国際化ドメイン名 (Internationalized Domain Name)

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国際化ドメイン名 (Internationalized Domain Name) 米谷嘉朗 <yone@po.ntts.co.jp> JPNIC IDN-TF / NTTソフトウェア

国際化ドメイン名/ 日本語ドメイン名 国際化ドメイン名(IDN)とは 日本語ドメイン名とは IETFで標準化作業が進められているプロトコル ドメイン名を表現するのに使用できる文字を非ASCII文字に拡張したもの 日本語ドメイン名とは 国際化ドメイン名の技術を使用し、日本語で使われる文字で表現されるドメイン名 レジストリのサービス仕様 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

IDNの例 华人.公司.cn 華人.商業.tw 高島屋.会社.jp 삼성.회사.kr 三星.회사.kr الاهرام.م viagénie.qc.ca ישראל.קום ทีเอชนิค.พาณิชย์.ไทย 現代.com ヤフー.com 出典 http://www.jdna.jp/activities/event/jdn-tutorial/IDNSDK.pdf 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

標準化の状況 技術仕様が確定し、2002/10/24にRFC化が決定 IDNの処理方式を規定するIDNA およびその要素技術として 正規化方式を規定するNAMEPREP プロトコル要素中でのエンコーディング方式を規定するPunycode 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

IDNA (draft-ietf-idn-idna-14.txt) IDNを処理する際の文字コードはUnicode3.2 ユーザインターフェース層での入出力は特に規定しない ネットワーク層で、プロトコル要素としてIDNを使用する場合の正規化方式とエンコーディング/デコーディング方式を規定 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

NAMEPREP (draft-ietf-idn-nameprep-11.txt) Unicodeの文字コードで表現された文字列(IDN)の正規化処理を規定 STRINGPREP(draft-hoffman-stringprep-07.txt)のprofile定義 処理手順 map: 文字種(大文字・小文字)の統一 Aa normalize: 合成記号の合成、互換文字の統一 u¨ü ガガ Prohibit: 使用禁止文字のチェック 空白文字など 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

Punycode (draft-ietf-idn-punycode-03.txt) Unicodeのエンコーディング・デコーディングアルゴリズムの一つ ASCIIの英数字(a-z0-9)とハイフン(-)のみでUnicodeの文字列を表現 ASCII Compatible Encoding (ACE) プロトコル要素でIDNを使用する場合でも下位互換性を維持 変換例 unicode文字列??--unicode-no0lo10eejx (※??の部分はIDNAのRFC発行時にIANAが割当) 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

位置づけ Local User IDNA NAMEPREP To/From ACE To/From Unicode Application UI To/From Unicode NAMEPREP Internal Representation End system To/From ACE Resolver API Int’l DNS servers Application servers 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

Web server’s IP address GET http://??--hckqz9bzb1cyrb.JP/ HTTP/1.1 Host: ??--hckqz9bzb1cyrb.JP Referer: http://??--hckqz9bzb1cyrb.JP/ ??--hckqz9bzb1cyrb.JP Web DNS User Web server’s IP address Contents http://ジェーピーニック。JP/ 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

DNSの運用 ネームサーバ、リゾルバの更新は不要 日本語(多言語)Punycodeコンバータは必要 一般的な手順 idnkitのidnconvなど 一般的な手順 エディタで設定ファイル・ゾーンファイルを編集 コンバータでエンコーディング変換 ネームサーバに(再)読み込み 設定確認 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

DNS設定 (BINDのnamed.confの場合) : zone "日本語ドメイン名試験.JP" { type master; file "JDN-test.zone"; }; named.conf 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

DNS設定 (BINDのnamed.confの場合) : zone "日本語ドメイン名試験.JP" { type master; file "JDN-test.zone"; }; named.conf : zone "?? --eckwd4c7c777u7mwo4bov4 jioau09j.JP" { type master; file "JDN-test.zone"; }; named.conf 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

DNS設定(続き) (BINDのゾーンファイルの場合) : @ IN SOA ... 閲覧試験 IN A 10.20.30.40 開け IN CNAME 閲覧試験 JDN-test.zone 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

DNS設定(続き) (BINDのゾーンファイルの場合) : @ IN SOA ... 閲覧試験 IN A 10.20.30.40 開け IN CNAME 閲覧試験 JDN-test.zone : @ IN SOA ... ??--gx2asoz3zgme IN A 10.20.30.40 ??--08j2161a IN CNAME ??--gx2asoz3 zgme JDN-test.zone 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

DNS設定(続き) (BINDの場合) Makefileを使うと維持が簡単 編集するファイルとネームサーバが読み込むファイルを分け、前者から後者を自動生成 .SUFFIXES: .conf .conf-j .zone .zone-j .conf-j.conf: idnconv $< > $@ .zone-j.zone: all: named.conf JDN-test.zone 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

DNS設定(続き) (BINDのゾーンファイルの場合) : @ IN SOA ... 閲覧試験 IN A 10.20.30.40 開け IN CNAME 閲覧試験 JDN-test.zone : @ IN SOA ... ??--gx2asoz3zgme IN A 10.20.30.40 ??--08j2161a IN CNAME ??--gx2asoz3 zgme JDN-test.zone 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

DNS設定(続き) (BINDの場合) Makefileを使うと維持が簡単 編集するファイルとネームサーバが読み込むファイルを分け、前者から後者を自動生成 .SUFFIXES: .conf .conf-j .zone .zone-j .conf-j.conf: idnconv $< > $@ .zone-j.zone: all: named.conf JDN-test.zone 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

DNS設定の確認 DNS検査ツールとコンバータの組合せで alias idig 'dig `echo \!* | idnconv`' idig 日本語ドメイン名試験.jp 出力はACE形式 idig 日本語ドメイン名試験.jp | idnconv –r 出力は日本語 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

RACEからPunycodeへの移行 現在JPやCOMなどで運用されているIDNのACEはRACE 移行シナリオ 既に日本語ドメイン名のDNSをあげている所はIDN RFC発行後、Punycodeへの移行が必要 移行シナリオ RACEのみでの運用 (現在) RACEとPunycodeの平行運用 (RFC発行直後) 両ACEのゾーンを持つということ Punycodeのみでの運用 (RFC発行数ヶ月経過後) 詳細なスケジュールについてはレジストラに確認 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

平行運用の方式例 (BINDの場合) named.conf ゾーンファイル idnconv 日本語ドメイン名のゾーン定義は別ファイルにしておき、includeでPunycodeとRACEのそれぞれの形式を取り込むようにしておく ゾーンファイル makeでPunycodeとRACEのそれぞれの形式を生成するようにしておく idnconv configure実行時に“--enable-extra-ace”オプションをつけておく(忘れるとRACEへの変換ができない) 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

named.conf myzone.def-j Makefile : zone "example.jp" { type master; file "example.zone"; }; include "myzone.def"; myzone.def-j : zone "日本語ドメイン名試験.JP" { type master; file "JDN-test.zone-__ACE__"; }; Makefile .SUFFIXES: .def .def-j .zone-punycode .zone-race .zone-j .def-j.def: idnconv $< | sed 's/__ACE__/punycode/' > $@ idnconv -o RACE $< | sed 's/__ACE__/race/' >> $@ .zone-j.zone-punycode: idnconv $< > $@ .zone-j.zone-race: idnconv -o RACE $< > $@ all: myzone.def IDN-test.zone-punycode IDN-test.zone-race 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

参考URL JPNIC (http://ジェーピーニック.jp/) JDNA (http://日本語ドメイン名協会.jp/) ドメイン名の国際化 http://www.nic.ad.jp/ja/idn/ idnkitダウンロード http://www.nic.ad.jp/ja/idn/mdnkit/download/ JDNA (http://日本語ドメイン名協会.jp/) IETF IDN WGの進捗状況報告 http://www.jdna.jp/activities/survey/idn-wg/ 日本語ドメイン名Webサイトへのアクセス http://www.jdna.jp/activities/survey/browsers/ IETF IDN WG http://www.i-d-n.net/ http://www.ietf.org/html.charters/idn-charter.html 2002年12月19日 DNS Day@IW2002

質疑応答(1)

質疑応答(2)