宇宙天気予報からの期待 (独)通信総合研究所平磯太陽観測センター 秋岡 眞樹 ・宇宙天気予報の概要 ・ CRL における R&D -計測技術の研究開発(太陽観測) -データ利用技術( CUTE) ・ Solar-B への期待.

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宇宙天気予報からの期待 (独)通信総合研究所平磯太陽観測センター 秋岡 眞樹 ・宇宙天気予報の概要 ・ CRL における R&D -計測技術の研究開発(太陽観測) -データ利用技術( CUTE) ・ Solar-B への期待

このようにフレアや CME などの太陽でのじょう 乱現象により地球やその周辺において様々な じょう乱現象が発生し、人間の活動に障害をも たらすことがあります。地球環境は太陽活動と 密接に関係しているのです。 2001 年 4 月 18 日 産経新聞

BS放送の中断 2001 年 9 月 24 日の X2.6/2B フレアに伴って ACE 衛星により観測された高エネルギー 粒子 BSAT-2a 衛星の姿勢制御に不具合が生じ、 BS デジタル放送が一時中断した。 読売新聞 2001 年 9 月 26 日朝刊

Space Weather and Space Activity 測位 GPS 測位誤差 LF,VLF ビーコン伝播異常 地磁気嵐、電離圏嵐 太陽フレア 通信デリンジャー現象太陽フレア 衛星異常 SEU,SEL SAP, 光学素子の劣化 空力抵抗の増大 太陽プロトン、捕捉粒子 太陽紫外線 放射線被 爆 有人宇宙活動 航空機乗員 太陽プロトン、捕捉粒子 ISES: International Space Environment Service

Relation and sequence of space weather disturbances Active region Sunspot group Interplanetary magnetic cloud Interplanetary shock wave Solar cosmic ray (proton etc.) Large scale instability Solar flare CME Ionospheric storm Enhancement of relativistic electrons Geomagnetic storm Coronal Hole X-ray Recurrent Geomagnetic Disturbance

宇宙天気予報のための国際組織 ISES ( International Space Environment Service )と呼ばれる国際的な宇宙環 境予報のための組織に参加し、日本の宇宙環境予報センターとして、他の 国々の宇宙環境予報センターと協力して、宇宙環境を監視し、その予報を 行っています。 ISES は、国際電波科学連合( URSI )傘下の組織で、国際天 文連合( IAU )や国際測地地球物理連合( IUGG )とも連携しています。 ISES の宇 宙 環 境 予 報セ ン タ ー シドニー(豪 州) ボウルダー(米国)、 ISES 本部 オタワ(カナ ダ) 東 京東 京 北京(中 国) ニューデリー(イン ド) モスクワ(ロシ ア) ワルシャワ(ポーラ ンド) プラハ(チェコ共和国) ブリュッセル(ベルギー) ルンド(スウェーデン) ISES 本部の予報セン ター

宇宙環境情報テレホンサービス 自動音声応答装置により宇宙環境情報を提 供。インターネットでも閲覧可(3ヶ月 分) 一週間の太陽活動や地磁気活動の概況等。 大規模な現象が起きた場合は、随時速報。 メール、FAXで配信 平磯センターで運用している情報発信サーバ(1) 太陽地球環境予報

平磯センターで運用している情報発信サーバ(2) 太陽地球環境情報相互参照システム ( SERDIN / WWW) 平磯太陽画像データベース

太陽観測技術の研究と太陽プロトン監視・警報技術の研 究 高時間分解能電波計測技術 高精度偏光分光計測技術 観測データを用いたモデリング技 術 太陽フレ ア (平磯H α 望遠鏡で観測した太陽フレ ア) (平磯H α 望遠 鏡) (平磯電波望遠 鏡)

- 太陽CMEの横方向からの観測 - 太陽面先行監視と立体観測 - 太陽風先行計測 宇宙環境観測衛星システムの研究開 発 中期計画の達成目標 ・計測技術の開発と機上データ処理技術の開発。 ・ミッション概念の確立。 ・観測装置のプロトタイプの完成。 宇宙機を用いた総合的な太陽面擾乱観測と予報実験を行い、宇宙放 射線量等の増大予測を可能にするシステムを実現します

ACE 衛星による太陽風観測 IMAGE 衛星によるオーロラ撮 像 (リアルタイム受信)

<宇宙天気予報に対する最近のニーズ> 従来の短波通信、測位、衛星運用等に加えて・・・ ・衛星電波による精密測位( GPS) ・有人宇宙活動( ISS 長期滞在) ・長波標準時 < CRL における今後数年の予報、情報発信(太陽関連)> ・活動領域の危険度評価 発生実績+推移情報が基本 ・経験則によるプロトン危険度評価 ISS 運用支援を当面の課題 一定規模以上の SEP の可能性 =>なし、要注意、発生中 ・速報の立ち上げ 各種データの自動監視ー>メール、携帯電話へアラート ・ Community wide な準リアルタイム現象解析・評価 CUTE + TV 会議 ・公共機関、研究機関等へのコンテンツのリアルタイム配信 CUTE 、 WWW

ISS等のための太陽フレア/プロトン予報の 研究 ・宇宙開発事業団における有人宇宙活動に関する医学運用 「有人サポート委員会」で、日本人宇宙飛行士の被爆管理を検討中 被曝線量の管理 被曝の低減=>太陽フレア・プロトン予報 予報=予測 ではない 現況を総合的に把握し、必要な情報をわかりやすい形でいち早く抽出、通報 することでも被曝は大幅に軽減される ・宇宙飛行士の被曝=>太陽フレアによるプロトン、重粒子、中性子が重要 最大級のフレアで 40mSv (ミール評価値) <=>被曝線量(制限値) 400mSv /フライト時のマージン(米・露) 100mSv ・太陽・太陽風Gで、具体的な業務スキームも含めた太陽フレア・プロトン警報 システムの検討をグループの課題として位置づけ、宇宙開発事業団と情報交 換しつつ実施中(グループ全員で分担)。

<宇宙天気予報(業務)から Solar-B データへの期待> ・ SXT コロナホール、活動領域モニター、アーケード形成 ・ SOT Hα 、ベクトル磁場による活動領域の危険度評価 < Yohkoh と宇宙天気予報> ・日々の SXT データ コロナホールの検出 東のリムの活動領域の評価 各活動領域の活動度評価 ・ GBO メール フレア発生速報(位置等) アーケード形成 各国の予報センターでもようこうのデータは予報用として高い評価

< QL データのリアルタイム配信> 連続光、 Hα 、ベクトル磁場(フィルター) QL データ(キャリブレーションしてないデータでも可) ・ Daily QL データの配信 KSC で再生したデータの一部をリアルタイム的に配信 朝、夕各 1 セット(以上) ・ SOT データの準リアルタイム配信 間隔: 1 時間程度? 配信遅れ: 2-3 時間程度 配信に必要な計算機、ソフトウェアは CRL で用意することも可 QL データ: ISAS 内で処理・配信  CRL で QL データを受け取り、処 理・配信 CUTE コンテンツ JCE を ISAS 内もしくは CRL に設置 データ転送は SSH