明治大学経営学部 鈴木研一ゼミナール 第10章担当:大村 雄太 斎藤 毅 「マネジメントアカウンティング」 明治大学経営学部 鈴木研一ゼミナール 第10章担当:大村 雄太 斎藤 毅
第10章 分権的組織の マネジメントコントロール 第10章 分権的組織の マネジメントコントロール
内容 ・分権化について ・分権化と集権化 ・内部振替価格 ・逆機能的行動
分権化 分権化とは... ・意思決定権限を下位に委譲すること ・意志決定権限のある組織階層が低いほど、 分権化がすすんでいる。 ・意志決定権限のある組織階層が低いほど、 分権化がすすんでいる。 ・Nikeの例
集権化と分権化 すべての企業にとって分権化が正しい選択であるとは限らない ・ある1つの企業が分権化を行い、違うある1つの企業が集権化を全く同じ時期に行なった。 ・なぜ分権化がされなかったのか? 集権化 分権化 最大限の制約 最小限の制約 最小限の自由 最大限の自由
分権化の便益 ・現場をよく知るマネージャーに意思決定をやらせた方が上位のマネージャーが行なうよりも適切に行える ・現場をよく知るマネージャーに意思決定をやらせた方が上位のマネージャーが行なうよりも適切に行える ・マネージャー達に意思決定能力や他の経営管理能力を向上させる機会が与えられる ・また、継続してリーダーシップを発揮 ・マネージャーのモチベーションが向上
分権化のコスト ・マネージャーが組織の利益に合致しない意思決定を行なう可能性 ・組織全体の業績を犠牲にして自分のセグメントをよく ・マネージャーが組織の利益に合致しない意思決定を行なう可能性 ・組織全体の業績を犠牲にして自分のセグメントをよく 見せようと考えることもある ・他のセグメントの状況をわかっていない→情報不足 ・集権的にした方が安くつくようなサービス機能の重複 (例:会計経理、広告宣伝、人事労務) ・情報収集、処理のコストの増大 ・業績報告書の必要性 ・交渉時間の長さ
集権化と分権化の妥協点 ・分権化による便益とコストを考えて、ある部分では分権化、別の部分は集権化、ということがしばしば起こりうる ・分権化による便益とコストを考えて、ある部分では分権化、別の部分は集権化、ということがしばしば起こりうる (例) 分権化:問題解決職能、注意喚起職能 ・コントロール職能 集権化:法人税の計算や賃金、給料計算 などの実績記録職 ・組織内のセグメントが相互に依存しあっていない場合、分権的組織 は最も効果的である ・逆に、セグメント間での製品・サービスの売買、同一のサプライヤーからの購買、同一市場への販売などが頻繁に行われている場合には、集権的組織を採用したほうがよい
セグメントの自由裁量権 ・マネジメントコントロールシステムを設計する際の注意点(第9章) ・コストと便益の兼ね合いを考える ・マネジメントコントロールシステムを設計する際の注意点(第9章) ・コストと便益の兼ね合いを考える ・目標一致の確保 考慮する ・従業員の努力を引き出す ・分権的組織のマネジメントコントロールシステムを設計する際の注意点 ・上の3つの項目+セグメントの自由裁量権 (形式的ではなく実効性がなくてはならない) ・セグメントの自由裁量権とは組織内のセグメントマネージャーに意思決定権限が委譲されている状態のこと
利益センターと分権化 利益センターと分権化とは、お互い全く異なる概念 ・ 利益センターと分権化とは、お互い全く異なる概念 ・利益センターのマネージャーの中には、従業員との雇用契約、納入業者の選定、設備の取得、人事決定権、など大幅な自由裁量権を認められているものもいる ・逆に、上記のような意思決定の全てについて、トップマネジメントの承認なしには決定できない、利益センターのマネージャーもいる ・コストセンターのマネージャーであっても、大幅な自由裁量権が与えられていれば、利益センターよりも分権的であると言える ・
留意事項 ・マネージャーに充分な意思決定権を与えずに利益責任を負わせているという理由で、利益センターが批判の的となっている ・マネージャーに充分な意思決定権を与えずに利益責任を負わせているという理由で、利益センターが批判の的となっている ・利益センターと分権的組織を混同させてはならない ・問題となるのは、目標一致の確保とマネージャーの努力を引き出すこと ・完全無欠なマネジメントコントロールシステムは存在しない どのシステムを選択すればトップマネジメントが望んでいるような行動をより多く引き出せるか?
例示 ・工場を「利益センター」とした例 ・工場長は製品販売に関する意思決定権限を全く持っておらず、通常ならばコストセンターとされるような工場 ・コストセンターとした場合 工場長は生産業務をいかにして効率よく遂行するかにしか注意を払わない ・利益センターとした場合 品質管理についてより多くの注意を払ったり、顧客からの特別注文にもより熱意を持って対応するようになった ・工場を「利益センター」化したことにより、コストセンターとした場合には見られなかった工場長の望ましい行動がもたらされた
内部振替価格 ・組織内の全てのセグメント ・相互依存性がない場合:分権化を採用問題 他に不利益を及ぼすことなく自分のセグメン トだけ集中 ・組織内の全てのセグメント ・相互依存性がない場合:分権化を採用問題 他に不利益を及ぼすことなく自分のセグメン トだけ集中 ・相互依存性がある場合:他のセグメントの利益を損失 組織全体にも不利益 ・起こりうる時 「内部振替価格」を請求する時 組織内のあるセグメントが同一組織内の他のセグメントへ製 品、サービスを供給した時、その製品、サービスに対して請求 する金額
内部振替価格の目的 ・なぜ内部振替価格が必要か? ・理由:(1)目標一致を導くためにはデータを伝達する必要があるから ・なぜ内部振替価格が必要か? ・理由:(1)目標一致を導くためにはデータを伝達する必要があるから (2)販売部門のマネージャーと購入部門のマネージャーの両 方が組織目的に合致した意思決定を行なうように動機づ けるため (3)多国籍企業における支払税額を最小にするため 実行は難しい ・これらの問題解決のために ・原価基準に内部振替価格の採用 ・市価基準や交渉価格の採用
原価基準の内部振替価格 ・全世界の主要企業のうちの約半数は、原価(コスト)基準の内部振替価格を採用している ・全世界の主要企業のうちの約半数は、原価(コスト)基準の内部振替価格を採用している ・コストという語には様々な定義がある ・変動費 ・標準原価 ・全部原価 ・実際原価 ・全部原価+マークアップ (販売価格のうちコストを超える金額)
留意事項 ・内部振替価格を考えることは原価配分について考えるのとほぼ同じことである ・内部振替価格を考えることは原価配分について考えるのとほぼ同じことである ・コストは、あるセグメントに集計された後、他のセグメントに割り当て られる(振り替えられる)
問題点1 ・コストの内部振替すなわち配賦を行うとコストビヘイビアがわからなくなってしまうことが起こりうる ・コストの内部振替すなわち配賦を行うとコストビヘイビアがわからなくなってしまうことが起こりうる {コンピューターメーカーAppleの例} ・キーボード事業部:キーボードの製造原価に影響を及ぼすコストド ライバーを詳しく知っている ・組立事業部:キーボードの数量だけがコストドライバーだと考える ・組立事業部は、数量以外のコストドライバーには全く注意が払われず、固定費と変動費の区別も曖昧になり、実際のコストビヘイビアがどうであれ、キーボードのコストは全て変動費であると考えてしまう
問題点2 ・実際原価で内部振替が行われる場合 ・実際原価は事前に確定することができないので、購入事業部はコストを予定することができない ・実際原価で内部振替が行われる場合 ・実際原価は事前に確定することができないので、購入事業部はコストを予定することができない ・実際原価をベースにした内部振替価格を用いると供給事業部の不能率が受入事業部にそのまま移転されてしまう ・供給事業部がコストをコントロールしようというインセンティブをも たなくなってしまう ・従って、内部振替設定をする場合、実際原価ではなく予算原価や標準原価を利用すべきである
市価基準の内部振替価格 ・企業内部で振り替える製品、サービスに競争的な外部市場が存在する場合には、市場価格を内部振替価格とすれば、通常、目標一致を確保し、マネージャーの努力を引き出すことができる ・市場価値は類似の製品、サービスの価格リストから入手可能 ・製造事業部が組織外部の顧客に提示した価格でもよい (組織内部へ販売する場合には不要な販売費や運送費などを取 り除いた金額) ・最大の欠点 ・内部振替される製品、サービスの市場価格が常に入手可能だとは限らない
例示 ・Outdoor Equipment Company ,Inc (OEC)の例 ・あらゆるアウトドア用具や衣類などを製造している大手メーカー ・OECのある事業部では、多くの最終製品の材料となる布地を生産 ・この布地は、それ自体で、外部の顧客に販売されている ・またOECには、この布地からテントを生産している事業部がある ・あるテントを作るのに、5平方ヤードの防水布地が使われる ・テント事業部は、布地を調達するのに、組織内の布地事業部から購入する方がよいのか、組織外部のサプライヤーから購入するほうがよいのか?
例示の続き ・この布地の市場価格は1平方ヤードあたり10㌦であるとする ・従って、テントを1つ作るのには50㌦の布地が必要となる ・ここでは、全ての生産物は販売費用を一切かけずに外部の顧客に販売できるとする ・テント事業部長は、テントを1つあたり50㌦よりも高い価格での購入は拒否するであろう ・なぜなら、内部振替価格が50㌦以上であれば、テント事業部の利益を最大にするためには、布地を外部から買ったほうが良いからである ・一方、布地事業部長は5平方ヤードの布地を50㌦以下の値段では売りたがらないであろう ・なぜなら、外部市場で50㌦で販売できるので、それ以下の価格で引き渡すと布地事業部の利益を減らすことになるから
例示の続き2 ・従って、両マネージャーが自分の事業部の利益を最大化できるたった一つの内部振替価格は50㌦、つまり市場価格である ・では次に、布地事業部では、布地を外部に販売せず、組織内部のテント事業部に販売することによって、販売費・運送費が1平方ヤードあたり1㌦節約できるとしよう ・この場合、内部振替価格は、1平方ヤードあたり9㌦、テント1つあたり45㌦に設定される場合がほとんどである ・このようにして設定された内部振替価格は、「市価差引基準の内部振替価格」と呼ばれる ・布地事業部は、外部顧客に販売した時に得られる収益(50㌦-5㌦の販売費・運送費)と同額の収益(販売費・運送費なしの45㌦)を得られ、テント事業部は、テント1つあたり5㌦の節約ができる ・これは、OECの全社的な利益と一致する
変動費基準の内部振替価格 ・市場価格によって内部振替を設定するのは、利益センターを導入する場合、非常に魅力的だが、全ての場合に適切とはいえない (理由) ・市場価格が入手困難な時がある ・適用するのが難しい時がある ・算定不能な時がある ・市場価格が使えない場合、代用品として原価加算基準の内部振替価格が用いられることが多い
例示 ・再びOECの例 ・図表10-1にOECの販売価格と単位あたり変動費を示す ・再びOECの例 ・図表10-1にOECの販売価格と単位あたり変動費を示す ・この場合、テント事業部に追加的に布地を供給する際に、布地事業部で発生するコストは、1平方ヤードあたり8㌦の変動費だけである ・テント事業部では、5平方ヤードの布地を購入し、テント1つあたり追加的に53㌦のコストをかけてテントを生産・販売する
内部振替価格を分析するためのデータ (図表10-1) 内部振替価格を分析するためのデータ (図表10-1)
分析 ・布地事業部に遊休生産能力がない場合 (顧客からの注文でいっぱい) ・布地事業部に遊休生産能力がない場合 (顧客からの注文でいっぱい) ・布地事業部が外部顧客に$50で布地を販売することが企業全体と して最適な選択 なぜなら ・テント事業部でテントを生産する場合:追加$53のコスト ・布地事業部が得られる収益:$100-$50=$50となる ・テント事業部でテントを生産する場合には、追加的に$103($50 +$53)のコストが発生するが、得られる収益は$100だから ・$50で外部から購入するということもない
分析2 ・遊休生産能力がある場合(外部顧客から需要が充分にない) ・布地を増産して、それをテント事業部に販売することが最善 ・遊休生産能力がある場合(外部顧客から需要が充分にない) ・布地を増産して、それをテント事業部に販売することが最善 ・増産と内部振替がおこなわれないと、企業全体の立場からも総額$70,000の貢献利益を逃がしてしまう このような場合の最適な意思決定 変動費基準の内部振替価格を採用 (ここでは図表10-1より$40) ・企業全体の立場からは、変動費基準の内部振替価格を採用するべきである
交渉による内部振替価格 ・交渉による内部振替価格 ・交渉による内部振替価格 ・セグメントの自由裁量権を大幅に認めている企業では、マネージャー同士の交渉によって内部振替が決められることが多い
逆機能的行動 ・どんな内部振替価格を用いても逆機能的行動の問題を完全に解決することはできない ・逆機能的行動:企業全体の利益に反する行動 ・どんな内部振替価格を用いても逆機能的行動の問題を完全に解決することはできない ・逆機能的行動:企業全体の利益に反する行動 (企業目的) ・セグメントのマネージャーは、他のセグメントを犠牲にしても、自分の業績を良く見せようとすることがある ・なぜこのような行動が導かれるのか?
OECの例(1) ・図表10‐1のような状況を考える ・布地事業部に遊休生産能力があったとする ・その場合の布地1ヤードあたりの変動費は8㌦ ・テント1個あたり100㌦で10,000個売れるとするなら、最適な内部振替価格は変動費基準で設定する40㌦(@8㌦×5ヤード)であり、企業に70,000㌦の貢献利益をもたらす ・しかし布地事業部長は、自事業部の利益のために、変動費基準ではなく、市価基準の内部振替価格を設定することを主張するかもしれない ・事業部が利益センターならば、目標価格を高く設定するために事業部の貢献利益は高くなる
OECの例(2) ・さきほどのことより、布地事業部は逆機能的行動をする ・さきほどのことより、布地事業部は逆機能的行動をする ・従って、テント事業部はテントを生産せず、布地事業部から布地を 購入しない ・よって企業はテント1つにつき$7、合計で$70,000の貢献利益を逃してしまうということになる
OECの例(3) ・布地事業部に遊休生産能力がない場合 ・変動費基準の内部振替価格を採用していても、逆機能的行動が 誘発される ・布地事業部に遊休生産能力がない場合 ・変動費基準の内部振替価格を採用していても、逆機能的行動が 誘発される ・テント事業部は変動費基準の内部振替を求めるから、そこでの 内部振替価格を安くし事業部の利益を大きくする ・布地事業部はテント事業部に布地を内部振替するメリットがなくなる
ジレンマの解決 ・このようなジレンマを解決するにはどうしたらいいか? ・このようなジレンマを解決するにはどうしたらいいか? 1:トップマネジメントが「公正な」内部振替価 解決法 をきめ、内部振替を行なうように指示する方法 2:マネージャー同士の自由な交渉 ・(解決法1の場合)分権的組織のマネージャーにとっては、トップマネ ジメントからの介入は自らの自由裁量権を害する ものと考えるに違いない ・(解決法2の場合)テント事業部はテントの販売価格が$100とわか れば、そこからテントの生産コスト$53を引き、 $47を内部振替価格の判断基準とする
マネージャー同士の交渉 ・もし、布地事業部に遊休生産能力があるならば‥ ・内部振替価格が40㌦を上回っていれば、布地事業部の利益は増加する ・もし、布地事業部に遊休生産能力があるならば‥ ・内部振替価格が40㌦を上回っていれば、布地事業部の利益は増加する ・テント事業部が「47㌦以下」を基準としてきたなら、内部振替が行なわれる可能性がある ・企業全体の貢献利益も増加する ・もし、遊休生産能力がないならば‥ ・内部振替によって、50㌦の外部売上が減少してしまう場合、布地事業部が受け入れられる最低の内部振替価格は50㌦である ・その場合、テント事業部はテントの生産をしない
トップマネジメントがすべきこと(1) ・セグメントマネージャーが逆機能的行動をとっている場合、トップマネジメントはどうしたらよいか? ・セグメントマネージャーが逆機能的行動をとっている場合、トップマネジメントはどうしたらよいか? ・状況によって異なってくる ・介入して、内部振替を強制する ・セグメントマネージャーの自由裁量権を侵害してしまうことになる 分権化の考えにそぐわない
トップマネジメントがすべきこと(2) ・内部振替価格についての自由な交渉を認めるべきである ・内部振替価格についての自由な交渉を認めるべきである ・逆機能的行動が行われているのではないかとの疑いを抱いた時 ・マネジャーの誤った判断を分権化のコストと割り切り、介入するの を我慢しなければならない(逆機能的行動が繰り返されるようならば組織変更、マネージャーの更迭を行うべきである) ・マネージャーが良く訓練され、十分な知識を持ち、機会原価、変動費、固定費等の概念を理解している場合には、トップマネジメントよりも適切な判断を下せる場合が多い ・交渉によって内部振替価格を設定することによって、セグメ ントは市場動向に応じた柔軟な対応ができるようになる
コミュニケーションの利用 ・企業全体の利益になるような行動をとるように導くために、トップマネジメントは公式コミュニケーション、または非公式コミュニケーションを利用する ・非公式コミュニケーションの例 ・「会社のこともちゃんと考えてくれ」 ・「会社のために自分の業績は犠牲にしてくれ」 ・また、セグメントの業績と同様に、会社全体の業績を業績測定や報 酬算定の基準とすることによる、公式システムを通じてのトップマネジメントからセグメントマネージャーへのメッセージを用いる ・OECの例 ・有給生産能力がある場合の内部振替によって得られた貢献利益は布地事業部とテント事業部の間で配分される ・均等配分、変動費の割合で比例配分、または交渉による
多様な内部振替価格の必要性 ・何が「正しい」内部振替価格かは、経済状況、法制度、適用される意思決定問題、によっても変わってくる ・何が「正しい」内部振替価格かは、経済状況、法制度、適用される意思決定問題、によっても変わってくる ・内部振替価格を設定する際 ・企業全体の利益になるように、法人税、固定資産税、関税などの 影響 ・国家間貿易の公正取引協定や独占禁止法の影響 この2つを考慮する
多国籍企業における内部振替価格 ・1つの国で活動する企業で内部振替価格を設定する場合には、目標 一致と動機付けが最大の考慮 ・1つの国で活動する企業で内部振替価格を設定する場合には、目標 一致と動機付けが最大の考慮 ・しかし、多国籍企業では、全世界で支払う法人税や関税を最小 にするような内部振替価格を採用する
例示 ・法人税率25%の国のA事業部によって製造された部品が、法人税率50%の国にあるB事業部に内部振替されている会社の例について考えてみる(更に、取引される財貨の販売価格に対して、20%の関税が課されているものとする) ・部品の単位製造原価(全部原価)は100㌦ ・うち60㌦が変動費 ・税務当局が、全部原価基準と変動費基準の両方の内部振替価格を認めていたとすれば、どちらを選択すべきであろうか?
例示の続き ・全部原価の内部振替価格を採用すべき 例示の続き ・全部原価の内部振替価格を採用すべき ・60㌦の変動費ではなく、100㌦の全部原価を内部振替価格とすると、企業は単位あたり2㌦の利益を得ることができる 60㌦ではなく、100㌦で内部振替を行なったことによる効果 A事業部の利益が40㌦多くなったために、A事業部が余分に 支払わなければならなくなった法人税(40㌦×25%=10ドル) -10㌦ B事業部の利益が40㌦少なくなったために、B事業部が 支払を免れた法人税(40㌦×50%=20ドル) 20㌦ B事業部によって余計に支払われる関税 (100㌦-60㌦=40㌦、40㌦×20%=8㌦) -8㌦ 60㌦ではなく、100㌦を内部振替価格としたことによる節約額 2㌦