1.白黒テレビからカラーテレビへ 2.ENGの登場 3.衛星放送のスタート 4.地上デジタル放送へ 5.難視聴地域(離島)でのテレビ視聴

Slides:



Advertisements
Similar presentations
情報家電 09FI125 福石隆之介 09FI138 水上諒亮 - Contents - 1. 情報家電とは 2. ディジタルカメラ 3. 薄型テレビ 4.HDD & DVD レコーダー 5. ホームセキュリ ティ 6. 家庭用ロボット - Member -
Advertisements

デジタルラジオ企画 2004 年 6 月 11 日 慶應義塾大学. DR の特徴と収益・制作モデル 高音質・香画質 ストリーム&アーカイブ 視聴者コンテクスト別 コンテンツ配信 新しい収益モデルや 制作体制 補完データ の送信 広域 マルチキャスト マルチメディア 再生機能 デジタルラジオの特 徴.
携帯電話の歴史 普及率と企業シェアの推移 パソコン実務科 吉﨑 ・ 梶原. 携帯電話の歴史① 1979年 移動電話(自動車電話)サービス開始。 1987年 携帯電話サービス開始 1993年 3月、800Mhzデジタルサービス始まる。 10月、ドコモ保証金制度廃止。 1994年 4月、端末買い取り制度始まる。
テレビ放送の歴史 国産テレビの誕生、放送番組の歴史 (1) 1. テレビの発明 2. テレビで何が放送されたか 3. テレビ放送開始 1.
通信販売業界 経営戦略班 渡 辺・鬼沢・西. 通販業界全体の動向  市場規模・売上高の推移  通販大手6社と業態別小売店の平均増収 率  通信販売のタイプと代表企業  利用媒体  市場規模・売上高の推移  通販大手6社と業態別小売店の平均増収 率  通信販売のタイプと代表企業  利用媒体.
ICT 機器の基本操作 ( 接続編 ) 長崎県教育センター. 操作 ( 拡大・記録・加 工 ) する役割として の機器 モニターの 役割としての 機器.
映像の修復・再利用技術についての調査 1ds05176w 池田 達矢 1ds05220 柴原 亮介.
島根大学法文学部 野田哲夫 (情報経済論担当)
「メディアとことば」研究における 分析対象としての新聞
第14回 日本の放送制度 担当:野原仁(地域科学部)
視聴覚教育関係の 発明・技術発展  人文学部「視聴覚教育」 須曽野 仁志.
日本のテレビ放送の歴史 国産テレビの誕生、放送番組の歴史(2)
授業展開#3 アナログとデジタル.
最新コピーガード CPRM コピーや録画できる回数を制限するコピーコントロール信号である。コピーワンス放送などの映像データに入っている。
情報機器のディジタル化 いろいろな情報機器がアナログからディジタルに変わってきている。 教科書13~17ページ.
動画像処理特論1 動画像の獲得と保存.
放送産業の特徴(1) 日本の放送産業の構造的特徴
J107 マルチメディアとは② 動画と音声 マルチメディアとは② 動画と音声 J107 中3情報.
放送(1) 放送産業の歴史的変遷と特質 1.ラジオの時代 2.テレビ放送の開始 参考文献.
分担 6-2-1 デジタル放送の歴史と意義  担当    福田 智 6-2-2 インターネットによる配信  担当    儘田 遼.
八丈島にブロードバンドを推進する会 ブロードバンドは何をもたらすのか.
コンピュータ基礎(10) 11章 通信ネットワーク.
通信情報化社会の進展.
アマチュア局の無線設備等の変更申請(届)書
媒體日文(一) 進修部・夜間部 09月18日(水・三) 担当 神作晋一.
情報通信産業論A - 日本の情報通信産業4 – 放送市場
携帯電話と燃料電池 携帯電話 中島 健介 燃料電池 オウ ライ.
1.ジャーナリズムとニュース 2.テレビニュースの流れ 3.テレビ報道は何をどう伝えるべきか
一歩半進んだ放送とは ~#rg-00, %deltaTVでの話題から~
川越市市民講座 2008.6.23 7.7 7.14(3回) シニア情報生活アドバイザー 山家 澂
DVB規格 ~欧州のデジタル放送~
マルチメディア情報の ディジタル表現と処理
確率モデルによる 画像処理技術入門 --- ベイズ統計と確率的画像処理 ---
デジタルラジオ企画 2004年6月11日 慶應義塾大学.
1.日本の放送産業の基本的構造 2.日本の放送産業と法制度 3.技術革新と放送産業
電力自由化の是非 肯定派.
安心してネット上でコンテンツを流通できる環境の形成
窓口業務でこんなお困りごとありませんか?
画像工学 2011年10月6日 担当教員 北川 輝彦.
コンピュータ基礎(10) 11章 通信ネットワーク.
ディジタル回路 1. アナログ と ディジタル 五島 正裕.
放送産業の特徴(2) 放送法制度、倫理・人権
地上波のデジタル化について 2002年10月23日 (株)岩手めんこいテレビ 総務局 前田秀男   
第10回 画像通信 画像通信の概要 構成、画素、走査、送受信原理 ファクシミリ
現代マス・メディア、マス・コミュニケーションの成立の歴史をたどる 参考文献 授業頁 授業資料
メディア業界の戦略構想 ~放送と通信の融合の最前線から~
フィールドセンシング Field Sensing Technologies
画像工学 2012年10月3日 担当教員 北川 輝彦.
CDMA (IS-95) 松下 温 (慶應義塾大学 理工学部).
授業展開#3 アナログとデジタル.
-20世紀のフランス新聞界 -フランスのコミュニケーション概念
インターネットと遠隔講義/講座 大阪市立大学 学術情報総合センター 中野秀男
動画ファイル形式 コンピュータでは、文字や画像、動画、音声といった様々な種類の情報を扱うことができるが、記憶装置に記録されるデータそのものは0と1の情報でしかない。動画ファイルの形式としてはMPEGやAVIです。
2008年度 情報数理 ~ 様々なデジタル情報 ~.
類型:● 注)応募する類型を記載してください。 <企画タイトル> <提案社一覧>.
◆3.0T MRIを導入 ◆世界初、画像を信号を全てデジタル化 3.0T MRI検査開始のお知らせ 大生病院のMRI装置が新しくなりました。
補足資料.
QRコードを用いたIDカードに 適した電子透かし
メディアの普及過程:日本 © Yoshiki Mikami 2000 日本におけるメディア発達史略年表 西暦年 事項
サンテクノ技術セミナー 高周波技術入門 講座テキスト その1 平成18年6月2日.
アナログ と ディジタル アナログ,ディジタル: 情報処理の過程: 記録/伝送 と 処理 において, 媒体(メディア)の持つ物理量 と
本部のバックアップ機能設備、ロボットカメラの機能強化
デフ・コミュニティ(広義・狭義) 聴力的観点 言語的観点 政治的観点 社会的観点 ろう者コミュニティ Baker & Cokely 1980
2010年度 情報数理 ~ 様々なデジタル情報(1) ~.
1DS04167N 稲益晃仁 1NC04010M 久保綾子 1DS04199Y 堀江孝志
可 / 否 FAX: 第24回 群馬県サッカー協会長杯 試合取材申請書 5月11日(土)
無 線 局 申 請 書 免 許 再 免 許 を開設したいので、電波法第6条 無線局 (アマチュア局)
Uni Directional Link Routing 片方向通信路に於ける経路制御
アナログ と ディジタル アナログ,ディジタル: 情報処理の過程: 記録/伝送 と 処理 において, 媒体(メディア)の持つ物理量 と
今後の音声圧縮技術について 鈴木 誠人 .
Presentation transcript:

1.白黒テレビからカラーテレビへ 2.ENGの登場 3.衛星放送のスタート 4.地上デジタル放送へ 5.難視聴地域(離島)でのテレビ視聴 放送産業の特徴(2) 技術の発展 1.白黒テレビからカラーテレビへ 2.ENGの登場 3.衛星放送のスタート 4.地上デジタル放送へ 5.難視聴地域(離島)でのテレビ視聴

1.白黒テレビからカラーテレビへ 1957年4月 実験局の免許申請(日本テレビ) 1957年12月27日 カラーテレビ放送実験局の予備免許交付(日本テレビ、NHK) 1960年9月10日 日本テレビ、ラジオ東京、朝日放送、読売テレビ、NHKはカラー本放送を開始 ※当時は白黒テレビと両立可能なNTSC方式が採用された。 しかし、カラー放送の普及はなかなか進まなかった。 ←受像機が白黒テレビの3~4倍

Fig.2 脚付きテレビ Fig.1 白黒テレビ Fig.3 国産第1号カラーテレビ

東京オリンピック(1964年)がカラー放送普及の転機 ←カラー中継 70年10月には在京テレビ局のゴールデンアワーはすべてカラー放送

2.ENGの登場 昭和40年代~50年代に登場 ←1975年の昭和天皇の訪米報道がきっかけ テレビに革命的変革(ソフト・イノベーション)をもたらした。 ENG=Electronic News Gathering(電子的ニュース取材) “フィルムを用いない”という意味 “小型テレビカメラ+携帯型VTR” “VTR一体型テレビカメラ” “軽量!”“携帯!”“機敏!” を用いること

Fig.4 ENG

フィルム取材:運版・現像が必要 ENG:伝送装置(FPU)につなげば、現場から放送局 に中継できる。 SNG(Satellite News Gathering)を用いれば、通信衛星に電波を発射してテレビ局に情報を送ることが可能。

3.衛星放送のスタート 2つの衛星放送 ①放送衛星(BS:Broadcasting Satellite) ②通信衛星(CS:Communication Satellite) (1)BSの歩み 1978年4月8日 実験用放送衛星(BSE)「ゆり」打ち上げ 1984年1月23日 実験放送衛星BS-2a(ゆり2号a)打ち上げ 5月12日 NHKの衛星放送(試験放送)開始 ⇒地上放送ー衛星放送並立の時代へ

1989年6月1日 NHKがBS1、BS2の本放送開始 6月3日 NHKがハイビジョン実験放送(1日1時間) 開始 ※ハイビジョンとは NHKが開発した高精細度テレビジョン High Definition television/HDTVの愛称 走査線が多いため映画フィルム並みの高精細な 画像となる。画面の縦横比(アスペクト比)は標準 (4:3)よりも横長の16:9。

日本では2006年現在で3種類の放送規格がある。 ・BSアナログハイビジョン(MUSE) ・衛星デジタルハイビジョン(ISDB-S) ・地上デジタルハイビジョン(ISDB-T) 1991年4月1日 民間衛星放送局WOWOWによる衛星放送開始 公共放送ー商業放送の並立時代へ 2000年12月1日 BSデジタル放送開始 →ハード・ソフトの分離

(2)CSの歩み 1989年10月1日 放送法改正施行 →通信衛星による直接放送許可 →委託放送制度の導入 1989年3月 JCSAT-1打ち上げ 1990年1月 JCSAT-2打ち上げ 1992年2月 スーパーバードーA打ち上げ(代替機) 4月~ 順次サービス開始 ※専門チャンネルが中心 1992年12月 スーパーバードーB打ち上げ( 〃 )

1996年10月1日 CSデジタル放送 パーフェクTV!開始 (3)衛星放送は何をもたらしたか ・難視聴の解消(←広域をカバーできる) ・全世界に同時期に同じ情報を供給できる (←広域性、大容量性) ・多チャンネル ・専門チャンネル ・受委託放送制度(ハードとソフトの分離)

4.地上デジタル放送へ (1)デジタル放送とは デジタル技術を活用した放送。 動画像を圧縮する符号化圧縮技術や全ての情報を0と1の信号で取り扱う技術。 →放送の多チャンネル化、高画質化、高機能化 →信号を通信やコンピュータと共有 ⇒多種多様なサービスを展開 ⇒他メディアとの連携・結合

具体的には、 ①高画質(ハイビジョン)放送である ②高音質 音質が劣化しない、二ヶ国語放送も可能。 ③データ放送が可能 ④双方向サービスを展開できる 視聴者参加型の番組も可能 ⑤モバイル受信

(2)地上デジタル放送の歴史 1987年 米で次世代テレビ放送方式の検討開始 1998年9月 英BBC放送で開始 1998年11月 米デジタル本放送開始 2001年1月 オーストラリアで放送開始 2001年2月 シンガポールで放送開始 2001年10月 韓国で放送開始 2003年12月1日 東京、大阪、名古屋で放送開始 2011年7月24日 アナログ放送停止

(3)アナログ放送が停止すると ・アナログのみに対応しているテレビ受像機は、新たなチューナーを導入しなければ何も映らなくなる。 →テレビの買い替え需要が増大? →テレビを見れない人が出てくる? ・地上アナログ放送に使用されている周波数帯(53~62ch)は、地上デジタルラジオ放送や移動体通信用に転用される。 →新たな媒体やブームの到来?

5.難視聴地域(離島)でのテレビ視聴 (1)離島であるがゆえに情報過疎地 e.g.東京都小笠原村、沖縄県南北大東島 東京から南南東へ1,000km。 船で25時間(6日に一便)。飛行場なし。

(2)メディアの普及 活字メディア:定期便により運搬。約一週間遅れ。 テレビ:1976年に父島、1977年に母島にケーブルテレビ局開局。←地元のニュースを伝えた。 1984年にNHKのBSを視聴開始。 国内のニュースよりも国外のニュースが伝 えられた。 1996年よりNHK、民放の地上波放送の視聴 開始。

参考文献 隈部紀生 (2004) デジタル放送とメディアの融合 松岡新兒・向後英紀(編著) 新現場からみた放送学 学文社 Pp. 120-140. NHK放送文化研究所(編) (2005) データブック世界の放送2005 日本放送出版協会 日本民間放送連盟(編) (1997) 放送ハンドブック(新版) 東洋経済新報社 前納弘武(編) (2000) 離島とメディアの研究―小笠原篇