円線図とは 回路の何らかの特性を複素平面上の円で表したもの 例えば、ZLの変化に応じてZinが変化する様子 Zin ZL

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円線図とは 回路の何らかの特性を複素平面上の円で表したもの 例えば、ZLの変化に応じてZinが変化する様子 Zin ZL 一次分数関数 (双一次関数) j z の円 wの円 (z の一次分数関数) 複素平面上で z が円(直線も r = ∞の円と考える)を描くならば、 w も円を描く 一次分数関数は、複素平面上の円を円に写像する

円から円への写像 円から円への写像 (平行移動) (相似回転) wの円 j j ejr 回転 H1 z の円 r |H2|z の円 相似変換 j ejr 回転 H1 z の円 r |H2|z の円 相似変換 wの円 z の円 j z の円 wの円 鏡像 反転 (反転鏡像) z の円を反転(  をとること)し、実軸に対しての鏡像(その複素共役)をとる

反転の3つの場合 反転の三つの場合 (a) z が原点を含まない円を描く場合 (b) z が原点を含む円を描く場合 j j A z A z j A z A z B B (1, 0) (1, 0) (c) z が直線を描く場合 j 点Aに対しての反転である点Bは、点Aと原点0を結ぶ直線上にある A B z ∵ 点Aの座標をa + jbとすると、点Bの座標は、 (1, 0) よって、arg A = arg B

円線図の例 R Zin jX V I R と jXの直列接続 j I jXI R固定、X 可変の場合 RI V X = 0 X = ∞ X = 0 X = ∞ X = −∞ j I RI jXI X固定、R可変(R>0)の場合 V R = 0 R = ∞ 電圧線図を描いてみよう 電流フェーザを実軸上にとると 電圧線図 j R=0の時 V jXI V Rが大きくなるにつれて さらに大きくなると V jXI I X固定、R可変の場合

円線図(インピーダンス線図) j jX X固定、R可変(R>0)の場合 R = 0 R = ∞ j R固定、X可変 R X = 0 R = 0 R = ∞ j R固定、X可変 R X = 0 X = ∞ X = −∞ R Zin jX R と jXの直列接続 j j X R=∞ R Zin jX V I R と jXの並列接続 X増大 鏡像 鏡像 R増大 R R=0 X=0 X=∞ 1/R X=∞ X=0 X=−∞ X 1/X R=∞ R=0 反転 X減少 反転 R=∞ X固定、R可変 R固定、X可変(X<0) R固定、X可変(X>0)

RL並列回路のインピーダンス線図 RL並列接続回路のインピーダンス線図を描け R L RL並列回路のインピーダンスZは、 と置いた これは、Z 平面上の(R/2, 0)に中心をもつ半径R/2の円 R, L > 0なので、x, y > 0 j L = 0 L = ∞ Z R L増大 従って、Z 平面上の第1象限にのみに限定された円となる L = 0のとき、x, y = 0 L = ∞のとき、x = R, y =0

RL並列回路のインピーダンス線図 L一定でRが変化する場合、 これは、Z 平面上の(0, wL/2)に中心をもつ半径wL/2 の円 j R = 0 R = ∞ Z R, L > 0なので、x, y > 0 従って、Z 平面上の第1象限にのみに限定された円となる R増大 R = 0のとき、x, y = 0 R = ∞のとき、x = 0, y = wL

例題 例題10.7 下の回路インピーダンス線図を描け j R C 1/R C = 0 (f = 0) C = ∞ (f = ∞) R 反転 R C 1/R C = 0 (f = 0) C = ∞ (f = ∞) R 反転 R C = ∞ (f = ∞) C = 0 (f = 0) C増大 (f 増加) 鏡像

演習問題1 図のような回路の電源周波数ωを変化させたとき、流れる電流 I のベクトル軌跡を示せ E R2 L R1 I ω

解答 E R2 L R1 I ω 電流 I は、 となる。 j ω = ∞ 反転 ω = ∞ ω = 0 R2 ω = 0 ω = ∞ 反転 ω = ∞ ω = 0 R2 ω = 0 ω = ∞ ω = 0 鏡像

演習問題2 (10.9) 下の回路において、Rが可変であるとき、Rを流れる電流のフェーザ軌跡を描け ただし、M2 ≠ L1L2, M ≠ L2とする E1 R L2 L1 M ≡ YE まず、Y の軌跡を考える j R=0 R=∞ E1 R L1-M M L2-M R=0 R=∞ E Eを実数にとると I I R=0

円-円対応の証明 複素数 が複素平面上において円周上を動くとき、 も複素平面上において円周上を動くことを証明する (1) を証明する 即ち、 複素数  が複素平面上において円周上を動くとき、 も複素平面上において円周上を動くことを証明する (1) を証明する 即ち、 (2) (3) (1)より、 従って(3)より、 これを変形して、

円-円対応の証明(続き) とおくと (2) が得られる のとき、 とおき、 のときには とおくと (実数)となる (sz の実数部) 即ち   は実数軸に平行な直線上を動く 従って  は直線上を動く

今後の講義日程と内容 朝倉書店 電気回路 朝倉書店 電気・電子工学基礎シリーズ 電気回路 山田 博仁 著 日程 (回目) 講義内容 朝倉書店 電気回路 –三相、過渡現象、線路 – 喜安 善市、斉藤 伸自 著 朝倉書店 電気・電子工学基礎シリーズ 電気回路 山田 博仁 著 日程 (回目) 講義内容 7章 分布定数回路  7.1 分布定数回路とは  7.2 伝送線路  7.3 伝送方程式の定常解  7.4 波の伝搬  7.5 線路の行列表現 8章 分布定数線路  8.1 線路の伝送方程式  8.2 伝送方程式の定常解  8.3 波の伝ぱん  8.4 線路の縦続行列 11/27(第9回) 7.6 線路端条件による電圧・電流分布 7.7 波の反射と定在波 7.8 反射係数 8.5 波の反射 8.6 反射係数 12/4 (第10回)  8.8 理想線路、無ひずみ線路、RC線路   8.8.1 理想線路   8.8.2 減衰極小条件   8.8.3 無ひずみ線路 9章 分布定数回路としての線路  9.1 複合線路 7.9 各種線路  a 理想線路  b 減衰極小条件と無ひずみ線路 7.10 複合線路 12/11(第11回) 12/18(第12回) 演習 (大寺 康夫先生) 9.2 無損失線路と反射波、インピーダンスの測定  9.2.1 伝送式  9.2.2 電圧、電流の円線図  9.2.3 定在波比  9.2.4 定在波による負荷の測定 7.11 無損失線路上での電圧, 電流  a 線路の伝送式  b 線路上の電圧, 電流の円線図  c 定在波比 1/8(第13回)