産業構造審議会経済協力小委員会中間取りまとめのポイント

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1 ジャパン・ODAモデル Ⅲ.経済協力を巡る 国内の状 況変化 Ⅰ.経済協力に対する ニーズの増加・多 様化 Ⅱ.東アジアとの 貿易・投資関係の 深化 我が国が内外から広く支持されるような経済協力の在り方を検討し、明確に発信すること が急務 我が国経済協力を取り巻く昨今の状況変化(第2章) 国際的な議論の変化.
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経常収支とは?  一国の国際収支を評価する基準の一つ。  この 4 つのうち、 1 つが赤字であっても他で賄え ていれば経常収支は黒字となる。 貿易収支 モノの輸出入の 差 所得収支 海外投資の収益 サービス収支 サービス取引額 経常移転収支 対価を伴わない 他国への援助額 これらを合わせたものが経常収支.
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物流分野におけるCO2削減対策促進事業 (国土交通省連携事業) 背景・目的 事業概要 期待される効果 事業スキーム
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海外展開事業名: 「○○○○○」 (添付資料1) 業務概要資料
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令和元年度 商工労働施策について 施 策 目 標 主 要 施 策 基 本 姿 勢 Ⅰ Ⅱ Ⅲ 海外ビジネス 創業・ベンチャー 事業承継
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産業構造審議会経済協力小委員会中間取りまとめのポイント 我が国及び世界の経済協力50年の経験を踏まえたジャパン・ODAモデルの再認識(第1章) 成長を遂げているアジア          低迷続けるアフリカ ジャパン・ODAモデル ・受入国においてガバナンスが一定程度機能している中で、 ・アジアは近年大きな成長を遂げている一方、アフリカは依然として低迷した状況。   ①ハードインフラ、ソフトインフラの整備及び産業人材育成からなる経済発展基盤整備に、    ②円借款と技術協力を主なツールとして活用しながら経済協力を実施し、それにより    ③民間部門の生産、貿易、投資活動を活性化 ・世界からのODAの受け取り額は、アジア地域、アフリカ地域ともにほぼ同額。 することを通じて経済成長のダイナミズムを起動するというモデル。 ・我が国ODAがアジアに民間投資を呼び込むことに大きく寄与し、結果としてアジアの成長に大きな役割を果たした。 ・なお、円借款は、我が国に特徴的な制度であり、途上国自身の長期的・計画的な取組を促す効果をもたらすとともに、我が国も当該国の経済・財政状況を長期的にフォローしている。 我が国が内外から広く支持されるような経済協力の在り方を検討し、明確に発信することが急務 我が国経済協力を取り巻く昨今の状況変化(第2章) Ⅰ.経済協力に対する       ニーズの増加・多様化 Ⅱ.東アジアとの       貿易・投資関係の深化 Ⅲ.経済協力を巡る          国内の状況変化 国際的な議論の変化 厳しい財政状況下でのODA予算の削減 ・ミレニアム開発目標(MDGs : Millennium Development Goals)、欧米諸国のODA増額等 東アジア地域の発展による我が国との貿易・投資関係の深化 ・ODA予算は1997年をピークに減少 ・一方、骨太方針2005にODAの対GNI比0.7%を目指して努力すること、ODA事業量ベースでの戦略的拡充を明記 発展途上国における状況変化 ・経済成長段階に応じたニーズの多様化等 経済連携促進のための経済協力に対する要請の高まり 国民に対する理解促進の必要性の高まり ・評価を徹底し、より効率的な経済協力を行うことが求められている。 地球的規模の問題の深刻化 ・資源・エネルギーの需給逼迫、温暖化問題等

我が国経済協力の戦略的活用に向けて(第3章) ※詳細は  次ページ Ⅰ.3つの重点分野 民間活力活用のための貿易・投資環境整備 東アジア等との経済連携強化に資する 経済協力の推進 地球的規模の課題解決への貢献 Ⅲ.経済協力の効果・効率向上のための経済協力手法の改善 ハードインフラ整備 資源・エネルギー需給安定化に向けた                      経済協力 ・貿易・投資環境改善に資する道路、港湾、電力等のインフラ整備 経済連携の効果を増大させる経済協力 ・関連インフラ整備や省エネ関連の技協等 ソフトインフラ整備及び人材育成支援 ・経済連携を一層強化し、途上国の発展を促しつつ、東アジア全体としての国際競争力を高める。 ・例えば、自動車産業人材育成(タイ等)や、看護師等に特化した日本語教育(フィリピン)等に係る協力 ・知財保護、基準認証、物流、環境・省エネ、産業人材育成の重点5分野 地球温暖化問題等の解決への貢献 ・CDM活用方策の検討 途上国政府の政策立案能力等の向上支援 安心・安全確保のための取組 ・世銀、アジア開銀等との協調融資、被援助国との政策対話等への積極的参加 ・防災・災害対策、貿易管理、マラッカ海峡対策等 Ⅱ.被援助国の状況に応じた地域別の戦略的対応(重点は引き続きアジア) アジアを重点地域とすることを基本としつつ、アフリカその他の地域にも、これまで東アジアを中心に実施してきた「ジャパン・ODAモデル」を地域の実情に応じて適用し、民間活力の活用のための貿易・投資環境整備に取り組む。 アジア地域 ・近年経済の緊密化が進んでいる東アジア諸国との間では、引き続きハードインフラ、ソフトインフラ整備、人材育成といった貿易・投資環境整備等の協力を進めることにより、経済連携の効果を高める。 ・その際、被援助国の経済発展レベル等に留意する必要あり。    先進アセアン諸国(タイ、マレーシア等)    中進アセアン諸国(インドネシア、フィリピン、ベトナム等)    後進アセアン諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー等) 民間資金を活用したハードインフラ整備や先進的な人材育成に係る協力等 投資環境改善のためのハードインフラ整備に加え、中小企業支援等裾野産業支援に係る協力等 基本的なハードインフラ整備や物流効率化のための制度整備等、域内格差是正のための協力等 ・南アジア等に対しても、我が国との経済関係の深化の可能性等を踏まえながら、民間活力の活用のための貿易・投資環境整備を推進。 その他アフリカ等 ・本年は国連ミレニアム宣言中間レビューの年であり、アフリカの開発問題、貧困対策が議論されている。アジアでの経験を活用し、民間資金の呼び水となるような貿易・投資環境整備のための経済協力(具体的には、経営技術定着のための生産性向上のための協力、一村一品運動への協力等)や、貿易保険やJBICの活用やビジネスマッチングを通じた輸出振興支援、農業支援等を検討。 ・資源・エネルギー政策上重要な中東については、我が国との緊密かつ良好な関係を構築していく観点から高度人材育成支援などを実施。 ・中南米もアフリカと同様、所得格差の是正のための貧困対策に加えて、民間活力の活用のための貿易・投資環境整備を推進。

我が国経済協力の戦略的活用に向けて(第3章)(続き) 経済協力手法の有機的連携と新たな手法の開発 円借と技協と無償の連携例 例えば、再生可能エネルギー等の新技術導入の際、パイロット設備を無償で供与するとともに、運用方法等の技術協力を行い、現地での効果発現の確認後、円借款で大規模展開を図ることを想定。 Ⅲ.経済協力の効果・効率向上のための経済協力手法の改善 技術協力 無償資金協力 ・重点政策分野への一層の重点化・拡充 ・経済発展基盤整備を行うに当たり、技協や円借と連携して実施。 (知財保護、基準認証、物流、        環境・省エネ、産業人材育成) 技協と円借の連携例 円借款、無償資金協力、技術協力の有機的連携 メコン地域の広域物流ルート構築のため、輸出入手続き改善に関する技術協力とともに、道路や物流ターミナル等の整備を円借款で検討中。 円借款 弾力的供与方法の開発 ・IT事業や産業人材育成等ソフトインフラ整備との一体化 ・サブ・ソブリン向けへの円借款供与の検討 官民の適切な役割分担による公的資金と民間資金の連携 官民の連携例 ・PPP推進のための業界プラットフォームの設立 ベトナムのフーミー発電施設整備事業において、円借款による1号機建設の後、貿易保険、JBICを活用した民間投資により2号機、3号機の建設を実現した例。 ・二国間政策対話の促進 民間資金 ・公的資金と民間資金の連携 ・新たな通商金融ツールの創出(レベニュー・ボンドや                         サブ・ソブリン案件への信用供与等) 経済協力政策の立案及び実施体制の連携促進 (関係府省及び関係機関間の連携強化、世銀等国際機関との連携強化等) 企業、NPO、大学といった民間等の活動との連携(CSRに基づく民間企業の活動やNPO、大学等との連携強化。 途上国での知見や経験のある企業OB等も含めた我が国の人材活用等) 我が国の優れた技術の活用 (STEP制度(タイドかつ優遇条件円借款)の推進等) 経済協力の評価の充実と内外の理解の増進 ・経済協力の評価の充実(評価手法の開発や第三者評価の充実や評価結果の政策への適切な反映等) ・国内外への適切な情報発信(ODAタウンミーティング等に加え、経済協力に関するセミナーを途上国でも開催するなど一層理解を促す)