Sy2 & ULIRG review 粟木(愛媛大学) ASCA June12, 2000. Sy2 ASCA によるテーマ AGN の統一モデル 統一モデルの検証 AGN の構造 AGN-Starburst connection SB と AGN の共存 AGN ⇔ SB の進化.........

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Sy2 & ULIRG review 粟木(愛媛大学) ASCA June12, 2000

Sy2 ASCA によるテーマ AGN の統一モデル 統一モデルの検証 AGN の構造 AGN-Starburst connection SB と AGN の共存 AGN ⇔ SB の進化

Strategy of the ASCA observations 個々で面白い Sy 2 Wide band spectrum (XTE との同時観測) Non bias sample 例えば、 bright [OIII] sample PBL Seyfert 2 galaxies Masar 天体 SB と共存した Seyfert 合計 60個くらい観測 ( IRAS sy2 を入れると70個くらい)

Seyfert 2 galaxy のスペクトル 反射成分 散乱成分 直接成分 散乱成分 反射成分直接成分 Turner et al. 1997

Sy2 の性質 ( 明るい天体 ) Turner et al. 1997a, Weaver et al など Sy2 Sy1 明るさ L X L X /L FIR スペクトル Γ N H < 時間変動 ほとんど無し 有り (IRAS18325, NGC4945, Mrk3,..) 鉄輝線 EW eV eV σ 0.1 keV disk line

Sy2 の多様なスペクトルの解釈 Sy2 中心核からの輻射=吸収された成分+反射成分 この比率が銀河毎に異なる。 (例えば Bassani et al ) 縦軸:反射成分の寄与 横軸: [OIII] から予想される 強度と見かけの強度の比 図中の負の相関ーー> 見かけの強度が下がる程 反射成分の寄与が大きい 左上のスペクトルが flat である ことと一致。

比率の変化する理由 直接光が変化している。(直接光が減少している) PBL seyfert 2 galaxy の観測から、変化の割合は viewing angle に依存している。 Awaki et al ⇩ Scattering efficiency =低エネルギー成分/吸収成分 〜 (ΔΩ/4π)N H σ 一部の銀河で10%以上の大きな値を持ち、問題であった。 Mulchaey et al. 1994, Turner et al.1997b 直接光が何らかの形で減少していれば、説明可能。 Awaki et al. 2000, ….

Non bias サンプル --Sy2 の特徴 bright [OIII] sample Awaki 1997, Risaliti et al. 1999, Bassani et al. 1999… Bright [OIII]sample 20 個中 17 個 RM95 20 個中 11 個 ようやく可視光等の他波長のデータと比較できるサ ンプルができる。 N H の分布ーーー 台集中 Sy 2の活動性やスペクトルの形について議論

AGN の統一モデルについて 明るい天体を見る限り、中心核が隠されている。

SB と AGN の共存 (weak Sy2) Mas-Hesse et al. 1995, Turner et al. 1997a, Weaver et al (submitted to ApJ) SB 起源の輻射と AGN 起源 の輻射の分離 SB : kT~0.8keV + hard Ptak et al. Tsuru et al., Weaver et al. AGN: Γ~2 Netzer 1997 分離できているのは、 NGC1068, NGC5135 など 大部分が LINER や SB と同じスペ クトルーー分類ミス??

SB と AGN の分離 (Weaver et al. 2000) Sy 1 Sy 2 Sy 2& SB Log IR/HX Log SX/HX Log SX/IR α(60,25) SB like AGN-like Sy1 Ueno D-thesis 青丸: SB または共存型 赤丸: powerful AGN

「あすか」による 大光度赤外銀河 (ULIG) の観測 Ultraluminous Infrared Galaxy (ULIG, ULIRG): L IR (8-1000um) > Lo = 3 x erg/s

ULIG L IR >10 12 Lo の赤外線で極めて明るい銀河が IRAS (1983) に よって発見された QSO に匹敵する光度を赤外線領域だけで放射 数密度は z<0.1 の近傍宇宙で QSO を上回る ほとんどすべてが合体あるいは相互作用している 強い CO 輝線 → 大量の H 2 ガス ( >10 10 Mo ) が数百 pc 以下の中心 領域に集中 多波長観測 → AGN と starburst の兆候

ULIG から QSO へ? 分子ガスの豊富な渦巻銀河同士の強い相互作用、合体が 激しい活動のトリガになっている QSO に匹敵する光度、 QSO を上回る数密度 →evolutionary connection? 銀河同士の相互作用、合体  大量のガスが角運動量を失なって中心に落ち込む  大規模な starburst 大質量 BH の形成、エネルギーはダストを介して遠赤外線領域で放 射 (dust-enshrouded AGN)  超新星爆発等によって circumnuclear ガスが吹き飛ばされると AGN からの放射が直接見えるようになる

硬 X 線観測の意義 AGN と starburst 両方の兆候 ULIG と QSO の関係を強く示唆 しかし、一般に吸収が大きいために、それぞれの寄与を 正確に見積もることは難しい したがって、どの時期に AGN が形成されて、どの時期に AGN が主要なエネルギー源となるかはまだわかっていな い 透過力の強い硬 X 線での高い感度の観測が必要

「あすか」で観測した ULIG

「あすか」による観測でわかったこと 軟 X 線領域には starburst 起源と考えられる thermal な成分が 存在する。 L X /L FIR = 遠赤外放射を十分に説明できる AGN が存在するものもあ るが、一般に powerlaw 成分は暗い (L X <0.01L FIR ) SED の形状から示唆される evolutionary scenario には必ずし も合致していない ULIG 中の AGN の硬 X 線光度 (powerlaw 成分 ) は暗い ?

進化が進む AGN が卓越 Based on Nakagawa et al. 1999, Ap&SS 206, 43 (+ は X 線データが上限 )

「あすか」観測提案 「あすか」によって初めて ULIG の X 線での性質を本格的 に調べることが可能になり、これまでにない数の観測が 行なわれた。 その結果は従来の理解では説明できないものである。  統計的な議論を可能にするために、 IRAS flux-limited の complete sample を作ることを提案したい。 NGC 6240 からは AGN の反射成分と思われる flat な硬 X 線放 射が観測された  時間変動を調べて硬 X 線放射の起源を探りたい