目録規則 (1) 目録の作成方法を定めた成文規則 記述と標目についての作成方法を定める。 国際的にほぼ標準化されている。 各国の目録規則は、国際標準に合わせて策定。 構成 記述に関する規則 標目に関する規則 配列に関する規則
(2)パリ原則 1961 年に IFLA (国際図書館連盟)の主催によ りパリで開かれた国際会議において採択され た原則。 主として標目の選定と形の決定に関する原則 が定められた。
(3)記述に関する国際標準 ISBD ( International Standard Bibliographic Description) 1970 年代に IFLA によって策定された記述に関 する国際標準。標目に関する規程はないので、 目録規則ではない。 各国の目録規則・記述の部に採用される。 ISBD(M) や ISBD(CR) など、資料種別ごとに策 定 記述項目は、 8 つのエリアに大別され、それぞ れはさらにエレメント(要素)に分けられる。 エリアおよびエレメントは、所定の区切り記 号によって分けられる。
(4) AACR2 Anglo-American Cataloguing Rules. 2 nd ed. 英米目録規則第 2 版 米、英、加、豪、英語圏共通の目録規則 扱う資料種別は網羅的(図書、楽譜、地図、 など) 記述規則は、 ISBD ほぼそのままである。 目録規則に関するデファクトの世界標準。 日本でも洋書の目録には、よく使用される。 大改訂作業が進行中 → 2010 年 RDA に改訂。
日本目録規則(NCR) 日本における標準的な目録規則を日本目録規 則という。日本図書館協会が維持管理する。 英語形の名称 Nippon Cataloging Rules を略して、 通常 NCR と称する。 NCR1952 年版が最初であり、その後、 1965 年 版、新版予備版( 1977 年)、 1987 年版と改定 されている。現行は 1987 年版である。 版により相違はあるが、おおむね ISBD などの 国際標準に準拠して作られている。
(5)日本目録規則 1987 年版 日本における現行標準目録規則。 日本図書館協会が維持管理。 改訂第 3 版 (2006) が最新版。 記述はほぼ ISBD にもとづく。 書誌単位という独自の概念を打ち出す。 標目は、新版予備版を引き継いで簡略なもの にとどまる。 任意規程ではあるが、統一タイトルを定めて いる。
MARC と書誌ユーティリティ MARC とは ・ Machine Readable Cataloging =機械可読目録 MARC の歴史 ・ 1969 年、 LC ( Library of Congress )が初めて 作成 ・日本では、 1981 年に国立国会図書館が JAPAN MARC を開発 ・現在は、 JAPAN MARC と TRC MARC の 2 本立て
MARC Format の例 ( MARC21 ) 020 ## $a :$c$29.95 ( £ U.K.) 020 ## $a (pbk.) 040 ## $a $c $aPN S4$bT $a791.45/75/0973$ # $aTerrace, Vincent,$d $aFifty years of television :$ba guide to series and pilots, /$cVincent Terrace # $a50 years of television 260 ## $aNew York :$bCornwall Books,$cc ## $a864 p. ;$c24 cm. 500 ## $aIncludes index. 650 #0 $aTelevision pilot programs$zUnited States$vCatalogs. 650 #0 $aTelevision serials$zUnited States$vCatalogs
MARC の問題点 タグ付き言語であるが、 IT 世界における標準 マークアップ言語が出現以前に制定。 図書館界独自仕様のフォーマットになってい る → IT 世界における汎用性がない。 開始タグはあるが終了タグがない。 ISBD と MARC の役割分担が混沌。 目録世界は、内容定義の側面と、入力や表現 書式といった側面とを区別する時代に入って いる。
書誌ユーティリティ (1)書誌ユーティリティとは 多数の参加機関が、オンライン共同分担目録 作業を行うことを目的として始まった組織。 参加館の総合目録形成が主な役割であるが、 資料収集、相互貸借、遡及変換、情報検索 サービスといった業務にも拡大していった。 1967 年設立の OCLC が、世界最古最大の組織。 日本では 1986 年に、学術情報センター(後の 国立情報学研究所)が誕生した。
(2) OCLC OCLC 1967 年設立、 1971 年オンライン共同分担目録 作業を開始。当初名称、 Ohio College Library Center → Online Computer Library Center 全世界にサービスを提供する巨大組織。 共同分担目録作業の成果としての総合目録 データベース → WorldCat WorldCat 相互貸借システム、電子ジャーナルの開発、 研究開発、等々多くの業務を行うが、情報検 索システム( FirstSearch )が各図書館でよく 使われる。
(3)国立情報学研究所( NII ) 1986 年、文部省の推進する学術情報システム を実現するために「学術情報センター ( NACSIS )」として設置、その後 2000 年に 改称。 業務内容は、研究系と事業系とに分かれる。 事業系では、目録・所在情報データベースの 形成・提供 (NACSIS-CAT/ILL) 、さまざまな データベースを提供する情報提供サービス (GeNii) 、各研究機関所蔵の情報資源電子化と 情報発信支援等、多岐にわたる。
結局のところ目録とは?(1) 記述 資料の書誌的属性を表現する。 標目 統制語による検索専用項目。 記述中の事項と標目で検索し、記述で資料の 詳細を確認する。 検索方法の種類と段階 未知項目から 主題検索 既知項目から 特定資料 ある著者の全ての著 作 関連著作
結局のところ目録とは?(2) 記述と標目だけでよいのか。 主題検索のためには、件名標目と分類だけで よいのか。 目次は? 抄録は? 主題検索の方法と表示方法は? 確率的方法、ランキング表示 その他の情報は必要ではないのか。 書評は? 表紙画像は?