戦後の日米経済 戦後の混乱から高度成長へ 日米経済摩擦 グローバリゼーション下の日本経 済. 戦後の日本経済の流れ 1945 50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 00 国内面 国際面 高度 成長期 ブレトンウッズ体制 変動相場制.

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1 公債政策の推移② -バブル経済崩壊後から現在まで-. 2 ( 第 18 講の再説 ) 公債政策の推移 … 資料 18-2 ,資料 18-3 ,資料 18-4  1947 年の財政法制定 =国債の発行に厳しい制約  財政法制定~ 1965 年度当初予算 ⇒国債発行禁止規定 ( 財政法第 4 条.
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ファイナンス第四回レポート 寺田俊一. 日本の金融に関する経時的な理解 制度・法律 数量的側面 1944 年 ブレトンウッズ体制 アメリカのみが金本位制度の維持 金1オンス= 35 ドルの固定相場制 基軸通貨ドル確立.
バブル経済とその崩壊 石田 圭佑. バブル経済のメカニズム 土地や住宅、株式など、定価が定まっていない時価資産は、 取引のたびに刻々と約定価格を変化させる。時価会計におい ては、時価資産の資産価値は直近の約定価格に時価資産総量 をかけ合わせたものであり、市場における取引価格の変化が 会計上、社会全体の時価資産総額を大きく変動させる。
マクロ金融論 ポートフォリオ・アプローチ. マクロ金融論 ポートフォリオ・アプローチの 特徴 内外資産が不完全代替( ← 為替リス ク) 分散投資(ポートフォリオ)によって リスクを軽減可能。 経常収支黒字累積 → 外国資産流入 → 国 際ポートフォリオ → 為替相場.
経常収支とは?  一国の国際収支を評価する基準の一つ。  この 4 つのうち、 1 つが赤字であっても他で賄え ていれば経常収支は黒字となる。 貿易収支 モノの輸出入の 差 所得収支 海外投資の収益 サービス収支 サービス取引額 経常移転収支 対価を伴わない 他国への援助額 これらを合わせたものが経常収支.
1 (第 14 週) 第5章 間接金融の仕組 み § 1 銀行の金融仲介機能 ( p.91 ~ 98 ) ① 仲介機能 ② 情報生産機能 ③ 資産転換(変換)機能 ④ 銀行貸付けにおける担保の役割 § 2 貸付債権の証券化とサブプライム問題 ( p.99 ~ 104 ) § 3 銀行以外の金融仲介機関.
QE 出口戦略 利上げ先行型. 前提 主張 1 超過準備対策として利上げは有効である 主張 主張 1 超過準備対策として利上げは有効である 主張 2 保有資産の売却は経済に悪影響を与える 主張 3 利上げは経済の安定に寄与する 以上三点により、 QE 出口戦略利上げ先行 型を主張します.
08BC172K 村杉 なつみ. 銀行への公的資本注入額 預金保険機構が主たる担い手と なって公的資金が注入された。 公的資金の使用途 ①破綻した金融機関 18兆6162億円 ②金融機関からの資産の 買取 9兆6483億円 ③破綻前金融機関への 資本注入 12兆3869億円 ④その他 6兆1539億円.
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第1章 金融の基本的要素 Q.4~Q /5/6 棚倉 彩香.
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Ooshiro・Sanada・Nishimura・ Miyamoto・Wakabayashi
21世紀のアメリカ経済 藤女子大学人間生活学部 内田 博
Ishige.H Matsumoto.D Shimane.K Shi.T Matsudaira.K
現代の金融入門 第6章 3.証券化の光と影 2010年5月21日 08BC101 Z 高橋幸弓.
15 パクス・アメリカーナの時代 1 アメリカの戦後構想とIMF体制 2 IMF体制の成立と発展,ドル危機 3 固定相場制の崩壊と変動相場制
1. Departamento de Consultoria e Assessoria
二、高度経済成長期 神武景気 年代後半の民間設備投資 岩戸景気 2 2 国民所得倍増計画 オリンピック景気 いざなぎ 景気.
中国バブルの          真実.
第16章 総需要に対する 金融・財政政策の影響 1.総需要曲線は三つの理由によって右下がりである 資産効果 利子率効果 為替相場効果
藤女子大学人間生活学部 内田博 現代資本主義分析
マネーサプライを増やせ! 岩田・伊藤・浜田・若田部・勝間
第3章 実態経済に大きな影響を及ぼす金融面の動向
グローバル・インバランスと世界金融危機の中の国際通貨問題
金融市場ミクロ班.
マネーサプライを増やせ! 岩田・伊藤・浜田・若田部・勝間
量的質的金融緩和は 日本にとってプラスか? 否定派.
ECの成立へ マーストリヒト条約の成立 通貨統合
第2章 バブル崩壊後における経済の長期停滞の原因をどうみるか
戦時中の高度成長期 高度成長期にはいくつかの制度がある。 一つ目は金融機関の専門化戦中に金融機 関が均質化したのとは著しくことなり、 高度成長期の金融制度は各金融機関ごと の分業主義に沿って組織化された。
『手に取るように金融がわかる本』 p.202~p.223 part1~5
0-1 国際金融とは? ①Not金融スペシャリスト・銀行勤務者,
東北地方の 二重ローン問題         10bd020p 小瀬村 愛子.
消費者金融は日本で成立するか? ――肯定派――
日本のバブルと米国の サブプライムバブルとの比較
世界金融危機と国際通貨体制 一橋大学商学部 小川英治 マクロ金融論2016.
日本における ベイルイン導入の是非 〜否定派〜
第8章 国際収支と国際投資ポジション 対外経済関係の鳥瞰図.
スペイン財政支援の是非 <否定派> 田中・棚倉・川村・石塚.
第7章 どのように為替レートを 安定化させるのか
世界景気動向に注目 ~金融危機から世界同時不況へ~ 班員 新井 翔平 石川 雅祥 江淵 達郎 岡 雄介 南里 留実.
バブルについて  .
バブル経済 2312247広谷穂高.
金融の基本Q&A50 Q41~Q43 11ba113x 藤山 遥香.
ギリシャはユーロを離脱するべきか ~肯定派~
三、安定成長期(1973年~1986年) 1 高度成長の挫折 2 産業構造の変化 3 円高と貿易摩擦 4 逆輸入と内需拡大.
4 国際通貨 1 国際通貨の基礎理論 2 国際通貨の機能と選択 3 管理通貨制度下の国際通貨 国際金融2002(毛利良一)
金融の基本Q&A -Q21~Q24-  小瀬村愛子.
手に取るように金融がわかる本 PART6 6-11 09bd139N 小川雄大.
マクロ経済学 II 第5章 久松佳彰.
~「日本の奇跡」の背景を知ろう~ (3時間) 1 戦争直後の日本経済 2 高度経済成長 (本時) 3 高度経済成長のその背景
マクロ経済学初級I 第4回.
最近の中国と通貨に関する動向 08ba231c 松江沙織.
世界金融危機とアジアの通貨・金融協力 日本国際経済学会関東支部研究会2010年1月9日.
バブルの発生と崩壊 2年9組495番 2309495       矢吹太一郎.
バブルの発生と崩壊 4年9組495番 2309495       矢吹太一郎.
デフレ・スパイラル 2009年以降の事例から 長谷川 正
サブプライム問題と 世界の金融危機 演習1 水津 安井 小川.
金融政策と貸出金利 講義⑮ 目次 設備投資の変化要因 「市場金利」って何?!?! 借入金利とリスクプレミアム 市場金利と短期金利
日本の経常収支黒字  → 外国に失業輸出? 高齢化の進展 → 日本の国内貯蓄超過の減少         → 日本の経常収支黒字は減少へ.
元高の原因を追求    九州産業大学 金崎ゼミ 張 雷 徐 雲飛 .
バブルの発生と崩壊 2年9組495番 2309495       矢吹太一郎.
岩本 康志 2013年5月25日 日本金融学会 中央銀行パネル
制度経済学Ⅰ⑥ Q1 FX取引とはなにか? Q2 FX取引の背景? Q3 どう改善? 2008.10.7.放映.
2004年度入門経済学1A 担当教員:奥井克美.
バブル経済 2312247広谷穂高.
2009年7月 為替相場講演会資料 株式会社三菱東京UFJ銀行/東アジア金融市場部
80年代のアメリカ経済 現代資本主義分析.
Presentation transcript:

戦後の日米経済 戦後の混乱から高度成長へ 日米経済摩擦 グローバリゼーション下の日本経 済

戦後の日本経済の流れ 国内面 国際面 高度 成長期 ブレトンウッズ体制 変動相場制

戦後の混乱期( 1940 年代後 半) ヤミの横行 – 敗戦と政府の統制力の低下 – 公定価格とヤミ価格 新円切り替え( ) 傾斜生産方式( ~) – 経済安定本部設置( ) 新物価体系( )

ヤミ価格の実態 品目基準価格ヤミ価格倍率 白 米一升 53銭 70円132倍 さつまいも一貫目 1円20銭 50円 42倍 み そ一貫目 1円32銭 60円 45倍 しょうゆ二リットル 2円 40円 20倍 塩一貫目 2円 40円 20倍 砂糖一貫目 3円79銭1000円264倍 鶏卵百匁 1円82銭 21円 12倍 牛肉百匁 3円 22円 7倍 冬オーバー一着18円 160円 9倍 昭和20年10月 警視庁経済第3課調べ

戦後の復興期( 1950 年代前 半) ドッジ・ライン( 1949 ~ 1950 ) – ドッジ来日( ) – 超均衡予算 昭和 24 年度予算、 1,567 億円の黒字を計上 – 為替レートの決定 1ドル= 360 円 朝鮮戦争と景気の回復( 1950 ~ 1953 ) – アメリカの対日政策の変化

戦前水準の回復 消費の回復( ~ ) 国際収支の天井 – ストップ・アンド・ゴー政策の始まり ( ) 神武景気( ~ ) – 三種の神器 白黒テレビ、電気洗濯機、電気冷蔵庫 「もはや戦後ではない」 –1956 年(昭和 31 年)『経済白書』

高度成長期( 1955 ~ 1970 年) 所得倍増計画( ) 岩戸景気( ~ ) 国際社会への復帰 – IMF8条国、GATT 11 条国へ ( ) IMF加盟、 1953 年、ガット加盟、 1955 年 – OECD正式加盟 – 東海道新幹線、東京オリンピック ( ) いざなぎ景気( ~ )

転換期( 1970 年代前半) ニクソン・ショック( ) – 金の兌換性停止 スミソニアン合意( ) – 通貨の多角的調整 変動相場制へ( ) 石油ショック – 第 4 次中東戦争勃発( )

サラ金財政期( 1970 年代後 半) 財政赤字との格闘 – 税収の落ち込み – 景気刺激策の必要 社会保障関係経費の増大 資金の流通構造の変化 – 赤字部門、企業から国家へ 特例法( 1975 )による国債の急増

公債発行額と公債依存度

ドルの独歩高( 1980 年代前 半) レーガノミックス – 規制緩和と減税による経済活性化 – マネタリズム 双子の赤字 – 財政赤字と高金利 – 空洞化と国際収支赤字 プラザ合意( )

レーガンの診断 アメリカの弱体化の原因アメリカの弱体化の原因改善策改善策 高福祉・高負担による 貯蓄と投資の不足 高福祉・高負担による 貯蓄と投資の不足 減税と 政府支出の削減 減税と 政府支出の削減 規制による企業家精神の衰退 規制緩和 「大きな政府」「小さな政府」

レーガノミックス サプライサイド・エコノミックス – 「大きな政府」から「小さな政府」へ 規制緩和 高福祉・高負担からの脱却 マネタリズム – マネー・サプライ重視の金融政策

財政赤字の発生

高金利とドル高 財政赤字 マネタリズム + ↓ 高金利 ↓ アメリカへの資金の流入

アメリカの高金利

ドルの独歩高と日米経済摩擦 ドルの独歩高 ↓ ← 国際収支の赤字 国内産業の空洞化 日米経済摩擦 国際収支の赤字 国内産業の空洞化 日米経済摩擦 アメリカへの資金の流入 ↓ 強いアメリカへの 信認という 幻想 強いアメリカへの 信認という 幻想

円ドルの為替レート

アメリカの国際収支赤字

ドル高是正と円高不況 プラザ合意( ) – ドルの過大評価認識 ドル高是正 – 1ドル 250 円から 125 円へ – 円高不況への不安

プラザ合意とドルの下落

バブルへの道( 1980 年代後 半) ドルの低下 – 円高不況のおそれ 金融緩和と民活 – 国債累積 – 財政政策の余地なし バブルの発生 – 土地、株の値上がり

円高不況からバブルへ 円高 内需拡大要請 民活 金融緩和 日本の財政赤字 低金利時代

バブルの発生 低金利時代 地価の上昇 株価の上昇 資産効果 資金調達の容易さ 消費の増大 投資の増大 好景気

株価の上昇

失われた 10 年( 1990 代) バブルの崩壊 – 総量規制( 1990 ) 不良債権問題の発生 – 不景気と不良債権の発生の悪循環 –Too small, too late. 国債累積と不景気 – 財政再建への遠い道のり

バブルの崩壊 平成景気(?) 円高効果の終了による インフレ傾向の発生 円高効果の終了による インフレ傾向の発生 総量規制による金融引締 バブルの崩壊 地価・株価の低迷 バブルの崩壊 地価・株価の低迷

不良債権問題の発生 地価・株価の低落 BIS 自己資本比率規制 不良債権の発生 金融機関の経営悪化 失われた15年

改善の兆しとその崩壊 ( 1997 ) 景気の回復の兆し( 1997 ) – 消費税 3% から 5 %へ引き上げ( ) 再び危機へ – アジア通貨危機 タイ・バーツ変動相場制へ( ) 各国へ通貨危機の波及( contagion ) – 国内金融危機の発生 三洋証券によるコール市場のデフォルト( ) 山一証券自主廃業( ) 小渕内閣の危機感 – なんでもありの危機対策

アメリカ発大不況?( 2008 ) サブプライム・ローン問題 – サブプライム・ローン市場でのデフォルト 誤ったリスク管理 – 金融機関への波及

金融機関の破綻の続発 大手のニュー・センチュリー・ファイ ナンシャル経営破綻懸念で NYSE の上場 廃止( ) ベア・スターンズ傘下のヘッジ・ファ ンドの破綻が判明( ) ベア・スターンズが JP モーガン・ チェースに買収される( )

大不況への懸念 広がる影響 – 実体経済への波及 自動車産業の痛手 – 他国への波及 1929 年の記憶 – 大恐慌から大不況へ 各国の協調体制樹立へ

サブプライム・ローンとは何 か プライム・ローン – 最優良貸付 サブプライム・ローン – プライムに準ずる貸付 – 現実には 過去に延滞履歴がある等で 信用リスクの高い顧客層への 住宅ローン

リスクについて 金融にはリスクが付き物 – ハイ・リスク=ハイ・リターンの原則 金融におけるリスク – 信用リスク 貸し倒れで貸したお金が回収出来ないリスク – 価格リスク 株式、為替等、価格の変動が生ずるリスク – 流動性リスク 資金繰りがつかなくなるリスク

サブプライム・ローンの問題 全体像は誰も見えない – 貸付の証券化 – さまざまな金融手法によるリスク分散 当初の想定以上の延滞の発生 – 金融機関の巨大な損失の発生 – 疑心暗鬼の蔓延

貸付の証券化 個別の住宅ロー ン 貸し倒れの危険性 まとめられた 住宅ローン 危険分散 貸し倒れは一部

貸付の証券化2 まとめられた 住宅ローン 細分化して証券として販売

さまざまな金融手法(一例) まとめられた 住宅ローン 優先 劣後 貸し倒れはまず劣後で処理 優先は安全で高利回り

なぜ証券化か 住宅ローン貸付を業務とする銀行 – リスクを投資家に移転することが出来る 信用リスク 流動性リスク 金利リスク 繰り上げ償還リスク 投資家 – 多様なリスク選好に応じた高金利商品

アメリカの住宅ローン市場 市場規模 – 年間新規融資額 2.5兆ドル( 2007 年) – 残高 10.5 兆ドル( 2007 年末) 約6割が証券化 –MBS ( Mortgage Backed Securities ) 残高 約6兆ドル – 問題はその内の一部(約 15 %)

住宅ローンの内訳 Agency MBS – 連邦政府機関が発行 ジニー・メイ – それに準ずる機関が発行・保証 ファニー・メイ、フレディ・マック 民間住宅ローン – 一般の住宅ローン – 特に信用力の低い債務者向けローン サブプライム・ローン

サブプライム・ローンの定義 FICO スコア 620 点以下 – 金融機関によっては 660 点以下 –FICO Fair Isacc 社開発の信用力スコア 連邦金融監督当局のガイドライン – 過去 12 ヶ月に 30 日延滞を 2 回以上、または – 過去 24 ヶ月に 60 日延滞を 1 回以上 – 過去 24 ヶ月以内に抵当権実行、債務免除 – 過去 5 年以内に破産 –FICO スコア 660 点以下 – 返済負担率 50 %以上

危機の現状 証券化商品の価格下落 – 金融機関の損失拡大 –1990 年のS&L危機をしのぐ金融危機へ 止まらない株価下落 –1929 年の悪夢の再来? – 金融恐慌の恐怖 – アメリカ政府の対応と各国の協力

問題の経緯 サブプライム・ローンの発生 –1990 年代半ば? 2004 年頃からの急拡大 –2000 年代に入ってからの金利低下 による景気後退懸念を背景に – 金余りから住宅ローン市場への流入 厳正さを欠く融資審査

金融節度の崩壊 さまざまな新しいローン –IO ローン 当初は金利のみ返済 – ペイオプション ARM ( Pay-Option Adjustable Rate Mortgage ) 返済額を自由に設定 – ハイブリッド ARM 最初の 2 年間は低金利

住宅バブルの発生 無理な金利での住宅購入 住宅価格の値上がり 値上がりした住宅を売って返済

バブルの崩壊 住宅価格上昇の終焉 – サブプライム・ローンの返済停滞 貸し倒れの激増( 2006 年頃から) – 金融機関の巨額の損失 複雑な金融商品 逆資産効果による消費の低迷 – 大不況への入口か?