pn接合容量測定実験装置の製作 発表者:石田 俊介 指導者:前川 公男 教官 では、只今から前川卒研班、石田による中間発表を行います。

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等価電源の定理とは 複数の電源を含む回路網のある一つの端子対からその回路を見た場合、その回路は、単一の電源(電圧源或いは電流源)と単一のインピーダンスまたはアドミタンスからなるシンプルな電源回路と等価と見なせる。 ただし、上記の定理が成り立つためには、回路網に含まれる全ての電源が同一周波数(位相は異なっていても良い)の電源であることと、回路が線形である(重ね合わせの理が成り立つ)ことが前提となる。
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pn接合容量測定実験装置の製作 発表者:石田 俊介 指導者:前川 公男 教官 では、只今から前川卒研班、石田による中間発表を行います。 発表者:石田 俊介 指導者:前川 公男 教官 では、只今から前川卒研班、石田による中間発表を行います。 研究テーマは「pn接合容量測定実験装置の製作」です。 宜しくお願いします。

目的 固体電子デバイスの基礎 半導体のPN接合から発生する性質を利用している。 PN接合容量を測定する装置を 設計、製作することが目標である。 ・本卒研の目的 固体電子デバイスの多くは、p型半導体とn型半導体との接合の特殊な性質を利用しています。したがって、種々の電子デバイスを理解するには、pn接合の特性を十分理解することが必要といえます。pn接合は、固体電子デバイスの最も重要な基本構造なのです。 本卒研ではpn接合の性質の一つである接合容量を測定する装置を設計、製作することを目標としています。

容量測定器の製作 ダイオードをコンデンサであるとみなし、静電容量を測定する装置を設計・製作する。 ダイオードに逆バイアス電圧を印加 空乏層が発生 、キャパシタの働きをする 。 ダイオードをコンデンサであるとみなし、静電容量を測定する装置を設計・製作する。 前回も説明したとおり、ダイオードに逆バイアス電圧を印加すると空乏層が発生し、それはキャパシタの働きをします。 つまりダイオードをコンデンサであるとみなし、静電容量を測定する装置を設計・製作します。 但し、ダイオードはコンデンサと全く同じ特性ではないことを念頭において回路を設計しなければなりません。 ダイオードとコンデンサの性質の違いを踏まえて幾つかの回路を設計・製作しました。

ブリッジ回路を用いた容量測定器の設計 ダイオードをコンデンサとみなし、 ブリッジ回路を用いて容量計を製作する。 Cは誘電損と漏れ抵抗分を含む 等価的に無損失の静電容量と純抵抗の組み合わせ(直列または並列)で表される! まずはブリッジ回路を用いた容量測定器です。 通常、Cは誘電損と漏れ抵抗分を含むので、それは等価的に無損失の静電容量と純抵抗の組み合わせ(直列または並列)で表すことができます。 つまり容量を測定するダイオードをブリッジ回路の一辺に設定し、ブリッジが平衡したときの電圧からダイオードの接合容量が求められます。 ダイオードをコンデンサとみなし、 ブリッジ回路を用いて容量計を製作する。

ブリッジ回路とは? R1 / R2 = R3 / R4 (ブリッジの平衡条件) 図のような回路を考えたとき、各点をa,b,c,dとすると、 Vad = E・R2 / (R1 + R2) Vbd = E・R4 / (R3 + R4) ブリッジが平衡するとはVab = 0 である から、Vab = Vad – Vbd = 0 これより、 R1 / R2 = R3 / R4 (ブリッジの平衡条件) では次にブリッジ回路について説明します。図のような回路を考えたとき各点をa,b,c,dとすると、Vab、Vbd は分圧比よりこのような式で与えられます。 ブリッジが平衡するとはVab = 0 であるから、 Vab = Vad – Vbd =0 これより、R1 / R2 = R3 / R4 (ブリッジの平衡条件) これは交流についても同様に成り立つから、ブリッジ回路が平衡すれば、試料ダイオードのCが分かるということになります。 ブリッジ回路が平衡すれば、試料ダイオードのCが分かる!

ブリッジ回路を用いた容量計の設計回路図 これらを踏まえてこのような回路を設計・製作しました。R1とR2の比を10とし、R1 = 100[Ω], R2 = 200[Ω]としました。 R1, R2は小さい値である方が回路の浮遊容量による誤差を小さくできるので、このような値を選びました。あるダイオードの静電容量は20[pF]程度であったので、C1に200[pF]程度の可変コンデンサを使用し、ブリッジの平衡点が得られるように設計しました。また本来ならa – d間のコンデンサに並列に抵抗を入れなくてはなりませんが、試料ダイオードの抵抗分は非常に大きい値であり、電流が流れないものと近似できたので、このような回路を設計しました。 なお容量を直接表示することは出来ないので、代わりに試料の電圧降下を測定します。  この回路をさらに修正して右のような回路を設計しました。R1とR2を一つの可変抵抗VR1に変えて、可変コンデンサを取り除きました。実験はこの修正された回路を用いて行います。

実験結果の考察 信号周波数成分のみ増幅できるような 同調増幅器を設計する! a-GND間の電圧波形をオシロスコープで観測 平衡点らしきものが観測されたが・・・ ノイズなどにより正確な波形の観測は困難 先ほどの右の回路を用いて、a-GND間の電圧波形をオシロスコープで観測したところ、可変抵抗VR1を変化させると、波形の振幅が小さくなり、電圧がゼロに近くなる点があることが確認されました。しかし、この卒研室特有の電波によるノイズなどいろいろな周波数成分が誘導されている為、平衡点がはっきりとは分かりませんでした。これにより正確な波形が観測されないことは大きな問題です。そこで容量計とオシロスコープの間に同調増幅器を入れて、信号周波数成分のみ取り出せるか実験してみようと思います。まずその為の同調増幅器を設計・製作しました。 信号周波数成分のみ増幅できるような 同調増幅器を設計する!

並列T形回路とは? 並列T形回路を負帰還した回路は、特定の周波数で増幅度が最大になる特性を持つ。 図. 並列T形回路 図のように抵抗とコンデンサをT形に接続した回路を並列T形回路といいます。この回路は特定の周波数でa-b間の伝達がゼロになる周波数特性を持っています。 この回路を負帰還させた回路は、特定の周波数で増幅度が最大になる特性を持ちます。すなわちこれをブリッジ回路とオシロスコープの間に入れれば信号周波数のみ増幅して、平衡点の観測が容易になると思われます。 図. 並列T形回路

並列T形回路を用いた同調増幅器の設計 このような回路を設計して実験を行いました。OPアンプにはLM324を使用しました。このOPアンプの最大電圧利得は100[dB]なのでこれを用いて設計しました。

実験結果 最大で23.5[dB] 60~80[dB] が理想的 よりゲインが 大きい回路の 設計が必要! この回路で入力電圧を一定にし、周波数を変化させ、それに伴う出力電圧の変化を見たところ、1.2[kHz]の辺りで最大23.5[dB]のゲインが得られた。実際に容量計を接続して観測してみたところ、発振してしまい平衡を観測することが出来ませんでした。ある程度、時間が経過すると正常に動作するのだが、これでは測定器として欠陥である為、作り直すことにしました。また、ゲインは理想的には60[dB]から80[dB]ぐらいは必要であるため、ゲインの大きいOPアンプを使用して、新たに同調増幅器を設計しました。 よりゲインが 大きい回路の 設計が必要!

並列T形回路を用いた同調増幅器 その2 先ほどの回路を少し変更してこのような同調増幅器を設計しました。まずこの回路の周波数特性を測ってみました。

実験結果 最大で43[dB] 容量計を接続して 実験 平衡点の観測 が容易になった!

流れないと近似したダイオードの抵抗分に僅かな電流が 考察 なぜ完全な平衡点が取れなかったのか? 容量計のブリッジ回路の設計に問題があったことが原因 流れないと近似したダイオードの抵抗分に僅かな電流が 流れ、完全な平衡が取れなくなった!! 同調増幅器を用いたことで、信号周波数成分をかなり小さくすることが出来たが、完全な平衡とまではいかなかった。改善されたことは事実だが、なぜ完全な平衡が取れなかったのだろうか?  これは、容量計のブリッジ回路の設計に問題があったことが原因であると見られる。ダイオードは等価的に無損失の静電容量Cと純抵抗Rの組み合わせ(直列または並列)であることはすでに説明した。試料ダイオードの抵抗分は非常に大きい値であり、電流が流れないものと近似したことで、完全な平衡が取れなかったものと見られる。実際には、ダイオードの抵抗分と接合容量の二つについて平衡を取らなくてはならないのである。 しかし、この抵抗Rは逆バイアス電圧に比例して変化するから(つまり空乏層幅に比例して変化)、また、容量Cは逆バイアス電圧に反比例して変化する値であるから、完全な平衡をとれる測定器にしようと思うと、非常に扱いにくいものになる恐れがある。複数の可変な素子を調整して完全な平衡をとるというのは至難の業であると思われるので、ここはあえて変更しないことにした。 実際には、ダイオードの抵抗分と接合容量の二つについて 平衡を取らなくてはならない!

今後の課題 (1) 一段ではゲインが不足するのでOPアンプを 二段にすること。 (2) 平衡を取るための可変抵抗のレンジを拡大化 すること。    二段にすること。 (2) 平衡を取るための可変抵抗のレンジを拡大化    すること。 (3)MIS容量直記装置やLCRメータの測定値との   比較を行うこと。 これまでの予備実験のデータから、同調増幅器を用いたブリッジ回路方式による容量測定器の製作を以下の手順で進めることにした。 (1) 一段ではゲインが不足するのでOPアンプを二段にすること、 (2) 平衡を取るための可変抵抗のレンジを拡大化すること これらを踏まえて製作した回路で測定を行い、MIS容量直記装置やLCRメータの測定値との比較を行い、自作の容量計が測定器としての精度が十分かどうかを考察しようと思う。