第12回 CMCと仮想社会 担当:野原仁(地域科学部) メディア論 第12回 CMCと仮想社会 担当:野原仁(地域科学部)
本日のテーマ CMCの特徴 仮想社会と現実社会 第3の社会論
CMCとは何か? インターネットなど、コンピュータを使ったコミュニケーションのことを、CMC(Computer Mediated Communication)という CMCは従来のコミュニケーション(対面コミュニケーションやマスコミュニケーションなど)と異なる点が多い
CMCの特徴 匿名性 ネットワーク性 タコツボ性 脱身体性 過激性
匿名性とは? 現実社会における自分自身の属性を相手に知られずにコミュニケーションすることが可能なこと ニックネームやハンドル名を使う 東京高裁の44歳の裁判官が援助交際で逮捕→「35歳のサラリーマン」と偽っていた!
ネットワーク性とは? 現実社会の家族・地域・集団とは異なる、インターネット上でのつながりのこと 自分の興味のあるテーマでのメーリングリストや掲示板・チャットなどでのやりとり オフ会による対面コミュニケーションへの広がり
タコツボ性とは? 自分が興味のあることにしか関心が向かない ある特定の話題の細かな点のみをひたすら追求する 特定の仲間としかコミュニケーションしない オタク性・カルト性
脱身体性とは? 非対面コミュニケーション=顔の表情・身振り手振り・雰囲気・温度などがわからない コミュニケーションの相手を本当に理解できるのか?→対面コミュニケーションで相手を理解できるのか?
過激性とは? 匿名性・非身体性とむすびついて、日常生活では考えられないような過激で自己中心的な表現が多くなる可能性 ネット上でムチャクチャな書き込みや他人を誹謗中傷しているヤツが、実生活では温和で内気だった…
仮想社会とは? 「社会」とは? 2人以上の人々のむすびつき 仮想社会(virtual society) CMCによる人間同士のむすびつき 2人以上の人々のむすびつき 仮想社会(virtual society) CMCによる人間同士のむすびつき たとえば… メールやBBSなどをつうじて他人と知り合い、交流する関係
仮想社会危険論 仮想社会は、CMCのもつ「匿名性・脱身体性・タコツボ性」などの特徴のため、人間関係が希薄で自己本位になりがちである 仮想社会は、現実社会(real society)からの逃避の場である 主に、新聞・テレビなど既存のメディアを中心に論じられる
仮想社会と現実社会 仮想社会と現実社会はまったく別々のものではない 現実社会の一部として、仮想社会が存在している 人間同士のむすびつきの新たなカタチの一部として考えるべきではないか?
第1の社会(ゲマインシャフト=コミュニティ=第1次集団) 第2の社会(ゲゼルシャフト=アソシエーション=第2次集団) 人間同士のむすびつき 第1の社会(ゲマインシャフト=コミュニティ=第1次集団) 第2の社会(ゲゼルシャフト=アソシエーション=第2次集団) 第3の社会(新たなむすびつき)
第1の社会 家族や地域共同体など、血縁・地縁によるむすびつき 対面コミュニケーションのみによって成立 閉じた世界=相互の関係が濃密 歴史的に一番古い
第2の社会 学校や職場など、個人の選択によるむすびつき 国家も含まれる 対面コミュニケーションだけでなく、マスメディアを通じても成立 開かれた世界 近代になって成立
第3の社会 第2の社会から分かれて成立 「個人の選択によるむすびつき」という点では同じだが、主に趣味などを通じた緩やかなむすびつき たとえば、「カルチャースクールでのおばさん同士のむすびつき」や「病院のロビーでの老人同士のむすびつき」など 仮想社会におけるむすびつきも第3の社会のひとつのカタチ
仮想社会におけるむすびつきの例 Blogにおけるトラックバックやコメントを利用したコミュニケーション SNS(ミクシィなど)におけるコミュニケーション ネットゲームによるコミュニケーション メール・掲示板におけるコミュニケーション →ソーシャルメディアによるむすびつき
ソーシャルメディアで実現したこと①
ソーシャルメディアで実現したこと②
ソーシャルメディアで実現したこと③
ソーシャルメディアで実現したこと④
ソーシャルメディアで実現したこと⑤
ソーシャルメディアによるつながりのカタチ①
ソーシャルメディアによるつながりのカタチ②
ソーシャルメディアによるつながりのカタチ③
ソーシャルメディアによるつながりのカタチ④