患者図書室における がん情報サービス ー新潟県立がんセンター新潟病院の場合 県立がんセンター新潟病院 図書室 有田由美 子 図書館総合展フォーラム
当院の紹介 本院 500床 + がん予防総合センター 都道府県がん診療連携拠点病院 診療科17科 、職員660名 病床稼働率 87.5% (200 8年) 平均在院日数 13.2日 (200 8年) 入院患者実数 5,680人 (20 07年) 入院患者延数 11,515人 (20 07年) 外来患者数 1,043人 / 日 (20 07年) 外来新患数 23,089人 / 年 (20 07年) 新規悪性疾患患者 2,811人 (200 7年)
当院の入院患者の特徴 1.85%程度が、がん患者である 2.再発治療のための繰り返し入院が多い 3.肺がん・胃がん・乳がん・大腸がん・血液 がんな どの比率が高い 4.化学療法や放射線治療など、集学的治療を 受 けている患者が多い
患者図書室開設の経緯 1994 年 3 月娯楽書の病室巡回図書貸出サー ビス 「あかね文庫」開始 1996 年 9 月小児病棟で「あかね文庫お話 会」 活動開始 1997 年 5 月わかりやすい医療情報提供サー ビス 「からだのとしょかん」 開始 1999 年 1 月外来棟に常設の患者図書室完成
患者図書室の概要 開 室 日 : 月・火・水・金曜日、 午前 10 : 00 ~午後 3 : 00 名称・場所 : からだのとしょかん ・ 外来棟 2 階 20.8 ㎡ 常駐担当者 : 新潟ホスピス・ボランティアの会 32 名 午前と午後に 2 名ずつ常駐 提供内容:①医学、医療の本・雑誌・パンフレット ( 約 1,100 冊, 購読 5 誌, 貸出可能 約 20 種無料 配布 ) ②インターネットの利用 ③同室にあるあかね文庫(娯楽書) 貸出可能
項目合計総合計 備考 入室者 男 2,390 人 1 日平均 入室者 女 3,263 人 5,653 人 30 人入室 そのうち入院患者 男 880 人 そのうち入院患者 女 575 人 1,455 人 25% 貸出冊数 医学書 849 冊 1 日平均 5 冊 娯楽書 11,947 冊 1 日平均 87 冊 パソコン利用者 114 人 本探しの手伝い 174 人 お話をしていかれた方 171 人 からだのとしょかんの利用状況 (2008 年 1-12 月まで, 開室日数 187 日, 蔵書数 995 冊)
患者図書室におけるがん情報 パンフレット 市民講座やがん情報の掲示 がんに関する一般向け図書・雑誌 闘病記や看護記、病気のエッセイ等 医学専門書・医学雑誌文献 がんに関するレファレンス調査 有料文献データベースの検索代行 大学図書館や公共図書館 取り寄せや紹介 ホームページのリンク集 インターネットの代行検索 広報紙 『からだのとしょかん通信』
県立がんセンター新潟病院 からだのとしょかん
利 用 案 内
分類:米国国立医学図書館分類法 準拠 分類 日本語で内容 受入リスト番 号 (リストに統計を とる)
パンフレット
インターネット リンク集 画面
インターネット上の医療情報の利用の手引き <どんな情報を利用するか ・・・質の高い情報を利用する> 1 情報提供の主体が明確なサイトの情報を利用する 2 営利性のない情報を利用する 3 客観的な裏付けがある科学的な情報を利用する 4 公共の医療機関、公的研究機関により提供される 医療情報を主に利用する 5 常に新しい情報を利用する 6 複数の情報源を比較検討する <どう利用するか・・・情報利用は自己責任で> 7 情報の利用は自己責任が原則 8 疑問があれば、専門家のアドバイスを求める <情報利用の結果は・・・自ら検証する気持ちで、 よりよい情報共有を> 9 情報利用の結果を冷静に評価する 10 トラブルに遭った時は、専門家に相談する。 日本インターネット医療協議会 (JIMA)
からだのとしょかん に関わる 委員会と職種 病院図書室 司書 相談支援センター 看護師 医療ソーシャル ワーカー 臨床心理士 外来看護師 病棟看護師 医師 外来看護師 病棟看護師 医師 事務長補佐 からだのとしょかんボランティア連携委 員会 (ボランティアも委員会に参加) ボランティア 運営委員 サポートケア 委員会
からだの としょか ん における 協働 ボランティア 司 書 相談支援 センター 室内資料・会話 図書館業務 医学的説明 医療相談
ボランティ アとのー協 働 スタッフマニュアル
日 誌 入室者、貸出等の統計 本探しの手伝い内容 ボランティア同士の連 絡 専門部署への引継内容 利用者の様子や話 など を記載
患者・家族からの言葉 - 日誌やボランティアノート から 医師や看護師から自分でも調べるように言われて来 た 病気を治すために、自分の病気のことを知りたい。 先生から提案されたいくつかの治療方法から、1つ を選ぶにはどうすればいいのか 将来どうなるのか、再発、再々発した時の 治療方法はあるのか、専門書を読みたい とても不安、病気の理解に混乱している 病気の本は恐くてまだ読めない 病気の経過や、担当医、家族の話 話しをして気持ちが前向きに、軽くなった 情報を 求めて 心について 話したい 話すことで 整理 前向きに
相談支援センターへの引継ぎ どんな時に案内するか ・ 不安が強い ・ 病気の理解に混乱がある ・ 緩和ケア施設の紹介希望 ・ 心のケアを望んでいる 等 ・・・本人が望んだら案内する センターでは、 医学的説明や施設の紹介、専門医へ引継等
レファレンス 司書との提供例 1 「先生から提案されたいくつかの治療 方法から、1つを選ぶにはどうすれば いいのか」 ボラン ティア 患者 話して考えの整理 わかりやすい資料で理 解 大腸がん術後の治療選択ー医師から3つ化学療法の 提案書持参 (抗がん剤の服用方法、薬の奏功率、 再度増大までの期間、副作用の出現率を解説したも の) 話しを聞き、 司書に連絡、詳しい専門書が必 要? 室内の資料提供 『インフォームド・コンセントの ための図説シリーズ大腸癌』
レファレンス 司書との提供例 2 「将来どうなるのか、再発、再々発した 時の 治療方法はあるのか、専門書を読 みたい」 マントル細胞リンパ腫ーからだのとしょかんの本はすべて読んだ ボランティア 司書 患者 話しを聞く 司書に連絡 データベース検索 病院図書室の医学雑誌 知識入手 治療に前向き
広報紙 『からだのとしょかん通信』
2008
病院に患者図書室がある利点 すぐ院内で知りたい情報を探せる便利さ - 病気になって初めて体や病気について、 知らないことを知る - 具合が悪くては、外出して探し回れない時もある 常駐担当者との会話 - 思いを第三者に打ち明ける -会話で考えを整理 - 専門職へ繋いでもらえる 患者図書室には専門職のバックアップがある 患者仲間との交流 - 患者図書室に居合わせた人々との交流 ー患者会 紹介
ご清聴ありがとうございました
医療関連書を利用する際のご注意 体に関する本をご利用になる時は、下記のことに注意し て お読み下さい。 1 )これらの医療関連書の提供は、決して特定の本の内容や、 治療法などを薦めている訳ではありません。 2 )これらの医療関連書で得た、疑問への解答は、ごく一部分 の 解答でしかありません。 3 ) これらの医療関連書の内容は、必ずしもあなた自身の状 態と、 完全に同じではないかもしれません。 4 )これらの医療関連書は、あなたと担当の医師と、より具体 的な 話し合いをしていただく材料としてご利用いただければ幸 いです。 県立がんセンター新潟病院 か らだのとしょかん
県立がんセンター新潟病院 からだのとしょかん