静止背景における動物体の検出と追跡 陳 謙 2004年10月19日.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
画像処理・実習 第七回: 2値化画像(2値化処理) 東海大学 情報理工学部情報メディア学科 濱本和彦.
Advertisements

Lesson 9. 頻度と分布 §D. 正規分布. 正規分布 Normal Distribution 最もよく使われる連続確率分布 釣り鐘形の曲線 -∽から+ ∽までの値を取る 平均 mean =中央値 median =最頻値 mode 曲線より下の面積は1に等しい.
高度情報演習 1A “ テーマC ” 実践 画像処理プログラミング 〜画像認識とCGによる画像生成〜 芝浦工業大学 工学部 情報工学科 青木 義満 2006/04/10.
自動映像生成のための パーティクルフィルタによるボールの追 跡 2007 年 3 月 21 日 神戸大学大学院自然科学研究科 矢野 一樹.
●母集団と標本 母集団 標本 母数 母平均、母分散 無作為抽出 標本データの分析(記述統計学) 母集団における状態の推測(推測統計学)
Ruth Onn, Alfred Bruckstein (Int J Comp Vision 1990)
豊洲 304教室 15 JULY コンピュータグラフィックス 2008年度版.
点対応の外れ値除去の最適化によるカメラの動的校正手法の精度向上
HOG特徴に基づく 単眼画像からの人体3次元姿勢推定
高度情報演習1A “テーマC” 実践 画像処理プログラミング 〜画像認識とCGによる画像生成〜 第四回 演習課題 画像中からの物体抽出処理(背景情報を手がかりとして) 芝浦工業大学 工学部 情報工学科 青木 義満 2006/05/15.
パネル型クエリ生成インタフェース画像検索システムの改良
ロボットビジョン(ロボットの視覚能力)のための デジタル画像処理
Pose Tracking from Natural Features on Mobile Phones
画像処理工学 2012年2月2日 担当教員 北川 輝彦.
ウェーブレットによる 信号処理と画像処理 宮崎大輔 2004年11月24日(水) PBVセミナー.
統計的仮説検定 基本的な考え方 母集団における母数(母平均、母比率)に関する仮説の真偽を、得られた標本統計量を用いて判定すること。
ISDASインターネット分散観測: ワームの平均寿命はいくらか?
統計的仮説検定の考え方 (1)母集団におけるパラメータに仮説を設定する → 帰無仮説 (2)仮説を前提とした時の、標本統計量の分布を考える
エッジの検出 画像中に表示された物理の輪郭(エッジ(edge))や線では、一般的に濃淡が急激に変化しており、これらは画像中のなんらかの構造を反映していることが多い このようなエッジや線の検出処理は、画像理解や認識のための前処理として重要である   差分型によるエッジ検出   零交差法によるエッジ検出.
時空間データからのオブジェクトベース知識発見
ORB: an efficient alternative to SIFT or SURF
TextonBoost:Joint Appearance, Shape and Context Modeling for Multi-Class Object Recognition and Segmentation 伊原有仁.
異種センサを用いた人の行動検知 研究概要 研究の独自性 isi担当 高汐グループ成果 スライド到着待ち yasu担当.
統計学 11/08(木) 鈴木智也.
正規性の検定 ● χ2分布を用いる適合度検定 ●コルモゴロフ‐スミノルフ検定
固定カメラ映像からの音声情報を 用いた映像コンテンツ生成
高山建志 五十嵐健夫 テクスチャ合成の新たな応用と展開 k 情報処理 vol.53 No.6 June 2012 pp
画像情報を用いた交通流計測 情報工学科 藤吉研究室 EP02076 都築勇司
高度情報演習1A “テーマC” 実践 画像処理プログラミング 〜画像認識とCGによる画像生成〜 第三回 演習課題 画像中からの物体抽出処理(色情報を手がかりとして) 芝浦工業大学 工学部 情報工学科 青木 義満 2006/05/08.
2007年度 長岡技術科学大学オープンハウス 半透明人間
早稲田大学大学院商学研究科 2016年1月13日 大塚忠義
スペクトル・時系列データの前処理方法 ~平滑化 (スムージング) と微分~
果物識別 マハラノビス距離を求める.
線形フィルタと畳み込み積分 マスクによる画像のフィルタリング 1.入力画像中の関心の画素のまわりの画素値
高度情報演習1C 実践 画像処理プログラミング
長岡技科大オープンハウス 岐阜高専4年電子制御工学科 森 永二郎.
複数尤度を用いた 3次元パーティクルフィルタによる選手の追跡 IS1-39
顔部品の検出システムの構築 指導教員 廉田浩 教授 1DS04188W  田中 甲太郎.
相関分析.
画像処理 基礎.
エッジの検出 画像中に表示された物理の輪郭(エッジ(edge))や線では、一般的に濃淡が急激に変化しており、これらは画像中のなんらかの構造を反映していることが多い このようなエッジや線の検出処理は、画像理解や認識のための前処理として重要である   差分型によるエッジ検出   零交差法によるエッジ検出.
Bottom-UpとTop-Down アプローチの統合による 単眼画像からの人体3次元姿勢推定
ビデオデータベース.
視点移動カメラにおけるカメラキャリブレーション
第11回   ディジタル画像(2) ディジタル画像処理(2)
画像処理工学 2013年1月23日 担当教員 北川 輝彦.
高度情報演習1A “テーマC” 実践 画像処理プログラミング 〜画像認識とCGによる画像生成〜 第二回 演習課題
高度情報演習1C 実践 画像処理プログラミング 第二回 演習課題
構造情報に基づく特徴量を用いた グラフマッチングによる物体識別 情報工学科 藤吉研究室  EP02086 永橋知行.
高度情報演習1A “テーマC” 実践 画像処理プログラミング 第六回 最終課題 画像処理による動物体自動抽出、モーションキャプチャ
内視鏡画像からの奥行き情報提示による 視覚支援システムの開発
QRコードを用いたIDカードに 適した電子透かし
-画像処理(空間フィルタリング)- 画像処理(空間フィルタリング)のモデルとその基本操作 雑音除去・平滑化への適用
2つの平行光の観測による 内部カメラパラメータの安定なキャリブレーション
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
早稲田大学大学院商学研究科 2014年12月10日 大塚忠義
ウィルスって どの位感染しているのかな? 菊池研究室  小堀智弘.
SIFTとGraph Cutsを用いた 物体認識及びセグメンテーション
Wavelet係数の局所テクスチャ特徴量を用いたGraph Cutsによる画像セグメンテーション
Bottom-UpとTop-Down アプローチの組み合わせによる 単眼画像からの人体3次元姿勢推定
2007年度 長岡オープンハウス クロマキー合成 小山高専 電子制御工学科4年                       針谷 尚裕.
ベイズ最適化 Bayesian Optimization BO
最尤推定・最尤法 明治大学 理工学部 応用化学科 データ化学工学研究室 金子 弘昌.
川崎浩司:沿岸域工学,コロナ社 第4章(pp.58-68)
音響伝達特性を用いたシングルチャネル音源方向推定
ビデオデータベースを用いた 流体画像に基づくアニメーション生成
「データ学習アルゴリズム」 第3章 複雑な学習モデル 報告者 佐々木 稔 2003年8月1日 3.2 競合学習
データ分布の特徴 基準化変量 歪度 尖度.
市松模様を使用した カメラキャリブレーション
混合ガウスモデル Gaussian Mixture Model GMM
Presentation transcript:

静止背景における動物体の検出と追跡 陳 謙 2004年10月19日

問題の定義 関心のある物体を除いて移動物体は存在しない。 カメラの位置、方向は固定、焦点距離などの内部パラメータも固定 この場合、移動物体は存在しない場合、カメラが撮影していた画像は不変(静止)である この前提のもとで、画像の中の画素を    ① 背景     ② 移動物体  の2種類に分類して、移動物体の抽出と追跡を行う。

処理の手順 背景のモデリング(背景画像の構築) 入力画像と背景画像との画素間の差を計算して、移動物体の画素を抽出する フィルタリング処理によりノイズを除去 隣接している画素をグルーピングする フレーム間における物体の追跡を行い、物体の軌跡を求める

入力画像(背景モデリング)

背景のモデル(背景画像)

抽出した移動物体

実画像の例 入力画像 抽出した移動物体の領域 背景画像

Segmentation Results Foreground extraction of first target at 20mph Foreground extraction of second target at 20mph

Results

背景のモデリング 画像内に移動物体が存在しない瞬間があれば、その瞬間の画像を背景画像とすることができる。 しかし、一般的に、移動物体の存在の判断が難しくて、しかも、背景像が変化することが多い。

背景が変化している 光源の位置が変化する(太陽!!) 外部照明条件が変化する。(雲、影、反射など) 内部照明条件が変化する(扉、窓の開閉、照明灯のOn/Off) 移動物体が絶えることはない。(交差点など) 背景物体の変動(木の揺れ、水面の波 カメラの露出の変化(自動露出など)

背景のモデリング 画像系列から静止画像を構築すること 背景画像の動的更新 拡張した背景モデリング 複数の画素値 画素値モデリング(分布、変動など)

動物体の対処 一般的に、静止環境に設定しているカメラから撮影された画像には、次の特徴がある: 画像全体の中に、移動物体が示す面積が少ない 移動物体が停止しないし、静止している時間はきわめて短い このことから、動画像の中の画素には、背景が写っている時間(回数、頻度、確率)が圧倒的に長い ことが言える

移動物体の存在する環境における背景の獲得 数秒間から数分間の動画像を撮影する 画像の各画素に対して、出現頻度(確率)について分析を行う 出現頻度が最も高い明るさ・色をその画素の背景の明るさ・色とする 具体的に、ヒストグラムに基く方法 と 確率モデリングに基く方法がある。

背景のモデリング4 (Gaussian分布による背景のモデリング) 画像の各画素に現れる画素値が 正規分布に従うと仮定する 各画素に対して、ひとつのGaussian分布を割当て、  入力画素値により、そのGaussian分布のパラメータ(平均・分散)を調整する 分散が基準値を超えた画素は、モデリング不能の画素とする(画素値が常に変動しているか、変動しない時間が短すぎる) Gaussian分布の平均値を背景の画素値とする。

Gaussian分布 式: 可視化: (2-Dimensional)

背景のモデリング5 (ヒストグラムによる背景モデリング) 各画素に現れる画素値のヒストグラムを構築する 出現頻度の最も高い画素値(あるいは上位N個の画素値の平均)をその画素の背景の画素値とする

色空間 RGB色空間を用いると、背景モデリングの処理は、影の影響に敏感に影響される 明るさ情報と色情報が分離している色空間を用いれば、陰の影響を軽減することが可能である たとえば、YUV色空間

色空間 背景画像と入力画像: 各成分(Y, U, V)の差分画像:

Track objects Objects are tracked from frame to frame using: Location Direction of motion Size Colour

Gaussian Mixture Model Stauffer & Grimson (2000) 各画素のにおけるK 個 gaussian分布を管理する 平均値 µ, 標準偏差 と 重み  入力画素はどれかのgaussian分布にマッチしていれば、背景と判別する

中間値モデル(Median Value Model) Cucchiara, Grana, Piccardi & Prati (2003) 各画素について、N フレーム前までの履歴を管理する 背景画素値は中間値である 入力画素の画素値と背景画素値との差が閾値以下であれば、背景と判別する |I(p), B(p)| < T

適応(Adaptation) GM と MV はともに照明の変動に適応する GM モデルの適応は遅いが、複数の背景値に対応できる しかし、適応の途中、誤検出が多く発生する 従って、画像中の多くの領域は、“動物体”として抽出されてしまう GM モデルの適応は遅いが、複数の背景値に対応できる

静止背景における移動物体の検出の応用 監視 セキュリティ(保安、警備)監視カメラ 交通状況の監視 人数の統計 など 形状計測 視体積交差法 人数の統計 など 形状計測  視体積交差法 ユーザインタフェース  目の検出、指の検出など