ポスドクの採用プロセスと ポスドク後のキャリアの分かれ道 高村典子 国立環境研究所
高村典子の研究者キャリア 自己紹介
国環研ポスドクの雇用条件
国環研のポスドク制度 ポスト給与 NIES アシスタントフェロー日給 12,200 円 ~ 13,400 円 NIES ポスドクフェロー日給 14,050 円 ~ 16,480 円 NIES フェロー日給 16,780 円 ~ 32,590 円 NIES リサーチアシスタント (修士課程在籍者) 日給 7,190 円( 5 時間)〜 10,780 円( 7 時 間 30 分) シニアスタッフ (フルタイム契約職員)日給 10,350 円 〜 14,050 円 アシスタントスタッフ (フルタイム契約職員) 新規大卒者 日給 8,070 円 ~ 10,350 円 高度技能専門員 日給 10,640 円 ~ 32,530 円
任期付職員ポスドク備考 採用条件博士号 or 同等以上の能力 - 移転料 ○× - 雇用期間 3or5 年( 1 回だけ更新 有) 1 年度(最大 5 年まで更新 可) - 試用期間 6 ヶ月 1 ヶ月 - 雇い止め ○○ - 社会保険 ○○ 健康,厚生年金,介護 雇用保険 ○○ - 死亡 などへの 補 償 ○○ 過失,戦争,核燃料物 質,風土病は該当せず 期末手当 ○ (年 2 回) - 業績手当 ○ (年 1 回) × - 出向 ○× 在職期間に通算可 労働時間 7 時間 45 分 - フレックスタイム 制 ○× - ○ :有または可, × :無または不可 【 NIES 所内での待遇】 ( 2009 年 12 月現在)
任期付職員ポスドク備考 休日土日祝, 12/29 ~ 1/3 - 時間外・休日勤務手当 ○○ - 休日勤務の振替 ○○ - 年次有給休暇 ○○ - 特別休暇 ○ ( 結婚,葬儀・追悼,災害復旧,骨髄提供,レクな ど ) ○ ( 但し,骨髄提供,レクは無給 ) 有給 病気休暇 ○○ 無給 育児休業 ○ ( 3 歳未満の子の養育) ○ ( 1 歳未満の子の養育) 無給 育児部分休業 ○ (減額だが有給) ○ ( 年次有給休暇 or 病気休暇に振替 可 ) - 短時間勤務 ○ (減額だが有給) × - 早出遅出出勤 ○○ - 育児時間 ○○ 1 歳未満が対象。有給 30 分 / 回 ×2 回 / 日 介護休業 ○ (最大 6 ヶ月まで) ○ (最大 93 日まで) 無給 介護部分休業 ○ (最大 6 ヶ月まで) ○ (但し,上記日数に加 算) 最大 4 時間 / 日まで 1 時間 単位で取得可 ○ :有または可, × :無または不可 【 NIES 所内での待遇】 ( 2009 年 12 月現在)
任期付職員ポスドク備考 生理休暇 ○○ 有給 妊娠~産後 ○○ 出産前 6 週間(要申請), 産後 8 週間は就業禁止。 任期付は有給 妊娠中の通勤緩和 ○○ 有給 妊娠中の休息等措置 ○○ 有給 保健指導 ○○ 有給 症状等に対する処置 ○○ 任期付は有給 退職手当 ○× - 休職 ○ ( 減額だが支給, 3 年以内 ) × 要長期休養,刑事事件 での起訴,国際貢献, 生死・所在不明など 兼務・副業・自 営 ○× 連携大学院教諭の併任 は委嘱(本来業務) 懲戒・表彰 ○○ - 科研費の応募 ○○ - キャリア支援 ○ ( 正職員への採用の可能性有 ) ○ ( 任期付職員への採用の可能性有 ) NIES 内でポスドクの 2 期 連続雇用は無。 2 年をあ けての再雇用の可能性 は有 ○ :有または可, × :無または不可 【 NIES 所内での待遇】 ( 2009 年 12 月現在)
【 NIES 所内での待遇】 (給与所得一覧) 平成 22 年 4 月採用の場合 ★基準月額に近い標準報酬月額から社会保険や所得税が計算され,概ね 4 ~ 5 万円が基準月額から引かれる(これが手取額) → 標準報酬月額と基準月額との差から生じる控除額の差は,年末に調整されているはず。
国環研のポスドク採用
採用プロセス ※処遇や待遇は、基本的に雇用要求者が決定 する.上司が全体のバランスをみる. 研究者が雇用が必要と判断 (自分の研究費内) 上司(研究者所属ユ ニットの長)の認証 を得る 雇用の確定
採用の評価基準 プロジェクトや雇用内容の研究を担う能力 がある. 論文を書く能力がある. 【さらに期待すること】 雇い主である研究者と研究室のメンバーと良 好 な人間関係を築けること。
国環研で「雇用予定時期に記載した日以前 2 年以内に当研究所に研究系契約職員として雇 用されている実績がある場合は、応募をご遠 慮ください」となっていることの趣旨 管理部門からの指示で、研究者は必ずしも同 意 していないが、制度上の制約で仕方がない。 ポスドク雇用の制度自体が新しいので,今後 もかわる可能性はある.
ポスドクの任期が終わったら
NIESポスドクから(任期付) 職員に移行できた人 年度人数 H19 年度採用3/9名 一人は主任研究員(任期付き) H20 年度採用3/8名 一人は室長(産総研 → パーマネント:気象学) → ポスドクから職員になる率は極めて高い ※若手は、(任期付)職員としてのみ採用 3年後の見直し審査を経て,常勤となる. 全職員の 14% は,任期付きというしばりが ある.
任期付職員採用者の前歴 因みに … 日本学術振興会海外特別研究員( 2/16 ) 助手(助教)から( 3/16 ) NIESポスドク( 6/16 ) 博士課程終了後すぐ( 1/16 ) 他のポスドクシステムから( 3/16 ) 会社の研究員( 1/16 )
ポスドク任期後の アカデミックキャリアと ノンアカデミックキャリア の分かれ道 第一著者の論文が継続して出ているかどうか! 該当分野で余人をもってかえがたい人材! (該当分野が国立環境研究所の重点研究分野)
アカデミックキャリア(国環研の常 勤職員)を目指すためのアドバイス 5 年の中期計画で動いているので、これにあわ せて雇用されれば、 5 年はいられる。 パーマネントポスト(任期付だが)は、毎年 10 名程度用意される。 ユニット長がポストを取ってくるシステムであ るため自分の職務を研究所の新しい研究シーズ (重点研究部門)に位置づけてもらえるように 、上司研究者の頭を開拓するのが近道。 好い人材の発掘は採用するほうも死活問題.