建設と環境 ヒートアイランド現象 騒音 自然環境保全
ヒートアイランド現象 ヒートアイランド(Heat island)は、都市部の気温がその周辺の非都市部に比べて異常な高温を示す現象。 高温により自然環境が影響を受け、住民の生活や健康にも影響を及ぼすことから、近年問題視されている。 対策を行わなければ、人口の集中がある場所では例外なく起こる現象で、都市の規模が大きいほどヒートアイランドの影響も大きい傾向にある。 特に冬場や夜間の気温上昇が著しく、東京では1920年代は年間70日程度観測されていた冬日がほぼ皆無になり、熱帯夜の日数は3倍以上に増加している。
ヒートアイランド現象の原因とされるもの ・緑地や水辺、裸地などの減少や舗装による、降雨の地面への浸透量減少、土中の保水力低下、ひいては蒸発・蒸散量の減少。 ・アスファルトやコンクリートによる、光反射率の低下、熱吸収率の増加。 ・大気汚染による、大気が吸収する太陽エネルギーの増加(地球温暖化)。 ・産業活動における工場、家庭の空調設備、自動車などによる人工排熱。 ・オフィスビルの情報機器による人工排熱。 ・高層建築物の建設や都市の地形変更による、海風の遮蔽、または風の流れの変化。 ヒートアイランドが進めば進むほど、冷房需要が増加し、それが排熱の増加を招いてヒートアイランドをさらに促進するという悪循環も指摘されている。
・透水性舗装・保水性舗装・遮熱性舗装の採用。 緩和策 ・緑化、近年は屋上緑化・壁面緑化(緑のカーテン)の採用も多い。 ・高光反射率素材・塗料の採用。 ・水辺の整備、湿地や湖沼などの保護や拡張。 ・透水性舗装・保水性舗装・遮熱性舗装の採用。 ・「風の道」の確保。 ・散水、打ち水。 ・ドライミストなどの新たな冷却機器の設置。 ・自動車・航空機などの輸送機器、建築物(空調・給湯)からの人工排熱の抑制、冷却。 ・交通・輸送分野では公共交通機関への移行およびモーダルシフトなどがある。 ・産業・家庭分野では少排熱型製品への転換、省エネルギーなどがある。
壁面緑化 東京都調査
透水性舗装(とうすいせいほそう)とは、路面に降った雨水を舗装内の隙間から地中へ還元する機能を持った舗装。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 透水性舗装(とうすいせいほそう)とは、路面に降った雨水を舗装内の隙間から地中へ還元する機能を持った舗装。 アスファルト舗装の場合、粘度の高い改質アスファルトを使用し、粗骨材の割合を高め空隙率を高めに設定する。 応用的な技術として、透水性舗装の下に不透水性舗装を敷き、透水性舗装部分を暗渠代わりにして雨水を側溝へ導く排水性舗装も存在する。 一般的に透水性舗装は歩道部、排水性舗装は車道部に用いられている。 透水性舗装や排水性舗装のように空隙の多い舗装を総称してポーラス舗装と称する。ただしNEXCO(旧日本道路公団)においては、高速道路に用いた排水性舗装を高機能舗装と称している。
メリット ・歩行者への水跳ねが減る。 ・路面に雨水が滞留しないため、ハイドロプレーニング現象を防ぐことができる。 ・雨水による光の乱反射が軽減され、夜間照明や前照灯による車線区分線等の視認性低下が緩和される。 ・地下水として直下の地中に浸透させることで、排水路などでの負担を軽減することができる。 ・空隙が大きく蓄熱性が小さいため、都心部のヒートアイランド現象の緩和に効果がある。 ・空隙により走行音が分散されるため、騒音の軽減につながる。(このため、排水性舗装は低騒音舗装とも呼ばれる。)
透水性舗装
保水性舗装
道路騒音の現状
新幹線騒音の現状 環境省報道発表資料-平成17年4月22日- 九州新幹線(新八代・鹿児島中央)に係る環境基準達成状況について 環境省は、九州新幹線新八代~鹿児島中央間の開業に伴い、当該区間沿線の28箇所において騒音を測定し、新幹線鉄道騒音に係る環境基準等の達成状況を把握した。 その結果、商工業地域など(Ⅱ類型)の測定地点では環境基準値をすべて下回っていたが、一層の静穏を要する住宅地域など(Ⅰ類型)の測定地点ではその52%で環境基準値を超えており、測定した28箇所全体の環境基準達成率は54%にとどまった。 これらの結果を踏まえ、環境省は、直ちに対策を強化するなど環境基準の速やかな達成に努めるよう、国土交通省、熊本県及び鹿児島県に対して要請を行った。
騒音レベルの分布 測定地点の地図
騒音対策 振動減衰材 受動型制振 能動型制振 制振対策 振動絶縁対策 音源対策 ノージョイント化 透水性舗装 音響対策 遮音壁・防音壁 きのこ型遮音壁 干渉型遮音壁 透明遮音壁 騒音のアクティブコントロール
道路騒音対策
多孔質弾性舗装(1)
多孔質弾性舗装(2)
多孔質弾性舗装(3)
多孔質弾性舗装(4)
きのこ型遮音壁 ノイズリデューサー きのこ型遮音壁について説明します。 図は、きのこ型遮音壁とその設置例です。 これは既設の遮音壁の上部にとりつけるもので、先端部分が吸音材になっています。 ノイズ・リデューサーの場合、先端部分が凸円形状になっているので 回折減衰量が増加しすぐれた吸音性能を発揮します。 ノイズリデューサー
トナカイ型遮音壁 次にトナカイ型遮音壁について説明します。 図は、トナカイ型遮音壁の概略図とその設置例です。 :吸音材
騒音低減メカニズム 多重回折減衰による減音 音の相互干渉による減音 先行反射波 遅延進行波 騒音源 騒音源 トナカイ型遮音壁の騒音低減のメカニズムは 多重回折減衰による減音と音の相互干渉による減音が組み合わされています。 多重回折減衰は このように突起物により何度も回折し、減音します。 音の相互干渉作用による減音は 先に遮音壁に入ってきた騒音の先行反射波と、後で入ってくる遅延進行波との干渉により 騒音が低減されるものです。 騒音源 騒音源
自然環境保全
自然環境保全と公益性 ニーズ 公益性 税金 建設費 小 大 妥当性 小 大 自然環境保全の優先度
レポート課題 ・建設産業の地球温暖化への取り組み ・建設産業の環境保全への取り組み について、自分の意見・考えを加えて、まとめる。 講義への要望があれば、書き加えてほしい。 用紙:A4版1~2枚 提出:12月3日(水)の講義後、講義室の出口で受け取る。
建設プロジェクトのライフサイクル ニーズ 計画 設計 供用時の省エネを充分考慮する必要がある。 入札 環境負荷の小さいプロジェクトが選ばれるように 施工 グリーン調達 + 3R Reduce リデュース:減らす Reuse リユース:再び使う Recycle リサイクル:再資源化 供用 省エネ 維持・管理 廃棄