物理学第二分野 宇宙線研究室 M2 信川 正順 1. Diffuse X-ray and Iron Line 銀河面拡散 X 線の発見 Evidence for a Galactic Component of the Diffuse.

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物理学第二分野 宇宙線研究室 M2 信川 正順 1. Diffuse X-ray and Iron Line 銀河面拡散 X 線の発見 Evidence for a Galactic Component of the Diffuse X-ray Background (Cooke, Griffiths & Pounds 1969) 点源に分解できない拡がった放射を発見 てんま、ぎんが衛星による 6.7 keV 鉄輝線の発見 ~10 8 K 高温ガスの存在を示唆 1.8 ゚ ×1.0 ゚ (FWHM) の楕円形状 b (degree) 1 10 鉄輝線 (Koyama et al. 1989) Counts/s/keV Energy (keV) (Yamauchi et al. 1990) l (degree) 拡散 X 線スペクトルと分布 ( ぎんが ) The Distribution of Iron Line of the Galactic Center Diffuse X-ray The Galactic center diffuse X-ray (GCDX) emission has pronounce iron lines. The Fe I K  line (6.4 keV) emission is located at the Sgr A, B and C giant molecular clouds. The 6.4-keV X-rays would be originated from the past activity of the supermassive black hole Sgr A*. On the other hand, the Fe XXV K  line (6.7 keV) emission extend over the GC region. The highly ionized iron atom implies that 7x10 7 K hot plasma. We compared distribution of Fe XXV K  line with that of X-ray point sources. The distributions are different each other. It suggests that only the integration of unresolved point sources cannot explain the GC hot plasma. 2. Suzaku Observation of the GC Region 6.4 keV 中性鉄 K  輝線 6.7 keV He 状鉄 K  輝線 すざく 銀河中心のスペクトル 6.9 keV H 状鉄 K  輝線 6.4 keV= 中性鉄輝線 6.7 keV=He 状鉄輝線 Sgr BSgr C Sgr A East G ゚ =150pc Sgr A Sgr D 6.4 keV ・・・ Sgr A, B, C の分子雲と相 関している。過去明るかった Sgr A* の 硬 X 線を反射して輝く “X 線反射星雲 ” 6.7, 6.9 keV ・・・ He 、 H 状鉄イオンの特 性 X 線。 7×10 7 K の超高温プラズマの 存在を示唆する。 Energy (keV) Chandra (Muno et al.2004) 5 10 Energy (keV) すざく (Koyama et al. 2007) Fe 中心領域 ( 銀径 -0.4 ゚ ~0.2 ゚ ) に関して 鉄、ニッケル 輝線を精密分光し、鉄輝線 と点源の分布が異なること から拡がった高温プラズマ ( 7×10 7 K) の存在を決定的な ものにした。 また、中性輝線 (Fe, Ni) や非熱的放射を示唆する ハードテイルも検出した。 赤:高温プラズマ 青:中性輝線 緑:ハードテイル 3. The Origin of the Fe XXV K  Line 点源の重ね合わせ GCDX はスペクトルの類似性から 点源 (CV ;激変星 ) の重ね合わせで あるという説がある。 ・ Chandra で観測 (> erg/s/cm 2 ) →10% しか説明できない 低温成分がない ・ erg/s/cm 2 まで観測すると 100% 説明できる (Revnivtsev et al. 2006) keV Line Profile with Suzaku 6.7 keV 輝線強度 輝線強度比 黒:東 側 赤:西 側 表面輝度 (10 -6 ph/s/cm 2 /arcmin 2 ) error: 90% confidence ↑ 16 分割 6.7 keV image 解析方法 ・領域のそれぞれからスペク トルを抽出 ・ NXB( 天体由来でないバッ ク グラウンド ) のみをひき、 absorption*(PL+lines) でフィッ ト 6.7 keV 輝線強度 ・銀径< 0.3 ゚ 東側の方が強い ・ GC 成分+リッジ成分 ↓ 広がり 東側: 0.24 ゚ ±0.02 ゚ (FWHM) 西側: 0.19 ゚ ±0.02 ゚ 輝線強度比 ・プラズマ温度に対応 ・ 0.2 ~ 0.6 → kT=5 ~ 7 keV ・平均値 GC : 0.39±0.06 リッジ: 0.21±0.09 → 高温プラズマが GC からリッ ジへ冷却しながら流れ出してい る、 と考えることもできる 4-2. Comparison with Point sources Distance from Sgr A* (degree) Surface brightness (6.7 keV line) ←6.7 keV 輝線と点源の分布 の比較 ・分布形状が異なる 6.7keV : exponential 点源: power-law ・ power-law model のベキ 6.7keV : -0.72( ) 点源 : -1.10( ) (cf. Sgr A* 周辺 -1.0 ; Muno et al.2003) 6.7 keV line =高温プラズマを点 源だけで説明することは難しい (point source) 黒、赤: 6.7 keV 青:点源 preliminary 点源の分布と 6.7keV の分布は 異なる error: 90% confidence 解析方法 Muno et al.2004, 2006 の点源カタログ から条件を満たす長方形領域内の点 源の flux を積分 1. hard sources 2. flux>3x10 -6 ph/s/cm 2 ( 点源が 50% 以上検出可能な閾値 ; Muno et al. 2006) すざく 6.7 keV image Abstract 拡がった高温プラズマ ※膨大な観測時間 密集した点源の confusion 分布を比較する Si S diffuse point source