは? 自治体における GIS GIS の効率的利用 まとめ.
宇宙の「気温」 1 億度から –270 度まで 平下 博之 ( 名古屋大学・理・物理 U 研 ).
リモートセンシング 測量学実習 第 2 回. 本日の概要 実習の目的 リモートセンシングとは? 概要 リモートセンシングのしくみ 衛星画像とバンド マルチバンドと解析 IKONOS ArcGIS を用いた解析 使用データ 作業フロー.
日本学術会議マスタープランへの提案 ガンマ線バーストを用いた初期宇宙探査計画 HiZ-GUNDAM 主査: 米徳 大輔(金沢大学) HiZ-GUNDAM WG 光赤天連シンポジウム「光赤外将来計画:将来計画のとりまとめ」( 2016/02/09 – 10 国立天文台.
eL-Stat(地方自治体の統計業務支援窓口)の構築
HG/PscanServシリーズ Acrobatとなにが違うのか?
北大における Super-SINET 接続と利用: 2004 年度報告
航空レーザ測量の 概要と利用法 西村徳真.
VAR インシデント管理 SAP ONE SUPPORT Launchpad Know Me – Guide Me – Help Me
IRTS データアーカイブの再整備から学ぶ 科学データアーカイブ構築における留意事項
Lync 会議 Lync 会議に参加する Lync 2013 クイック リファレンス Lync 会議のスケジュール
Lync 会議 Lync 会議に参加する Lync 会議をスケジュールする 会議のオプションを設定する
IPアドレス、IPパケットとはなにか? 情報塾( ) URLとの関係は? コンピュータ同士はどう繋がっているか?
HETE-2のバースト観測ネットワーク マウイ 副地上局 パラオ 副地上局 シンガポール 主・副地上局 赤道
筑波大学衛星と教育との関わり 筑波大学 保田敦司 「小型衛星の科学教育利用を考える会」 2015/08/22.
解析サーバの現状と未来 2006/07/18 衛星データ処理勉強会 村上 弘志 現状のシステム構成など 統合解析環境としての整備
TCP (Transmission Control Protocol)
晩期型星T-Lepに付随する 水メーザースポットを用いた年周視差測定 ~系内MIRA型変光星周期-絶対光度関係の測定に向けて~
背景について 国立天文台 天文情報センター.
すばる秋の学校2007 公開アーカイブ活用 (プロポーザル準備のために)
WISH 太陽系天体・系外惑星の場合 WISH to Investigate Solar system History
三浦 昭、山本 幸生、吉川 真 宇宙航空研究開発機構
コンピュータとネットワークのしくみ 情報通信ネットワークのしくみ.
Solar-B データベース およびデータ解析環境
南極からの新赤外線天文学の創成 南極内陸は、ブリザードがなく、非常に穏やかな、地球上で最も星空の美しい場所です。この場所で私たちは新しい赤外線天文学を展開します 宇宙初期の広域銀河地図を作って、私たちの銀河系の生い立ちを解明します 137億年前 100億年前 宇宙の果て 最初の星が生まれ、銀河が成長した時代.
標準空間情報の整備及び 異種データベース間のデータ交換手法 に関する研究開発
画像工学 2011年10月6日 担当教員 北川 輝彦.
HTTPプロトコル J2EE I 第7回 /
2次元蛍光放射線測定器の開発 宇宙粒子研究室 氏名 美野 翔太.
トランジット法による低温度星まわりの地球型惑星探索と大気調査
東京大学空間情報科学研究センターを 中心とした空間情報データベースの整備
情報工学総合演習 D-I 近似アルゴリズム 埼玉大学 理工学研究科 山田 敏規、 橋口 博樹、 堀山 貴史
宇宙物理II(9) Planetary Formation
Astro-E2衛星搭載 XISの データ処理方法の最適化
茨城 32 m 電波望遠鏡(高萩局・日立局)の整備状況
すざく衛星による、2005年9月の太陽活動に起因する太陽風と地球大気の荷電交換反応の観測
すばる望遠鏡を用いた 太陽系外惑星系の観測的研究
第8週 高精度GPSの構築 位相測位の原理 通信システムの構築.
事務所における情報化の問題点 データが所内で共有されていない、各課ごとに個別に利用されている
実行時情報に基づく OSカーネルのコンフィグ最小化
第2回 GPS測位の原理 衛星測位の原理 GPS衛星システム GPSの信号システム GPSの測位方式.
TCP/IP入門          櫻井美帆          蟻川朋未          服部力三.
柔軟エアロシェルと柔軟翼航空機を利用した
地上 8-10m 望遠鏡の将来装置計画のまとめ 国際協力・時間交換の議論のベースとして 次世代装置開発の議論のベースとして
第6回 高精度GPSの構築 位相測位の原理 通信システムの構築.
Excelを便利にする250以上の機能を体系化したアドインはこちらです。
宇宙科学統合解析環境の構築とAstro-E2解析支援
小型JASMINE計画の状況       矢野太平(国立天文台)       丹羽佳人(京大).
すべて読む Microsoft SharePoint ニュース
個人の動画配信のためのWebサーバ構築 06A1058 古江 和栄.
Intel SGXを用いた仮想マシンの 安全な監視機構
平成25年度オープンデータ実証実験 自治体行政情報実証(概要)
京大岡山3.8m望遠鏡用高分散分光器 京大宇物 岩室史英 サイエンス 太陽型星のスーパーフレア現象の解明
第2回 GPS測位の原理 衛星測位の原理 GPS衛星システム GPSの信号システム GPSの測位方式.
講義ガイダンス 「宇宙の物質循環を理解するために使われる物理・化学・数学」
はやぶさ試料(RA-QD )の X線CT解析 – X線CT岩石学の適用例 - X線CT解析の結果に基づいて試料を切断し分析
GSTOS コマンド計画検証ソフトウェアの開発
DECIGO Workshop DECIGO:衛星設計/検討の進め方 JAXA宇宙科学研究本部 船木一幸.
INDEX衛星によるオーロラ微細構造のin-situ観測
MACFT3 Review Meeting CONTENTS 進捗状況報告.
X線天文衛星『すざく』の成果 1.5年経過 “すざく” (朱雀) 査読付専門雑誌 32 編 (日本の衛星、大型プロジェクトでは最多)
科学概論 2005年1月27日
Presentation transcript:

第5回衛星データ処理勉強会 はやぶさのデータ処理とアーカイ ブス 安部正真(固体惑星科学研究系) 吉川真(宇宙情報・エネルギー工学研究 系)

本日の内容 はやぶさミッションデータ概要 はやぶさミッションデータアーカイブの 現状 PDS との関係

はやぶさミッション機器 ONC-T(AMICA) :望遠可視多色カメラ FOV=5.7x5.7deg, 1000x1024pix, 8 バンド ONC-W1/W2 :広角ナビゲーションカメラ FOV=60x60deg, 1024x1024pix LIDAR :レーザ高度計 λ=1064nm, FOV=1mrad NIRS :近赤外線分光器 λ=764 ~ 2248nm, 64ch, FOV=0.1x0.1deg XRS :蛍光 X 線スペクトロメータ E=0.7 ~ 10KeV, FOV=3.5x3.5deg

ミッションデータ ONC-T :画像データ ONC-W1/W2 :画像データ LIDAR :距離データ NIRS: スペクトルデータ XRS :スペクトルデータ

小惑星滞在中のデータの取得状況 ONC-T :約 1300 枚 ONC-W1/W2 :約 400 枚 LIDAR :約 170 万点 NIRS :約 8 万点 XRS :約 6000 点

データ処理の状況 ONC :デパケット後、圧縮データを解凍。 j pg ファイルまたは fits ファイルで保存 LIDAR :デパケット後、物理量変換し、 txt データで保存 NIRS :デパケット後、物理量変換し、 txt データおよび fits ファイルで保存 XRS :デパケット後、物理量変換し、 txt データで保存

データ解析に必要な情報 時刻付けファイル: 探査機の位置ファイル: 探査機の姿勢ファイル: 各機器のアライメント情報 : 小惑星の形状モデル: 小惑星の自転モデル: キャリブレーション情報: 各部温度情報:

SPICE system* はやぶさでは探査機のデータ解析に必要な情報 を SPICE kernel file としてアーカイブしている。 –Spacecraft:SPK: 探査機・対象物の位置・速度を時間 の関数で表したもの –Planet:PCK: 対象物の物理量など –Instrument:IK: 観測機器のアライメント情報など –C-matrix:CK :探査機の姿勢を時間の関数で表したも の –Event:SCLK :探査機内時計と実時間の交換比率など –Software:NAIF Toolkit と利用者自身のソフト *JPL の Navigation and Ancillary Information Facility (NAIF) が確立したシステム

NAIF toolkit カーネルファイルの読み込み・加工のた めの FORTRAN サブルーチン群( C に変換 された CSPICE ツールも存在)。 サブルーチンを組み合わせて、観測につ いてのジオメトリーパラメータ、レンジ、 位相、太陽入射角など、求めるパラメタ を利用者が各自で計算。 SPICE を利用するためのサンプルプログ ラムもある。

ジオメトリ情報 小惑星は形状がいびつ。形状モデルが更 新されるたびに、ジオメトリ情報も更新 される。 探査機の位置ファイルは現在も更新され ている。 RW 故障で RCS 制御が頻繁に入り、 軌道運動が不連続となったことが大きく 影響。 SPICE system などを用いて、観測データ のジオメトリ情報もヘッダなどに登録。

データアーカイブ状況 ONC-T(AMICA) :はやぶさ機器チーム全員に公 開中。画像 fits ファイルと Index ファイル ONC-W1/W2 :工学側で管轄。将来的には公開。 LIDAR : SPICE データの一部としてすでにはや ぶさチーム全員に公開中。 NIRS :機器チーム内で公開中。 fits ファイルと spc ファイルをはやぶさチーム全員に公開予定。 XRS :機器チーム内で公開中。

データ公開方法 現在は機構内のサーバーにデータを置き、 接続 IP アドレスを登録した、はやぶさデー タ解析チームメンバーのみに公開中。 来年度中には一般にもデータを公開予定。 index ファイルの整備と、検索ページのよ うなものを準備予定。 将来的には DARTS に委嘱したい。

PDS との関係 はやぶさは NASA との MOU で、 ISAS は NASA の はやぶさチームメンバーに対して、観測機器 データを公開し、 NASA のはやぶさチームメン バーは NASA-PDS を使ってデータを公開するこ とになっている。また PDS 公開にあたって、 ISAS 側もサポートすることになっている。 したがって、 ISAS 側から発信するデータアーカ イブとは別に NASA-PDS からもはやぶさミッ ションデータは発信されることになる。

データの Level Level0 : Raw データ Level1 :解凍データ、時刻順データ Level2 :ジオメトリックデータやキャリブ レーション情報を付加したデータ Level3: さらに加工したデータ。地図情報 など。

PDS: Planetary Data System 太陽系探査機から受信したデータを全量保存・ 管理・品質保証する NASA 制定のデータ管理・ 配布体系。 データの散逸防止、時と場所を問わず使える状 態の維持を目標に、ソフト / 文書 /Data を一緒に 管理する体系 スポンサーは NASA office of space science で実 行の主体は 7 つのチーム (Nodes) 。それを統轄す る Central Node は JPL に置かれている。

惑星探査データのアーカイブ はやぶさだけでなく、今後は Selene, Bepi,-MMO, Planet-C, はやぶさ 2, Selene2 などのデータもアーカイブしていく必要 がある。 個別にアーカイブを開発するのではなく、 ミッション間で情報を共有していく予定。 PLAIN とも連携して、多くのユーザに有効 に使われる、 ISAS/JAXA 発のデータアー カイブとしていきたい。

その他 月惑星探査センター(仮)におけるデー タアーカイブ:現在検討が進められてい る月惑星探査センターでも、近い将来 データアーカイブについての議論が始ま る予定である。 データアーカイブの国際協力: NASA- PDS,ESA-PSA ( Planetary Science Archive) が JAXA や IKI とも協力して国際的 なデータアーカイブについての議論を始 めようとしている。