1 「ユビキタスメディア環境を実現す る 基盤技術とその応用」プロジェクト 2006年度 中間報告 慶應義塾大学 DMC 機構 環境情報学部 助教授 高汐 一紀 RA 青木 俊 門田 昌哉 高橋 ひとみ 間 博人
2 概要: ユビキタスメディアとは? ユビキタス環境における効率的なコンテンツ配信・閲 覧技術 コンテンツ再生環境の多様化 – PC,携帯電話,PDA – 環境組込みの大型ディスプレイ,プロジェクタ ネットワークの多様化 – 無線,電力線,可視光通信, etc. – 安全,非安全のネットワークへの適応 – 即興的に構成されるネットワークへの適応 デジタルコンテンツ自体の多様化 – 高精彩映像,家庭用映像 – 携帯向け端末映像 – センサーデータ,地理情報の利用(コンテンツの動的再構成) 環境透過なデジタルコンテンツ配信,変換,表示に関する 総合的基盤技術の研究開発
3 研究タスク Task I 無線・有線オーバレイネットワークによる デジタルコンテンツの透過的配信技術 Task II デジタルコンテンツの動的生成・変換技術 Task III コンテキストアウェア型デジタルコンテン ツ 表示技術
4 研究体制 代表者 高汐 一紀(環境情報学部 助教授) Task I :デジタルコンテンツの透過的配信技術 – 高橋 ひとみ(政策・メディア研究科 後期博士課程) – 間 博人(政策・メディア研究科 後期博士課程) Task II :デジタルコンテンツの動的生成・変換技術 – 青木 俊(政策・メディア研究科 後期博士課程) – 高橋 ひとみ(政策・メディア研究科 後期博士課程) Task III :デジタルコンテンツ表示技術 – 門田 昌哉(政策・メディア研究科 後期博士課程)
5 コントリビューション ユビキタス情報環境下での,多種多様な情報機 器を活用した,既存デジタルコンテンツの効果 的な閲覧・利用 新しいデジタルコンテンツドメインの創造に貢 献できる統合的な基盤技術( DMC 他プロジェク トとの連携) 豊富な既存資産(実験施設,デバイスプロトタ イプ,ソフトウェア,ノウハウ)を有効活用し た,フィールドテストの実施
6 研究計画 ネットワーク技術,コンテンツ変換,表示再 生技術に関する既存研究の調査,および,問 題点の切り出し Task I 〜 III での要素技術の研究開発 各要素技術の実環境での運用・評価,および, 統合基盤としてのシステム検討・設計 ネットワーク配信,コンテンツ動的生成・変 換,コンテンツ再生技術を統合,連携した, ユビキタスメディア環境基盤技術の開発・評 価
7 目標(シナリオ) デジタルコンテンツを、ユーザや環境 の状況に基づいて、最適なデバイスで 表示 例 – ユーザが移動中は携帯端末で映画鑑賞 – 大型ディスプレイが周囲にある場合は大型 ディスプレイで映画鑑賞 ユーザの周囲でミーティング中の場合は、映像 を大型ディスプレイで再生し、音声はイヤホン から再生する
8 要件 最適なデバイスの選択 –Task2 再生機器に応じたメディア変換と、メ ディアコンテンツを利用するサービス の定義 –Task3 メディアコンテンツ、及びネットワー ク環境を考慮した最適な通信方式の選 択 –Task1
9 Task I:TranSwitch:ネットワークフロー毎 における最適な TCP への動的切替機構 特性が異なる複数のネットワークを同時に利 用 各ネットワークの特性に合わせた TCP の選 択 – 広帯域ネットワーク → 広帯域ネットワーク用 TCP – 無線通信 → 無線ネットワーク用 TCP – 特性が不明 → 汎用性を重視した TCP 通常 TCP 広帯域 不明無線 フロー A フロー C フロー B ネットワーク 環境 TCP ネットワーク フロー TranSwitch を利用 フロー A フロー C フロー B 広帯域 不明無線 汎用的 TCP 広帯域用 TCP 無線用 TCP TranSwitch
10 Task II :コンテキストアウェ ア・メディア変換機構 メディアコンテンツを機器に適した形 式で再生 コンテキストに応じて機器横断的な サービスを構築
11 シナリオ 映画をストリーミングする場合 – 大型ディスプレイの場合と携帯端末の場合 でサイズを変更 – 映像は大型ディスプレイで、音声はスピー カーで再生(コンテキストに応じて機器を 切り替える)
12 手法 環境にメディア変換機構を設ける 各サービス(映画・音楽)を、映像・ 音声などに分割して定義 サービスの振る舞いと機器の特性を定 義ファイルに記述 映画サービス 定義 ファイル 定義 ファイル 定義 ファイル 定義 ファイル 定義 ファイル 定義 ファイル 定義 ファイル 定義 ファイル
13 TASK3: コンテクストアウェ ア型情報配信・表示機構 環境・ユーザの状態推定に基づき、メディア コンテンツの再生に適したデバイスを検索す る – 大型ディスプレイ、 iPod Video 、 PSP 、携帯電話、 ラップトップコンピュータ、公共端末( Smart Furniture)
14 シナリオ: 状況に適した再生デバイスの検索 映画をストリーミングする場合 – 屋内、屋外のどっちにいる?移動中? – 近くに大画面のディスプレイはある? – 近くでミーティング中?大きな音は出せな い? – 現在使用中の端末は?電池残量は? – 画面の大きさは?動画出力可能なデバイス は? 複数の、不確実な要因から現在の状況を判断して、 最適な再生デバイスを自動的に検索する
15 手法: ベイジアンネットを用いた解析 1. MicaMote, SmartIts などの小型センサネットワーク 2. ベイジアンネット、 HMM などの確率統計モデル 3. 状況に応じて最適なデバイスを検索 = 52%,=28%, = 20%
16 主な成果(論文等) “ TranSwitch :ネットワークフロー毎における最適な TCP への動 的切替機構 ” 、山下 勝司, 高橋 ひとみ, 斉藤 匡人, 徳田 英幸、 情報処理学会 第 10 回ユビキタスコンピューティング研究会, 2006 年 2 月 " センサネットワークにおける分散ベイズ確率推論アルゴリズム " 、 門田 昌哉, 間 博人, 中澤 仁, 徳田 英幸、電子情報通信学会 第 3 回セ ンサネットワーク研究会、 Vol.SN 年 1 月 "MANET における TCP スループット推定による経路選択機構の実環 境評価 " 、高橋 ひとみ, 斉藤 匡人, 間 博人, 戸辺 義人, 徳田 英幸、情 報処理学会論文誌「ユビキタス ITS とモバイルアプリケーション」 特集号 Vol.46 (12) 2005 年 12 月 " 異種混在無線ネットワークにおける経路制御による仮想的な疑似 デバイス構築手法 " 、高橋 ひとみ, 斉藤 匡人, 間 博人, 戸辺 義人, 徳 田 英幸、情報処理学会論文誌 「ブロードバンド・ユビキタス・ ネットワークとその応用」特集号 Vol.47 (2) 2006 年 2 月
17 下半期の取り組み 現状:各タスクのプロトタイプ実装終 了 今後 –Task1: 評価と実験 –Task2: 評価と記述言語に見直し –Task3: システムの評価と最適化 – 連携・統合:基盤システムとして完成させ る