VO2014 ( 睦月 ) 講習会 AGN と銀河のクラスタリング 解析 国立天文台 天文データセンター 白崎裕治.

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VO2014 ( 睦月 ) 講習会 AGN と銀河のクラスタリング 解析 国立天文台 天文データセンター 白崎裕治

本課題の目的  VO を活用する利点  GUI により世界中の天文データベースから簡 単に自分が必要なデータを探し出すことがで きる。  データアクセスを自動化することにより、大 量の様々なデータを利用した研究が可能にな る。  本課題では後者の研究を目指す  必要となるプログラミング技術  プロット作成、フィッティング  比較的上級者向きだが、初心者でも実施でき るようサンプルプログラムを用意

プログラミング向け VO ツール  jc client jc client JVO portal の機能をコマンドラインから使うツー ル  STILTS STILTS Command-line tools for table/VOTable manipulation  VO-CLI VO-CLI Command-line Tools for the VO  AR Commandline AR Commandline Python commandline VO tools  Astro Runtime Astro Runtime Middleware that makes it simple to call VO services from programs and science scripts  VORuby VORuby RUBY language libraries for using VO Services

獲得目標  JVO データ検索言語 (JVOQL) の使い方  パラメータを変えながら何度も検索するのに便利  jc client によるデータ検索方法  JVO ポータルの検索機能をコマンドラインから利用  シェルスクリプト (bash) の書き方  jc client による JVOQL 検索の自動化  ROOT によるプロット、フィッティング  大量のデータを扱ううえで、データの可視化は重要  ROOT はコマンドラインからプロット・フィッティングが 可能。しかもフリーウエアである。  使い方がちょっと覚えにくい

ROOT で描けるグラフ

研究テーマ  超巨大ブラックホール (>10 6 M  )  ほぼすべての銀河の中心に存在  どのようにして形成されるのかは未解決  銀河の合体がブラックホール同士の合体を誘発?  活動銀河中心核 (AGN)  銀河中心の超巨大ブラックホールへガス降着  太陽系程の領域から銀河全体を上回る放射  大量のガスが短時間でブラックホールに落ち込む必要  銀河の合体のような激しい相互作用  AGN は銀河が密集した場所で発生?  AGN と銀河のクラスタリング解析

AGN と銀河の相互相関関数  相関関数の定義  距離 r における銀河数密度の平均数密度に 対する超過比  視線方向に積分した射影相関関数 :  (r p )  銀河の距離データはないので使わない  銀河の自己相関関数はべき関数 LFから求める Fitting で求める1.8に固定

先行研究のまとめ

本課題で利用するデータ  Veron-Cetty and Veron AGN/QSO catalog (Ed.13)  ivo://jvo/agn  UKIDSS DR7 カタログ (LAS サーベイ )  ivo://jvo/ukidss  JVO のデータサービスを利用する  テーブルアップロード機能があり、 AGN カタログ と UKIDSS のカタログとのクロスマッチ検索が可能

ソフトウエアのインストール  jc client のインストール  からダウンロード  展開して、install.sh を実行。  ~/jvo_tools/ にインストールされる  VO2014 講習会用パッケージのインストール  からダウンロード  展開して、./configure; make; make install を実行  ~/jvo_tools/ にインストールされる VM イメージの OS 上には インストール済み

環境設定とサンプルファイル  VO2014 講習会用パッケージに環境設定ファイル があります。  まずは次ページの修正を行ってください。  以下のコマンドを実行してください。 $..bashrc # 次ページの修正を加えた直後に一回だけ実行 $. ~/jvo_tools/init/jvorc.sh  ~/jc_client/bin が PATH に設定されるほか、ライブラ リの検索パス設定などが行われます。  サンプルファイルが以下のディレクトリにあります。  ~/hands-on/clustering/vo2012b- 1.0/clustering/samples  ROOT のマクロやシェルクスクリプトのサンプルです。

ファイルの修正  下記のファイルを修正してください。  ~/jvo_tools/etc/jvo.properties prefix=/home/oem/jvo_tools を jvo.properties ファイルの実際のパス名に変更する。  ~/jvo_tools/bin/jc #/bin/sh を #/bin/bash に変更してください。  ~/.bashrc ファイルの末尾に export ROOTSYS=/usr/local/root export JVO_TOOLS=${HOME}/jvo_tools を追加してください。

j c client の使い方  JVO portal のユーザアカウントが必要です。  環境変数の設定を行ってください。  まずパスワードファイルの作成を行います。  以下のコマンドを実行してみます。

実習方法  実習テキストを読みながら各自で進めてくだ さい。  わからないことがありましたらお気軽に質問 してください。  課題1~5までを順番に実施してください。  シェルスクリプを書く課題がありますが、ど うしてもできない場合は samples ディレクト リにあるスクリプトを使っても OK です。  その場合はスクリプトを読んでみてください。

課題1 (AGN と銀河データを取得 )  一度に多数のデータを取得することはできない(ことが多い)。  検索を分割して実行。まずは AGN のデータのみ取得。  下記の JVOQL をファイルに保存、jc client で検索実行 座標の近さで二つ のカタログを結合 検索実行  VOTable VOTable  CSV ( カンマ区切りのテーブルデー タ ) select よりも vot2xsv が高速

課題 1 ( 続き )  個々の AGN についてその周辺の銀河カタログを取得。  下記の JVOQL をファイルに保存、jc client で検索実行 AGN の座標を中 心とする半径 0.2 度の範囲  jc client で検索実行、VOTable  CSV 変換  以上の検索を数個の AGN について実行してみる。

課題2 ( データ欠損がないかを確 認 )  取得した銀河データの空間分布をプロットして、欠損領域 がないかを確認します。  ROOT を利用します。以下のコマンドを実行してみます。

課題 2 ( 続き )  サンプルディレクトリにある plot-map.C を実行すると もう少し見栄えのよいプロットが作成できます。  欠損領域の割合と銀河の数密度を AGN からの距離毎に 求めます。配布したプログラムを利用します。 AGN の座標  AGN からの距離の ビン幅 (arcsec)  0.1 Mpc に対応する 角度  配布プログラム cosmic-distance を利用

課題3 (AGN 毎に銀河分布を計算す る)  課題 2で求めた欠損率で 補正した銀河数密度分布を AGN からの距離の関数と して求めます。  配布プログラム catalog-density を利用 します。  100個の AGN について銀河数密度分 布を求めるために、上記の処理を行うス クリプトを作成し、実行します。

課題4 (平均化された銀河分布を求め る)  課題3で作成された 100 個のディレクトリのリストを ファイルに書き出します。  配布スクリプト agn-density-add.sh にディレクトリリ ストを引数として与えて実行する。  足し合わされた結果が hist-add.dat というファイルに 作成されます。

課題 5 (相関距離を求める)  サンプルディレクトリにある fit-density.C を利用します。  hist-add.dat に書かれている AVE_DEN_60 の値 (左から2番目) を第一 引数に、第二引数にはフィットする範囲 (AGN からの距離の最大値) , e-03 相関距離 (Mpc)