東京都小平市立小平第六小学校 発表者:宮内潤 学校ビオトープを通した 教育環境づくり 東京都小平市立小平第六小学校 発表者:宮内潤 みなさん、こんにちは これから、小平市立小平第六小学校の「学校ビオトープを通した教育環境づくり」について説明させていただきます。 私、ビオトープ委員会担当 主任教諭の宮内潤です。最後まで、どうぞよろしくお願いいたします。 全国学校ビオトープ コンクール2009 「銀賞」受賞
説明内容 1 学校・ビオトープの概要 2 教育活動について 3 今後の展望 六小キャラター 六ッピー 六小キャラター 六ッキー 1 学校・ビオトープの概要 2 教育活動について 3 今後の展望 これから、説明する内容は次の3点です。 はじめは、「学校・ビオトープの概要」、次に「教育活動について」、そして最後は、「今後の展望」についてです。 ビオトープをイメージして作られた6キャラクターから、今回は、ロッピー、ロッキー、ろくたまの3キャラクターと共に説明をさせていただきます。 六小キャラター 六ッピー 六小キャラター 六ッキー 六小キャラター ろくたま
学校の概要 小平市の北西部に位置 北には、ブリジストン工場 南には、閑静な住宅地 東には、団地、西には府中街道 住宅地の中に位置する学校 北には、ブリジストン工場 南には、閑静な住宅地 東には、団地、西には府中街道 学校の概要 ブリヂストン工場 団地 府中街道 それでは、まず、学校の概要についてです。 本校は、小平市の北西部に位置しており、北には、ブリヂストン東京工場、南には閑静な住宅地、そして、東には団地、西には府中街道が南北に通っており、まさに、住宅地の中にある学校と言えます。そのため、昔ながらの自然がほとんど残っていない環境です。 つまり、児童たちの日常生活では、昔ながらの自然環境に触れる機会がほとんど皆無であるということが言えます。 六小 住宅地の中に位置する学校 昔ながらの自然が残っていない 住宅地
ビオトープの概要 校舎の中庭にあるよ 運動場の東側にあるよ こちらは「第1ビオトープ」 こちらは「第2ビオトープ」 本校は、その様な条件の中、「児童が身近に自然を感じることができる場所があるといいな」との願いから、これから説明する2つのビオトープ造りに取り組みました。 では、概要について説明します。 現在、中庭に「第1ビオトープ」が、運動場の東側に「第2ビオトープ」があります。 第1ビオトープは平成14年に、第2ビオトープは平成18年から19年の2年間をかけて造りました。 こちらは「第1ビオトープ」 校舎の中庭にあるよ こちらは「第2ビオトープ」 運動場の東側にあるよ
ビオトープづくりの目的 児童が身近に、 自然環境の学習ができる 自然観察や体験ができる 憩いや癒し、慈しみ、遊びの空間 地域との交流の場 児童が身近に、 自然環境の学習ができる 自然観察や体験ができる 憩いや癒し、慈しみ、遊びの空間 地域との交流の場 として活用できる 目的は、学校ビオトープを造ることで、児童が身近に「自然環境の学習ができる」「自然観察や体験ができる」「憩いや癒し、慈しみ、遊びの空間」「地域との交流の場」として活用できると考えました。
第1ビオトープ キャッチフレーズ 「中庭は生き返らせよう!」 児童・PTA・地域企業が連携 活動ごとに参加者が増加 池の名前・木工細工 池の名前・木工細工 では、第1ビオトープについて説明します。 第1ビオトープは、平成14年に校内の「中庭を生き返らせよう」とのキャッチフレーズを基に、6年生児童・PTA・地域企業等が連携して造りました。他校のビオトープを見学したり、ビオトープの学集会を行なったりして、計画を練り上げていきました。 実際の活動は、「池ほり」「ベンチづくり」 「木工細工」 「池のまわりの整備」などを行いました。活動には、児童だけでなく、PTAや地域の方々などの参加があり、活動が進行する毎に、どんどん参加者が増え、最終的には、「地域ぐるみの活動」となりました。 参加した地域の方からは、「完成して、低学年児童が待ちきれず、中庭に「わあー」と歓声をあげて走り込んで来た時のキラキラした目、笑顔が忘れられません。本当に感動しました」など、多数の喜びの声が聞かれました。
第2ビオトープ 「学校に昆虫や植物を もっと呼びたい!」児童・PTA・地域企業が連携 多くの昆虫・植物・野鳥を誘致 「学校に昆虫や植物を もっと呼びたい!」児童・PTA・地域企業が連携 多くの昆虫・植物・野鳥を誘致 続いて、第2ビオトープです。 第2ビオトープは、「学校に昆虫や植物をもっと呼びたい!」との願いから、平成18年から19年の2年間をかけて児童・PTA・地域企業等が連携して造りました。特に、小平青年会議所・地域企業であるブリヂストンから多大なる支援を頂き、完成を迎えました。 第2ビオトープは、第1ビオトープと異なり、運動場の東側に位置し、より多くの昆虫・植物・野鳥が誘致できると期待が高まりました。
第2ビオトープ 苗木を植樹 小平産のブルーベリー コナラ・クス・クヌギ・スダジイ 多くの昆虫・野鳥の誘致を期待 その後、野鳥や昆虫たちの住みかとなる、コナラ、クス、クヌギ、スダジイ、小平市の名産であるブルーベリーの苗木を植樹しました。今後、苗木が成長し、他種・多様な昆虫や野鳥が集まって来ることに期待を膨らませ、その成長を見守っているところです。 苗木を植樹 小平産のブルーベリー コナラ・クス・クヌギ・スダジイ 多くの昆虫・野鳥の誘致を期待
教育活動について それでは、続いて、ビオトープを活用した教育活動について説明いたします。 現在、第1・第2ビオトープ共に、昆虫や植物の生息が確認でき、その種類は年々増えています。
教育活動について 「第1ビオトープ」 第1ビオトープでは、小平産の「黒メダカ」をはじめ、「ドクダミ」「つゆ草」「のいちご」「オオカナダモ」などの植物や、キノコ類、糸トンボ、こばねイナゴ、鈴虫など昆虫の生息が確認できました。また、カクレミノの木にも野鳥が訪れ、羽を休める姿が、度々見かけられるようになってきました。 メダカ
教育活動について 「第2ビオトープ」 また、第2ビオトープでは、「オタマジャクシ」「ショウリョウバッタ」「あおすじアゲハ」「シオカラトンボ」「オニヤンマ」「アブラゼミ」など、季節ごとに多様な昆虫を見ることができるようになってきました。また、「コウボネ」「ガマ」などの植物や「ヒキガエル」「野鳥」などの小動物の生息も確認できるようになりました。今日は、その一例を紹介させて頂きました。 このように、本校のビオトープも年月を重ねるごとに、四季折々の昆虫や植物が観察できるようになってきました。
教育活動について 低学年の生活科 「春さがし」「植物の観察」など 3年生以上では理科・総合 「昆虫の観察」「メダカの観察」 「春さがし」「植物の観察」など 3年生以上では理科・総合 「昆虫の観察」「メダカの観察」 「生態系を考える」 など 児童たちは、四季折々に変化するビオトープの様子を、低学年では、生活科の「季節探し」や「花や植物の観察」を行い、3年生以上では、理科で昆虫やメダカの観察を行なったり、総合的な学習の時間で「生態系を考える活動」を行なったりしています。教科書や資料で見るだけでなく、本来の昆虫や小動物の姿を観察することで、新たな発見をしている児童が多く見られています。
教育活動について ビオトープの維持・管理 ビオトープ委員会が中心 アメンボウやヤゴの救出 キッズブログで活動を発信 また、ビオトープは維持・管理することが必要であり、その活動は、5・6年生の「ビオトープ委員会」が中心に行なっています。 具体的には、池の周りの草抜き、育ちすぎた水草の駆除、プールの清掃時にアメンボウやヤゴを採取して、ビオトープに入れたりしています。そして、情報委員会と連携して、キッズブログで活動内容を発信しています。
教育活動について 地域の方々との連携 植物に詳しい方の話 花と緑のボランティアの 方々と一緒に活動 職業能力大学校との連携 花と緑のボランティアの 方々と一緒に活動 職業能力大学校との連携 さらに、地域の方々と連携した活動も行っています。 植物に詳しいボランティアさんを招いて知識を伝えて頂いたり、花と緑のボランティアの方と一緒にビオトープの維持・管理活動をおこなったりしています。また、地域の職業能力大学校の学生と一緒に、柵や椅子、ログハウス作りなども行いました。 どの活動も児童には、「本物に触れるよい機会」となり、地域の方々との交流が深まりました。
教育活動について 学校ビオトープ 学習・交流・遊び 命の大切さ 人々のつながりの大切さ このように学校ビオトープは、児童にとって、身近に自然の変化を感じることができる場、自然について学習する場、地域の人々と交流できる場となりつつあります。 そして、現在では、授業時間だけでなく、登下校時、休み時間、放課後に自然と児童がビオトープに集まって遊ぶ様子も多く見られるようになってきました。 児童たちは、このような活動を通して、自然環境に触れるだけでなく、多くの人たちとのかかわりを通して「命の大切さ」や「人々のつながりの大切さ」を学んでいます。
今後の展望 1 ビオトープのさらなる改良 2 学習活動を深める 3 ビオトープの維持・管理 水の循環・雨水の利用・誘致 1 ビオトープのさらなる改良 水の循環・雨水の利用・誘致 2 学習活動を深める 環境・町づくり・外来種・生態系 最後に、今後の展望について説明します。大きく3点あります。 第1は、本校のビオトープはまだまだ不完全です。水の循環や雨水の利用、昆虫や植物を誘致するための改良を進めていきたいと考えています。 第2は、児童の学習活動の場をさらに広げることです。現在は、観察などが中心となっていますが、さらに視野を広げて、環境に優しい町づくりについて、外来種とのかかわりについて、生態系を維持していくことについて深める活動を展開していきたいと考えています。 第3は、ビオトープの確実な維持と管理です。多くの実践校ではビオトープの維持と管理が困難であると報告されています。私も現在のビオトープ完成した後に本校に移動してまいりました。現在担当として活動を進めていますが、悩むことも多くあります。資料を確実に引き継いだり、地域の方々としっかりかかわっていくなど、維持管理に努めてまいりたいと考えます。 3 ビオトープの維持・管理 資料の引継ぎ・地域ネットワーク
終り 以上で終わります。 ご清聴ありがとうございました。 ご清聴ありがとうございました。