Deep learningによる 読唇システム 情報理工学部 機械情報工学科 H412092 パリアスカ ケンジ
研究背景 近日、画像認識や音声認識の分野において注目を集めているDeep learningに興味を持った ⇒特徴:人手で行う必要があった特徴量を 自動で発見 パラメータ更新 入力層 出力層 中間(隠れ)層
研究目的 特定の画像の分類だけではなく、ある一連の流れの画像分類に よって読唇術への可能性を探る ⇒読唇術:相手の唇の動きなどを見て、言葉を読み取る技術
研究の流れ 1.学習データの素材作成 2.学習モデル(分類器)の作成 3.検証
1.学習データの素材作成
作成の流れ ①不特定多数の読唇を想定し、あらかじめ決めた特定の幾つか の単語を発声する唇周りのみをスマートフォンなどで撮影 ①不特定多数の読唇を想定し、あらかじめ決めた特定の幾つか の単語を発声する唇周りのみをスマートフォンなどで撮影 ②撮影した動画にOpenCVを用いて編集
編集の内容 動画をモノクロに変換 上下左右余分な部分のクリッピング それぞれの動画が大体1秒だったのでばらつきが出ないよう、 ①各単語10枚(1枚:40x40)の画像シーケンスを作成 ②その後、10枚を横に繋げた1枚(400x40)にし、データ用の画像を作成
単語の内容 使う単語を最小限に抜粋、①、②、③とグループ分け ①安全(anzen)-万全(banzen)-簡単(kantan) ②変装(hensou)-変更(henkou)-観光(kankou) ③触る(sawaru)-変わる(kawaru)-終わる(owaru)
グループ分けの関係性 使う単語を最小限に抜粋、①、②、③とグループ分け ①安全(anzen)-万全(banzen)-簡単(kantan) ②変装(hensou)-変更(henkou)-観光(kankou) ③触る(sawaru)-変わる(kawaru)-終わる(owaru)
グループ分けの関係性 使う単語を最小限に抜粋、①、②、③とグループ分け ①安全(anzen)-万全(banzen)-簡単(kantan) (50枚)x3 ②変装(hensou)-変更(henkou)-観光(kankou) (50枚)x3 ③触る(sawaru)-変わる(kawaru)-終わる(owaru) (50枚)x3 ⇒それぞれ3クラスの分類器①、②、③とする
2.学習モデル(分類器)の作成
Labellio Alpaca社がリリース 分類器作成におけるデータ整理が容易 学習結果をダウンロードし、Caffeなどの他のフレームワークで利用可能
Labellio 作成の流れ ①分類器の名前を指定し、データ画像(今回は各ラベル50枚)をアップ ロード ①分類器の名前を指定し、データ画像(今回は各ラベル50枚)をアップ ロード ②データ画像のあるフォルダのディレクトリがラベルとなり学習開始 分類器が完成 →学習データとは別のテスト用の画像を入力
3.検証
画像の入力 OpenCVを使用 ① ② ③ ③で出来上がった画像をテスト用画像として入力 ①webカメラの映像(グレースケール)を読み込み ②spaceキーを押してから10フレームを静止画として 保存 ③10枚の画像を1枚40x40に編集、横に繋げ学習データと同様のサイズのデータを出力 ③ ③で出来上がった画像をテスト用画像として入力
Labellio ① ② 分類器の例(学習データ50x3に対し、各単語20枚のテスト画像) ① : 分類器名 ① : 分類器名 ② : Acc: → 分類器の精度 それぞれの分類器の精度 ①Acc:59% ②Acc:41% ③Acc:40% ① ②
正解率の比較(3つの分類器でテスト) それぞれのテストを入力したときの正解数 ①anzen:4回 banzen:10回 kantan:15回 ②hensou:7回 henkou:5回 kankou:13回 ③sawaru:4回 kawaru:7回 owaru:10回
正解率の比較(混同行列) 出力 入力 出力 出力 入力 入力 ① anzen banzen kantan 6 8 7 9 4 2 14 ③ sawaru kawaru owaru 9 7 4 8 5 11 出力 入力 ② hensou henkou kankou 9 6 5 7 8 2 3 15 入力
正解率の比較(混同行列) ① anzen banzen kantan 6 8 7 9 4 2 14 ③ sawaru kawaru owaru 9 7 4 8 5 11 ② hensou henkou kankou 9 6 5 7 8 2 3 15
結果 ①、②、③すべてのグループにおいて正解数 ⇒子音のみ<子音と母音 よって子音のみだとあまり変化がなく、それに加え母音が変わること での唇の動きが大きく影響 ⇒視覚での読唇には限界がある
考察 子音のみの変化では正解率の精度が低い 子音と母音が変わる場合でも余り精度が高いわけではないので 読唇にはまだむかない 読唇にはまだむかない ⇒データ数、学習回数の増加で向上
展望 画像認識に加え音声認識の実装 ⇒唇の動きのみではなく、声も認識による精度向上 Labellioから得ることができる、Caffe用の学習モデルをファインチュー ニングしCaffeで認識 ⇒ラベル数、データ数に合わせた学習回数などの変化による 精度向上 時系列を持つデータに対するDeep learningの内、RNNの利用
RNN(リカレントニューラルネットワーク) 言葉や音楽のように時系列で相関を持つデータにおいて、前に発生した データを考慮 ⇒例:「名詞」の後には「助詞」が来ることが多い NNに、前に発生したデータを投入 ⇒時刻tの隠れ層の内容が、次の時刻t+1入力として扱われ、 t+1の隠れ層がt+2の・・・と続いてく学習 時間的に変更するデータに意味を見出す 精度向上により、読唇が可能になるのではないか