プログラミング基礎I(再) 山元進
注意事項 1度は講義を受けたことを念頭に置いて講義 遠慮なく質問せよ 4限座学+5限演習 出席をとる(前期同様のシステム) 中間試験を行う。 質問で授業を止めたくないならば、TA の人を呼んで質問すると良い 前期講義の欠席者は、特に注意せよ。 4限座学+5限演習 出席をとる(前期同様のシステム) 中間試験を行う。 期末試験の範囲は教科書 1-8 章
はじめに しばらく、Javaに限らないことを話す
コンピュータ中のデータと2進数 コンピュータ中のデータ = ON/OFF で表現 ON/OFF → 1/0 とすると2進数 データはすべて2進数として表される 2で繰り上がるのが2進数 10で繰り上がるのが10進数 2進数はケタ多い → 16 進数もよく使う 0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,A,B,C,D,E,F 16進数 1 ケタ = 2進数 4 ケタ
高級言語 コンピュータへの指令も2進数のデータとして記録されている → 機械語 機械語は、人間がコンピュータにさせたいことを記述するには不向き 数字の羅列は覚えにくい! 人間の言語体系になるべく近いように作られた言語 : 高級言語
データ型 データは全て2進数で表されているが、そのデータを文字と解釈するか、数値と解釈するか、あるいはもっと複雑なデータと解釈するか → データの型 数値として解釈するなら数値型 文字として解釈するなら文字型 …
10進数→2進数 問: 2010 を2進数で表せ … 210 = 1024, 211 = 2048 (10進数) 2048-32-4-2 (2進数) 100000000000 – 100110 (32+4+2) = 11111011010
2進数→16進数 問: 2 進表記された数 1110011000 を 16 進表記に直せ ただ文字を並べても、位取りの意味が不明瞭 11 1001 1000 (4ケタずつ切る) 398 ただ文字を並べても、位取りの意味が不明瞭 Java では、16進数の先頭に 0x 付加 0x398 → 10進数なら (3×16+9)×16+8=920 16 進数 hexadecimal 類似物に 8 進数あり。先頭に 0 付加 0123 と 123 は値が全く違うので注意!!
文字→2進数 (or 16進数) 文字と数との対応表を事前に決めておく 文字を表すデータを文字型、char 型 ASCII コード アルファベット、数字、記号 → 1バイト ユニコード 2バイトで1単位、1 or 2単位で1文字 文字を表すデータを文字型、char 型
数値→2進数 (整数) 正の整数はそのまま扱う 負の数は2の補数表示を使う (符号なしの整数もある) ただし、ケタ数は決めておく 31 ビット分 負の数は2の補数表示を使う -1 を 0xffffffff であらわす +1 するとケタがあふれて 0x0 になるのでこう選ぶ 一般の数 x は2の補数表示: x を2進表示 → 0/1 反転 → 1 を足す (符号なしの整数もある)
数値→2進数(整数以外) 実数は全部を取り扱うのは困難 倍精度実数 : double 型 単精度実数 : float 型 √2=1.41421356…. 桁数に限りがない→必要メモリも限りない 仮数部 × 指数部 分かりやすいよう 10 進表示すると 123.456 → 1.23456 × 102 倍精度実数 : double 型 1つのデータで8バイト 単精度実数 : float 型 1つのデータで4バイト
メモリとアドレス メモリ = データを記憶する場所 記憶場所管理のため番号の番号 = アドレス 1 byte = 2 ケタの 16 進数 記憶場所管理のため番号の番号 = アドレス 通常、8 ビット (8 ケタの 2 進数) = 1 バイト ごと 1 byte = 2 ケタの 16 進数 0x00 = メモリの 1 バイト分 0 2進数表記なら 00000000 (8ケタ)
変数と定数 変数 定数 通常、変数や定数には、ラベル(名前)が付く プログラム実行中に変更され得るデータ 通常、メモリの特定の場所と対応している 定数 プログラム実行中に変更されないデータ 通常、変数や定数には、ラベル(名前)が付く 例: int k; // k という名前の整数(int) 型変数
ここからは Java の話
Java 高級言語のひとつ 中間コード利用 Java のプログラム実行まで kasu 仮想マシン(インタプリタ)で実行 Sample1.java 中間コード Sample1.class 実行結果 コンパイル javac Sample1.java 実行 java Sample1 仮想マシン上
プログラムを書いてみる 後でどこにサンプルを置いたかわかりやすいよう、Kiso1-1 などとディレクトリを作り、その中で作業するとよい。 mkdir Kiso1-1; cd Kiso1-1 Sample1.java を作成して編集する emacs Sample1.java 文字コードに注意(左下に U と出ているか?) 書き終わったら save して終了
Sample1.java class Sample1 { public static void main(String args[]) System.out.println("ようこそJavaへ!"); System.out.println("Javaを始めましょう!"); }
プログラムを書く際の注意 {} の入れ子構造を字下げで表す。 対応する { と } が、同じケタに来るように。 class Sample1 { public static void main(String args[]) { System.out.println( "ようこそJavaへ!");System.out.println("Javaを始めましょう!"); } 上のような書き方は、Javaの文法上許されるが、私は許さない! 提出課題などでこんなの見つけたら減点する
コメントを記述する プログラム中にコメント(註釈)を書ける 1 行の中で, // の右はコメント /* と */ とに囲まれた部分はコメント /* と */ とに囲まれた部分はコメント コメントに何を書いても実行結果に影響なし コメントは、コードを読む人のために書く
コメントの例 class Sample1 // クラスの宣言 クラス名は Sample1 { // クラス Sample1 本体の開始 // 次行から main()メソッド(実行開始場所)の宣言 public static void main(String args[]) { // main() メソッド本体の開始 System.out.println("ようこそJavaへ!"); System.out.println("Javaを始めましょう!"); } // main() メソッド定義の終了 } // クラス定義の終了 // メソッド、クラスの宣言とも、続く{}の中身が本体である // メソッドの宣言が、クラスの宣言の中に入れ子になっている // クラスの概念の詳細は、後の回の講義で行う
Sample1.java の説明 ファイル名(拡張子を除く)と同じにすること! class Sample1 // クラスの宣言 { // コメント (人間が読むときのための註) public static void main(String args[]) { // main メソッドの宣言 (仮想マシンの実行開始場所) System.out.println("ようこそJavaへ!"); System.out.println("Javaを始めましょう!"); } // メソッド、クラスの宣言とも、続く{}の中身が本体である // メソッドの宣言が、クラスの宣言の中に入れ子になっている // クラスの概念の詳細は、後の回の講義で行う 文末のセミコロン必須(次行も同様) カッコの対応関係には意味あり。 開いたら、必ず正しい位置で閉じること (次行も同様) "(ダブルクォーテイション) は、開くときも閉じるときも同じ記号。対応関係に注意。 "と"で囲まれた部分は文字列データで、全角OK。それ以外では全角不可 特に、全角スペースが文字列データ以外の部分に混じらないように!!
重要なポイント Java のコードは1つ以上のクラスからなりたつ main()メソッドからプログラムの処理がはじまる 文は原則として先頭から順番に実行される 文の最後にはセミコロンをつける コメントは人間がコードを理解しやすくするために書く (実行動作には関係しない) インデントや改行を使ってコードを読みやすく
プログラムのコンパイル→実行 コンパイル 実行 プログラムの書き間違い、手順違い javac Sample1.java エラーなし → Sample1.class できる (ls で確認) 実行 java Sample1 Sample1.class が仮想マシンで実行される Sample1 の後に .class をつけるな!! プログラムの書き間違い、手順違い →エラー出力 読めば何を間違えたか参考になる
リテラル literal → 通常は形容詞で、「文字どおりの」 プログラムで値を表す文字列 名詞としては、文字どおりの解釈・意味 Sample1.Java 中では "ようこそJavaへ!" "Javaを始めましょう!" の2つが文字列リテラル。データの内容は ようこそJavaへ! Javaを始めましょう!
文字リテラル,文字列リテラル 文字リテラルの例 文字列リテラルの例 ' と " の使い分けに注意 'A', 'B' "ようこそJavaへ!" ' は1文字を囲む " は文字列を囲む
数値リテラル 数値リテラルの例 System.out.println(0x398); 920 と表示される (整数はデフォルトで10進表記) System.out.println(3.14159265e2); 3.14159265e2 は浮動小数点(数)リテラル 314.159265 と表示される (3.1415926 × 102)
Sample3.java class Sample3 { public static void main(String args[]) System.out.println('A'); // 文字リテラル System.out.println("ようこそJavaへ!"); System.out.println(123); // 整数リテラル }
画面への出力 次のようなメソッドを使う System.out.println() System.out.print() 問 : 両者の違いはなにか?次のページのSample2.java をコンパイルして動かしてみよ
Sample2.java class Sample2 { public static void main(String args[]) System.out.print("ようこそJavaへ!"); System.out.print("Javaを始めましょう!"); } // Sample1 と Sample2 の違いは何か? // 見比べて考え、実行して確かめてみよ。
エスケープシーケンス 複数の文字で1文字を表す規則 画面の出力を制御する、特殊な文字など Java プログラム中で特別な意味のある文字 普通の文字で表せない そこで、 \文字 などで表す規則になっている タブ → 印字位置を前もって決めた場所へ移動 復帰→ 印字位置を行の先頭に移動 Java プログラム中で特別な意味のある文字 \ → \\ ' → \' " →\" など System.out.println("\\100"); // 例 文字コードで文字を表すのにも使える 教科書 表2-1を参照せよ
Sample4.java class Sample4 { public static void main(String args[]) System.out.println("円記号を出力します。:\\"); System.out.println("アポストロフィを出力します。:\'"); } // エスケープシーケンスを使うと、特殊な文字をあらわすことができる。
Sample5.java class Sample5 { public static void main(String args[]) System.out.println("8進数101の文字は\101です。"); System.out.println("16進数0061の文字は\u0061です。 "); } // 文字コードを指定して 文字を出力することができる
Sample6.java class Sample6 { public static void main(String args[]) System.out.println("品物\t\t単価\t数量\t金額"); System.out.println("えんぴつ\t10\t2\t20"); System.out.println("消しゴム\t100\t1\t100"); } // エスケープシーケンスを使って、画面の出力を制御できる // タブストップ(\tによって印字位置が移動する場所) // はどこに設定されているか考えよ。ヒント:半角文字換算
課題 1.自分の名前を出力するプログラムを作成せよ。 2.「タブ」記号を表すエスケープシーケンス(¥t)を使用し、以下例のように氏名、学籍番号、学部を出力するプログラムを記述せよ。 氏名 山元進 学籍番号 c0110999 学部 コンピュータサイエンス学部 文字列の開始位置 \t でそろえること!!
課題提出の注意 提出は 課題2 のみ 課題2 の class 名は Report2 とせよ 時間内にTA の許可を受けること 必然的に、ファイル名も決まる 時間内にTA の許可を受けること 許可のない提出は未提出と同じ扱い