国及び地方公共団体が分担すべき役割の明確化 機関委任事務制度の廃止及びそれに伴う事務区分の再構成

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個人情報保護講座 目 次 第1章 はじめに 第2章 個人情報と保有個人情報 第3章 個人情報保護条例に規定されている県の義務 第4章 個人情報の漏えい 第5章 個人情報取扱事務の登録 第6章 保有の制限 第7章 個人情報の取得制限 第8章 利用及び提供の制限 第9章 安全性及び正確性の確保 第 10.
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1 個人情報保護について 弁護士法人龍馬 弁護士 舟木 諒,板橋俊幸. 情報化社会 □ 個人情報保護法の概要 2003 年(平成 15 年) 5 月 23 日成立, 2005 年(平成 17 年) 4 月 1 日全面施行。 ◆成立の背景 プライバシー侵害 国際上の問題 住民基本台帳問題 個人情報漏洩問題.
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内部統制とは何か.
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国及び地方公共団体が分担すべき役割の明確化 機関委任事務制度の廃止及びそれに伴う事務区分の再構成 国・地方の役割分担と事務区分 国及び地方公共団体が分担すべき役割の明確化 機関委任事務制度の廃止及びそれに伴う事務区分の再構成 地方自治法において、地方公共団体の役割と国の配慮に関する規定を設けることによ り、国及び地方公共団体が分担すべき役割を明確にする。 <地方公共団体の事務の新たな考え方> 公共事務 団体委任事務 行政事務 自治事務 <地方自治法第1条の2> ○地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本  として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施す  る役割を広く担う。 ○国は、次の事務その他の国が本来果たすべき役割を重  点的に担う。  ① 国際社会における国家としての存立にかかわる事務  ② 全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活   動若しくは地方自治に関する基本的な準則に関する事   務  ③ 全国的な規模で若しくは全国的な視点に立って行わ   なければならない施策及び事業の実施 ○住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだね  ることを基本として国と地方公共団体との間で適切に役  割分担。 ○国は、地方公共団体に関する制度・施策について、  地方公共団体の自主性・自立性を十分発揮されるように  しなければならない。 地方公共団体の処理する事務のうち、法定受託事務を除いたもの  例:都市計画の決定    土地改良区の設立許可    飲食店営業の許可    病院・薬局の開設許可 存続する事務 機関委任事務 法定受託事務 国が本来果たすべき役割に係る事務であって、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるもの  例:国政選挙    旅券の公布    国の指定統計    国道の管理 国の直接執行事務 例:国立公園の管理等   駐留軍用地特措法における土地調書等への   署名押印の代行等の事務   信用協同組合の認可、検査及び業務改善命令等の事務 事務自体の廃止 例:国民年金の印紙検認事務   外国人登録原票の写票の送付等に係る都道府県の経由事務

地方公共団体に対する国の関与等 ○自治事務  国の関与等のあり方全体を抜本的に見直し、地方自治法において、その原則、基準、手続等について新たなルールを創設。 (1) 機関委任事務制度の下での包括的指揮監督権の廃止    (旧第150条、第151条の削除) (2) 法定主義の明文化(第245条の2)     ・・・関与は法律又はこれに基づく政令の根拠を要する。 (3) 基本原則の明文化(第245条の3)     ・・・関与は必要最小限のものとし、地方公共団体の       自主性・自立性に配慮したものでなければならない。 (4) 事務区分に応じた関与の基本類型を提示し、基本類型    以外の関与を設けることを制限(第245条の2)     ・・・個別法に基づく関与を基本類型にできる限り集約       することとし、整理縮小。 (5) 手続ルールの創設(第246条~第250条の6)     ・・・書面主義、許認可の審査基準の設定、標準処理       期間の設定等。 (5) 係争処理手続の創設(第250条の7~第252条) 関与の基本類型 ・助言・勧告(第245条の4)  (是正の勧告(第245条の6)) ・資料の提出の要求(第245条の4) ・協議 ・是正の要求(第245条の5) ※その他個別法に基づく関与 ・同意、許可・認可・承認、指示 ・代執行、その他の関与 一定の場合に限定 できる限り設けない ○法定受託事務 関与の基本類型 ・助言・勧告(第245条の4) ・資料の提出の要求(第245条の4) ・協議 ・同意 ・許可・認可・承認 ・指示(是正の指示(245条の7)) ・是正の要求(第245条の8) ※その他個別法に基づく関与 できる限り設けない (注) ___は、地方自治法に一般的な根拠規定が置かれている関与