生物学入門 目標 1. 自分の力で調べ考える姿勢を身につけ、同時 に、これを通じて論理的思考力を養成する。 2. 細胞、つまり『生命の基本単位』の構造と機 能を理解し、生物学全般を細胞レベルで理解する 視点を養う。 3. 生物の共通性と多様性を理解する。 科目前半は筆記試験、後半はノート提出(後半の内容のみ.

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1 先修科目 42 化学Ⅱ 高校で化学Ⅰ、Ⅱを履修した人が対象。 指定学科は医学部医学科。 定員 100 名を越えた場合は、指定学科 以外の学生は登録できない。 例外は 4 年次学生。 化学Ⅱは、月曜日の 2 限目、木曜日の 4 限目にも開講している。
◎ 本章  化学ポテンシャルという概念の導入   ・部分モル量という種類の性質の一つ   ・混合物の物性を記述するために,化学ポテンシャルがどのように使われるか   基本原理        平衡では,ある化学種の化学ポテンシャルはどの相でも同じ ◎ 化学  互いに反応できるものも含めて,混合物を扱う.
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◎ 本章  化学ポテンシャルという概念の導入   ・部分モル量という種類の性質の一つ   ・混合物の物性を記述するために,化学ポテンシャルがどのように使われるか   基本原理        平衡では,ある化学種の化学ポテンシャルはどの相でも同じ ◎ 化学  互いに反応できるものも含めて,混合物を扱う.
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生物学入門 目標 1. 自分の力で調べ考える姿勢を身につけ、同時 に、これを通じて論理的思考力を養成する。 2. 細胞、つまり『生命の基本単位』の構造と機 能を理解し、生物学全般を細胞レベルで理解する 視点を養う。 3. 生物の共通性と多様性を理解する。 科目前半は筆記試験、後半はノート提出(後半の内容のみ ) により採点する。

前半のテーマ(後藤担当分) 1. 生命界 エネルギー流概観 2. 水と生体分子 3. 細胞 生命の基本単位 4. 第二法則と酵素 5. 蛋白質と生体膜(1) 6. 蛋白質と生体膜(2) 7. 定期試験(6月7日)

主な参考書として エッセンシャル細胞生物学 ( 南江堂、 8600 円 ) を使う。 ①高価なこと、本科目が必須科目であることを考慮し、教科書と しては指定しない ②ただし、二年次の科目『細胞生物学』では教科書指定する ③全 18 章のうち、第 1 ~ 5 章、第 11 ~ 13 章の内容 (8 章分 ) をカ バーする予定。ただし、取扱いの『濃淡』は章毎に異なるし、本 書に 100 %準拠するわけではない(準拠率 50 %程度か ) 。 ④本書から図を引用する場合には『 ECB より』と記載する。 ECB : Essential Cell Biology ( 本書の英語版の略) ⑤東京医科歯科大の和田勝教授は本書に依拠した生物学講義内容 を ⇒ htm のサイトで公開している。本書の図版も多く引用されてい る。大いに参考にして欲しい。 htm ⑥福岡大学の機能生物化学研究室では生化学に関する膨大な講義 資料を公開しており、大変参考になる⇒

推奨 Web( 日本語 ) ①東京医歯大 和田勝教授の細胞生物学 ⇒ htm htm ②福岡大 機能生物化学研究室 『生化学の基礎』『代謝マッ プ』『核酸の化学』 ⇒ 推奨 Web( 英語 ) ① Dr. M. Farabee (Estrella Mountain Community College ) Online Biology Book ⇒ OBK/ OBK/ BioBookTOC.html

1. 生命界 エネルギー概観 2. 水と生体分子 3. 細胞 生命の基本単位 4. 第二法則と酵素 5. 蛋白質と生体膜(1) 6. 蛋白質と生体膜(2) 7. 定期試験( 6 月 7 日) ・生命界のエネルギー的基礎:太陽と光合成 ・生態系=食物網からなるエネルギー変換系(動的秩序) ・生物学における物理・化学・数学の一部入門 ・対数の計算ができるか ・モル濃度の計算ができるか ・光の波長とエネルギーの関係を理解する ・光を吸収するとは、どういうことか

Ⅰ 生物学における物理・化学的諸量 Ⅱ エネルギー代謝の初歩 ( 生命と生態系 ) Ⅲ 地球生態系 生産力の海陸比較 生命界 エネルギー流概観

生物学における物理・化学的諸量(1) アヴォガドロ数とモル量 ①水1L(㍑)= 10 - 3 m 3 に含まれる水分子の数は? 水 1 Lは 1000 g 水 1mol (モル) ⇒ 6.02×10 23 (アヴォガドロ数)個の水分子 ⇒ 18g の水 (1 mol の炭素原子= 12g ) C =12、 H 2 O=18 ∴水 1L = 1000/18mol = 56mol = 3.3×10 25 分子

生物学における物理・化学的諸量( 2 ) モル濃度 M ( mol/L; molar; モル溶液) ①細胞体積を 2pL 、水分含量を 70 %とする。 細胞内 Ca 2+ 濃度は 200 n M 、 K + 濃度は 300mM 、 各々のイオンの個数を求めよ。 Ca 2+ (200x10 -9 mol/L)x(2x x0.7L)x(6x10 23 ) =2x10 5 K + (2x10 5 )x(300/200)x(10 -3 / )=3x10 11 なお、水 1L = 56mol = 3.3×10 25 分子 上記細胞における水分子 =( 1.4x ) x (3.3x10 25 )=5x10 13 m (ミリ) 、 μ (マイクロ) 、 n (ナノ) 、 p (ピコ) 、 f (フェムト)

生物学における物理・化学的諸量(3) モル濃度 M ( mol/L; molar; モル溶 液) ②バクテリアの細胞体積は、動物細胞のほぼ千分の 一である。他の条件は同じとして、 Ca 2+ と K + の細 胞内における個数を求めよ。 動物細胞の Ca 2+ は 2x10 5 個であるから、 Ca 2+ 2x10 5 x10 -3 =200 動物細胞の K + は 3x10 11 個であるから、 K + 3x10 11 x10 -3 =3x10 8 m (ミリ) 、 μ (マイクロ) 、 n (ナノ) 、 p (ピコ) 、 f (フェムト)

補足 細胞の大きさと数 1 ml ( 1cm 四方;角砂糖の大きさ)の容器の中に隙 間なく細胞を詰め込むことができたとすると、動物 細胞やバクテリアの細胞は各々何個詰め込まれるか。 各々の体積を 2pl 、 2fl とする。 動物細胞 1x10 -3 /(2x )=5x10 8 バクテリア 5x10 8 x10 3 =5x10 11 m (ミリ) 、 μ (マイクロ) 、 n (ナノ) 、 p (ピコ) 、 f (フェムト)

生物学における物理・化学的諸量(4) 光の速さ 3.0×10 5 km/s 『光』は東京⇔静岡を 1ms (㍉秒)で往復、 1 秒間に千回往復

生物学における物理・化学的諸量(5) 光速(c =3.0×10 8 m/s ) = 波長( ) × 振動数( ) 波長( ) 一振動で進む距離(山と山の間の距離) 振動数( ) 一秒間に振動する回数(ヘルツ、 Hz ) 波の速さ( c )一秒間に進む距離 周期(  ) 一振動する時間  =1 電波( =1m ~ 100km ) VHF 30MHz ~ 300MHz 3×10 8 =  (30 ~ 300)×10 6 =10 ~ 1m マイクロ波( =1mm ~ 1m) 電子レンジ( microwave oven) =12.2cm 3×10 8 =12.2×10 -2 ×  2.45×10 9 Hz=2.45GHz K (キロ) 10 3 、 M (メガ) 10 6 、 G (ギガ) 10 9 、 T (テラ) 、 P (ペタ) 10 15

生物学における物理・化学的諸量(6) 波長 (nm) の光子 1 モルのエネルギー 波長が短いほど(振動数が大きいほど)大きなエネルギー 可視光線( 400 ~ 700nm ) 400nm (紫)~ 700nm (赤) 1cal=4.24J (ジュール) 1W (㍗) = 1J/s 10Å( オングストローム) = 1nm 400nm (紫)の 1 モル =73kcal 700nm (赤)の 1 モル =41kcal

基底状態 励起状態 物質が光を吸収するとは、物質が励起されることである 光の吸収 れいき エネルギー準位が低い状態 反応性が低い状態 エネルギー準位が高い状態 反応性が高い状態

生物学における物理・化学的諸量(7) 254nm (UV) の 1 モル = 114kcal 400nm (紫)の 1 モル = 73kcal 700nm (赤)の 1 モル = 41kcal 分子 1 モルの熱運動 = 約1 kcal ECB より

Chl 水の吸収スペクトル 両軸とも対数目盛であることに注意(両対数グラフという) log0.01=-2, log0.1=-1, log1=0, log10=1, log100=2, log10 3 =3, log10 4 =4 基本演算⇒ log(a×b) = log a + log b pH=-log(H + ); 中性では H + =10 -7 M だから pH=7 対数演算は高校数学の常識であり、かつ生物学の理解には必須である。 ATP

Pigment Chl aChl bBChl aBChl bBChl cBChl dBChl e blackredmagentaorangecyanbluegreen max (nm) 430, , , , , , , 654 クロロフィル ( 葉緑素 ) の吸収スペクトル 紫外光 近赤外光 Adapted from the web at

Ⅰ 生物学における物理・化学的諸量 Ⅱ エネルギー代謝の初歩 ( 生命と生態系 ) Ⅲ 地球生態系生産力の海陸比較 生命界 エネルギー流概観

大日本図書『生物Ⅰ B 』より 二つの栄養形態

大日本図書『生物Ⅰ B 』より 食物連鎖 生産者⇒一次消費者⇒二次消費者⇒ ↓ ↓ ↓ 分解者(還元者) 食物網 food web は食物連鎖 food chain のネット ワーク

啓林館『生物Ⅰ B 』より 生態系:食物網によってエネルギー変換と物質循環を行う物質系

大日本図書『生物Ⅰ B 』より 光合成生物も呼吸する: 見かけの光合成=真の光合成-呼吸

生命のエネルギーは太陽光から

光合成:光エネルギーを生物エネルギー(糖)へ 呼吸 :糖をATP(生体のエネルギー通貨)へ 酸素は光合成の副産物 光合成には酸素を発生しないタイプもあるが、 特に断らない限り、酸素発生型光合成のことを光合成と呼ぶ ECB より

光合成が停止すれば、動物は呼吸もできない もちろん、 食物(呼吸基 質 ) もない ECB より

補足:ATPの化学構造 0.73nm ×0. 94nm × 1.84nm ECB より

ATP+H 2 O⇔ADP+P i +エネルギー 補足:生体エネルギー通貨としてのATP ECB より

Ⅰ 生物学における物理・化学的諸量 Ⅱ エネルギー代謝の初歩 ( 生命と生態系 ) Ⅲ 地球生態系生産力の海陸比較 生命界 エネルギー流概観

啓林館『生物Ⅰ B 』より 純生産量=総生産量-呼吸量 『~量』とあるが、すべて『速度』

啓林館『生物Ⅰ B 』より 10 9 ×10 6 g= g=1Pg 現存量 biomass 地球生態系 生産力の海陸比較 古いデータ

Adapted from the images presented in SeaDASthe images presented in SeaDAS

Made from the images presented in SeaDASthe images presented in SeaDAS

Global annual NPP (grams of C/m 2 /yr), calculated from the integrated CASA-VGPM model. Input data for ocean color from the CZCS sensor are averages from 1978 to The land vegetation index from the AVHRR sensors is the average from 1982 to Global NPP is Pg of C year 1 (104.9 × g of C year 1 ), with 46.2% contributed by the oceans and 53.8% contributed by the land. Adapted from Field et al. Science 281: (1998)Field et al. Science 281: (1998)

地球生態系 生産力の海陸比較

Latitudinal distribution of the global NPP. (A)The global total (land plus ocean) NPP (solid line), land total NPP (dotted line), and ocean total NPP (dashed line). (B) Land NPP: April to June (solid line), July to September (dotted line), October to December (short dashed line), and January to March (long dashed line). (C) Ocean NPP: The four seasonal periods are as in (B).

まとめ(1) Ⅰ 生物学における物理・化学的諸量 光の吸収と分子のエネルギー Ⅱ エネルギー代謝の初歩 ( 生命と生態系 ) 光合成と呼吸の関係 光合成:エネルギー変換と酸素発生 Ⅲ 地球生態系 生産力の海陸比較 海と陸とでほぼ互角 海の生産者の現存量は地球の約3% 生命界 エネルギー流概観

・生命界のエネルギー的基礎:太陽と光合成 ・生態系=食物網からなるエネルギー変換系(動的秩序) ・生物学における物理・化学・数学の一部入門 ・対数の計算ができるか ・モル濃度の計算ができるか ・光の波長とエネルギーの関係を理解する ・光を吸収するとは、どういうことか 生命界 エネルギー流概観 まとめ(2)