専修大学情報科学センターのパソコンを 使ったグリッドコンピューティング ― SPACE計画 - 森正夫 1 、水崎高浩 1 、内藤豊昭 2 、中村友保 2 及び 専修大学情報科学センター 及び 専修大学情報科学センター 1 専修大学 法学部/自然科学研究所 1 専修大学 法学部/自然科学研究所 2 専修大学.

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専修大学情報科学センターのパソコンを 使ったグリッドコンピューティング ― SPACE計画 - 森正夫 1 、水崎高浩 1 、内藤豊昭 2 、中村友保 2 及び 専修大学情報科学センター 及び 専修大学情報科学センター 1 専修大学 法学部/自然科学研究所 1 専修大学 法学部/自然科学研究所 2 専修大学 ネットワーク情報学部/自然科学研究所 2 専修大学 ネットワーク情報学部/自然科学研究所 2004 年 3 月 22 日 日本天文学会 名古屋大学

並列計算機で探る物質循環過程 ビッグバン ↓ 原始ガス ↓ 星間ガス ↑ ↓ 超新星爆発 星形成重元素生成 ↑ ↓ 大質量星 (太陽の8倍以上) “ 銀河 ” と呼ばれる グローバルシステムでの 物質循環過程を解明する ©newton press

“SPACE” 計画 SPACE とは、 SPACE Senshu PersonAl - computer Cluster Environment パソコンをネットワーク接続した並列計算機を構築し、専修大学で の研究教育に活用するプロジェクト。 パソコンをネットワーク接続した並列計算機を構築し、専修大学で の研究教育に活用するプロジェクト。 平成1 4 年度 SPACE 初号機: 平成1 4 年度 SPACE 初号機: 専修大学情報科学センターの教育用パソコンにより大規模並列計算シス テム用のテストシステムの構築。 専修大学情報科学センターの教育用パソコンにより大規模並列計算シス テム用のテストシステムの構築。 平成15年度 SPACE 2 号機: 平成15年度 SPACE 2 号機: 日本私立学校振興・共済事業団学術振興資金により、 PC クラスター (パソコン32 CPU 規模の並列計算機)を導入し、銀河の物質循環過程 を調べる。 日本私立学校振興・共済事業団学術振興資金により、 PC クラスター (パソコン32 CPU 規模の並列計算機)を導入し、銀河の物質循環過程 を調べる。 平成16年度以降 SPACE 3 号機: 平成16年度以降 SPACE 3 号機: 専修大学情報科学センターの教育用パソコンをネットワーク接続し、5 12 CPU 規模の大規模並列計算機を構築。また、2号機、3号機を高速 回線で接続したグリッドコンピューティングにより、宇宙全体の物質循 環過程を明らかにする。 専修大学情報科学センターの教育用パソコンをネットワーク接続し、5 12 CPU 規模の大規模並列計算機を構築。また、2号機、3号機を高速 回線で接続したグリッドコンピューティングにより、宇宙全体の物質循 環過程を明らかにする。

SPACE 初号機の概要 平成14年度 平成14年度 SPACE 初号機:稼動中 SPACE 初号機:稼動中 Pentium III Pentium III 800MHz x MHz x 16 SDARAM 512 MB SDARAM 512 MB HDD 40 GB HDD 40 GB システム開発室 --- Gigabit Ethernet --- 共同実習室 D 専修大学情報科学センター 各スレーブ間は 100 M イーサネット

SPACE 初号機によるテスト計算 表:1ステップあたりの計算時間(秒) 1 CPU 2 CPU 4 CPU 8 CPU 16 CPU 64 3 格子点 格子点 約 2 分 並列化率 : プログラムの並列化の割合 並列化効率 : 3 次元理想流体 衝撃波管問題

SPACE 2 号機のスペック 日本私立学校振興・共済事業団学術振興資金 HIT社製 PC クラスター(32 CPU ) HIT社製 PC クラスター(32 CPU ) CPU: Pentium4 2.8 GHz x 32 、 MEM: 1GB/PE HDD: 80GB/PE 、 Network: Gigabit ethernet OS: RedHat 8.0 、コンパイラー: intel fortran c++ 3 次元理想流体 衝撃波管問題

SPACE 3 号機の計画 平成 16 年度、専修大学情報科学センターの計算機リプレースにあたり、教 育用パソコンのハードウエア資源の有効活用として、 SPACE 計画が採択。 休日・夜間に使用されていないPCを利用し、約 600 台のPCクラスター を構築して研究用グリッドコンピューティングシステムを実現する。 64 台は Gigabit Ethernet で高速ネットワーク接続し、並列計算時のPC間 のデータ通信を高速に行う。 512 台は通常のネットワーク接続され、大規模 PC クラスターを構成する。

SPACE 3 号機の構成 CPU : Pentium4 2.8 GHz 、 MEM : 512 MB Network :クライアント A Gigabit 、クライアント B 100Base-TX OS : RedHat 7.3 (PC クラスター:夜 ), Windows XP( 教育用:昼 ) クライアント B はディスクレスでクライアント A がそのブートサーバー Cluster software : SCORE 5.4 平成 16 年度導入予定 研究教育用 PC(64 台 ) 教育用 PC(512 台 ) 1 号機 2 号機 平成 15 年度導入 並列計算機 情報科学センター自然科学教育研究室 光ファイバー ギガビットイーサーネット 光ファイバー クライアント A クライアント B

最後に 専修大学情報科学センターにある学生教育用パソコンを 使って PC クラスターを構築し、そのパフォーマンスを調 べた。 Pentium III + 100Base でも、小規模な流体計算 ならば可能であるし、データの可視化の用途などにも使 用できる。 専修大学情報科学センターにある学生教育用パソコンを 使って PC クラスターを構築し、そのパフォーマンスを調 べた。 Pentium III + 100Base でも、小規模な流体計算 ならば可能であるし、データの可視化の用途などにも使 用できる。 平成16年度以降パワーアップされた新教育 PC システム により、高速ネットワーク接続の PC では大規模流体計算 が可能となる。また、通常のネットワーク接続の PC では モンテカルロ法を用いた輻射輸送の計算や、広範囲のパ ラメーターサーベイが必要な問題を扱うことができる。 平成16年度以降パワーアップされた新教育 PC システム により、高速ネットワーク接続の PC では大規模流体計算 が可能となる。また、通常のネットワーク接続の PC では モンテカルロ法を用いた輻射輸送の計算や、広範囲のパ ラメーターサーベイが必要な問題を扱うことができる。 このシステムを銀河の化学力学進化の研究に応用し、宇 宙における物質循環過程を解明していく計画である。 このシステムを銀河の化学力学進化の研究に応用し、宇 宙における物質循環過程を解明していく計画である。