Zピンチ慣性核融合 Z-pinch Driven Inertial Confinement Fusion 高杉 恵一 量子科学フロンティア 2002年10月24日
関口忠 : 現代プラズマ理工学 核融合反応
Cockcroft-Walton の実験 1932 年、倍圧整流回路を用いた静電加 速器を用いて、人工的に原子核衝突の 実験を行なった
地上の熱核融合反応 Teller-Ulam 型水素爆弾の 構成図
核弾頭の構造 Howard Morland : The Holocaust Bomb: A Question of Time
慣性核融合の概念 短時間に高温高密度状態を形成し、膨 張・拡散しないうちに核融合反応に点 火する 高密度物質によって放射の閉じ込めを 行ない、高温ホーラム内でターゲット の爆縮を行なう
NIF National Ignition Facility
NIF National Ignition Facility 波長 0.35 μm ビームライン 192 本 出力エネルギー 1.8 MJ 出力パワー 500 TW
ペレットの爆縮
Rayleigh-Taylor 不安定性
ターゲット・カプセルの構造
レーザー慣性核融合 レーザー照射によってホーラム温 度225eVを達成する アブレーションによって爆縮速度 3 × 10 5 m / sを得る ターゲットを初期半径の1 / 30 に圧縮する 中心温度10keVを達成し核融 合反応に点火する
Z accelerato r 3 MV 、 20 MA 、 11.4 MJ
Z装置におけるエネルギー圧 縮 Don Cook : Proc. 11 th IEEE Int. Pulsed Power Conf.
Zピンチターゲット
Zピンチホーラム Static-walled HohlraumDynamic Hohlraum R.J. Leeper et.al. : Nuclear Fusion 39, 1283 (1999)
ホーラムからのX線放射 R.J. Leeper et.al. : Nuclear Fusion 39, 1283 (1999)
X線放射のスケーリング Don Cook : Proc. 11 th IEEE Int. Pulsed Power Conf.
Zピンチ方式慣性核融合 Zピンチからの放射によってホー ラム温度225eVを達成する 放射パワーを効率よくターゲット に伝達する
Zピンチへのエネルギー入力 プラズマの半径方向の運動方程式は プラズマに入る運動エネルギーは 電流2乗のスケーリングが得られる
初期半径 R=10 -2 m 到達半径 a=10 -3 m プラズマ長 l=10 -2 m ターゲットが m=3×10 -4 kg のタングス テンの場合、原子1個あたりに入るエ ネルギーは 100 keV になる 電流 I=60 MA のときプラズマに入る エネルギーは
いろいろな原子の電離エネルギー
100 keV のエネルギーの分配 Ni( Z=28 )の場合、完全に電離 して温度は1.5keVになる Mo( Z=42 )の場合、40荷にま で電離して温度は650eVにな る W( Z=74 )の場合、51荷にまで 電離して温度は230eVになる
ダイナミック・ホーラム 収縮する第1のライナーの質量をm、 速度をv、第2のライナーの質量を Mとする 2つのライナーは衝突後合体して速度 Vで運動する
この衝突は非弾性衝突であり、エネ ルギーの放出を伴う 放出されるエネルギーは これはMが大きなほど放出エネルギー は大きくなるが、質量あたりのエネル ギーが最大になるのはm=Mのときで ある
まとめ 60MAのZピンチによるホーラ ム温度230eVの達成 ダイナミック・ホーラムによる運 動エネルギーの効率のよい熱化
Zピンチ核融合炉の模型