ニュー・バーレスク ~21世紀における舞台芸術としてのストリップティーズ 北村紗衣 ktmrs1616@gmail.com アメリカ文学会東京支部例会 2013/6/29
目次 プロローグ ニュー・バーレスクとは? 第一幕 バーレスクの歴史的背景 インタールード ニュー・バーレスク研究の動向 プロローグ ニュー・バーレスクとは? 第一幕 バーレスクの歴史的背景 インタールード ニュー・バーレスク研究の動向 第二幕 これからのニュー・バーレスク研究 エピローグ
プロローグ バーレスク 脱衣しながらダンスをするストリップティーズ(striptease)を中心に、コメディなど雑多な演芸を取り込んだ芸能 バーレスクショーとストリップクラブの違い
第一幕~ニュー・バーレスクとは何か? 左:映画『さすらいの女神たち』に登場する実在の一座、 キャバレー・ニュー・バーレスク 中央:夏公開の映画『マジック・マイク』。一言もバーレスクに触れていないがかなり主流のバーレスク(ボーイレスク)に近い。 右:クリスティーナ・アギレラ主演の映画『バーレスク』。主流のバーレスクとかなり違う。
Burlesqueという英単語 パロディや諷刺を用いた戯作的文学作品(17c)
リディア・トンプソン 「バーレスクの女王」 ブリティッシュ・ブロンズ一座 1860年代頃から英米で活躍 ※ロマンティックバレエなど のハイカルチャーにおいても女性が足を見せるというエロティックな要素はあった
北アメリカのバーレスク ジャズエイジ ミンスキー一座 ジプシー・ローズ・リー セクシーかつ自立した労働者階級の女性というイメージ
バーレスクの衰退 ・ポルノグラフィの広まり ・主流メディアにおける裸体表現の一般化 →「じらし」(tease)の色気を売り物とするバーレスクの衰退 フェミニズム、キリスト教的道徳主義双方からの批判
ニュー・バーレスク 1990年代以降のバーレスク・リヴァイヴァル ・ノスタルジー 過去の偉大な女性アーティストを参照/称賛する 過去の偉大な女性アーティストを参照/称賛する ・女性ファン、セクシャルマイノリティのファン
ニュー・バーレスクの広がり ・バーレスク・ホール・オヴ・フェイム・ウィークエンド(ラスヴェガス、1991-) ・ロンドン・バーレスク・ウィーク ・一般的な舞台芸術祭への参加
ニュー・バーレスクと現代文化 映画 テレビ番組 『人間改造なりきりゲーム』(Faking It) 2006 ・音楽 ゴールドフラップ ゴールドフラップ プッシーキャット・ドールズ レディ・ガガ
インタールード ~ニュー・バーレスク研究の動向 ※ビブリオグラフィをご希望の方はメールでご連絡下さい
ニュー・バーレスク研究のテーマ ・ストリップティーズとジェンダー・エンパワーメントの関係 パフォーマーやファンがフェミニスト的関心を明言 パフォーマーやファンがフェミニスト的関心を明言 DIY的バーレスク vs ヴィンテージ・バーレスク 性の商品化、女性美の画一化 vs 諷刺と自己表現 大衆演芸 vs ハイ・アート ※ここまでの議論については北村紗衣「ニュー・バーレスク研究入門」49(2011), 105–115に基づく。
第二幕 これからのニュー・バーレスク研究 アナ・ザ・フラガン ロード・リッツ
舞台芸術としてのバーレスク 客の権力(見る力) vs 演者の権力(見せる力) →gazeの主導権争い ニュー・バーレスク…雑多な演芸の集成 ニュー・バーレスク…雑多な演芸の集成 サブカテゴリとなるダンスの分類 それぞれのダンスの技術的特性と歴史的背景 ダンスの種類ごとに観客が示す異なる反応 →ニュー・バーレスクという芸能をコンセプトとそれを支える技術という観点から総合的に記述する 女性史的な視点から技術の伝承などの歴史を書きなおすことで、ジェンダーやセクシュアリティといったこれまで議論されてきた分野においても新しい見通しを得られるのではないか?
バーレスクの技術 Shimmy Bump & grind High kicks ・技術的背景はかなり雑多 バレエ ベリーダンス バレエ ベリーダンス ジャズダンス(Shimmy) フラ カンカン サーカス、アクロバット キャバレー演芸(マジック、スタンダップコメディ、歌)
Gown-and-glove dance Fan dance Bubble dance Balloon dance Feather boa dance Chair dance Wings of Isis Hula hoop Burly-pole Shadow strip Half & Half Danse sauvage Dance of the seven veils Fire dance
エピローグ ・コンセプトと技術 →数分間の一大スペクタクルを作る ・衣服の重要性
ご清聴ありがとうございました 質問・討議の時間です!