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ローカル・メディアの協力を得て、 科学的真実を伝えよう!

ローカル・メディアの協力を得て、 科学的真実を伝えよう! 1947年  石川県金沢市 生まれ. 1966年  東京大学入学 1971年  東京大学農学部         畜産獣医学科卒業 1973年  同 修士課程修 1973年  千葉県ガンセンター研究所 1980年  鹿児島大学講師        農学部獣医学科 1999年  鹿児島大学教授 専門分野: 獣医公衆衛生学、 食品衛生学、衛生行政学など ローカル・メディアの協力を得て、 市民講座  「国産牛肉消費拡大セミナー」 納 光弘(鹿児島大学医学部付属病院長) 岡本嘉六(鹿児島大学農学部教授) 主催: 鹿児島県食肉事業協同組合連合会・南日本新聞社 後援: 鹿児島県、鹿児島県教育委員会、農林水産省生産局畜産部、農畜産業振興事業団、全国食肉事業協同組合連合会 場 所:鹿児島県自治会館(鹿児島市鴨池新町)  日時:3月2日(土)      13:30~16:10  主催 科学的真実を伝えよう!  南日本新聞社 後援 鹿児島県教 育委員会

沖永良部島 消費生活講座 2001年9月18日 知名町

狂牛病(牛海綿状脳症、BSE): どの程度危険か? 狂牛病(牛海綿状脳症、BSE): どの程度危険か? 岡本嘉六のホームページ 2001年9月19日 プリオンとは? プリオンとは?   狂牛病の原因は異常プリオンとされていますが、通常の病原体とは異なり、遺伝情報(核酸:DNA、RNA)を持たないタンパク質です。このことは、以下のことを意味します。 1.自己増殖しない:  遺伝情報を持たないので、プリオンは細菌などのように、食品や消化管の中で増殖することはありません。異常プリオンが増えるのは脳に達してからであり、誰もが持っている正常プリオンが異常プリオンを鋳型として変形することによると考えられています。 2.プリオンは、腸から吸収されない(除く乳児):  タンパク質はアミノ酸に分解されてから吸収されるので、タンパク質であるプリオンは、一般健康人においては腸から吸収されて血液に入ることはありません。すなわち、汚染食品を食べた場合でも、脳に達することはなく、発病の危険はありません。ただし、乳児では母親からの移行抗体(免疫グロブリンもタンパク質)を受け継ぐために、タンパク質を腸から吸収する特別の仕組みがありますので、異常プリオンも血中に浸入する危険性があります。乳児の主食である粉乳および牛乳は牛に由来しますが、異常プリオンは脳脊髄にあり、乳汁中には出てこないので、粉乳が感染源となることはありません。 1.自己増殖しない: 2.プリオンは、腸から吸収されない

3.英国での牛の流行は、肉骨粉の入った代用乳を子牛に与えたことによる 3.英国での牛の流行は、肉骨粉の入った代用乳を子牛に与えたことによる:  イギリスと兄弟国であるアメリカでは狂牛病の発生がありません。その理由の一つとして、離乳期に子牛に与える代用乳(本物は人間の口に入るのですよ、可哀想な子牛!)のタンパク質を補充するため、イギリスでは肉骨粉を使用していたが、アメリカでは植物蛋白のみを使っていたことが挙げられています。ヒトと同様、牛でも乳児期にはタンパク質がそのまま吸収されるので、汚染された肉骨粉の異常プリオンがその際血中に浸入したと考えられます。牛でも健康な成牛で異常プリオンがそのまま吸収されることは考えられません。 4.プリオンは動かない:  タンパク質からなる異常プリオンは、細菌のような運動器官(鞭毛)を持っていないので、動きません。「成人でも腸の微少な傷から血中に浸入する可能性がある」とはいえ、異常プリオンが細菌のようにそこへ移動することはあり得ないので、微少な傷口に遭遇する機会はきわめて希でしょう。 4.プリオンは動かない 敵を知り、己を知れば百戦あやうからず。彼を知らず、己を知らざれば、戦うごとに必ずあやうし(孫子)。 生物の進化は現在も続いており、 1970年以降も、エボラ出血熱などの感染力と致命率の高い「新興感染症」が10数種類登場している。BSE の危険性は当初考えたほどではないことが解ってきました。

食の安全性とは: BSE を含めて 1.食料自給率 1.食料自給率 2.量が確保されて初めて品質や安全性の向上が可能となる。 鹿児島大学農学部 岡本嘉六 1.食料自給率 1.食料自給率 2.量が確保されて初めて品質や安全性の向上が可能となる。 2.量が確保されて初めて品質や安全性の向上が可能となる。 3.日常的に食べている食品にも、回避できない若干の危険性がある。 3.日常的に食べている食品にも、回避できない若干の危険性がある。 4.安全性とは、日常的に回避できない程度の危険性まで危害を制御すること = ゼロリスクはあり得ない。 4.安全性とは、日常的に回避できない程度の危険性まで危害を制御すること = ゼロリスクはあり得ない。

1.食料自給率 食の安全性とは: BSE を含めて  日本でも、「貧乏人の子沢山」と言われるように、衛生水準が低かった戦前までは乳児死亡率が高く、跡継ぎを得るために・・

「人口爆発による食料危機」ーーーその時日本は??? 肉1キロ造るのに穀物何キロ必要か 鶏肉(ブロイラー): 1.9キロ 豚肉: 4~5キロ 牛肉: 10キロ 3,300 2,500 オリジナル・カロリー kcal/人/日 10,000 4,100 2,500 総供給 kcal/全世界/日 地球の人口支持力 21億 51億 84億 食糧生産量には限りがあり、米国並の食生活をすれば世界の半数が餓死する。 共存社会とは言うものの、食糧危機を回避するのは、各国の「自己責任」。 食糧生産量には限りがあり、米国並の食生活をすれば世界の半数が餓死する。 共存社会とは言うものの、食糧危機を回避するのは、各国の「自己責任」。 「人口爆発による食料危機」ーーーその時日本は??? 「人口爆発による食料危機」ーーーその時日本は???

我が国は、84年以降、世界第1位の農産物純輸入国。 アメリカ圏 自給率40%とは 5人に3人は餓死 これこそ迫りくる危機 食料生産を破壊するような「安全性論議」は、根本的に間違っている。 世界の農産物貿易は、生産量に占める輸出量の割合(貿易率)が小さく、しかも少数の国・地域に輸出国が集中する構造となっていること等から、一部の生産・輸出国の生産変動や政策変化に影響されやすいなどそもそも不安定。 我が国は、84年以降、世界第1位の農産物純輸入国。 我が国は、84年以降、世界第1位の農産物純輸入国。

2.量が確保されて初めて品質や安全性の向上が可能となる。 食糧難時代には、貨幣の値打ちがなく、貴金属や高級呉服などを持って、都市から農村に買い出しに行き、闇行為として処罰された(横浜の潔癖な裁判官が餓死したことは有名!)。 つい50年前の食糧難時代  配給米制度の時に起きた黄変米事件  タイ国黄変米: カビた米粒が100粒に1粒ならば、配給米 100粒に10粒ならば、加工食品 餓死するよりも、多少の危害を承知で食べた  都市から農村に違法な「買い出し」が行われたが、そうした「闇物資」の多くは到着駅で没収されたのだが ‥‥‥

発癌性が明らかなアフラトキシンでもゼロ規制ではなく「許容濃度」は国により異なる

3.日常的に食べている食品にも、回避できない若干の危険性がある 3.日常的に食べている食品にも、回避できない若干の危険性がある ベンゾピレン 魚の焼けこげ それでも こげ目のないサンマを食えるか トリプトファン Trp-P1 Trp-P2

ニトロソ化合物 硝酸塩 二級アミン + 魚 野菜 胃の中で反応 発癌物質→胃癌 魚 野菜 胃の中で反応 発癌物質→胃癌

硝酸塩は腸で吸収された後に亜硝酸となり、唾液に分泌され、それが胃内で二級アミンと反応してニトロソアミン(発癌物質)を形成。 唾液中の 硝酸塩 亜硝酸 硝酸塩は腸で吸収された後に亜硝酸となり、唾液に分泌され、それが胃内で二級アミンと反応してニトロソアミン(発癌物質)を形成。 硝酸塩は腸で吸収された後に亜硝酸となり、唾液に分泌され、それが胃内で二級アミンと反応してニトロソアミン(発癌物質)を形成。

アフラトキシン ニトロソアミン 魚+漬け物 魚の焼けこげ 細胞の死 分化の異常 癌、奇形など 突然変異

発癌性 一般毒性 BSE(狂牛病)はどちらのタイプか 4.安全性とは、日常的に回避できない程度の危険性まで危害を制御 閾値 DNAに作用して増幅効果がある物質 100万人に1人 一般毒性 実質的安全量 BSE(狂牛病)はどちらのタイプか いきち 閾値

Transmission of BSE ( BSEの伝達) DEFRA BSE information: Last updated: 30 Apr 2001 Infectivity in tissues(各組織の感染性) The aim of the tissue assays was to identify which, if any, of the tissues that might be consumed by humans contained detectable quantities of infectivity. This would of course be of significance in determining the pathogenesis of BSE too. A large number of tissues were inoculated into mice, usually by a combination of intracerebral and intraperitoneal routes 各組織を検査する目的は、ヒトが食べた際に感染する量を含んでいるか否かを確認するためである。このことは、 BSE の発病機序を解明する上でも意義がある。 The initial assays identified infectivity only in brain, spinal cord and retina of the clinically affected cattle. We are aware of no experiments which have detected BSE infectivity in blood using the mouse bioassay. Transmission studies based on intracerebral injection into mice of blood from clinical BSE cases have shown no detectable infectivity. 最初の検査では、発症している牛の脳、脊髄および網膜のみに感染性が確認された。マウス試験法を用いて血液の感染性を調べる実験には気が回らなかった。その後、発症牛の血液をマウスの脳内に接種する伝達試験を実施したが、感染性は認められなかった。 ヒトが食べた際に感染する量を含んでいる か否かを確認するためである。 発症している牛の脳、脊髄および網膜のみに感染 性が確認された。

脳脊髄液、心臓、肺、気管、膵臓、脾臓、腎臓、扁桃腺、皮膚、脂肪 Tissues from clinically affected cattle with no detectable infectivity by parenteral inoculation of mice (マウスの脳内接種によって感染性がなかった発症牛の組織) 脳脊髄液、心臓、肺、気管、膵臓、脾臓、腎臓、扁桃腺、皮膚、脂肪 脳脊髄液、心臓、肺、気管、膵臓、脾臓、腎臓、扁桃腺、皮膚、脂肪 血液:バフィーコート(白血球と血小板)、凝固血、胎児血液、血清 消化管:食道、第一胃、第三胃、第四胃(食道溝、筋柱)、小腸(遠位、近位)、直腸、結腸(遠位、近位) リンパ節:腸管膜リンパ節、大腿、咽頭リンパ節 筋肉:半腱様筋(モモ肉の一部)、横隔膜、最長筋(ロース)、咬筋(頬肉) 神経:馬尾(下半身の脊髄神経根繊維)、末梢神経(座骨神経、内臓神経、頸骨神経) 生殖器  雄:精巣上体、前立腺、精液、貯精嚢、精巣    雌:乳、 卵巣、 胎盤分葉、 胎水(羊水、尿膜腔液)、乳腺、子宮小丘 遠位 子牛への投与試験で 感染性が確認された 筋肉 乳 乳腺 小腸遠位部は、マウスの脳内接種でも感染しなかったが、子牛に食べさせたら発症した。異種間では、少量で感染しない証明 ! 小腸遠位部は、マウスの脳内接種でも感染しなかったが、子牛に食べさせたら発症した。 異種間では、少量で感染しない証明 !

感染発症菌数 (閾値;いきち) 特定危険部位 BSE(狂牛病)はどちらのタイプか 「いきち」があるタイプ 筋肉、心臓、血液、脂肪など日本人が普段食べる部位 筋肉、心臓、血液、脂肪など日本人が普段食べる部位 特定危険部位 回腸末端部  ≪ 眼、脊髄、脳 回腸末端部 眼、脊髄、脳 感染発症菌数 (閾値;いきち) 納先生が紹介したアイゲン博士とノバック博士によれば、異常プリオンでは10万個 BSE(狂牛病)はどちらのタイプか   「いきち」があるタイプ

食の安全性とは: BSE を含めて 1.食料自給率 1.食料自給率 2.量が確保されて初めて品質や安全性の向上が可能となる。 鹿児島大学農学部 岡本嘉六 1.食料自給率 1.食料自給率 2.量が確保されて初めて品質や安全性の向上が可能となる。 2.量が確保されて初めて品質や安全性の向上が可能となる。 3.日常的に食べている食品にも、回避できない若干の危険性がある。 3.日常的に食べている食品にも、回避できない若干の危険性がある。 4.安全性とは、日常的に回避できない程度の危険性まで危害を制御すること = ゼロリスクはあり得ない。 4.安全性とは、日常的に回避できない程度の危険性まで危害を制御すること = ゼロリスクはあり得ない。