遠隔学習・授業ツールWebCT の日本語化とオンラインコース開発

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遠隔学習・授業ツールWebCT の日本語化とオンラインコース開発 梶田 将司 名古屋大学 情報メディア教育センター

発表内容 背景 WebCTの北米での現状 日本語版WebCTの現状と課題 WebCT によるコース構築例 「電気電子情報工学序論」…VODシステムとの連携

メディアとは? メディア =何らかの情報を伝えるための方法・手段

教官と学生が1箇所に集まって学ぶのが主(同期型教育) 20世紀型の教育 学校 教室 教官と学生が1箇所に集まって学ぶのが主(同期型教育)

20世紀における教育用メディア 学校 黒板 講義室 教科書 コンピュータ 利用するためには 膨大なコストがかかる 場所の提供,人の移動 教科書の作成,流通 新しい設備の導入 教科書 コンピュータ

e-Learningによるコスト削減 いつでも,どこでも,誰でも,低コストで教育が受けられるe-Learning時代の幕開け 既存の教育メディアのIT化 →新しい教育用メディアの形成 インターネット 個人所有の コンピュータのインターネットへの接続 いつでも,どこでも,誰でも,低コストで教育が受けられるe-Learning時代の幕開け

e-Learningのメリット インターネットと個人所有のPC (場所の提供コスト,設備導入コストの削減) いつでもどこでも(人の移動コストの削減) 誰でも簡単に教科書を含む「教育の場」を作成可能,流通が容易(教科書作成・流通コストの削減) 共通のプラットフォームが形成されることで, 教材の共有,マーケット形成→優良なコンテンツの醸造 新しいメディアを使った教育方法,教育実践の交流 研究開発のプラットフォーム

2,3年前から顕著になったトレンド 遠隔教育だけでなくオンキャンパス教育の 補完的なツールとして使用 WebCT =インターネットを使った 新しい教育用メディア 学校の役割,講義室の役割,黒板の役割,教科書の役割をもつ新しい教育メディアとして 遠隔教育だけでなくオンキャンパス教育の 補完的なツールとして使用

WebCTの現状

WebCT (Web Course Tools) 開発元 カナダのブリティッシュコロンビア大学 (Murray W. Goldberg, 1995-) 販売元 UBC,1996WebCT Educational Technologies,1997 Universal Learning Technology ( WebCT社),1999 特徴 HTMLの知識なしに,既存の教材(html,pdf,pptなど)を用いてコースコンテンツの作成が可能 学習やコミュニケーション,協調学習を可能にする教育用 ツール群(メール,掲示板,クイズ,プレゼンテーション…) コースの管理作業や改良作業においてデザイナを手助けする 管理ツール群(トラッキング,クイズの採点,成績管理…) コースコンテンツの交換が可能(共有化,コンテンツ販売)

WebCTを利用している 高等教育機関 (約800のK12,約1700のトライアルライセンス除く)

国別ライセンス取得状況 66% … USA 13% … Canada 4% … Australia 2% … UK 15% … Others

北米の高等教育機関における e-Learning のノウハウの蓄積 WebCT普及の理由 大学の現場で作成され,現場の声が反映されつづけている サポートの充実 安価なライセンス価格($5,000/サーバ) コンテンツ作成だけであれば無料で利用可能 安定したシステム(UNIXベース,NTベースもある) WebCTユーザコミュニティの形成 年1回のWebCTユーザカンファレンス 北米の高等教育機関における e-Learning のノウハウの蓄積

WebCTは学校教育には 必要不可欠なソフトウェア 北米の高等教育へのインパクト 従来の対面型講義(同期型教育) + インターネットを利用した教育ツール(非同期型教育) 学習者の理解を中心に据えた教育 教官の役割の変化 “知識提供から学習支援へ” WebCTは学校教育には 必要不可欠なソフトウェア

日本語版WebCTの現状と ユーザの広がり

WebCTのバージョン変遷 WebCT1.3.X WebCT2.X WebCT3.X 1998年8月26日1.3リリース 1999年3月5日1.3.1リリース WebCT2.X 1999年11月29日2.0リリース 2000年3月29日2.1リリース 2000年9月1日2.2リリース WebCT3.X 2000年7月10日3.0リリース 2000年9月1日3.1リリース 2000年12月28日3.1.3リリース 日本語化 Japanization 日本語化 Japanization

日本での利用状況 夜明け前 ライセンス購入ユーザ ミニ講習会 webct-users@media.nagoya-u.ac.jp (約80名) 名古屋大学,四日市大学,関西大学,住友電工 ミニ講習会 2000年2月24日@名古屋大学 半日のチュートリアル 28名の参加 webct-users@media.nagoya-u.ac.jp (約80名) Goldberg先生を招聘して行った講演会(約150名) 夜明け前

日本語版WebCTの課題 待たれる正式版リリース及びサポート WebCTの機能面での日本語化 WebCTコミュニティの形成 日本の高等教育現場に求められる機能 WebCTコミュニティの形成 グローバルWebCTコミュニティとの交流

WebCTによるコース構築例

WebCTによるコース構築例 計算機基礎数理 電気電子情報工学序論 文科系1・2年生対象(約70名) コンピュータリテラシ(プログラミング) コースコンテンツを作成し,講義で使用 電気電子情報工学序論 電気電子情報工学1年生対象(約200名) 13回の講義を13人の教授が担当 講義を3台のビデオカメラで撮影 WebCTとVODシステムを連携させたコンテンツを作成

計算機基礎数理 共通教育サテライトラボ(WindowsNT端末室)での講義 パスツールによる講義ノートの提供 電子掲示板でのQ&A 用語集,オンラインクイズ 電子掲示板でのQ&A プレゼンテーションツールによる課題提出

共通教育サテライトラボ

WebCTのアクセスモード

学生モードでの画面 パスツールによる講義ノート

パスツールによる 講義ノート

用語集とのリンク

用語の検索

セルフテスト

コンテンツ検索

マイノート(注釈ツール)

クイズ

クイズの実施

クイズの採点結果表示

カレンダー

掲示板でのQ&A

プレゼンテーションツールによる課題提出

ホームページ作成例(1)

ホームページ作成例(2)

学習支援ツール

成績確認

デザイナモード でのログイン

デザイナモード画面

アイコン編集

WebCTツールの追加

アイコンのアクセス設定

パスエディタによる パス構築

ファイルマネジャ 漢字コード (EUCへの変換機能あり) ファイル操作ボタン

ファイルマネジャ WebCTサーバ ユーザ ファイルのアップロード ファイルのダウンロード Webページオーサリング ソフトウェアによるページ作成

用語集へのリンク作成 同じ用語が複数ある場合は ラジオボタンで リンク場所を選択

問題の作成 問題文 マッチング候補

クイズのプレビュー

問題のダウンロード &アップロード

クイズ出題の条件設定 有効期間 成績のつけ方 結果通知について

回答結果の解析 正答率(全体,上位25%,下位25%) 弁別力 平均 標準偏差

得点と回答一覧

クイズの結果のサマリ (整合問題の場合)

クイズの結果のサマリ (択一問題の場合)

時間外からのアクセスは自宅からが最も多い サーベイの結果のサマリ 時間外からのアクセスは自宅からが最も多い

クイズの結果は学生管理表に自動的に反映される

学生の学習状況把握

学生の学習状況把握

バックアップ (コンテンツの他のサーバへの移動)

電気電子情報工学序論

高等教育を取り巻く状況の 急速な変化 ~まとめにかえて~

インターネットを通じた 高等教育・専門教育の大競争時代の到来 高等教育を取り巻く状況の変化 ITの大学教育への導入: 北米と比べて4~5年遅れている! 「インターネット授業」での単位認定 国立大学の独立行政法人化 インターネットを通じた 高等教育・専門教育の大競争時代の到来

WebCTに関する情報はこちら http://webct.media.nagoya-u.ac.jp/ or kajita@media.nagoya-u.ac.jp