建設と環境 ヒートアイランド現象 騒音 自然環境保全.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
都市域で起こる水害の防止対 策 C07047 村上彰一 C07048 森田紘 矢 C07049 矢口善嵩 C07050 矢田陽 佑 C07051 山河亮太 C07052 山下優 人.
Advertisements

否定派 ロードプライシン グ導入の是非. ロードプライシングとは? 特定の道路や地域、時間帯における自動車 利 用者に対して課金することにより、自動車 利用 の合理化や交通行動の転換を促し、自動車 交 通量の抑制を図る施策 前提条件 今回のディベートでは、 交通量が著しい一般道路を対象 導入達成を「2020年東京オリンピッ.
音の物理的性質(その2) 距離減衰(幾何減衰)(attenuation by wave divergence)
ヒートアイランド現象 地球の温暖化    温室効果      太陽エネルギーの成層圏外縁での収支.
太陽光を利用した発電について Generate electricity from the Sun
おおさかヒートアイランド対策推進計画 概要版
4-5 風の道ビジョン 風を感じていますか? 大阪市 (紙芝居風に) この場所は、夏だというのに、風がとても気持ちいい。西風だわ!
3 市民としてどう行動していくか 地球温暖化対策 生物多様性を守る 地域の自然環境(みどり・水辺)を守る.
トラック事業の現状と課題.
府中都市計画道路3・3・8号 府中所沢線整備事業
「熱負荷計算モデル」の入力パラメータとの関連
これまでの議論・府域の状況を踏まえた考え方の整理
絶滅危惧植物シラタマホシクサの 保全に関する研究 岩井貴彦 システムマネジメント工学科 UCコース
御国の光の作り方 明治大学2年 星野浩樹.
山口市における ヒートアイランド現象の解析
第3回「槇尾川ダム建設事業」等に関する有識者会議
平成17年度 卒業論文発表資料 ゼロエミッションをめざした 産業ネットワークの形成に関する研究
建設材料のリサイクルの方法について 考えてみよう。
ごみ問題 ~対策~.
地球温暖化.
緑のカーテンによる 温熱環境緩和効果のメカニズム
LCAを用いたパレット運用における総合的な環境影響に関する研究
温暖化について ~対策~ HELP!.
1.環境汚染の防止と改善 2.産業廃棄物の処理と健康
目 次 1.大阪府自動車NOx・PM総量削減計画〔第3次〕の目標について 2.大気環境の状況について 3.中間レビューについて.
ステップガーデンを有する建物と その周辺市街地の熱環境実測
建設と環境 建築 ビル・住宅 建設 ハードな分野 土木 道路・橋梁・ダム トンネル・堤防 ソフトな分野 交通計画・都市計画
名古屋市内の地下水の 有効利用について 第11班 C07053 山下 芳朋 C07056 吉田 昴平
中国の水郷「烏鎮」 における水質浄化の課題と対策
名四国道の騒音を 減らすための対策について
騒音対策は 「カルム」防音システムにお任せください!
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等による 住宅における低炭素化促進事業(経済産業省、一部国土交通省連携事業)
第11回 都市の温暖化とその対策.
エコ実践 日本一を目指して 連携 推進体制 (町民)エコなライフスタイルへ (企業)エコな企業活動 (行政)エコの仕組みの整備、活動の支援
名古屋市のヒートアイランド対策 C08001 赤塚裕司 C08002 池田 仁 C08003 井田 軍            C08004 市橋和茂
4-1 ヒートアイランド 猛暑日の日数 大阪は暑いの? 日 大阪市 (紙芝居風に) えっ?大阪は沖縄より暑い?
環境防災工学特論Ⅱ.
夏季における首都圏の ヒートアイランドの実態について
脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型 自然冷媒機器導入加速化事業(一部農林水産省、経済産業省、国土交通省連携事業)
9 水環境(4)水質汚濁指標 環境基本法(水質汚濁防止法) ・人の健康の保護に関する環境基準 (健康26項目) 
9 水環境(4)水質汚濁指標 ・人の健康の保護に関する環境基準 (健康26項目) 環境基本法 地下水を含む全公共用水域について適用
図3 地球環境変動の中核的課題と動向 自然圏(Natursphäre) 人類圏(Anthropophäre) 生物圏 大気圏 水文圏 土壌圏
新エネルギーシステム (New Energy System)
物流分野におけるCO2削減対策促進事業 (国土交通省連携事業) 背景・目的 事業概要 期待される効果 事業スキーム
省エネルギーを指向した複合ビルの環境設計
九州気候区の高専における太陽光発電 ◯葉山清輝,大山英典 (熊本電波高専) 中川重康 (舞鶴高専) 仲野 巧 (豊田高専)
都市表面における 熱輸送速度の実験的研究 スケールモデルによる野外実験と風洞実験の比較 大久保 典明
東京都のテナントビル向け省エネ支援策 ◆オーナーとテナントの協力により、ビルの付加価値を高める取組
新聞発表 <ビル緑化義務づけ>          2003年6月4日          大和田・菅原・鈴木・山中.
建築物の環境配慮のあり方について~温暖化対策部会報告の概要~
木材利用による業務用施設の断熱性能効果検証事業
地方公共団体実行計画を核とした地域の低炭素化 基盤整備事業
~imai/haikibutsu/haikibutsu.html 廃棄物処理工学 ~imai/haikibutsu/haikibutsu.html 第5回:H30年11月5日.
環境・エネルギー工学 アウトライン 序 章 環境・エネルギー問題と工学の役割 第1章 バイオ技術を使った環境技術
不動産の環境性能を見える化することで、賃料にもプラス
遮熱性塗料の断熱性能評価実験  柏原 雅史.
テナントビルの省CO2促進事業 低炭素化により オーナー・テナントの利益拡大! ●グリーンリースの類型
国 非営利法人 背景・目的 事業スキーム 事業者等 事業概要 期待される効果 脱フロン・低炭素社会の早期実現のための
背景・目的 事業内容 事業スキーム 事業概要 期待される効果 公共交通機関の低炭素化と利用促進に向けた設備整備事業 (国土交通省連携事業)
物流分野におけるCO2削減対策促進事業 (国土交通省連携事業) 背景・目的 事業概要 期待される効果 事業スキーム
CO2大幅削減のためのCNF導入拡大戦略の立案 (3)バイオマスプラスチックによるCO2削減効果の検証
改正概要(平成22年4月施行) と計画書作成支援ツールの紹介
彦根市公共下水道事業・第5期経営計画(素案) 1.各施策の現状と課題及び第5期経営計画での取組方針
リサイクル工学特論 ~imai/recycle/recycle.html
建築物にかかる猛暑対策貢献者の表彰とHP公表
学籍番号: 氏名:峯村孝征 指導教員:小林泰秀 准教授
講義の目的 講義の方法 講義予定 「生物リサイクル工学特論」について 2019年4月19日 大学院生命体工学研究科 生体機能専攻 白井義人
○○道路○○高架橋上部工事 工 事 概 要 ■工 事 名 ; ○○道路○○高架橋上部工事 ■工事の目的 ;
環境学 第9回目 (H ) 環境法と循環型社会 p.68~
大阪府生活環境の保全等に関する条例に基づく水銀の大気排出規制のあり方について
Presentation transcript:

建設と環境 ヒートアイランド現象 騒音 自然環境保全

ヒートアイランド現象 ヒートアイランド(Heat island)は、都市部の気温がその周辺の非都市部に比べて異常な高温を示す現象。 高温により自然環境が影響を受け、住民の生活や健康にも影響を及ぼすことから、近年問題視されている。 対策を行わなければ、人口の集中がある場所では例外なく起こる現象で、都市の規模が大きいほどヒートアイランドの影響も大きい傾向にある。 特に冬場や夜間の気温上昇が著しく、東京では1920年代は年間70日程度観測されていた冬日がほぼ皆無になり、熱帯夜の日数は3倍以上に増加している。

ヒートアイランド現象の原因とされるもの ・緑地や水辺、裸地などの減少や舗装による、降雨の地面への浸透量減少、土中の保水力低下、ひいては蒸発・蒸散量の減少。 ・アスファルトやコンクリートによる、光反射率の低下、熱吸収率の増加。 ・大気汚染による、大気が吸収する太陽エネルギーの増加(地球温暖化)。 ・産業活動における工場、家庭の空調設備、自動車などによる人工排熱。 ・オフィスビルの情報機器による人工排熱。 ・高層建築物の建設や都市の地形変更による、海風の遮蔽、または風の流れの変化。 ヒートアイランドが進めば進むほど、冷房需要が増加し、それが排熱の増加を招いてヒートアイランドをさらに促進するという悪循環も指摘されている。

・透水性舗装・保水性舗装・遮熱性舗装の採用。 緩和策 ・緑化、近年は屋上緑化・壁面緑化(緑のカーテン)の採用も多い。 ・高光反射率素材・塗料の採用。 ・水辺の整備、湿地や湖沼などの保護や拡張。 ・透水性舗装・保水性舗装・遮熱性舗装の採用。 ・「風の道」の確保。 ・散水、打ち水。 ・ドライミストなどの新たな冷却機器の設置。 ・自動車・航空機などの輸送機器、建築物(空調・給湯)からの人工排熱の抑制、冷却。 ・交通・輸送分野では公共交通機関への移行およびモーダルシフトなどがある。 ・産業・家庭分野では少排熱型製品への転換、省エネルギーなどがある。

壁面緑化 東京都調査

透水性舗装(とうすいせいほそう)とは、路面に降った雨水を舗装内の隙間から地中へ還元する機能を持った舗装。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 透水性舗装(とうすいせいほそう)とは、路面に降った雨水を舗装内の隙間から地中へ還元する機能を持った舗装。 アスファルト舗装の場合、粘度の高い改質アスファルトを使用し、粗骨材の割合を高め空隙率を高めに設定する。 応用的な技術として、透水性舗装の下に不透水性舗装を敷き、透水性舗装部分を暗渠代わりにして雨水を側溝へ導く排水性舗装も存在する。 一般的に透水性舗装は歩道部、排水性舗装は車道部に用いられている。 透水性舗装や排水性舗装のように空隙の多い舗装を総称してポーラス舗装と称する。ただしNEXCO(旧日本道路公団)においては、高速道路に用いた排水性舗装を高機能舗装と称している。

メリット ・歩行者への水跳ねが減る。 ・路面に雨水が滞留しないため、ハイドロプレーニング現象を防ぐことができる。 ・雨水による光の乱反射が軽減され、夜間照明や前照灯による車線区分線等の視認性低下が緩和される。 ・地下水として直下の地中に浸透させることで、排水路などでの負担を軽減することができる。 ・空隙が大きく蓄熱性が小さいため、都心部のヒートアイランド現象の緩和に効果がある。 ・空隙により走行音が分散されるため、騒音の軽減につながる。(このため、排水性舗装は低騒音舗装とも呼ばれる。)

透水性舗装

保水性舗装

道路騒音の現状

新幹線騒音の現状 環境省報道発表資料-平成17年4月22日-      九州新幹線(新八代・鹿児島中央)に係る環境基準達成状況について 環境省は、九州新幹線新八代~鹿児島中央間の開業に伴い、当該区間沿線の28箇所において騒音を測定し、新幹線鉄道騒音に係る環境基準等の達成状況を把握した。  その結果、商工業地域など(Ⅱ類型)の測定地点では環境基準値をすべて下回っていたが、一層の静穏を要する住宅地域など(Ⅰ類型)の測定地点ではその52%で環境基準値を超えており、測定した28箇所全体の環境基準達成率は54%にとどまった。  これらの結果を踏まえ、環境省は、直ちに対策を強化するなど環境基準の速やかな達成に努めるよう、国土交通省、熊本県及び鹿児島県に対して要請を行った。

騒音レベルの分布 測定地点の地図

騒音対策 振動減衰材 受動型制振 能動型制振 制振対策 振動絶縁対策 音源対策 ノージョイント化 透水性舗装 音響対策 遮音壁・防音壁 きのこ型遮音壁 干渉型遮音壁 透明遮音壁 騒音のアクティブコントロール

道路騒音対策

多孔質弾性舗装(1)

多孔質弾性舗装(2)

多孔質弾性舗装(3)

多孔質弾性舗装(4)

きのこ型遮音壁 ノイズリデューサー きのこ型遮音壁について説明します。 図は、きのこ型遮音壁とその設置例です。 これは既設の遮音壁の上部にとりつけるもので、先端部分が吸音材になっています。 ノイズ・リデューサーの場合、先端部分が凸円形状になっているので 回折減衰量が増加しすぐれた吸音性能を発揮します。  ノイズリデューサー

トナカイ型遮音壁 次にトナカイ型遮音壁について説明します。 図は、トナカイ型遮音壁の概略図とその設置例です。 :吸音材

騒音低減メカニズム 多重回折減衰による減音 音の相互干渉による減音 先行反射波 遅延進行波 騒音源 騒音源 トナカイ型遮音壁の騒音低減のメカニズムは 多重回折減衰による減音と音の相互干渉による減音が組み合わされています。 多重回折減衰は このように突起物により何度も回折し、減音します。 音の相互干渉作用による減音は 先に遮音壁に入ってきた騒音の先行反射波と、後で入ってくる遅延進行波との干渉により 騒音が低減されるものです。 騒音源 騒音源

自然環境保全

自然環境保全と公益性 ニーズ 公益性 税金 建設費 小 大 妥当性 小 大 自然環境保全の優先度

レポート課題 ・建設産業の地球温暖化への取り組み ・建設産業の環境保全への取り組み について、自分の意見・考えを加えて、まとめる。 講義への要望があれば、書き加えてほしい。 用紙:A4版1~2枚 提出:12月3日(水)の講義後、講義室の出口で受け取る。

建設プロジェクトのライフサイクル ニーズ 計画 設計 供用時の省エネを充分考慮する必要がある。 入札 環境負荷の小さいプロジェクトが選ばれるように 施工 グリーン調達 + 3R Reduce リデュース:減らす Reuse リユース:再び使う Recycle リサイクル:再資源化 供用 省エネ 維持・管理 廃棄