格子間炭素とイエロールミネッセンスの相関について

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格子間炭素とイエロールミネッセンスの相関について 講演番号: 31a-L-35 CドープGaNの核反応分析: 格子間炭素とイエロールミネッセンスの相関について ○水木 庸介 堀川 大介 佐野 浩亮 尾之上 飛鳥 栗山 一男 長谷川 雅考 坂本 勲 法政大学 大学院 産業技術総合研究所 はじめに 格子間炭素の同定→核反応分析 目的 1. VGa+donor(or acceptor)の複合欠陥 GaN中のイエロールミネッセンス(YL,~2.2eV)の 発光起源 2. 格子間炭素(CI≧VGa) : Armitage et al. APL, 82, 3457 (2003) 1. 実験装置 Pump Furnace C2H6 Quartz Boat GaN Thermocouple Quartz Tube 10cm 出発材料           GaN(0001) 炭化条件      炭化温度 1000℃ 炭化時間 3時間 C2H6 flow 0.5ℓ/min 6mm 3. 核反応分析(undoped GaN) NUCLEAR REACTION YIELD [counts] CHANNEL NUMBER Ga(d,d) 12C(d,p)13C 14N(d,p1,2)15N 14N(d,p3)15N <0001> oriented undoped GaN 14N(d,p4,5)15N 16O(d,p1)17O Random  Aligned 200 400 600 800 100 300 500 ENERGY [MeV] 2 1 3 4 N:χmin~4 % 2. 核反応分析 165° D2+:2.6 MeV GaN:C GaN SSD Mylar film (12μm) 14N(d,p)15N 12C(d,p)13C 核反応 NR Cross-section N:σ(150° C:σ(165° )~0.9mb/sr )~95mb/sr 4. 核反応分析(C-doped GaN) N:χmin~11 % CHANNEL NUMBER ENERGY [MeV] NUCLEAR REACTION YIELD [counts] 2 1 3 4 200 400 600 800 100 300 500 Random  Aligned C-doped GaN Ga(d,d) 12C(d,p)13C 14N(d,p1,2)15N 14N(d,p3)15N 14N(d,p4,5)15N 16O(d,p1)17O 5. 核反応分析 50 100 150 710 720 730 740 NUCLEAR REACTION YIELD [counts] CHANNEL NUMBER undoped GaN (a) C-doped GaN (b) 12C(d,p)13C Random  Aligned C:χmin~43 % C:χmin~85 % 6. RBS/チャネリング・ディップ 1.5 NORMALIZED YIELD -2 -1 1 2 0.5 TILT ANGLE [degrees] undoped C doped ψ1/2=0.94° Ga in GaN 7.炭素と窒素の変位率 Cの変位率~74 % Nの変位率~7.5 % ND=(χmin-χ0min)/(1-χ0min) <炭素と窒素の変位率> Carbon in GaN:3.7×1020cm-3 Nitrogen in GaN:4.38×1022cm-3 CI =nC×0.74 =2.7×1020cm-3 NI =nN×0.08 =3.2×1021cm-3 <炭素及び窒素の変位濃度> 8. 格子間炭素(計算値) CI+4 (CI-CN)+3 1.4eV 2.1eV(YL) CB VB A.F.Wright, J.Appl. Phys.92, 2575 (2002). 1.7eV 2.3eV(YL) 9. フォトルミネッセンス WAVELENGTH [nm] PL INTENSITY [arb.units] (a) C-doped GaN (b) undoped GaN 400 500 600 10 -3 -2 -1 1 20 K ENERGY [eV] 3.5 3.0 2.5 2.2 10. まとめ 核反応分析測定結果から格子間にCが存在し、それによってN原子が変位を生じていることを同定した。 炭素ドープGaNのYLの発光起源は格子間炭素に よる発光であると同定した。