温暖化に対する 寒冷圏の応答 予想以上に氷流出進行? 2月 17 日朝日新聞 3月 25 日朝日新聞 阿部彩子 地球 Frontier 研究センター 東大気候システム研究センター 国立環境研究所.

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温暖化に対する 寒冷圏の応答 予想以上に氷流出進行? 2月 17 日朝日新聞 3月 25 日朝日新聞 阿部彩子 地球 Frontier 研究センター 東大気候システム研究センター 国立環境研究所

氷床変化と海面上昇 (1) 氷床ー気候モデルの精密化/高度化 (2) 長期影響も含む予測 6メートル上昇

氷床ー大気海洋結合モデル 計画 海面変動予測の方法について 気温/降水量 3次元氷床力学モデル (Saito & Abe) ICIES 大気海洋結合大循環モデル CCSR/NIES/ FRSGC 共同開発 氷床の形分布 流動/温度 融解(淡水) (作業中) (表面質量収支モデルは要検討)

17年度成果 (1) 21世紀末までの 気温の変化と海面 上昇予測 高解像度 (Suzuki et al, 2005 GRL) 高解像度版 (T106AGCM+1/4x1/6 度 OGCM) 中解像度版 (T42AGCM+ 1/2~1 度 OGCM)

正味表面 氷床質量 収支変化 高中 最近の観測事実と傾向が合致 (1) 氷の流出:南極半島や 西グリーンランド縁辺部 (2) 氷床内部での質量収支の 増加と高度の高まり。

17 年度成果 (2) 長期海水準変動予測 MIROC mid → IcIES 20km (off line) (グリーンランド氷床のみ) 氷床変化時系列 温暖化後氷床分布 A1B TfixA1B Sfix 現在再現 2つの種類の実験実行 S-fix: 21世紀末シナ リオ濃度安定化 T-fix: 21世紀末気温 安定化 グリーンランド氷床上 の夏平均気温 結果: 21世紀末にガス濃度を A1B に 安定化させても、 千年後に2メートル近く海面上昇 (長期的負の遺産)

氷床ー結合モデル開発 Basic (on-line)Off-line design

1. 大気海洋結合モデルの温暖化実験 (IPCC に提出済み)から21世紀中の氷床 変化傾向と海面上昇を予測 2. 温暖化安定化シナリオにおける氷床や海水準の長期記憶の評価: 結合モデルの長期積分とそれを用いた氷床モデル実験を行なった。 3. 氷床ー気候結合モデルの検討、作成、結合モデル実験実施中。 氷床の融解水が海洋に与える影響についても調べることをめざす。 4. 氷床ー気候ー炭素循環結合モデルによる長期変動計算 ( 今年度の結合モデル への参加?) (氷床モデルの高度化(予想より早い氷河流出の説明) (南極氷床の変化計算) まとめ