Linux World Expo / Tokyo 2007 OSSAJ オープンソースビジネスセミナー 「 OSS GIS 黎明期から普及期へ」 株式会社オークニー 衛藤 誓.

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Linux World Expo / Tokyo 2007 OSSAJ オープンソースビジネスセミナー 「 OSS GIS 黎明期から普及期へ」 株式会社オークニー 衛藤 誓

©Orkney, Inc. All rights reserved.2 GIS とは? 「 Geographical Information Systems 」の略で地理情報システムのこと。 簡単に言うとユーザー(利用者)に地図を利用した色々な機能を提供する サービスやシステムのこと。最近では地図だけではなく、位置情報という広 範囲な解釈をして LBS ( Location Based System )という言葉もよく使う。 【例】 ・カーナビ ・ Mapion ・ MapFan などの地図サービスによる店舗案内など ・出店計画のエリアマーケティングのシステム ・官公庁自治体などの観光や防災などのシステム など

©Orkney, Inc. All rights reserved.3 伸び悩んでいた GIS 業界の市場規模 1999 年には 6800 億円程度の市場規模が、 2005 年には 3 兆 6100 億円、 2010 年に は 6 兆 1400 億円程度になるという推計などが発表されていたが、伸びていたの はカーナビ市場だけ。 原因 ・地図データの価格(ライセンス料)が高い ・・・特に不特定多数をターゲットにした WebGIS を行おうとした時 ・ソフトウェアの価格(ライセンス料)が高い ・乏しい提案力 ・・・ GIS を提供していた主なプレイヤーが地図会社や測量会社で、あ くまでも地図が主体の提案・システムになりがち。 GIS がメインになるのは一 部の限られた専門的なシステム(解析など)のみということがわかっていな い=ユーザーニーズにあっていない

©Orkney, Inc. All rights reserved.4 MapServer 登場 MapServer とは? MapServer は、当初は米航空宇宙局( NASA )がスポンサーとなりミネソタ大 学において森林資源管理用に開発された WebGIS エンジン。 CGI ベースのアプ リケーションにより、マップを生成してインターネットに配信します。その 後オープンソース化され、現在ではカナダの DM ソリューションズグループが メインメンテナーとなり、世界中の開発コミュニティーのバックアップを得 て開発が継続されています。 世界的に利用されている OSS WebGIS エンジンだが、日本ではダブルバイ トの問題から殆ど活用されていなかった。 日本では、(株)オークニーが 2004 年 3 月 IPA (独立行政法人情報処理推進機 構)の「オープンソース GIS プラットフォームの開発」プロジェクトの完了に より、国際化が実現され、 2004 年 4 月より販売開始。 OSS GIS の黎明期へ

©Orkney, Inc. All rights reserved.5 崩れる GIS 業界の常識 2004 年 MapServer の登場により、これまで GIS を利用したくても費用面など で無理だった官公庁自治体や民間企業が、小規模な GIS システムの構築で、ど の程度活用できるか推し量るように MapServer を活用し始める。特に官公庁 自治体の中には入札条件に OSS GIS エンジンを利用するように書かれていた り、場合によっては MapServer が名指しで指定されるケースも出始めた。 そして 2005 年・・・ GoogleMaps 登場 ユーザーの意識は GoogleMaps は無料なのに GIS システム構築を頼むと何でこ んなに高いの?に変化 OSS を活用せざるを得ない状況が生まれ始める 活用事例が増え始めユーザーの安心感が増加

©Orkney, Inc. All rights reserved.6 専門書籍登場 Web マッピング系の書籍が続々出版 (いずれも O’Reilly Media から) Mapping Hacks 2005 年 6 月 Web Mapping Illustrated 2005 年 6 月 日本語訳は 2006 年 5 月

©Orkney, Inc. All rights reserved.7 OSS GIS の普及加速は日本だけではなかった 世界的に多くの国々に利用されていた MapServer だが、日本と同じようにダブ ルバイト問題を抱える国々や、 GIS 自体の認知が遅れている国々は沢山あった。 しかし GoogleMaps の登場などで人々の地図に対する関心が増加した。 オープンソース GIS の国際会議 2004 年 ・・・ MapServer ユーザーミーティング(ミネソタ州オタワ)⇒参加者約 180 名 ・・・ FOSS (バンコク)⇒参加者約 100 名 2005 年 ・・・ MapServer ユーザーミーティング(ミネソタ大学)⇒参加者約 350 名 2006 年 ・・・ FOSS4G 2006 (スイス ローザンヌ)⇒参加者約 550 名 年々参加者が増加

©Orkney, Inc. All rights reserved.8 国際会議の風景 FOSS4G 2006 (スイスローザンヌ) 景色も見ずに話ばかりしているが、 3 名に 1 名は 博士・・・。 会議中でも暇さえあれば実装・・・。 オークニーが開発したオープンソースの 経路探索エンジン PgRouting が話題に

©Orkney, Inc. All rights reserved.9 OSS を商用の会社も無視できなくなってきた OSGeo 財団の設立 【経緯】 AutoCAD で有名な AutoDesk 社が MapGuide Open Source というオープンソースの WebGIS エンジンを提供開始 2005 年 11 月に MapServer Foundation として母体が創設 MapServer と MapGuide Open Source の 2 つが参加 2006 年 2 月に OSGeo 財団( Open Source Geospatial Foundation )として正式に発足。 合計 8 つのオープンソースプロジェクトが参加 GeoTools, Mapbender, MapBuilder, MapGuide, MapServer, GDAL/OGR, GRASS, OSSIM

©Orkney, Inc. All rights reserved.10 Where2.0 開催 Where2.0 とは? Web2.0 の「地理空間」版 あたらしい Web の時流に乗った「地理空間」技術とサービスの総体を呼ぶ 地理空間サービスが「日用品」になる 位置情報や地理情報関連サービスが、 Web マッピングとして Web のメインス トリームに一体化される プレーヤーは Google などのポータル ネットに広く集うユーザー達 特徴 Web ユーザーにフォーカスしたシンプルで直感的な使い勝手 Web そのものから生成された豊富なコンテンツとの連携 動的なサービスを誰もが利用できるだけでなく、構築も(リンクも含む)で きる

©Orkney, Inc. All rights reserved.11 Where2.0 開催 Where2.0 とは? 技術書出版の O’Reilly Media が主催した 2006 年 6 月にサンノゼで開催(第 1 回は 2005 年)されたカンファレンス。 Web2.0 の「地理空間」版で、あたらしい Web の時流に 乗った「地理空間」技術とサービスの総体を呼ぶ。地理空間サービスが「日用品」に なり、位置情報や地理情報関連サービスが、 Web マッピングとして Web のメインスト リームに一体化される。 OSGeo 財団も参加 展示ブースでは最大の集客 講演風景

©Orkney, Inc. All rights reserved.12 Where2.0 OpenStreet Map プロジェクト 出来上がったロンドン周辺の地図 車載 GPS による自力作成のスト リートマップ OSS と同様にデータも 参加がキーワードになってくる

©Orkney, Inc. All rights reserved.13 OSS GIS 普及期へ 最初は様子見で利用していた官公庁や民間企業が 2006 年以降、大規模なシス テムでの OSS GIS の利用を開始。 OSS GIS にも商用と変わらない機能やサービスなどが要求されるようになる。 また、小規模の開発から大規模な開発に切り替わることにより、開発会社に もエンタープライズ級の開発を行う技術レベルが要求される。 当初オークニーだけが OSS GIS をメインビジネスとして行っていたが、オー クニーから製品を購入した会社などが、自力で開発を行ったり、ビジネスを 開始し始めた。 オープンソースの活用が普通の時代になり、 それだけでは食べていけなくなってくる