津波避難状況報告システム 平成21年8月31日 0312006125 鳥居秀徳
調査・研究の背景 宮城県沖や三陸南部海溝を震源とする地震が高い確率で発生すると想定されている。 岩手県・宮城県にまたがる三陸地域では、総合的な津波対策の実施が緊急性をもって望まれている。 避難行動や救援・復旧活動に必要な津波監視情報を国、県・市町村等が正確・迅速に収集し、広報・共有するシステムが必要である。 2 2 2
調査・研究の目標 携帯電話を介した防災システムが有用である 携帯電話は漁業従事者への普及状況も高い 沿岸漁業における陸船間通信では携帯電話は無くてはならない通信手段になっている 海上保安庁の118番等への迅速な救助要請 防災無線局未設置漁船の存在 海上での唯一の通信手段が無線であることを考慮すると、無線局未設置漁船数の多くが携帯電話を利用しているものと考えられる 沿岸部や海上で携帯電話が利用できるのか 沿岸部に携帯電話基地局の設置が進展した結果、海上における携帯電話サービスエリアが拡大 エリアメールを用いて漁業従事者の津波災害からの避難活動を支援する津波防災システムを検討する 気象庁等による津波予報発表から、携帯電話を用いた津波警報配信、避難状況把握までを支援する エリアメールによって、確実に津波警報を配信する 何故漁業従事者向けのサービスか 2017/2/26 3 3
緊急速報「エリアメール」とは 気象庁が配信する緊急地震速報などのメッセージを、 輻輳の影響を受けずに特定エリアへ一斉配信すること が可能 輻輳の影響を受けないので、災害時においても情報配信 が適切に行われる 緊急地震速報をNTTDocomoが提供 NTT Docomoと契約した地方公共団体も災害情報を 配信することが可能である 津波情報や、避難情報等の地方自治体独自のコンテンツ配信 が可能 情報受信者は、エリアメールの受信設定を行うだけであ る 情報受信は無料である 4 4 4
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(J-Alert、気象業務支援センター) 津波避難状況報告システム概念図 中央監視センター (自治体) GPS位置情報取得 防災情報源 NTTドコモ エリアメール 配信システム エリアメールにて 津波警報送信依頼 津波警報 (J-Alert、気象業務支援センター) 津波警報 処理サーバ エリアメール送信 中央監視センター (自治体) エリアメール連携 アプリケーション起動 位置情報を基に 避難活動状況把握 漁業従事者 GPS位置情報送信 状況の報告等 避難状況 管理サーバ 津波からの避難活動 6 6
津波避難状況報告システム構成図 地方公共団体/ 運用企業 利用企業 文面入力 携帯端末 【中央監視センターPC】 配信 DoCoMo網 インターネット 地方公共団体/ 利用企業 運用企業 文面入力 DoJa 5.1 携帯端末 i アプリ Windows InternetExplorer 【中央監視センターPC】 Linux Apache Tomcat PostgreSQL PHP GoogleMAP サーバ側アプリ 配信 エリアメール サーバー 【避難状況管理サーバ】 エリアメールシステム 配信 インターネット NTTDoCoMo 7
携帯端末側 iアプリ画面遷移 iアプリの画面遷移概略は以下のようになります。 z 8 8 三陸沖で大規模地震発生 通信エラーが発生しました GPSデータ取得不可 サーバーとの通信不可 の場合はエラー画面へ エリアメール受信 津波避難状況報告システム z 津波避難状況報告システム ●報告iアプリ起動URL 三陸沖で大規模地震発生 通信エラーが発生しました 津波避難状況報告システム 発生時刻:2009/6/3 16:39 発生場所:三陸沖200km 北緯: 39.15 東経: 142.45 安全距離:岸へ : 12km 沖へ: 20km 三陸沖で大規模地震発生 通信エラーが発生しました。 サービス提供元にお問い合わ せください。 津波避難状況報告システム 発生時刻:2009/6/3 16:39 発生場所:三陸沖200km 北緯: 39.15 東経: 142.45 安全距離:岸へ : 12km 沖へ: 20km このiアプリでは、発生した津波情報の確認、避難状況と現在地の報告をすることができます。 津波避難状況報告システムは、GPS位置情報(お客様の携帯電話の緯度・経度情報をGPS及びドコモの基地局情報の組み合わせにより測位する位置情報)を利用できるiアプリです。iアプリを立ち上げている間は、GPSにより取得された位置情報が定期的に管理者に報告されます。 終了する 予想到着: 2009/6/3 17:15 (21分後) 予想高さ: 80cm アプリ終了 予想到着: 2009/6/3 17:15 (21分後) 予想高さ: 80cm 現在地:定期送信中... 津波避難状況報告システム 現在の状況を報告してください ユーザー情報初期登録 沖に避難中 報告が完了しました。 引き続き情報に注意し安全に 避難してください。 iアプリを立ち上げておくこと により、最新情報を得ることが できます。 避難状況に変化がありましたら、 下記ボタンより最新の避難状況 を報告してください。 岸に避難中 漁船名(必須) 避難しない/避難完了 特記事項 利用開始する (承認) 終了する (承認しない) 連絡先携帯電話番号(任意) 初期設定 アプリ終了 連絡先 [必須未入力の場合] 必須項目が入力されていません。 報告する アプリ終了 定期位送信終了 戻る GPS情報取得(iアプリDX トラッキング機能) 登録する 津波避難状況報告システム ASPサービス連絡先 ・株式会社アイシーエス システムサービス部 ・電話番号:019-651-2626 営業時間:10:00 – 17:00 アプリ終了 アプリ終了 法人向けiアプリDXが通信を行う通信先相手および通信内容 「報告する」ボタン押下しサーバーへ情報を送信する場合は、ボタンを押下したタイミングで 情報送受信 定期送信処理での送受信は、トラッキング機能により位置情報を取得した直後。iアプリからサーバーへの定期送受信通信(通常120秒間隔)。 ■送信データ ・現在地(GPS)送信 ・避難状況(避難状況・特記事項)送信 ・ユーザー情報(漁船名・電話番号)送信 ■受信データ ・地震情報(時刻・場所・到着時刻・高さ)受信 ・測位間隔(定期送信通信間隔パラメーターをサーバーから)受信(通常120秒) スクラッチパッドに保存 漁船名(必須)が空欄の場合は、エラー文を表示。 戻る アプリ終了 使用する法人向けiアプリDX機能 ・位置情報(GPS)の利用 ・利用企業サーバとの通信 津波避難状況 報告システムサーバー 8 8
1)船舶全体最新情報一覧表示 9 9
2)船舶位置地図表示 10 10
スケジュール 11 2009/6 2009/7 2009/8 2009/9 2009/10 2009/11 審査期間 アプリ開発 予備実験 NTTドコモ によるiアプリ 審査期間 アプリ開発 予備実験 本実験 企画書審査 実機登録 アプリ審査 サーバ、iアプリ 開発 iアプリ実機 開発 改良開発 実験 評価 実験 評価まとめ 11
前期の実験結果 前述の予備実験によりシステムの実現には問題がないことを確認 海上での通信状況、サーバのレスポンス時間、携帯電話のGPS機能の精度など この結果はあくまでシステムの動作に問題がないかどうかなので、有用性についての検証のために後期に2度目の実験を予定
引継ぎについて 研究の発展方向としては2種類 エリアメール(携帯電話)方面を掘り下げる 漁業従事者のためのシステムとする こちらはドコモの制限が厳しく自由にシステムの構築などを行うのが難しいかもしれない 他キャリアとの連携という方向に発展させるべき? 漁業従事者のためのシステムとする 現在は津波避難支援のみだが、これを拡張してさまざまな機能を付加する 漁協の方の話では密漁船の監視システムなどが現在課題らしい
引継ぎについて 必要な知識 現在構築しているシステムを引き継ぐ場合にはPHPの知識が必須 他スクリプト言語の知識があればいけるかもしれない iアプリについてはほぼJavaなので解説サイトを見れば数日で理解可能 サーバ稼動についてもApacheをほぼ素で動かしているだけなので特に技術は必要なし