ヘリオトロン J 周辺プラズマの熱流束分 布に関する研究 中野賢・松浦寛人 ( 大阪府立大学 ) The authors are grateful to the Heliotron J supporting group for their excellent arrangement of experiments.

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ヘリオトロン J 周辺プラズマの熱流束分 布に関する研究 中野賢・松浦寛人 ( 大阪府立大学 ) The authors are grateful to the Heliotron J supporting group for their excellent arrangement of experiments. This work is partially performed with the support and under the auspices of the NIFS Collaborative ResearchProgram(NIFS08KUHL021).

サーマルプローブ プラズマから固体壁への熱流束の研究 シースの研究 ラングミュアプロ ーブ シースを通じて行われるプラズマと固体間での 電荷のやりとりを調べる方法. 電子に関するパラメーターを求めることが出来る. サーマル ( 感熱 ) プローブ プラズマと固体間での熱流束を計測するために提案された 方法 イオンに関するパラメーターも求めることが出来る.

I-V 特性と Q-V 特性 ( 低圧グロー放電 ) cpp 2006 Langmuir probe I-V characteristic Thermal probe Q-V characteristic 熱流束はバイアス電圧に依存することが分かった. その他にイオン電流などにも依存する.

シース熱伝達因子 比例定数 ( シース熱伝達因子 ) はしばしば人為的に与えら れる. プラズマ熱流束評価において次のような式が用いられる. バイアス電圧の効果 エネルギー反射係数 シース熱伝達因子を考える際に, 以下の要因を考慮していない.

表面のエネルギー反射係数の効果 で を, 電子温度をパ ラメーターとしたすべてのバイア ス領域で理論的な曲線でのフィッ ティングはできない. 実測した を用いて のバイア ス電圧依存性を理論的カーブで再 現できた.

ダイバーター熱流束 直接的測定法の開発・確立 目標 核融合炉設計におけるダイバーター熱流束の正確な評価 課題 ・ダイバータープラズマにおいては となる ことがある 単純ボーム条件の適用が出来ない ・複数イオン種, 固体表面反応, 磁場の効果 etc... サーマルプローブ 法をダイバーター プラズマに適用 複雑なので計算で精度よく推定するのは困難

ヘリオトロン J ( 京都大学 )

複合方向性プローブ (HDP) 配置図 0 deg deg. #7.5 port 真空容器断面図 磁気面

HDP (# 7.5 ) PFR(2007) pin は 8 つ 主に使うのは pin3,4,5 ピンの初期位置と回転角度制 限 断面図 Pin3-5 Cu 直径 4.5[mm] K 型熱電対 Cu

HDP 可動方向

Assumption 主放電時間 が短い ( ≒ 0.1[s] ) ので 熱パルス TC センサ ー X軸X軸 表面から数 mm Y軸Y軸 半無限体平板 ・半無限体平板を仮定 ・無限小の熱パルスと仮定 ・一次元的な熱の流れを考える Model 1

⊿t⊿t δ 関数的な 熱パルス Model 1 base line ( ≒ 0.1[s]) Model 1 (Infinite model)

TC 信号サンプル例 (LCFS 内部 ) ・サンプリング数は 10[ms] 主放電終了辺りで温度が 上昇し始める. ・ TC 信号が最大値に到達. その後に磁場の影響を受 け信号値がジャンプする.

フィッティング例 (LCFS 内部 ) base line ( ≒ 0.1[s]) が分かれば, 推定した より熱流束 が求め られる. (#31582)

軸回りの熱流束分布 (LCFS 内部 ) ・熱流束は -25° ~ -50° の間 で 極大を取ると考えられる. ・周期性のある波形が データに見受けられる. 0° 60° -120° NBI rev B STD( 反転磁場 )

大半径方向の熱流束分布 (LCFS 外部 ) ダイバーターレッグの存在を 反映するような分布が計測された. 極大と極小が存在する. ECH STD( 反転磁場 )

Field line structure corresponding to the stroke of the movable probe array Profiles of the ion saturation current for different positions of Z ヘリオトロン E での実験結果 NF(1992)

ダイバーターレッグの構造に 対応している. 極大と極小が存在する. ダイバーターレッグの存在を 反映するような分布が計測された. 大半径方向の熱流束分布 (LCFS 外部 ) ECH STD( 反転磁場 )

大半径方向の熱流束分布 (LCFS 外部 ) ECH STD( 反転磁場 )

まとめ ・ H-J における HDP のピンが受ける, 熱流束を推定するための熱伝導モデルが構築できた. ・ HDP を軸回りに回転させた際に, 熱流束は イオン飽和電流と同様な 180 度周期のデータを示した. ・イオン飽和電流から予想される熱流束と, サーマルプロー ブ法で 測定した熱流束の値の間には矛盾はなかった. ・ダイバーターレッグの存在を反映するような分布図が得ら れた

プローブの種類とその測定対象 プローブパラメータ ー 電荷 ( ) ラングミュア プローブ ( 電流 ) Langmuir etc ・・・ etc ・・・ 運動量 ( ) Combined force-Mach-Probe ( 圧力 ) Lunt etc ・・・ エネルギー ( ) サーマルプローブ ( 熱流束 ) Stamate 門 永岡 松浦

二次元熱解析ソフトを用いて 簡単なプローブモデルを作成, 境界条件を与えて解析を行った. 熱電対の部位は 冷却ガス ( ) を 循環させている 非定常熱伝導解析

シミュレーション結果 t=0[s] 0< t <0.1 加熱過程 0.1< t 冷却過程 t=0.1[s] t=0[s]

シミュレーション結果 t=0.2[s] 0< t <0.1 加熱過程 0.1< t 冷却過程

シミュレーション結果 t=0.5[s] 0< t <0.1 加熱過程 0.1< t 冷却過程

シミュレーション結果 0< t <0.1 加熱過程 0.1< t 冷却過程 t=1.5[s]

シミュレーション比較図 #31582 は 10M ~ 15M と同じ程度になった オーダーは 10MW クラスで一致

フィッティング例 (LCFS 内部 ) base line のオーダーは一致 ある程度の正当性が示された. (#31582)

比例定数はしばしば人為的に与えられる. プラズマ熱流束評価において次のような式が使用されて いる バイアス電圧の効果 エネルギー反射係数 しかし一般的には推定の際に, 以下の要因を考慮していない場合がある シース熱伝達因子 ( )

比例定数はしばしば人為的に与えられる. プラズマ熱流束評価において次のような式が使用されて いる バイアス電圧の効果 エネルギー反射係数 しかし一般的には推定の際に, 以下の要因を考慮していない場合がある