第4時限 特許マップの活用 2 4-1 特許マップとは 4-2 特許マップの必要性 4-3 特許マップの作成 4-4 特許マップ活用 目次 3.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
最上 亮.  近年標的型と呼ばれるサイバー攻撃が増え、大 企業や、政府機関が情報窃取型の標的型メール 攻撃の被害を受けている。  標的型メール攻撃による個人情報漏えいは、企 業に莫大な損失を与えるとともに、信頼を失う。  現在サイバー攻撃における攻撃者、防御者の戦 略をゲーム理論的にモデル化する研究がおこな.
Advertisements

社会福祉調査論 第 8 講 統計の基本的整理 12 月7日. 【目標】 量的調査の集計方法、結果の示し方につ いて、基礎的な手法を習得する。 統計値を捉えるための諸指標を理解する。
QC七つ道具 工業高校におけるキャリア教育 高等学校(工 業) パレート図パレート図 特性要因図 ヒストグラム チェックシート 散布図 グラフ 管理図 層別特性要因図ヒストグラムチェックシート散布図グラフ管理図層別.
身の回りの IT 情報科教育法 後期 10 回 2004/12/18 太田 剛. 目次 1. 最終提出の確認 2. ルータの説明 ( 先週の続き ) 3. 身の回りの IT 1/8 の授業は情報科教員の試験対策です。
ビジネスプランセミナー 第 5 回 事業計画書の作成 時 山 山
支援 1.事業概要 商工会・商工会連合会、商工会議所等(「地域振興等機関」)と一緒になって、商品を改良・開発する 計画を策定し、実施した中小企業・小規模事業者に対して、経費の 2/3 を助成。 2.事業内容  商工会等が、支援対象事業者の補助事業計画書作成を支援  「売れる商品」づくりのため、外部専門家等を活用しながら商品企画、改良、試作品開発等を行う.
1 ニューブレクス㈱ 当社は世界唯一の超高精度誘導ブリルアン計測システムの商品化に成功した会社です。センサー部は通信用の光ファイバと同じも のをそのまま分布センサーとして利用でき、光ファイバ上に生じる変形(ひずみ)分布及び温度分布を一括測定する事ができます。 そしてこの高精度の光ファイバを用いた分布計測技術をベースに、協力会社とのコンソーシアムにて工業化に適した敷設手法の開.
FI記号活用ツール(WebFI) の紹介 (PowerPoint2000) クリックすると次を表示.
資料提出の際には本ページを削除してください。 プレゼンテーション、およびプレゼンテーション資料に関する注意点
ウェブの時空間解析技術 東京大学生産技術研究所 戦略情報融合国際研究センター 成果概要 ウェブアーカイブ ウェブ空間解析 ウェブ時系列解析
  個人投資家向け株式分析   と予測システム A1グループ  劉 チュン.
QC 7つ道具 【①グラフ:可視化】 データを集め、可視化することによって、状況が把握しやすくなる。
QC 7つ道具 【①グラフ:可視化】 データを集め、可視化することによって、状況が把握しやすくなる。
Excelによる統計分析のための ワークシート開発
1.
国際政治経済特殊研究Ⅷ  飯野光浩 プレゼン 総括.
********************技術システム実証事業
資料1-4 平成27年度 第1回技術委員会 2015年度技術委員会の目標と 検討項目(案)
 授業を設計する(その4) 情報科教育法 後期5回 2004/11/6 太田 剛.
Building Research Institute
電子行政オープンデータ推進のためのロードマップ(工程表)
リスク評価 ・管理技術開発 有害性評価手法 暴露評価手法 リスク評価手法 リスク管理手法 化学物質総合管理分野のロードマップ(1) (目標)
情366 「情報社会と情報倫理 」 (7)Patent
グループ研究1班 第一章 経営戦略とは何か 雨森 彩 大嶋 健夫 小沢 博之.
(新たなスライドを追加しないでください)
特許戦略 2002.10.18.
ベンチャーのためのアメリカ法人設立 (国境を越えたビジネス展開)
[1] 技術資料 技術名を入力 会社名を入力
市場調査のプロセス 企画段階.
資料提出の際には本ページを削除してください。 プレゼンテーション、およびプレゼンテーション資料に関する注意点
[1] 技術資料 技 術 名 ㈱OOOO
[1] 技術資料 技術(製品)名を入力 会社名を入力
安心してネット上でコンテンツを流通できる環境の形成
統計リテラシー育成のための数学の指導方法に関する実践的研究
平成30年度観光地域動向調査事業「那覇空港における二次交通利用動向調査」
第13回 QC7つ道具(データの可視化・活用) 経営情報論A
導入段階.
(様式2-1)※必須 IoT推進ラボ 第4回 IoT Lab Selection プロジェクト名 企業・チーム等の名称.
「沖縄におけるスポーツサイエンスの拠点化に向けた
思考支援ツールを用いた 情報処理技術知識の学習方式
環境リスクマネジメントに関する 検索システム
加工工程決定支援システム 電子情報通信学会 2010年総合大会 2010年3月18日 松江工業高等専門学校  情報工学科 越田 高志.
長期滞在型テレワークの誘致及び導入検討調査
資料提出の際には本ページを削除してください。 プレゼンテーション、およびプレゼンテーション資料に関する注意点
数量分析 第2回 データ解析技法とソフトウェア
『超小型高出力パルスレーザーの応用・レーザー製品化に関する募集』公募
「沖縄におけるスポーツサイエンスの拠点化に向けた
言語XBRLで記述された 財務諸表の分析支援ツールの試作
事業リスク分析をベースとした 意思決定・事業評価手法
競争の戦略 マイケル・E・ポーター 藤井 海太.
「地域経済産業活性化対策調査(沖縄市が整備するアリーナ施設を核としたまちづくり等に関する基礎調査)」
~求められる新しい経営観~ 経済学部 渡辺史門
第3分科会要旨 テーマ: 新市場創造型商品の事例研究 発表者: 古橋 雅彦
新商品・新サービスの開発支援事業 (地域力活用市場獲得等支援事業)
1業務の実施方針等に関する事項 【1.1事業実施の基本方針、業務内容等】
川崎浩司:沿岸域工学,コロナ社 第4章(pp.58-68)
資料提出の際には本ページを削除してください。 プレゼンテーション、およびプレゼンテーション資料に関する注意点
資料提出の際には本ページを削除してください。 プレゼンテーション、およびプレゼンテーション資料に関する注意点
製品またはサービスの販売 サブタイトル.
電子行政オープンデータ推進のためのロードマップの概要
平成30年度「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業(実証事業分)」沖縄における交通機関への海外決済手段の導入実証事業
(平成25年6月25日 各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)
ー提案書ー 平成30年度 インバウンドによるお土産農林水産物・食品の 効率的受取方法の構築に関する実証調査業務 (日付) (企業名)
資料3-2 平成26年度 第3回技術委員会資料 次年度テーマの検討
資料提出の際には本ページを削除してください。 プレゼンテーション、およびプレゼンテーション資料に関する注意点
(別紙1) 提案書雛型 令和元年度 沖縄型テレワーク実装推進調査 ー提案書ー                        (日付)                        (企業名)                        (連絡先等)
第2-3-1図 企業の事業展開の戦略について 戦略 説明 ① 市場浸透戦略
沖縄における希少作物の産地化及び観光資源化
代表申請社名:〇〇 実施体制:〇〇〇/〇〇〇/…
資料提出の際には本ページを削除してください。 プレゼンテーション、およびプレゼンテーション資料に関する注意点
Presentation transcript:

第4時限 特許マップの活用 2

4-1 特許マップとは 4-2 特許マップの必要性 4-3 特許マップの作成 4-4 特許マップ活用 目次 3

[ 出所 : 特許庁ホームページ 技術分野別特許マップ ( 機械 6 焼却炉技術 )] 初めての海に船を出す船乗りが正確な海図を必要とするように、経営者が新たな研究 開発投資や技術導入を行う際には、「特許マップ(あるいはパテントマップ)」とよ ばれる「特許の地図」を持っているかどうかが成功の鍵を握るものとなる。 特許マップとは 4-1 4

特許マップの必要性 4-2 しかしながら、これまでに蓄積された特許情報の量は膨大であり、そのすべてについて、そのまま利用するこ とは効率的でない。そこで、それぞれの利用目的に応じて特許情報を収集し、分析し、加工・整理することによ り、視覚的に受け入れられるものとすることが行われている。 事業の 成功 自社開発方向性を評価 する必要がある。 新規事業は市場ニーズ とマッチしているか? 競合他社はどのような 特許権を持っている か? 訴訟に巻き込まれたら どのようにするか? 5

4-1 特許マップとは 4-2 特許マップの必要性 4-3 特許マップの作成 4-4 特許マップ活用 目次 6

特許マップの作成 1.目的の明確 化 2.調査設計、 分析項目の設定 3.自身での作 成の必要性検討 4.特許情報の収集、 基礎データの作成 5.特許マッ プ・出願動向作 成 6.特許マッ プ・出願動向分 析 4- 3 7

 目的の明確化 目的の明確化 ・出願件数推移を見たい ・上位出願人を知りたい ・関連特許の変遷を知りたい ・その他 用途の明確化 ・グラフ化の必要性の有無・データで保持 報告対象者の明確化 ・研究者 / 技術者 ・経営者 ・自身 4- 3 8 特許マップの作成

代表的な特許マップの利用目的 技術開発の方向の分析 技術開発活性化状況を知りたい 節目となった重要特許を見たい 技術の広がりを知りたい 自社製品の位置づけをみたい 技術の体系を知りたい 新たな事業拡大のための 分析 新たな技術開発の方向を知りたい シーズ・ニーズを知りたい 参入の可能性を知りたい 自社技術を基に展開を図りたい 自社技術を適切な対価で提供した い 海外へ事業展開を図りたい 実施の際の要注意権利を知りたい 技術導入を図りたい 「強い知的所有権を取得するための明細書作成」 特許マップを作成する際には、これか ら作成するマップに何を求めるのかを 明確にしてから検討を始めよう。 利用目的に応じて作るべき特許マップ は異なる。 4- 3  目的の明確化 9 特許マップの作成

 調査設計、分析項目の設定 自身で作成する場合には、調査設計・検索式や分析項目を決めなければならな い。 調査設計・検索式作成 ・出願先国(どこの市場を注視したいの か) ・出願人(ライバル企業はどこか) ・対象期間(近年の動向 or 過去からの動向) ・特許分類、キーワード(関連分野を網羅 するよう設定できているか) 分析項目の設定 ・用途 / 課題 ・手法 / 方法 4- 3 10 特許マップの作成

 調査設計の設定 4- 3 対象時期 出願先国 平成 23 年度特許出願技術動向調査-水処理膜- 特許分類 ( IPC FI ) キーワー ド 11 特許マップの作成

 分析項目の設定 4-3 12 特許マップの作成

 特許情報の収集、基礎データの作成 5.特許分類検索 分類( IPC ・ FI )が分 かる場合は分類で調 べる 6.パテントマップ ガイダンス IPC や FI の内容を確認 する 11.審査書類情報照 会 特許庁から出願人に通 じした書類や出願人が 提出した書類が無料で 見られる 3.公報テキスト検 索 技術用語や出願人名 で調べる 4- 3 13 特許マップの作成

 特許情報の収集、基礎データの作成 4-3 14 特許マップの作成

 自身での作成の必要性検討 それぞれに一長一短があるので、用途に応じた選択が必要 自分で お金:ゼロもしくは小額 労力:多大 結果:ほしいもの 調査会社(委託)で ・お金:内容次第 ・労力:ゼロ 結果:ほしいもの 特許庁(特許出願技術動向調査)で お金:ゼロ 労力:ゼロ 結果:あらかじめ作成されていることから、必ずしも自分がほ しいものであるとは限らない。 4- 3 15 特許マップの作成

F. 時系列表示マップ G. 要素別表示マップ H. 技術発展・展開表示マップ I. リスト表示マップ F. 時系列表示マップ G. 要素別表示マップ H. 技術発展・展開表示マップ I. リスト表示マップ A. 件数推移マップ B. 構成比マップ C. マトリクス表示マップ D. レーダーチャート表示マップ E. 分布表示マップ A. 件数推移マップ B. 構成比マップ C. マトリクス表示マップ D. レーダーチャート表示マップ E. 分布表示マップ 形態1: 統計的に解析した特許マップ 形態2: 内容を解析した特許マップ  特許マップ・出願動向作成 特許マップは目的に応じて見せ方を工夫する必要がある。例えば、推移を見たいなら棒グラ フや折れ線グラフ、構成比を見たいなら円グラフ、2軸で見たいならバブル図などが適して いる。 4- 3 16 特許マップの作成

要素別表示マップ 座席 ( 1 4 00 件) 制動装置 ( 1700 件) 車輪 ( 1500 件) フレーム構造 ( 2300 件) 推進装置 ( 1800 件) 盗難防止装置 ( 1200 件) 全体構造技術 ( ○○ 件) 全体構造技術 ( ○○ 件) 付属品技術 ( ○○ 件) 製造技術 ( ○○ 件) 製造技術 ( ○○ 件) 細部構造技術 ( ○○ 件) 注)件数は仮である。 「要素別表示マップ」では、その製品の要素技術別の特許が表示されて、 特許の件数から、将来の動向を予測したり、開発の重点部分などを知るこ とができる。  特許マップ・出願動向作成 4- 3 17 特許マップの作成

技術発展表示マップ 特許庁ホームページより 「技術発展表示マップ」では、ある技術分野の代表的な重要特許を時系列的に系統的に並べて、 技術の発展状況を示したものである。この特許マップによって、技術開発の大きな流れを把握 し、技術開発の方向を模索することができる。  特許マップ・出願動向作成 4- 3 18 特許マップの作成

件数推移マッ プ 特許庁ホームページよ り 「件数推移マップ」では、比較すべき技術要素や方式毎に、出願年を横軸に出願件数 をプロットしたもので、棒グラフや折れ線グラフで表現される。技術開発の開始時期、 急増時期、退潮時期をとらえることができる。 4-3  特許マップ・出願動向作成 19 特許マップの作成

リスト表示マッ プ 「リスト表示マップ」の例(他社注目特許一覧表) 「リスト表示マップ」の例(注目特許審査経過 リスト) 特許庁ホー ムページより これらの表の作成作業は「パテントレビュー」と呼ばれる新製品、新技術開 発時の戦略立案時の特許の状況の整理に活用され、リストされた特許の製品 との関係について重要度を把握するために用いられる。 4-3  特許マップ・出願動向作成 20 特許マップの作成

バブルチャート 出典:平成 16 年度・特許流通支援チャート「携帯機器用電源」 13 上記のバブルチャートは、当該技術分野の出願に記載されている課題を整理 して、時系列的に並べたものであり、技術開発を企画・立案する際に、開発 テーマの選定や優先度の検討に有効なツールである。 特許庁ホームページより  特許マップ・出願動向作成 4- 3 21 特許マップの作成

出典:平成 21 年度特許出願技術動向調査-光触媒- 13  特許マップ・出願動向分析 4- 3 作成した特許マップ・ 出願動向を分析し、そ こからメッセージを読 み取ることで、事業戦 略の一つの判断材料と することができる。 出典:平成 21 年度特許出願技術動向調査-ゴルフクラブ及びゴルフボー ル- ルール改定されると特許出願を 増減させる要因になることがう かがえる。 22 特許マップの作成

4-1 特許マップとは 4-2 特許マップの必要性 4-3 特許マップの作成 4-4 特許マップ活用 目次 23

特許マップ活用 技術情報として活用される 技術動向の分析と把握を行ない その分析結果に応じて、事業戦略と特許戦略の見直しを行う 策定した戦略に基づき、自社特許網を構築 権利情報として活用される 問題特許の抽出を行い 問題特許への対策案を立案する 立案された対策を実施する 特許マップは、 自社(他社)が現在どのような特許を保有しているのか。 開発技術全体の動向を俯瞰したい。 新規研究開発に際して他社の特許を侵害するおそれはないか。 など様々な場面において、有効活用が可能である。 4- 4 24