がん免疫療法の基本データ 患者さん自身の免疫監視機構に作用してがんと闘う CONTENTS 2......... がん免疫療法について がん免疫療法とは がんの免疫監視機構からの逃避 新たながん免疫療法レジメン 3......... がん免疫療法の種類と有害事象 受動免疫療法 能動免疫療法 免疫関連有害事象.

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がん免疫療法の基本データ 患者さん自身の免疫監視機構に作用してがんと闘う CONTENTS がん免疫療法について がん免疫療法とは がんの免疫監視機構からの逃避 新たながん免疫療法レジメン がん免疫療法の種類と有害事象 受動免疫療法 能動免疫療法 免疫関連有害事象 臨床への影響 がん全般における新たながん免疫療法 異なるがん種に対する新たながん免疫療法の可能性 がん免疫療法に対する抗腫瘍効果 段階的な抗腫瘍効果 抗腫瘍効果のパターン 偽性増大 従来とは異なる抗腫瘍効果 参考文献 1

がん免疫療法について がん免疫療法とは ― がん免疫療法はがん治療の新たな柱の1つで、患者さん自身の免疫監 視機構に作用してがんと闘います 1-3 。 がん免疫療法は過去 30 年間に大きな進歩を遂げ、ワクチン、サイトカイン、腫瘍を標的と したモノクローナル抗体、免疫チェックポイント阻害剤など、様々な薬剤が承認されてい ます 2,4 。 がんの免疫監視機構からの逃避 ― 正常な細胞ががん細胞に変化するのに伴い、いくつかの 特性を獲得します。その1つが、免疫監視機構から逃れる能力です 5 。 免疫によるがん細胞の認識と破壊という免疫監視機構により、がん細胞が質的な変化を経 て、形成されるまでの過程は、がん免疫編集機構( cancer immunoediting )として知られて います 6 。がん免疫編集機構は、 3 つの相で構成されています 6,7 。 1. 排除相(がん免疫監視機構) ― 免疫監視機構によりがん細胞は認識され、排除されま す 6,7 。破壊されなかったがん細胞は、平衡相に入ります 6,7 。 2. 平衡相(がん休眠) ― がん細胞は残存しているものの、免疫監視機構ががん細胞の増 殖を防ぎます 6,7 。 3. 逃避相(がんの進行) ― がん細胞が免疫監視機構による認識・排除から逃れる能力を 獲得します 6,7 。その結果、臨床においてがんが顕在化します 7 。 排除相 (免疫監視機構) 逃避相 (がんの進行) 平衡相 (がん休眠) 新たながん免疫療法は、免疫監 視機構の直接的な活性化やがん 細胞による免疫抑制を阻害する ことにより、がん細胞を排除す る免疫監視機構の能力を取り戻 します。 がん細胞は、免疫監視機構の活 性化のメカニズムを阻害したり、 その抑制のメカニズムを利用す ることにより、免疫監視機構か ら逃れる可能性があります。 新たながん免疫療法レジメン ― 新たながん免疫療法は単独、または併用で使用されます 9 。 新たながん免疫療法は、抗腫瘍免疫応答における様々な標的を特異的に作用します。その ため、異なるがん免疫療法や他のがん治療を併用することで、抗腫瘍効果が増強する可能 性があります 9,101 。 2

がん免疫療法の種類と有害事象 受動免疫療法 ― 受動免疫療法は、免疫のメカニズムを介してがん細胞に作用することもあ りますが、基本的に患者さん自身の免疫応答を必要としません。 腫瘍を標的としたモノクローナル抗体 :特定の腫瘍関連抗原( TAA )に親 和性をもつモノクローナル抗体で、 in vitro で産生できます 13 。がん患者に 投与すると 14 、以下の特異的な抗腫瘍免疫機能を増強すると考えられます。 ( a )破壊の対象となるがん細胞に付加 13,15-17 ( b )免疫受容体シグナル伝達を阻害 13,15-17 ( c )免疫受容体の分解を促進 13 ( d )がん細胞に直接抗がん剤を送達 現在、モノクローナル抗体はがん治療に広く使用されています。 有害事象の可能性:同じ抗原を有する正常細胞、他の自己抗原を有 する細胞に対して、自己免疫反応を起こす可能性があります 20 。 細胞療法 :切除した腫瘍または血液から腫瘍に浸潤した T 細胞を抽出し、 がん免疫抑制環境外の in vitro で培養して、活性化、増殖させて、同一の患 者に再注入します。再注入により、抗腫瘍免疫応答を強化できます。 有害事象の可能性:活性化した免疫細胞を再注入することにより、 がん細胞と同じ標的抗原を有する正常細胞も標的となる可能性があ ります。 能動免疫療法 ― 能動免疫療法は、生体の免疫機構に直接作用し、がんと闘うための免疫応 答を誘導します。 3 治療用がんワクチン : T 細胞および B 細胞に腫瘍関連抗原を導入することに より、体内の免疫監視機構をプライミング(初回抗原刺激)して、抗腫瘍 免疫応答を増強すると考えられます 。 有害事象の可能性:正常組織の自己抗原を攻撃する T 細胞が産生する 可能性があります 20 。 サイトカイン :サイトカインは、リンパ球の増殖、活性化、および生存を 調節する小タンパク質であり 20 、 T 細胞、 B 細胞、 NK 細胞の増殖およびエ フェクター機能の増強により抗腫瘍免疫応答を強化すると考えられていま す 20,27 。 有害事象の可能性:増強したリンパ球活性が正常組織に作用し、 T 細 胞、 B 細胞、 NK 細胞を介して自己免疫を誘導する可能性があります 20 。 T 細胞活性化のメディエーター: T 細胞活性化のメディエーターは、モノク ローナル抗体であり、免疫抑制チェックポイント経路の阻害や共刺激シグ ナル伝達経路の増強により、 T 細胞を活性化し 28 、 抗腫瘍免疫応答を増強す る可能性があります 28 。 有害事象の可能性:免疫チェックポイント阻害により免疫恒常性が 失われ、正常組織を攻撃する自己応答 T 細胞が増加する可能性があり ます 20 。

がん免疫療法の種類と有害事象(続き) 免疫関連有害事象 ― 免疫関連有害事象が、臓器・器官系で報告されています 20 。 皮膚 20,29-32 内分泌系 29,31-35 肝臓 29,32,36,37 消化管 29,32,34,38 神経系 32,35,39,40 呼吸器系 20,32,35,40,44 造血細胞 34,37,45,46 臨床への影響 ― 正常な細胞にも多くの腫瘍関連抗原が発現しているため、正常な組織に対 して有害事象を発現する可能性があります 20 。重篤および致死的な有害事象が起こる可能 性があるため、治療中はもちろん、治療後も慎重に観察を続ける必要があります。患者教 育を行って免疫関連有害事象への注意を促し、症状が発現した場合は報告するよう指導す ることが大切です。 すべての有害事象が管理可能なわけではなく、治療中止に至る可能性もあります。治療を 成功させるために、免疫関連有害事象管理ガイドラインに従ってください。 4

がん全般における新たながん免疫療法 異なるがん腫に対する新たながん免疫療法の可能性 ― がんを介した免疫機構の阻害は、 様々ながん腫で観察されています。 がん腫 免疫細胞の浸潤が 報告されている がんによる免疫抑制の エビデンスが報告されてい る がん免疫相互作用と 臨床予後との関連が 報告されている 膀胱がん 47 48,4947,48 乳腺がん 50,5128,5250,53 大腸がん 50,54,55,575628,47,50,54,55 食道がん 47,505247,50 胃がん 5652,5656 頭頸部がん 5757,5857 肝細胞がん 598,5959 白血病 60 肺がん 61,6228,52,56,6328,61,62 リンパ腫 28 悪性黒色腫 8,28,50,648,28,6528,8,64,50 卵巣がん 47,508,28,52,6647,50,66 膵臓がん 51,6756 前立腺がん 508,50 腎細胞がん 47,50,688,6847,50,68 5

新たながん免疫療法における抗腫瘍効果 新たながん免疫療法における段階的反応 ― 免疫監視機構に作用する治療は、治療開始後直 ちに大きな抗腫瘍効果がみられるわけではありません 79 。 新たながん免疫療法の開始後、数日~数週間以内に免疫活性化および T 細胞の増殖が始まり ますが 80 、数週間~数ヵ月以内に臨床的に測定可能な抗腫瘍効果がみられたり、数ヵ月以 内に生存延長効果がみられる可能性はほとんどありません 80 。 新たながん免疫療法における抗腫瘍効果 ― 4 つのパターンで抗腫瘍効果が認められると考 えられています。 1. 即時に腫瘍縮小 腫瘍縮小はみられないが、増大を遅らせる 79-84,90 3. 早期に画像上の増大がみられた後に腫瘍縮小する 81, 早期にわずかに増大する 81,84,90,91 患者が新たながん免疫療法に反応しない可能性もあります。

新たながん免疫療法における抗腫瘍効果(続き) 新たながん免疫療法における偽性増大 ― 新たながん免疫療法開始後の最初の画像診断にお いて、偽性増大の所見がみられることがあります。 T 細胞が腫瘍部位に浸潤した際に画像上 にフレアや新規病変が生じ、偽性増大となる可能性があります 32,92,93 。 7 腫瘍 新たながん 免疫療法 T 細胞が腫瘍に 浸潤 画像上にフレアや 新規病変が生じる 真の増大と偽性増大を見極めるための留意点: 真の増大:全身状態の低下、全身症状の悪化、腫瘍増大の症状がみられる場合は、真の増 大である可能性が高いと考えられます。また、腫瘍量の増加、新病変の出現および増殖も みられるため、生検により腫瘍増大が確認できる可能性があります 94 。 偽性増大:全身状態および全身症状が不変または改善した場合、腫瘍量の増加や新病変の 出現後に顕著な腫瘍縮小がみられた場合などは、偽性増大である可能性が高いと考えられ ます。また、生検により T 細胞浸潤の所見がみられる可能性があります 92 。 従来とは異なる抗腫瘍効果 ― 新たながん免疫療法は、がん腫により、増大の所見がみられ る、腫瘍縮小が得られないなど、従来とは異なる抗腫瘍効果がみられることがあります。 がん腫免疫療法の種類 消化器がん 組み換えワクチン 88 カポジ肉腫 サイトカイン 95 腎がん チェックポイント阻害剤 83 悪性黒色腫 腫瘍細胞ワクチン 96 腫瘍細胞ワクチン+チェックポイント阻害剤 97 組み換えワクチン 89 樹状細胞ワクチン 101 非小細胞肺がん ペプチドワクチン 90 チェックポイント阻害剤 93 卵巣がん 組み換えワクチン 98 膵がん 組み換えワクチン 98 前立腺がん 樹状細胞ワクチン 99 組み換えワクチン 100

8 参考文献 1.DeVita BT, Rosenberg SA. N Engl J Med. 2012;366: Kirkwood JM, et al. CA Cancer J Clin. 2012;62: Murphy JF. Oncology. 2010;4: CenterWatch. FDA Approved Drugs for Oncology. http: // drug-areas.aspx?AreaID=12. Accessed May 8, Hanahan D, Weinberg RA. Cell. 2011; 144(5) Vesely MD, et al. Ann Rev Immunol. 2011; 29: Schreiber RD, et al. Science. 2011;331: Mellman et al. Nature. 2011; 480: Drake CG. Ann Oncol. 2012;23(suppl 8):viii41–viii Brody J, et al. J Clin Oncol. 2011;29: Smits ELJM, et al. Oncologist. 2009;14: Rescigno M, et al. Biochimica Biophys Acta. 2007;1776: Hudis CA. N Engl J Med. 2007;357: Ossipow V & Fischer N. Monoclonal Antibodies: Methods and Protocols. 2nd ed. New York, MY; Lundin J, et al. Blood. 2002;100: Coiffier B, et al. Blood. 2008;111: Smith MB, et al. Drugs Today. 2012;48: Verma S, et al. N Engl J Med. 2012;367: Bodet-Milin C, et al. Front Oncol. 2013;3: Amos SM, et al. Blood. 2011;118: Chacon JA, et al. PloS One. 2013;8:e Rosenberg SA. Sci Transl Med. 2012;4(127ps8): West EJ, et al. Br J Cancer. 2011;105: American Cancer Society. treatment/treatmentsandsideeffects/treatmenttypes/ immunotherapy/immunotherapy-cancer-vaccines. Accessed May 12, Bedikian AY, Del Vecchio MD. Expert Opin Biol Ther. 2008;8: Schlom J. J Natl Cancer Inst. 2012;104: List T, Neri D. Clin Pharmacol. 2013;5(suppl 1): Pardoll DM. Nat Rev Cancer. 2012;12: Phan GQ, et al. PNAS. 2003;100: Rosenberg SA and White DE. Immunother Emphasis Tumor Immunol. 1996;19: Chianese-Bullock KA, et al. J Immunother. 2005;28: Chow LQ. Am Soc Clin Oncol Educ Book. 2013: Soni N, et al. Cancer Immunol Immunother. 1996;43: Ronnblom LE, et al. Ann Intern Med. 1991;115: Fraenkel PG, et al. J Immunother. 2002;25: Lamers CH, et al. J Clin Oncol. 2006;24:e20-e Roskrow MA, et al. Leuk Res. 1999;23: Parkhurst MR, et al. Mol Ther. 2011;19: Pellkofer H, et al. Brain. 2004;127: Smalley RV, et al. Blood. 1991;78: Dudley ME, et al. J Clin Oncol. 2008;26: Yeh S, et al. Ophthalmology. 2009;116: Robinson MR, et al. J Immunother. 2004;27: Morgan RA, et al. Mol Ther. 2010;18: Kochenderfer JN, et al. Blood. 2010;116: Lin TS, et al. J Clin Oncol. 2010;28: Sharma P, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2007;104: Winerdal ME, et al. BJU Int. 2011;108: Inman BA, et al. Cancer. 2007;109: Zhang L, et al. N Engl J Med. 2003;348: Liyanage UK, et al. J Immunol. 2002;169: Ichihara F, et al. Clin Cancer Res. 2003;9: Rody A, et al. Breast Cancer Res. 2009;11: Pages F, et al. N Engl J Med. 2005;353: Salama P, et al. J Clin Oncol. 2009;27: Kono K, et al. Cancer Immunol Immunother. 2006;55: Badoual C, et al. Clin Cancer Res. 2006;12: Schaefer C, et al. Br J Cancer. 2005;92: Gao Q, et al. Clin Cancer Res. 2009;15: Karube K, et al. Br J Haematol. 2004;126: Dieu-Nosjean MC, et al. J Clin Oncol. 2008;26: Hiraoka K, et al. Br J Cancer. 2006;94: Woo EY, et al. J Immunol. 2002;168; Taylor RC, et al. J Clin Oncol. 2007;25: Chapon M, et al. J Invest Dermatol. 2011;131: Hamanishi J, et al. PNAS. 2007;104: Kärjä V, et al. Anticancer Res. 2005;25: Thompson RH, et al. Clin Cancer Res. 2007;13: Naito Y, et al. Cancer Res.1998;58: Galon J, et al. Science. 2006;313: Huber V, et al. Gastroenterology. 2005;128: Ho M-Y, et al. J Biomed Biotech. 2011;2011: Törmänen-Näpänkangas U, et al. APMlS. 2001;109: Zhuang X, et al. Appl Immunohistochem Mol Morphol. 2010;18: Maio M. Ann Oncol. 2012;23:viii10-viii van der Bruggen P, et al. Science. 1991;254: Piras F, et al. Cancer. 2005;104: Chapuis AG, et al. Proc Natl Acad Sci USA. 2012;109: Hoos A and Britten CM. OncoImmunology. 2012;1: Hoos A, et al. J Natl Cancer Inst. 2010;102: Fox BA, et al. J Transl Med. 2011; 9: Madan RA et al. Oncologist. 2010; 15: Lipson EJ. OncoImmunology. 2013;2:e Slovin SR. Front Oncol. 2012:2: John T, et al. PLoS One :e Aarntzem EHJF, et al. Cell Mol Life Sci. 2013; FDA Guidance for Industry: Clinical Considerations for Therapeutic Cancer Vaccines Sze DY, et al. J Vasc Interv Radiol. 2003;14: Senzer NN, et al. J Clinc Oncol 2009; 27: Suzuki H, et al. J Transl Med. 2013;11: Naik JD, et al. Clinc Cancer Res. 2011;17: Wolchok JD, et al. Clin Cancer Res. 2009;15: Topalian SL, et al. N Engl J Med. 2012;366: Eisenhauer EA, et al. Eur J Cancer. 2009;45: Little RF, et al. Blood. 2006;107: Berd D, et al. Int J Cancer. 2001;94: Hodi FS, et al. PNAS. 2008;105: Koski A, et al. Mol Ther. 2010;18: Small EJ, et al. J Clin Oncol. 2006;24: Kantoff PW, et al. J Clin Oncol. 2010;29: Ribas A, et al. Curr Opin Immunol. 2013:25:291–296.