第3回 天文学入門講座 ~惑星系~ 太陽系の概観 惑星の運動 惑星探査 惑星 惑星以外の構成メンバー 太陽系の形成・太陽系外惑星系

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第3回 天文学入門講座 ~惑星系~ 太陽系の概観 惑星の運動 惑星探査 惑星 惑星以外の構成メンバー 太陽系の形成・太陽系外惑星系 第3回 天文学入門講座  ~惑星系~ 太陽系の概観 惑星の運動 惑星探査 惑星 惑星以外の構成メンバー 太陽系の形成・太陽系外惑星系  天文普及ボランティア 浅井 直樹

探査機ボイジャー1号の撮影した惑星たち 木星 火星 地球 土星 天王星 海王星

太陽系はどこにある? 1.太陽系の概観 出典:IPA「教育用画像素材集サイト」http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/

太陽系はどこにある? 1.太陽系の概観 10万光年 銀河系の中心と太陽の距離は約2.8万光年 天の川 射手座の方向 銀河系の模式図

太陽系の構成メンバー 1.太陽系の概観 太陽・惑星・流星・隕石・衛星・小惑星・彗星・ カイパーベルト・ オールトの雲  太陽・惑星・流星・隕石・衛星・小惑星・彗星・  カイパーベルト・ オールトの雲 9つの惑星: 水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星

太陽から冥王星までの距離を50億分の1に縮小して 博物館周辺の地図に重ねてみよう。 1.太陽系の概観 ワークシート1 (地図、電卓、ものさし) 太陽から冥王星までの距離を50億分の1に縮小して 博物館周辺の地図に重ねてみよう。 手順1   参考資料 表1から距離を換算。   ①( )内の数字を1000倍してメートル     単位に直す。   ②それを50で割ると50億分の1。 手順2   博物館前に太陽があるとして、   曳舟川親水公園沿いに北へ、   それぞれの惑星の位置を記入。 手順3   参考資料 表2の半径から各惑星の直径も   50億分の1にしてみよう。   ①千kmは1億cmなので、数字を2倍に    して直径とする。   ②その数字を50で割ると50億分の1。      

太陽と惑星の大きさの比較 1.太陽系の概観

太陽系の惑星を旅する 1.太陽系の概観 出典:IPA「教育用画像素材集サイト」http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/

惑星の軌道 2.惑星の運動 出典:IPA「教育用画像素材集サイト」http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/

惑星の軌道 2.惑星の運動 水 金 地 火 木 土 天 海 冥 ? 水 金 地 火 木 土 天 冥 海 ? 水 金 地 火 木 土 天 海 冥 ?  水 金 地 火 木 土 天 冥 海 ?  出典:IPA「教育用画像素材集サイト」http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/

惑星の惑星たるゆえん ~見かけの運動 順行・逆行~ 2.惑星の運動 惑星の惑星たるゆえん  ~見かけの運動 順行・逆行~ 出典:IPA「教育用画像素材集サイト」http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/

「惑星」とは 2.惑星の運動 「惑星」 「遊星」 planet ギリシャ語の planeo (さまよい歩く) 太陽 地球の軌道 外惑星の軌道  (さまよい歩く) 太陽 地球の軌道 外惑星の軌道 では、実際に(?)動きを見てみましょう。

2.惑星の運動 ワークシート2  地球、金星、太陽の位置関係から、金星の見え方はどのように見えるでしょうか?  頭の体操のつもりで考えてみましょう。

2.惑星の運動 内惑星の見え方と惑星現象 外合 東方最大離角 西方最大離角 内合

惑星探査 3.惑星探査 これまでの主なミッション(接近観測) これまでの主なミッション(接近観測)  マリナー・シリーズ(打ち上げ 1962年~1973年、全10号) 水星、金星、火星の探査に成功し大きな成果を挙げる。 マリナー5号 パイオニア・シリーズ(打ち上げ 1958年~1973年、全11号) 10号、11号は、内部太陽系を離脱した最初の探査機。木星、土星へ。 月面に印した第1歩 ベネラ・シリーズ(打ち上げ 1961年~1983年、全16号): 旧ソ連が打ち上げた金星探査ミッション。7号など、地球外惑星に着陸し 地表の画像を撮影。 ボイジャー アポロ計画:人類が地球以外の天体に到着して探査活動を行った史上初の、   そして現在に至るまで唯一の有人探査である。1969年、   アポロ11号が月面着陸。 ボイシャー・ミッション(打ち上げ 1977年、1号2号): 外部太陽系探査ミッションの第二弾。100年に一度に訪れる木星、土 星、天王星、海王星が好ましい配列に並ぶ好機に計画された。 1989年に”ボイジャー星間ミッション”へ変更し、太陽系外へ向かう。 その他: バイキング・ミッション(1975年、火星)、マゼラン・ミッション(1989年、金星)、 ガリレオ・ミッション(1989年、木星)、マーズ・ パスファインダー・ミッション(1996年、火星)

ホイヘンスの衛星タイタンへの降下イメージ 惑星探査 3.惑星探査 進行中の主なミッション 火星探査 マーズ・ローバー・ミッション(打ち上げ 2003年、火星) 火星探査車:スピリット、オポチュニティー マーズ・エクスプレス・ミッション(打ち上げ 2003年、火星) 火星探査車 スピリットのイメージ 土星探査機 カッシーニのイメージ ホイヘンスの衛星タイタンへの降下イメージ 土星探査 カッシーニ・ホイヘンス・ミッション(打ち上げ 1997年、土星) 2004年7月カッシーニが土星へ到着 ホイヘンス・プローブ(小型探査機)は2005年1月 半ば、土星の衛星タイタンに着陸

4.惑星 地球型惑星と木星型惑星 地球型惑星  水星・金星・地球・火星

地球型惑星と木星型惑星 4.惑星 木星型惑星 木星・土星・天王星・海王星  木星・土星・天王星・海王星 最近は、 天王星型惑星(巨大氷惑星): 水やメタンやアンモニアの氷でできた惑星

マリナー10号撮影(1974) credit: NASA 太陽に一番近い惑星 4.惑星 水星 Mercury (マーキュリー) 衛星:なし 赤道半径:2439 km(地球の0.38倍) 太陽からの平均距離:5790万km 質量:0.05527(地球=1) 平均密度:5.43g/cm3(水=1) 赤道重力:0.38(地球=1) 到達・観測した探査機:マリナー10号                  (1973~75年) 2004年8月3日、水星探査機メッセンジャーをNASAが打ち上げ。2011年3月到着予定 マリナー10号撮影(1974) credit: NASA クイズ Q.水星の昼と夜の温度差は? A.600℃以上 昼は430℃以上、           夜は -160℃以下 カロリス盆地 多数のクレーターの存在

マリナー10号撮影(1974) credit: Calvin J. Hamilton 地球と双子の惑星 4.惑星 金星 Venus (ビーナス) 衛星:なし 赤道半径:6052km(地球の0.95倍) 太陽からの平均距離:1億821万km 質量:0.815(地球=1) 平均密度:5.24g/cm3(水=1) 赤道重力:0.91(地球=1) 「明けの明星」、「宵の明星」 マリナー10号撮影(1974) credit: Calvin J. Hamilton マゼランがデータを基に作った地形図 クイズ Q.金星では太陽が西から昇り、東へ沈むように見えるのは何故でしょう? ベネラ13号の撮影した金星の地表(1982) A. 金星は、地球の自転とは逆の方向に逆行自転をする。このため太陽は西から上り、空を東へ向って移動する。

地球 Earth (アース) 4.惑星 水の惑星 衛星:月 赤道直径:1万2756km(太陽の109分の1) 太陽からの平均距離:1億4960万km(1AU) 質量:5.974×1024 kg 平均密度:5.52g/cm3(水=1) 赤道重力:9.80m/s2 大気の成分:窒素(77%)、酸素(21%)、 水蒸気およびその他のガス クイズ Q.何が地球の磁場を作り出すのでしょうか? 地球が高速で回転すると、 液体金属でできた外核から磁気が生じ、地球に磁場ができます。 月のクレーター

木星 Jupiter (ジュピター) 4.惑星 太陽系最大の惑星 衛星:イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト他 (60以上) 衛星:イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト他     (60以上) 赤道直径:14万2800km(地球の11.2倍) 太陽からの平均距離:7億7830万km 質量:317.891(地球=1) 平均密度:1.36g/cm3(水=1) 赤道重力:2.54(地球=1) 雲の構造:液体水素       氷の水滴       水硫化アンモニウムの結晶       アンモニアの結晶 大気の組成:水素(90%)、         ヘリウム(10%) 大赤斑 クイズ Q.何が大赤斑をつくっているのでしょう? 大赤斑は木星の大気中の、ハリケーンのような強力な嵐のメカニズムが引き起こすものと考えられています。 イオ エウロパ ガニメデ カリスト ガリレオ衛星

ホイヘンスが着陸した衛星タイタン 表面に散らばる石、または氷塊 リングのある惑星 4.惑星 土星 Saturn (サターン) 衛星:タイタン他(31個以上) 太陽からの平均距離:14億2940万km 大きさ:直径12万536km(地球の約9.4倍) 太陽からの平均距離:14億2940万km 質量:95.16(地球=1) 平均密度:0.69g/cm3 赤道重力:0.94(地球=1) クイズ Q.土星のリングは何でできているでしょう? A. 土星のリングは、氷とチリの粒子からなっています。 土星に接近しすぎた衛星が破壊されてできた(?) カッシーニがとらえた土星のリング ホイヘンスが着陸した衛星タイタン 表面に散らばる石、または氷塊 ホイヘンス降下中の音

天王星 Uranus (ウラナス) 4.惑星 海王星と双子の惑星 衛星:21個 到達・観測した探査機:ボイジャー2号 大きさ:直径5万1118km(地球の約4.01倍) 太陽からの平均距離:28億7500万km 質量:14.54(地球=1) 平均密度:1.27グラム/立方センチメートル 赤道重力:0.89(地球=1) 大気の組成:水素(85%)、ヘリウム(13%)、         メタン(2%) 1977年、探査機ボイジャー2号による観測で、 様々な大きさの粒子から成る11個の暗い リングの存在が明らかになりました。リングとリングの間には衛星が存在し、このため隙間ができています。

1989年、 探査機ボイジャー2号が撮影した海王星の大暗斑 青い惑星 4.惑星 海王星 Neptune (ネプチューン) 衛星:トリトン他 到達・観測した探査機:ボイジャー2号 大きさ:直径約4万9528km(地球の約4倍) 太陽からの平均距離:45億440万km 公転周期:164.774年 自転周期:16.12時間 質量:17.15(地球=1) 平均密度:1.64グラム/立方センチメートル 赤道重力:1.11(地球=1) 1989年、 探査機ボイジャー2号が撮影した海王星の大暗斑

ハッブル望遠鏡でとらえた冥王星と衛星カロン 氷の惑星 4.惑星 冥王星 Pluto (プルート) 衛星:カロン 到達・観測した探査機:なし 大きさ:直径約2274km(地球の約0.18倍) 太陽からの平均距離:59億1510万km 質量:0.0022(地球=1) 平均密度:2.13グラム/立方センチメートル 赤道重力:0.07(地球=1) ハッブル望遠鏡でとらえた冥王星 冥王星探査 200?年、NASAによりプルート・カイパーベル ト・ミッションが打ち上げられる予定である。 ハッブル望遠鏡でとらえた冥王星と衛星カロン

HST撮影 credit: Calvin J. Hamilton 小惑星 asteroid (アステロイド) 5.惑星以外のメンバー ガスプラ HST撮影 credit: Calvin J. Hamilton 大きさ:19×12×11km 地球の軌道のそばまで来る小惑星を「地球近傍小惑星」(Near Earth Object 略して「NEO」)という。 アイーダ 大きさ: 58x23 km

彗星 Comets (コメット) 5.惑星以外のメンバー 彗星の尾には2種類ある 1997年に出現したヘール・ボップ彗星。 イオンの尾(左)と塵(ダスト)の尾(右)がはっきりと分かれている。 イオンテイル http://solarviews.com/cap/comet/halebop2.htm ダストテイル 彗星の尾には2種類ある

流星・流星群 5.惑星以外のメンバー 流星はどこで光っているか 流星群ができるわけ

隕石 5.惑星以外のメンバー 隕石の種類 ・石質隕石(92%): 岩石質 ・鉄隕石(6%):鉄、ニッケル等の金属質  隕石の種類  ・石質隕石(92%): 岩石質  ・鉄隕石(6%):鉄、ニッケル等の金属質   ・石鉄隕石(2%):混ざったもの  質量  ・1g~数十トン アエンデ隕石 バリンジャー隕石孔(アメリカ、アリゾナ州) 直径1.3km、深さ180m クレーターは世界で300個ほど見つかっている。

太陽系形成モデル 6.太陽系の形成・系外惑星系 原始星M17-SO1の近赤外線画像 原始太陽を中心とする太陽系星雲は回転し始め、温度と圧力が上昇して核融合を引き起こした。こうして太陽は輝き始めた。 オリオン大星雲の中に発見された、 原始星をとりまく原始惑星系円盤(ハッブル宇宙望遠鏡)

系外惑星の観測 6.太陽系の形成・系外惑星系 現在の系外惑星の観測 1940年代に始まる。しかし、 実際に見つかったのは? 原始星M17-SO1の近赤外線画像 現在の系外惑星の観測 1940年代に始まる。しかし、 実際に見つかったのは? 1995年になってから。 では惑星を持つ恒星の割合は? 5%以上。20個に1個~10個に1個 (3000の恒星を見て、150個見つかった) オリオン大星雲の中に発見された、 原始星をとりまく原始惑星系円盤(ハッブル宇宙望遠鏡) どうやって見つけたのか? ドップラー法(恒星の運動を測る) これからは、恒星面通過を観測。

地球外生命体の探査 6.太陽系の形成・系外惑星系 ドレイクの式 「現在、私たちの銀河系内に地球外生命体が存在する惑星の数が どのくらいあるか」 星間通信ができるほどの文明社会を持つ星の数 =    銀河系で1年に誕生する恒星の数 ×    惑星系をもつ恒星の割合 ×    生命の誕生と進化に適した惑星の数 ×    生命が実際に発生し、進化した惑星の割合 ×    生命が知的生命になる割合 ×    知的生命が星間通信ができるようになる割合×    そのような文明の寿命(年) カール・セーガンの計算例   10 × 1 × 1 × 1 × 1 × 0.01 × 10,000,000 = 1,000,000

地球外生命体の探査 6.太陽系の形成・系外惑星系 接触への施行例 ・オズマ計画 (1960年) 恒星からの電波を受信する計画 ・オズマ計画 (1960年) 恒星からの電波を受信する計画 ・アレシーボ・メッセージ(1974年) ・メッセージ盤 パイオニア10号11号にメッセージ盤。 ボイジャー1号2号にも。

本日のまとめ 1.太陽系の概観 銀河系の中心から約2.8万光年 惑星・流星・隕石・衛星・小惑星・彗星・カイパーベルト・オールトの雲 1.太陽系の概観 銀河系の中心から約2.8万光年  惑星・流星・隕石・衛星・小惑星・彗星・カイパーベルト・オールトの雲 2.惑星の運動 外惑星と内惑星  3.惑星探査  4.惑星   地球型惑星と木星型惑星 5.惑星以外の構成メンバー   流星・隕石・衛星・小惑星・彗星 6.太陽系の生成・太陽系外惑星系   原始太陽系円盤、ドレイクの式