薬  の  お話              そのお薬 本当に必要ですか?    在宅療養支援診療所    光和さくらクリニック.

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     薬  の  お話              そのお薬 本当に必要ですか?    在宅療養支援診療所    光和さくらクリニック

くすり … とは? 一般的に “くすり” といえば 医薬品 人間の体に作用する化学物質 内服、外用、注射などがある くすり …  とは?      一般的に “くすり” といえば 医薬品      人間の体に作用する化学物質      内服、外用、注射などがある      病気の診断や治療、予防に用いられる      薬事法で管理されている            (薬事法 : 制汗剤 殺虫剤など医薬部外品 化粧品                    心電計 レントゲン機器など医療機器)         ほかにくすり? …              農薬、火薬、弾薬 など

細胞のタンパク質構造 ・受容体 ・酵素 ・膜輸送タンパク質 ・核内受容体 くすりはどうして効くのか? それは体の“何か”に作用しているから     それは体の“何か”に作用しているから  “何か” ・・・・・  “作用点”         細胞にある タンパク質 細胞のタンパク質構造  ・受容体  ・酵素  ・膜輸送タンパク質  ・核内受容体

細胞のタンパク質構造  受容体  酵素  膜輸送タンパク質  核内受容体

血液中の薬物濃度   ・単回内服   ・定期的反復内服

血液中の薬物濃度 が低下する   代謝されている (化学的に変化して性質が変わる)   排泄されている(体の外に出る)  ○ 素早く代謝・排泄    濃度維持のため何回も使用    消失が早いため有害事象(望まないこと)が起こった時被害が少ない  ○ 代謝・排泄が遅い    少ない使用回数で済むが、有害事象の継続時間が    長い

  ○代謝されている       肝臓で“異物”として感知したくすりを     無毒化する   ○排泄されている     肝臓から胆汁へうつり腸へ便と一緒に排泄     肝臓で代謝されたものと、されていないもの両方を     腎臓から尿と一緒に排泄

有害事象…  副作用  同じくすりを使用しても同じ効果にならない  人によって、血中濃度も異なる  ・ 薬に過敏  ・ 濃度が不安定  ・ 目的の場所以外に作用  ・ 相互作用

 ・ 薬に過敏  アレルギー反応などで反応が予想以上に強く起こる         *風邪薬の塩化リゾチームで卵アレルギーの人    ・ 濃度が不安定  適正量でないなど 薬や人によって有効域が違う  ・ 目的の場所以外に作用  血液で全身に運ばれるため複数の臓器で                    作用を被る              例) 初期に開発された 抗うつ剤                脳(目標臓器)  抗うつ作用                口(非目標臓器)  口渇(口がかわく)                腸(非目標臓器)  便秘

 ・ 相互作用   薬や食べ物により 薬の作用が強くなったり 弱くなったり               する       薬は主に肝臓で代謝される  代謝には酵素が使用される       何種類かの酵素があるが、違う薬が同じ酵素で代謝されることがある      この際、酵素の取り合いになってしまい、代謝が速やかに行われず、      濃度上昇により、予想以上に作用が強くなってしまう      食べ物でも薬の作用の阻害をするものがある。           例) ワ―ファリン(抗凝固剤 血液を固まりにくくする)             血液中でビタミンKの作用を阻害して、作用を保っている。             納豆などのビタミンK豊富な食物で作用が弱まってしまう。  

抗生物質 微生物の再生物に由来する “抗菌剤” “抗真菌剤” “抗ウィルス剤” “抗がん剤” その大半が抗菌剤 微生物の再生物に由来する       “抗菌剤” “抗真菌剤” “抗ウィルス剤” “抗がん剤”      その大半が抗菌剤 1929年 アレクサンダー・フレミング 青カビからペニシリンを抽出 薬剤を含んだ黒い板の周囲には菌が生えていない

抗生物質(抗菌剤)   種 類       ・細胞壁合成阻害薬       ・タンパク合成阻害薬       ・核酸合成阻害薬

 ・細胞壁合成阻害薬  人と細菌の細胞では最も異なるのが、細胞壁 の存在 人には細胞壁がない 細菌は細胞壁によりその形を保っている 細菌の細胞壁を作れなくして、細菌のみ攻撃  ペニシリン  フロモックス®  セフゾン®   バンコマイシン®など 耐性菌  菌の突然変異で、薬剤の構造を変えてしまう酵素を産生        するものが発生

 ・タンパク合成阻害薬  細菌に必要なタンパク質の合成を阻害する  タンパク質を合成する器官としてリボソームがある リボソームの働きを抑えて、細菌の増殖を阻止する  人の細胞にもリボソームがあるが、細菌のリボソームにのみ 作用させる  クラリス®   ミノマイシン®  など

 ・核酸合成阻害薬  タンパク質を合成するにはリボソームが必要でるが、その前段階 には DNAやRNAからタンパク質合成を行うためのレシピを読み取る 必要がある このDNAやRNA (核酸と呼ばれる)の働きを阻害しタンパク質合成を 抑制し、菌の繁殖を妨害します。     クラビット®  グレースビット®など(ニューキノロン)  ニューキノロン剤は合成抗菌剤であり、厳密な抗生物質でない

抗生物質は病原性を示していない細菌にも作用する このため、体内の常在菌(必要な細菌)までも殺菌してしまい、 バランスを崩してしまう。 他の細菌が繁殖したり、真菌(カビ)が出現したりする。     例)       腸内の常在菌が他の細菌に置き換わってしまい水様性下痢が続く       女性では膣内を保護殺菌するデーデルライン桿菌がカンジダ(カビ)       に変わってしまう。   風邪に抗菌剤が処方されることが多い   風邪(感冒)はウィルスによるもの 悪化予防の意味合いが強い

鎮痛剤 痛みを和らげたり、取り除いたりする ・ パラセタモール(アセトアミノフェン カロナール® アンヒバ坐®) ・ パラセタモール(アセトアミノフェン  カロナール®  アンヒバ坐®)    作用機序が不明 中枢神経系に作用? ・ 非ステロイド性消炎鎮痛剤    (ボルタレン®  ロキソニン®  アスピリン®  ポンタール® など)    今回はモルヒネなどの医療用麻薬は取り扱わない

シクロオキシゲナーぜ(COX)という酵素がこの産生を後押しする 痛み止めは 一般的に “胃を痛める” とのことで胃薬と一緒に処方 されることが多い 非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)が引き起こす消化器障害 長期服用者では約20%に発生  通常の消化器潰瘍より出血、穿孔率が3~6倍と高くなる 痛み、炎症では プロスタグランディン(PG) という物質が増える シクロオキシゲナーぜ(COX)という酵素がこの産生を後押しする NSAIDsはこの酵素(COX)を阻害して、痛みを抑える しかし胃の粘膜防御反応にはPG(血流増加作用)が関わっている。 このためNSAIDsで胃の粘膜が障害を受けやすくなる COXには3種類(COX-1,COX-2,COX-3)があり、消化器障害は COX-1に関わるものとわかってきた

NSAIDsはCOX-1、COX-2を阻害する。 COX-2のみを阻害すれば消化器障害が減少すると予想 セレコックス® モービック®などは COX-2阻害薬

NSAIDsの副作用は 胃腸障害のほかに  気管支喘息の人は発作の誘発  ニューキノロン(クラビット®など)ではけいれん  骨折の治癒を遅延  腎機能障害を誘発   骨粗鬆症薬との併用で潰瘍有病率が2倍になる(内視鏡検査)  上部消化管(胃・十二指腸)だけでなく約4%では大腸に潰瘍

ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン®)  1錠  5.6円 胃薬  サイトテック100 ® (PG) 20.5円   ランソプラゾール15  40円 1日量 ロキソプロフェン 3T+サイトテック3T≒78円 セレコックス200®   1錠 103.6 1日量 セレコックス2t ≒207円  また、潰瘍の既往がある患者ではCOX-2阻害薬を使用しても、胃薬を使用しても 再発出血の危険度は低下しない報告も多数ある

湿布 (外用 貼付剤) 元来は水分を含んだ布で冷却や保温を目的としていた。 生肉のスライスで傷の治癒促進を目的とすることもある。 現在は布またはプラスティック製品を加工し、医薬品を含ませ 皮膚から吸収できるようにしたもの 含有される医薬品は  サリチル酸メチル  インドメタシン  ケトプロフェン   ジクロフェナク   ロキソプロフェン など

湿布薬にはNSAIDsが含まれているため、消化器潰瘍の危険性はある 含有される医薬品は  サリチル酸メチル     MS冷・温シップ  サロンパス                 (冷と温の違いは メントールと唐辛子エキス)  インドメタシン        カトレップ  バンテリン  ケトプロフェン        モーラス  ジクロフェナク        ボルタレンテープ  ロキソプロフェン       ロキソニンテープ パップ 湿布薬にはNSAIDsが含まれているため、消化器潰瘍の危険性はある 痛みが起きている個所では組織再生を促すためPG(血行増加作用)が合成されており、 これにより痛みを強く感じる PG合成阻害で痛みは軽減するが、組織再生が低下し、筋肉が落ちていく 痩せた筋肉を使用することにさらに筋肉そのものに負担を強いるようになり 近傍の関節などにも負担を与え、悪循環に陥る

ケトプロフェンによる 光接触皮膚炎(光線過敏症)

総合感冒薬 発熱・頭痛・のどの痛み・せき・くしゃみ・鼻水などの症状緩和を目的とした 医薬品 解熱鎮痛剤、 鎮咳去痰剤、 アレルギー剤 などを混合したものがほとんど 感冒は基本、自然治癒するもの 風邪薬は症状を緩和するのが目的で、治すものではない 風邪薬の内服で、せっかくウイルス殺傷目的で上昇した体温を下げてしまう ため、治癒が遅れる 白血球により殺菌を促すが、体温が1℃低下するとその作用は30%低下する

漢方薬 日本に中国から “医学” が伝わったのが5~6世紀以降 その後室町時代までは中国医学に沿って、医療は行われていた 日本に中国から “医学” が伝わったのが5~6世紀以降 その後室町時代までは中国医学に沿って、医療は行われていた その後日本の風土や、気候、日本人の体質などに合わせて、 “日本独自”に医学へと発展した 本来の中国医学は“中医学”といわれ、異なるものである 漢方薬は基本複数の生薬を組み合わせて処方されたものであり、 その調合法は漢方論理に基づいている 民間伝承による経験的な生薬の使用とは異なるようである    例) げんのしょうこ  せんぶり  どくだみ

西洋医学(西洋薬)  器官、臓器を中心に物質面を重視し、科学的に分析する  病気に対してピンポイントに治療する 漢方医学(漢方薬)  個人の体質、特徴を重視し、心と身体を一体としてみる  治療経験を集積し全人的に治療する  原因が特定できないものや“未病”も治療する   検査で現われないもの、不定愁訴     虚弱体質 自律神経障害  更年期障害  アレルギー体質など

漢方薬にも副作用  東洋医学では“毒をもって 毒を制す”  附子=トリカブト  副作用という概念でなく、治療として正しくない “誤治” となる  漢方薬の7割に含まれている“甘草” 重複内服すると 副作用上昇  間質性肺炎など死に至るもの

漢方薬 1967年 武見太郎 日本医師会会長の尽力により漢方薬は 薬価収録された(保険適応) 1967年 武見太郎 日本医師会会長の尽力により漢方薬は 薬価収録された(保険適応) 新薬で行われている通常の臨床評価試験がなされていない 収録は文献上の資料のみを元にしていた 最近は効果判定もなされているが、評価は容易でない

後発医薬品 (ジェネリック医薬品) 20年の特許権期限が切れた 先発医薬品の特許内容を基に複製した医薬品 後発医薬品 (ジェネリック医薬品) 20年の特許権期限が切れた 先発医薬品の特許内容を基に複製した医薬品 先発品の開発には平均300億円以上と10年からの膨大な時間を要するため 特許権を取得し、資本回収を図る また得た資金を新たな先発医薬品の開発研究費として投資する 先発医薬品の特許権が消滅すると次々(ゾロゾロ)と後発品が出てくる。 先発企業は同一成分に新たな効能、適応など追加し、特許権の追加取得 し後発企業の進出に対抗する。 (合剤の製造  規格の追加など) 医療費抑制のため厚生労働省は後発医薬品の普及を進めている。 30%の後発品の使用で1兆円以上の医療費が削減できる試算

しかし、材料や製造法が先発医薬品と完全に一致しないことから (添加物などの副成分、剤形など異なる)、 効果や安全性の面で必ずしも信頼できない場合もある インドでは特許制度が欧米と異なるため、特許権期限が切れていない ジェネリック製剤が製造されている。 インド製製品が貧困国の医療に貢献しているが、欧米との訴訟が絶えない また、質の悪い抗菌剤が多く出回り、耐性菌が猛烈な勢いで増加している。

くすり から ほとんどの薬は 妊婦 さんに 投与できるか検討される つまり 身体に悪いから なのに… くすり から    ほとんどの薬は 妊婦 さんに 投与できるか検討される  つまり 身体に悪いから  なのに…  医薬品市場    全世界: 80兆円    日本:7兆円               日本 一般会計国家予算  90兆円/年               タミフル 使用量 7割 ( 日本 人口 世界の2%)               

国民医療費 1人当たり 65歳未満 16.9万円 65歳以上75歳未満 70万円 75歳以上 88万円  1人当たり  65歳未満          16.9万円          65歳以上75歳未満     70万円          75歳以上           88万円    65歳まで生きていたとして 65歳×16.9万 ≒1100万   20歳から健康保険料を65歳まで                      独身期間5年 子供2人 30年 夫婦10年                         (支払い料 20万/年~50万/年)                                ≒1900万               

高額医療制度 人工股関節置換術 インプラント(チタン製機器)材料費 約100万円 手術料 約20万円 入院費 約200万円  人工股関節置換術     インプラント(チタン製機器)材料費   約100万円                    手術料   約20万円                    入院費   約200万円  高齢者(1割負担) 支払い         約20万円  高額医療制度を利用する         本人の支払い約 6万円   社会保障費から  190万円 が 使用されている                 

 1980年代 厚生省は  “医者は薬で儲けているので、医療費削減のため医薬分業にしよう”とした

調剤薬局チェーン N調剤 社長 役員報酬 5億7200万円  医療費   1998年 医療 23兆  薬局調剤 1.6兆         2011年 医療 27.8兆  薬局調剤 6.6兆                                  包括化した診療報酬制度のため実際                                         に使用している薬剤費はさらに多く                                      試算専門家によっては10兆円を超え                                      ていると指摘する                       調剤薬局チェーン  N調剤  社長 役員報酬 5億7200万円 

国民医療費 2011年 国家予算 一般会計 92兆円 国民医療費総額 38.6兆円 (75歳以上に限って 13兆円) 財源  2011年  国家予算 一般会計  92兆円         国民医療費総額    38.6兆円 (75歳以上に限って 13兆円)         財源         国民・企業からの保険料     18.7兆円(48.6%)         患者自己負担            4.7兆円(12.3%)         公費(国庫、地方予算)      14.8兆円(38.4%)

高血圧症  ディオバン(話題沸騰中 ノバルティスファーマ ✚)  ARB(アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬)    ニューロタン ブロプレス ミカルディス オルメテック  アジルバなど  ブロプレス(8mg): 135.6円      ニフェジピンL(アダラートL):23.8円  国内売上  ブロプレス (武田製薬)  1375億円          ディオバン(ノバルティス) 1292億円     アリセプト (ジェネリックもある)   10mg錠で  1日 600円!   年間 22万円    国内売上  アリセプト(エーザイ)  1279億円        

 医療品の輸入額 2.5兆円        輸出  0.1兆円            

新薬の開発  日本は数少ない 国家