可視光分光観測から見た A0535+262 の outburst の起源 広島大学宇宙科学センター 森谷 友由希 野上大作 ( 京都大学 ) 、岡崎敦男 ( 北海学園大学 ) 、今田明、 神戸栄治 ( 岡山天体物理観測所 ) 、本田敏志 ( 西はりま天文台 ) 、 橋本修 ( ぐんま天文台 ) 、市川幸平.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
高分散分光観測から探る Be/X 線連 星における Be 星ガス円盤の構造 京都大学 宇宙物理学教室 森谷友由希 共同研究者: 野上大作、岡崎敦男、今田明、神戸栄治、本田敏志、橋本 修 17 Feb 連星・変光星・低温度星研究会 於:京都産業 大学.
Advertisements

初期に複数のピークを示す古典新星 のスペクトルの変化 1 田中淳平、野上大作 ( 京都大学 ) 藤井貢 ( 藤井美星観測所 ) 、綾仁一哉 ( 美星天文台 ) 大島修 ( 水島工業高校 ) 、川端哲也 ( 名古屋大学 )
SSA22 領域の過大な Lyα 輝線の EW を示す LAEs 大塚 拓也 1 山田 亨 1 、松田 有一 2 、林野 友紀 1 1 東北大学、 2 国立天文台.
星間物理学 講義4資料: 星間ダストによる散乱・吸収と放射 1 星間ダストによる減光 ( 散乱・吸収 ) 過程、放射過程 のまとめ、およびダストに関わるいろいろ。 2011/11/09.
硬 X 線で探るブラックホールと銀河の進化 深沢泰司(広大理) 最近の観測により、ブラックホールの形成と 銀河の進化(星生成)が密接に関係することが わかってきた。 ブラックホール観測の最も効率の良い硬 X 線で 銀河の進化を探ることを考える。 宇宙を構成する基本要素である銀河が、いつ どのように形成され、進化してきたか、は、宇宙の.
2013 年度課題研究 P6 Suzaku によるガンマ線連星 LS I の観測データの解析 2014 年 02 月 24 日 種村剛.
オリオン星形成領域における 前主系列星の X 線放射の 長期的時間変動 京大理 ○ 兵藤 義明 中嶋 大 高木 慎一郎 小山 勝二 /23 天文学会 秋季年会 P39a もくじ  星の長期的変動  今回行った解析  まとめ.
YohkohからSolar-Bに向けての粒子加速
かなた望遠鏡による NGC2264の可視赤外同時観測
星形成領域NGC2264における AA Tau 型星の可視赤外同時観測
高感度 VLBI 時代の QSO ターゲットを考えた
共生型新星 PU Vul の 複合的な光度曲線モデル
6.解析結果3:energy spectrum 1.Introduction
“Classical Be Stars” J. M. Porter & T. Rivinius, PASP, 2003, 115, 1153
第9回 星間物質その2(星間塵) 東京大学教養学部前期課程 2012年冬学期 宇宙科学II 松原英雄(JAXA宇宙研)
弱磁場中性子星(低質量X線連星系)における
2001年4月10日のフレアにおける、 磁気ヘリシティ入射率の研究
フレア星EV Lacの 超低分散高速分光観測
JAXA宇宙科学研究所 海老沢 研、辻本 匡宏 西はりま天文台 森鼻 久美子
AOによる 重力レンズクェーサー吸収線系の観測 濱野 哲史(東京大学) 共同研究者 小林尚人(東大)、近藤荘平(京産大)、他
ガンマ線連星LS 5039におけるTeVガンマ線放射とCTA
「Constraining the neutron star equation of state using XMM-Newton」
輻射優勢円盤のMHD数値実験 千葉大学宇宙物理学研究室 M2 松尾 圭 Thu.
近接連星 V4046 Sgr のホットスポットモデル ガスはどこから降着するのか 花輪 知幸 (千葉大学)
突発現象のToO観測 野上大作 (京大 花山天文台) 2011/09/07(Wed)
トランジット法による低温度星まわりの地球型惑星探索と大気調査
S3: 恒星とブラックホール (上田、野上、加藤)
宇宙物理II(9) Planetary Formation
S3: 恒星とブラックホール (上田、野上、加藤)
銀河物理学特論 I: 講義1-1:近傍宇宙の銀河の 統計的性質 Kauffmann et al
太陽を見る 可視光 X線(ようこう衛星) 太陽フレア.
B型星の非動径振動 増田盛治 (国立天文台岡山) B型脈動星について HIDESによるSPBsの観測.
SAX J1748.2−2808 からの 3 つの鉄輝線と593 秒周期の発見
土野恭輔 08s1-024 明星大学理工学部物理学科天文学研究室
銀河風による矮小銀河からの質量流出とダークマターハロー中心質量密度分布
かなた望遠鏡/TRISPECによる変動天体観測
かなた望遠鏡を用いたブレーザーの 可視偏光変動の研究
COSMOSプロジェクト: z ~ 1.2 における星生成の環境依存性 急激な変化が起こっていると考えられる z ~1 に着目し、
銀河・銀河系天文学 星間物理学 鹿児島大学宇宙コース 祖父江義明 .
S3: 恒星とブラックホール (上田、野上、加藤)
磁気回転不安定性によるブラックホール降着流の角運動量輸送機構の 解明
ANIRによるM型星まわりの トランジット地球型惑星の観測 国立天文台 成田憲保.
星間物理学 講義1: 銀河系の星間空間の世界 太陽系近傍から銀河系全体への概観 星間空間の構成要素
COSMOS天域における ライマンブレーク銀河の形態
東邦大学理学部物理学科 宇宙・素粒子教室 上村 洸太
松原英雄、中川貴雄(ISAS/JAXA)、山田 亨、今西昌俊、児玉忠恭、中西康一郎(国立天文台) 他SPICAサイエンスワーキンググループ
パルサーって何? 2019/4/10.
ガンマ線連星 LS I 放射モデル 2009/12/14 永江 修(広島大学).
星間物理学 講義4資料: 星間ダストによる散乱・吸収と放射 2 銀河スケールのダスト、ダストの温度、PAH ほか
「すざく」であばく超光度X線源 (P4-7) rikne
セイファート銀河中心核におけるAGNとスターバーストの結び付き
大学間連携第1回キャンペーン観測: δ Sct型脈動星IP Virの連続観測
下降流(Downflow)の観測と磁気リコネクション
超高光度赤外線銀河(ULIRGs)中に埋もれたAGNの探査
星間物理学 講義1の図など資料: 空間スケールを把握する。 太陽系近傍から 銀河系全体への概観、 観測事実に基づいて太陽系の周りの様子、銀河系全体の様子を概観する。それぞれの観測事実についての理解はこれ以降の講義で深める。 2010/10/05.
COE外国出張報告会 C0167 宇宙物理学教室 D2 木内 学 ascps
3.8m新技術望遠鏡を用いた 超新星爆発の観測提案 -1-2mクラス望遠鏡による成果を受けて-
スターバースト銀河NGC253の 電波スーパーバブルとX線放射の関係
大規模シミュレーションで見る宇宙初期から現在に至る星形成史の変遷
10/19 GMCゼミ.
すばる/HDSによる系外惑星HD209458bの精密分光観測
COSMOS天域における赤方偏移0.24のHα輝線銀河の性質
矮新星の早期スーパーハンプを用いた 降着円盤の再構成
形成期の楕円銀河 (サブミリ銀河) Arp220.
OAO/MITSuME photometry of SU UMa
Z=0.24 の Hα輝線天体でみるSFR(UV), SFR(Hα), SFR(MIR) 相互の関係
教育学部 自然環境教育課程 天文ゼミ 菊池かおり
HT Casの測光観測と モデルによる物理量の推定2
すざく衛星によるSgr B2 分子雲からのX線放射の 時間変動の観測
どんな天体がX線を出すか? MAXIのデータを1年半に わたり集積した全天X線画像
Presentation transcript:

可視光分光観測から見た A の outburst の起源 広島大学宇宙科学センター 森谷 友由希 野上大作 ( 京都大学 ) 、岡崎敦男 ( 北海学園大学 ) 、今田明、 神戸栄治 ( 岡山天体物理観測所 ) 、本田敏志 ( 西はりま天文台 ) 、 橋本修 ( ぐんま天文台 ) 、市川幸平 ( 京都大学 )

Introduction: Be/X 線連星 Be/X 線連星: Be 星 + コンパクト天体 ( 中性子星 ) Be/X 線連星系での X 線輻射 : Be 星ガス円盤から中性子星への質量輸送 離心率が小さくない (e > 0.3) 連星相互作用 ( 質量輸送など ) に軌道位相依存性 → Transient Be 星 ・光球 ( 吸収線 ) + Be disk( 輝線 ) (Porter & Rivinius 2003 PASP, 115, 1153) edge-on pole-on 2/11

Introduction: Outburst 時の観測 X 線 … 中性子星側 Outburst 時に QPOs (Quasi Periodic Oscillations) 中性子星の spin-up → 降着円盤の存在 3/11 4U の spin 周波数の変遷 (Fermi web page よ り ) 並びに光度曲線から求めた QPO(2mHz) (Heindl , ApJ, 521, L49) [Hz] mHz Harmonics of spin period Power スピン周波数 光度曲線

Introduction: Outburst 時の観測 可視~近赤外 …Be 星側 Giant outburst 前後に輝線 が強くなる → Be 星ガス円盤が成長 Profile の変化 → outburst 前後で円盤面の 角度が変わる or 歪んだこと を示唆 ※詳しい質量輸送機構に ついては未解明 3/11 4U の Hα 輝線の変遷 (1995 ~ 2005) Reig + (2007) A&A 462, 1081

Introduction: Be disk と X 線活動性の関係 Be/X 線連星における質量輸送 Be disk から中性子星へ → つまり Be 星ガス円盤は mass donor! Outburst 中の Be 星の観測は不足 特に giant outburst… めったに起きない為 Be 星ガス円盤の様子を詳しく調べる → 質量輸送機構の詳細な解明へ Outburst を起こす時と起こさない時の Be 星ガス円盤の違いは? Normal と giant の違いは? Be/X 線連星における Be 星 disk の様子をモニター観測 特に、 outburst 前後の Be 星ガス円盤を調べる 4/11

Target: A /V725 Tau A /V725 Tau O9.7IIIe + NS (Giangrande+ 1980, A&AS, 40, 289) NS : 103-s pulsar (Coe+ 1975, Nature 256, 630) O9.7IIIe: m V ~ 8.9 mag (Giangrande+ 1980, A&AS, 40, 289) P orb ~ 110 days e ~ 0.47 (Finger+ 1994, AIPC, 308, 459) 5/11 A の模式図 中性子星の軌道 L1 近星点での Roche lobe 半径 (5.6R * ) 光球

観測について 観測時期: ~ ( 継続中 ) いくつかの近星点では集中的にモニター OAO 188cm/HIDES 波長域 3500 – 6800 Å 波長分解能 GAO 1.5m/GAOES 波長域 4800 – 6700 Å 波長分解能 6/11 188cm

Be disk の大きさと X 線活動 大まかには … Be disk 強い …X 線活発 7/11 波長 連続光 Be disk が発達 内側まで disk が存在

Be disk の変遷 静穏期 準 Kepler 回転円盤 X 線活動期前 Be disk の内側が薄くなっている (cf: Yan et al V 等級と Hα 輝線等価幅に反相関 ) 8/11 Be disk が発達 内側まで disk が存在

Be disk の変遷 X 線活動期 Kepler 円盤とは外れた構造 Be disk が warp している 8/11 Be disk が発達 内側まで disk が存在

Be disk の変遷 静穏期 準 Kepler 回転円盤 ( 非対称、青側と赤側の相対的な強さは変わっている ) 8/11 Be disk が発達 内側まで disk が存在

X 線活動期: Warped Be disk 2009 年の giant outburst 前 Be disk: 準 Kepler 円盤と大きく 異なる構造 (warped Be disk) 1. Enhanced component 時々 triple peak を持つ 赤い方だけ非常に卓越 9/11 Continuum-normalized flux - 400 [km/s] 400 φ X =0.072

X 線活動期: Warped Be disk 2009 年の giant outburst 前 Be disk: 準 Kepler 円盤と大きく 異なる構造 (warped Be disk) 1. Enhanced component 時々 triple peak を持つ 赤い方だけ非常に卓越 2. Be 星ガス円盤が Roche 半径より大きい (Hα 線の等価幅 - 半径の関係: (Grundstrom+2007 ApJ, 660, 1398) ) 質量輸送、中性子星の存在で実際には大きくなれない 半径方向ではなく鉛直方向にも成長 Be disk の内側が薄くなっていた … Be disk が warp 、歳差運動しやすい 9/11 GG EW(Hα)

X 線活動期: Warped Be disk 2009 年の giant outburst 前 Be disk: 準 Kepler 円盤と大きく 異なる構造 (warped Be disk) 1. Enhanced component 時々 triple peak を持つ 赤い方だけ卓越 2. Be 星ガス円盤が Roche 半径より大きい (Hα 線の等価幅 - 半径の関係: (Grundstrom+2007 ApJ, 660, 1398) ) 質量輸送、中性子星の存在で実際には大きくなれない 半径方向ではなく鉛直方向にも成長 Be disk の内側が薄くなっていた … Be disk が warp 、歳差運動しやすい 9/11 GG EW(Hα)

Warped 成分の推定位置 Enhanced 成分の視線速度から位置を推定 Giant outburst 時に warped 成分が近星点付近に存在 10/11 Outburst は warped disk からの質量輸送 歳差運動で近星点付近へ disk が延びているときにおきる

まとめ・今後の展望 Be/X 線連星における Be disk と X 線活動の関係 大まかなシナリオとしては … Be disk が発達 …X 線で活発 Precessing warped Be disk ← Be disk の内側が薄くなった為、 warp 、歳差運動しやすく なった Outbursts … warped Be disk からの質量輸送 今後は … Warp の起源 放射圧、潮汐力 … (Caproni et al., 2006, ApJ, 653,112) 11/11

17