検索エンジンが 日本にないのはなぜか なんで検索エンジン? 2006 年 10 月 9 日、「 Google 」が「 YouTube 」を買収した。 16 億 5 千万ドル相当の株式交換で買収、という形になって いる。 そもそもなんでそんな疑問が? 政府の知的財産戦略本部は 2008 年 6 月 18 日の「知的財産推 奨計画 2008 」において、検索サービスのサーバーを国内 に設置できるように法改正をする方針を発表した。 要するに、今まではサーバーを日本国内に置けなかった。 なぜ日本に置けない? 著作権法や個人情報保護法に違反しているから。
どのように違反しているのか? 著作権法違反 日本の著作権法では、著作者に無断で複製や公衆送信する ことを禁じている。 検索サーバーに情報を一時蓄積することは、この「無断で 複製」することに当たり、さらに検索結果を表示するこ とが「自動公衆送信」になるため、日本国内には検索サ ーバーを置くことができない。 個人情報保護法違反 個人情報保護法では、個人情報を第三者に提供する時は本 人の承諾が必要だとしている。 検索エンジンは、事業主体が個人情報を収集・提供してい るので、違法になる可能性が高い。
それでも作ろうとすると・・・ 具体例 あるIT企業に勤めるAさんが、会社のウェブサイト に検索機能をつけようとすると、法務部が反対した ので、社長に直訴して「私が責任を持つから作れ」 という社長命令を出してもらった。それでも法務部 は断固拒否した。 仕方なくAさんは退社し、自分で検索サービス会社を 立ち上げた。それでも関係者が心配するので、知的 財産専門の弁護士に「検索サービスは著作権法を改 正して合法化する方向なので、摘発されることはあ りえない」という文章を書いてもらって、やっとサ ービスを開始することが出来た。
マクシミン原理 の期待利 益 人は不確実性を認 識すると最悪の事 態を考えてしまう。 人は不確実な状況下で は、最悪のケースを想定 し、その場合の利益を最 大化するという保守的な 行動をとる。 ※ミニマックス法 想定される最大の損害が最小になるように決断を行う戦略
マクシミン原理の具体例 ケース1 「中国製のギョーザには農薬が入っている可能性が1%あ るが、99%は安くておいしい」 ケース2 「米国から輸入される100万頭の牛のうち1頭にBSE の牛が見つかった場合、米国産牛肉の購入を控えるべき だろうか」 ケース3 「今後30年以内に静岡で震度6以上の地震が起こる確率 は87%だが、このまま静岡に住むべきだろうか」 結論 リスクと利益を客観的に比較して、合理的に判断すること が重要である。
マキシミン原理の問題点 リスク・責任の所在のはっきりしない大企業や官僚機 構では、事故が発生すると担当者が責任を負うが、過 剰防衛のコストは組織全体が負ってしまう。 → 最大のコストをかけてリスクを最小にしようとする 。 これを防ぐには、誰が意思決定するのかを明確にし、 その人が結果の責任も取る自己責任ルールが必要であ る。 もともと不確実性の下で決断し、その責任を負うこと が経営者の本質的な存在理由である。特に今のように 経営環境が急速に変化している時は、トップ個人が判 断し、失敗したら責任を取る明確で迅速な意思決定シ ステムが必要である。