バイオマスを中心とした自然エネルギーの 利用と展望について 1.バイオマス資源と地震 2.生態系とバイオマスについて 3.バイオマスの潜在量について 4.里山ってなに? (伝統的なバイオマス利用方法) 5.バイオマスと関連技術.

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バイオマスを中心とした自然エネルギーの 利用と展望について 1.バイオマス資源と地震 2.生態系とバイオマスについて 3.バイオマスの潜在量について 4.里山ってなに? (伝統的なバイオマス利用方法) 5.バイオマスと関連技術

「バイオマスって何?」 バイオ(生物)+マス ( 量・物質) =生物体 ( 有機物量)≒主に植物体 バイオマス (植物体) 光合成 CO2 燃焼 分解 エネルギ ー 適切に利用すれば、 CO2増加につながらない

1.バイオマス資源と地震 急峻な地形 モンスーン気候 + 急峻な地形 ⇓ 豊かな降水量 ⇓ 豊かな植物資源(森林、稲作など) ⇓ 世界トップレベルの人口密度

日本の水平分布と垂直分布

植物群落の群系 平均気温 降水量降水量 (亜)熱帯多雨林 照葉樹林 夏緑樹林 針葉樹林 寒地荒原 ( 高山帯) 雨緑樹林 温帯草原 (ステップ) 熱帯草原 (サバンナ) 砂漠

2、生態系とバイオマスについ て 生態系(エコ・システム) 水槽の中のミニ生態系 光 水 O2O2 CO 2 植物 (生産者) 温度 魚 ( 消費 者) 微生物 ( 分解者) 無機的環境 生物群集 NH 4 + NO 3 -

2、生態系とバイオマスについて ● 生産者の物質 ( バイオマス)収支 総生産量 =全光合成量(有機物量) 純生産量 =総生産量ー呼吸量 成長量 =純生産量ー(被食量+枯死量) 一次消費者の摂食量へ

生態系の物質収支 (北アメリカの比較的若い森林) 総生産量 呼吸量55% 成長量 枯死量 分解量 被食量(1. 5%) 分解者の呼吸量(2 3%) 蓄積量 (2%) 19% 25% より上位の消費者へ 純生産量45%

生態系のおけるエネルギーの流れ 太陽 エネルギー 遺体・排出物 分解者 熱 呼吸の流れ 太陽エネルギー➟地球(食物連鎖)➟熱➟宇宙へ 有機物の流れ (バイオマ ス) 熱 熱 熱 熱

● 炭素の循環 大気中のCO 2 植物動物 分解者 サンゴ等 海洋中のCO 2 遺体・排出物 化石燃料 燃焼 生物 約0.03 9%

← 発見 消費 ↓ それは、石油資源の枯渇と その争奪戦だ ! 石油発見量と消費量

2、バイオマスの潜在量について ● 地球生態系における炭素貯蓄量 引用)食料・農業・農村白書( H21 ・農林水産省編) ← OECD 「土壌有機炭素・専門会議報告書」( 2003 年)エネルギー経済統計 要覧 (2007)

森林系バイオマスはどの程度利用できるか ? 炭素量 森林系バイオマス量 5000億ト ン ・・・ ① 光合成量 1200億ト ン ・・・ ② 純生産量( ②× 40%) 480億ト ン ・・・ ③ 化石燃料の燃焼量 72 億トン ・・・ ④ ④ / ③ =6.7倍 【純生産量 ③ 】の15%を利用するだけで 【化石燃料使用 ④ 】をすべてまかなうことができる。 データー; ① ~ ③ 啓林館「高等学校生物Ⅱ改訂版」 ④ エネルギー経済統計要覧 (2007)

日本国内のバイオマス 廃棄系バイオマス ( 約 10%) + 未利用バイオマス ( 約2%) + 資源作物 ( 約2%) の合計で 原油輸入量の14%を代替できると試算してい る。 データ 「バイオマスニッポン」(日刊工業新 聞)より

建築ブームに よる需要増 輸入材の増加 森林での 蓄積量

3、里山ってなに? (伝統的なバイオマス利用 林) 極相林 ( 原生林) 二次林(遷移の途中) スギ・ヒノキ林(植林) 竹林 果樹園 狭義の里山狭義の里山 広義の里山広義の里山

時間 極相 裸地 荒原 草原 低木林 陽樹林 陰樹林 数百年 以 上 一 次 遷 移 陰樹の幼樹 が成長 遷移て、なに?

時間 極相 裸地 荒原 草原 低木林 陽樹林 陰樹林 数百年 以 上 一 次 遷 移 陰樹の幼樹 が成長 里山って、なに? 里山

極相

10 ~ 20 年 サイクル 二次遷移 二次林 (里 山) 天理市仁興町 1年後

里山多様性 クヌギ コナラ などの 落葉樹 アカマツ カシ類 ソヨゴ などの 常緑樹 スギ・ヒノキなどの 植林

冬の寺社林(鎮守の森)

里山の春 初夏 秋

日本の伝統的な森林利用 里 山 奥 山 里 田畑 燃料 建築材 肥料 里海魚 人糞 治山治水 作物 鳥 里山を積極的 に有効利用す ることで奥山 を伐らずにす む

里山の土地利用 南 北 果樹 竹林鎮守 の森 スギ ヒノキ アカマツ林 乾燥に強い 北側斜面の方が 年輪がつまり良 材を得やすい 用材 用材, マツタ ケ 薪炭 クヌギ・コナラ林 成長がはやい

遷移と物質生産の概念図 遷移の 時間 光合成量 CO2 成長量 極相 里山 呼吸量 新たな 二酸化炭素 吸収量

森林系バイオマス利用の概念図 遷移の 時間 CO2 成長量 有効 利用 建築材 パルプ 樹脂 など カスケード ( 繰り返し ) 利用 廃棄系バ イオイオ マス 燃料 燃料 自動車 発電 暖房など 燃焼 里山、人工林、 竹林、など

4、バイオマスと関連技術 ・セルロースの糖化、エタノール ( メタノー ル)化 ・バイオマス由来のプラスチック合成 ・燃料電池 ・スーパーゴミ発電

バイオエタノールってなに? エタノー ル 石油 CO 2 炭水化物 (糖) 光合成 燃焼など

NHK 爆問学問より 「永久エネルギー誕生!」 石油の枯渇問題を一挙に解 決するものとして期待され ているのが、硫酸を固体化 した 「カーボン固体酸」だ。

原 亨和 ( はらみちかず ) 1965年生まれ。東京工業大学教授 機能セラミックス・触媒カーボン固体酸の開発によ り、 2006年サイエンス・アメリカ誌によって 「世界で注目される研究者50人」に選ばれる。

カーボン固体酸 ( 触媒)と は? ・何度でも再利用が可能 ・雑草や木くずも糖に分解 ・糖⇒バイオエタノール ほとんどの石油化学物質を 石油枯渇後も安価 に生産することが可能

バイオマス発電所建設のイメージ図 出資・運営 電力会社 出資・協力 地方自治体 バイオマス 発電所 民間ボランティア 土木業者等 ( 緑の雇用創出 ) 林業関係者・製材業者 電力 廃熱 地域暖房等 農・工業で 利用 二酸化炭素 光合成 夜間・余剰電力 の利用 木質バイオマス資源 ( 森林、廃材など

廃棄物発電 ( ごみ発電) メリット 技術が進み、エネルギー変換率が20~30%に なる。 排熱を利用できる。 デメリット スケールメリットが必要 3 R が進めば、スケールメリットが生かされない。

解決策 間伐材や竹材を燃やし、稼働率を安定 させる。

ごみ焼却炉のボイラー から出る蒸気をガスタ ービンの排熱でさらに 加熱して発電効率を高 めた複合型ごみ発電。 発電効率は30~3 4%。通常のごみ発電 の発電効率は20%以 下。 スーパーごみ発電

夜間電力の利用 スーパーごみ発電 高性能バッテリー 廃棄物(ゴミ) 農産物系バイオマス 間伐材など その他の発電 ゴミ問題の解 決 森林保全 雇用の創出雇用の創出 生産緑地保全 排熱の利用 ( 家庭、農・工 業) 電気自動車など 一般電力 ネットワーク・バイオマス発電システ ム

ゴミ発電+バイオマス発電のイメージ 図 出資・運営 電力会社 スーパーゴミ 発電所 土木業者等 ( 緑の雇用創出 ) 林業関係者・製材業者 電力 廃熱 地域暖房等 農・工業で 利用 二酸化炭素 光合成光合成 光合成光合成 夜間・余剰電力 の利用 木質バイオマス資源 ( 森林、廃材など) 出資・協力 地方自治体 家庭ゴミな ど 一般利用

将来的な技術課題 燃料電池 → 発電効率の向上 → 夜間電力などの余剰電力を利用して生 産される水素を利用できる。 → バイオマスを直接利用できる 燃料電池開発のヒント → 生物は燃料電池で生きている ?! → 好気 ( 酸素)呼吸の電子 ( 水素)伝達系 ( ミトコンドリアの膜上 の反応)

燃料電池のしくみ 2H 2 O → 2H 2 + O 2 水の電 気分解 2H 2 O ← 2H 2 + O 2 燃料電 池 電気エネルギー ⇓ 電気エネルギー

バイオマスなど C HO 燃料電池のしくみ

ご清聴ありがとうござい ました。