Study of Identified Hadron Spectra and Yields at Mid-rapidity in sNN = 200GeV Au+Au Collisions 清道 明男 (理研) 核子あたり200GeV 本審査/公開発表会 February 16, 2005.

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Study of Identified Hadron Spectra and Yields at Mid-rapidity in sNN = 200GeV Au+Au Collisions 清道 明男 (理研) 核子あたり200GeV 本審査/公開発表会 February 16, 2005

発表の概要 目的 RHIC-PHENIX 実験 実験結果 考察 まとめ クォーク、グルーオンプラズマ 高エネルギー重イオン衝突 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 発表の概要 目的 クォーク、グルーオンプラズマ 高エネルギー重イオン衝突 ハドロンの粒子識別を行うことの意義 RHIC-PHENIX 実験 セットアップ、解析 実験結果 ハドロンの横運動量分布 収量、生成比 考察 統計的熱力学モデルとの比較 流体モデルとの比較 収量抑制の粒子依存性 まとめ Akio Kiyomichi [RIKEN]

クォーク・グルーオンプラズマとは ビックバン後の宇宙空間の発展 ハドロンの構造 原子核を構成する核子は3つのクォークからできている。 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 クォーク・グルーオンプラズマとは 原子/原子核 ビックバン後の宇宙空間の発展 ハドロンの構造 原子核を構成する核子は3つのクォークからできている。 量子色力学(QCD)によると、カラー荷を持ったクォークは強い相互作用を媒介するグルーオンと共に、ハドロン内に閉じ込められ中性カラーとなっている。 クォーク・グルーオンプラズマ (QGP) 高温高密度状態においてクォークとグルーオンはハドロンから束縛を解かれ、プラズマ状態(QGP)に相転移すると予測されている。 宇宙創世初期、中性子星、高エネルギー重イオン衝突 右の絵は宇宙創世初期、ビックバン後の時間経過とそれに伴って冷えて行く様子を示しています。 高エネルギー重イオン衝突実験では、ここをさかのぼってクォークグルーオンプラズマに達しようという目的で行っています。 Akio Kiyomichi [RIKEN]

高エネルギー重イオン衝突 RHIC加速器を用いた重イオン衝突実験において、QGPが生成されたかどうか確認し、その性質を調べる。 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 高エネルギー重イオン衝突 格子QCD理論の計算より、 核物質(ハドロン相)は約170~200MeVの温度でエネルギー密度1~2GeV/fm3に達し、QGP相へ相転移すると予言。 相図:粒子生成比から求まる化学平衡時の温度と化学ポテンシャル SPS(CERN,sNN~17GeV)で格子QCDの予言と非常に近い RHIC加速器を用いた重イオン衝突実験において、QGPが生成されたかどうか確認し、その性質を調べる。 高温高密度状態での物質の振る舞いを理論と比較し検証する。 図は、重イオン衝突実験の粒子生成比の結果から、化学平衡を仮定し、温度と化学ポテンシャルの相図です。 この傾向より、RHICで作られる高温高密度物質はよりバリオンフリーで、高温度な状態であると予想。 熱的平衡温度 Akio Kiyomichi [RIKEN]

重イオン衝突の幾何(Npart vs Ncoll) 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 重イオン衝突の幾何(Npart vs Ncoll) 重イオン衝突における中心衝突度の定義 Npart : # of participants 粒子生成量はNpartに比例する。 (Wounded-Nucleon Model) Ncoll : # of binary nucleon-nucleon collisions 陽子陽子衝突の重ね合わせとして比較。 Glauber モデルで幾何学的に計算 Akio Kiyomichi [RIKEN]

粒子生成比と統計熱力学モデル 局所的熱平衡 (Tch:一定) と 化学平衡(:一定) を仮定 (@chemical freeze-out) 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 粒子生成比と統計熱力学モデル 局所的熱平衡 (Tch:一定) と 化学平衡(:一定) を仮定 (@chemical freeze-out) 系の中での共鳴粒子の影響も考慮 Tch , より 粒子密度 ni が決定される 保存則: バリオン数、ストレンジネス、アイソスピン Particle Density g : spin-isospin freedom B : Baryon number mB : Baryon chemical potential S : Strange quantum number ms : Strange chemical potential SPS Pb+Pb 158AGeV Particle ratio CERN-SPSまでよく成り立つ。 -:Model T=168MeV Example: P. Braun-Munzinger Phys.Lett.B465 15(1999) Akio Kiyomichi [RIKEN]

ハドロン横運動量分布と集団運動 重イオン衝突(Bevalac~SPS) 粒子の質量によって横運動量分布の形が異なる。 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 ハドロン横運動量分布と集団運動 重イオン衝突(Bevalac~SPS) 粒子の質量によって横運動量分布の形が異なる。 局所熱的平衡+集団膨張運動で記述可能(Blast-wave モデル) SPS Pb+Pb 158AGeV explosive source T, T purely thermal source 陽子陽子衝突 重イオン衝突 Blast wave model E. Schnedermann et al., PRC48 2462 (1993) Boosted s ソフトプロセスのハドロン生成については過去SPSまでよく検証されています。 No Boost NA44 : PRL78 2080 (1997) Akio Kiyomichi [RIKEN]

p0 spectra for p+p @ 200 GeV : Baseline 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 p0 spectra for p+p @ 200 GeV : Baseline PHENIX PRL91 241803 (2003), hep-ex/0304038 PHENIX実験で測定した、 sNN = 200GeV の陽子陽子衝突におけるp0 の横運動量分布 NLOによるpQCD計算とよく合う ハドロン生成(1+23+X) 高横運動量の粒子生成はハードプロセスが支配的 高運動量領域での粒子識別・測定が重要。 Soft Production p+p->p0 + X Hard Scattering p0 0 5 10[GeV/c] parton distribution function(PDF) Next Leading Order によるパータバティブQCDの計算 fragmentation function(FF) Akio Kiyomichi [RIKEN]

高運動量粒子の収量抑制効果 金金130GeV: PHENIX実験の中間子と荷電ハドロン測定の結果 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 高運動量粒子の収量抑制効果 hadrons q leading particle leading particle schematic view of jet production PRL88,022301(2002) (衝突の収量/核子間衝突数)金金 (衝突の収量/核子間衝突数)陽子陽子 Nuclear Modification Factor  p+p の単純な重ね合わせからのずれ 金金130GeV: PHENIX実験の中間子と荷電ハドロン測定の結果 SPSで確認された Cronin 効果(原子核内の多重散乱による運動量移行による、高横運動量領域の増加)が見えない。 ジェット抑制効果が測定され、生成粒子がエネルギー損失を受けるほどの高密度相が存在することを示唆。 と荷電ハドロンに差がある。=>粒子識別が重要 一方、RHICで初めて観測されたジェット抑制効果 PRLの表紙を飾る。 SPSで確認されたクローニング効果も見えない。 クローニング効果:多重散乱 pA衝突実験でクローニンらの実験で測定。理論的解釈として多重散乱による運動量移行が考えられている。 Akio Kiyomichi [RIKEN]

d+Au リファレンス実験: RAA vs. RdA 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 d+Au リファレンス実験: RAA vs. RdA d+Au d+Au Au+Au Initial State Effects Only Au+Au Initial + Final State Effects PHENIX (d+Au) PRL91,072303(2003) 収量抑制はいつ起こるのか? 金金中心衝突では high-pT の と荷電ハドロンに大きな抑制効果を観測。 重陽子金衝突では抑制効果は無い。 ジェット抑制は金金衝突で生成された高密度物質による final state effect であることが明らかになった。 衝突時に既に抑制していたのか、 金金衝突で作られるマター中を通過時に抑制が起こるのか。 Akio Kiyomichi [RIKEN]

本研究の動機と目的 AGS,SPSで確認された化学平衡、熱的平衡および集団運動について、RHICエネルギーでの検証を行う。 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 本研究の動機と目的 AGS,SPSで確認された化学平衡、熱的平衡および集団運動について、RHICエネルギーでの検証を行う。 統計的熱力学モデルによる化学平衡温度と化学ポテンシャル。 流体モデルによるフリーズアウト温度と集団膨張。 RHICで見つかったジェット抑制効果の粒子依存性を検証。 高横運動量粒子の測定。 sNN = 200GeV の金金衝突実験において、PHENIX検出器にて高時間分解能の飛行時間測定によるハドロンの粒子識別を行い、中心ラピディティ領域における中間子、K中間子、陽子・反陽子の横運動量分布および収量を測定する。 これらをふまえた上で Akio Kiyomichi [RIKEN]

Contributions of Author 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 Contributions of Author 測定器開発 ・運用 1996 RHIC-PHENIX実験に参加 1996~1998 筑波大にて飛行時間測定器の製作 PHENIX検出器シミュレーション QM97 ポスター発表 “PHENIX Time-of-Flight System” 1998~2001 BNLにて飛行時間測定器の組み込み作業 検出器の運用、位置・時間再構成ソフトウェア開発 時間較正を担当 QM2001 ポスター発表 “Performance of the Time-of-Flight Counter in PHENIX” 2001~ ハドロン解析(粒子フローの検証、ジェット抑制効果) QM2004 ポスター発表 “Radial Flow Study” 投稿論文 Phys. Rev. C 69, 034909 (2004) 1997 1998 1999 2000 RHIC稼働 物理解析 2001 2002 2003 2004 Akio Kiyomichi [RIKEN]

Relativistic Heavy Ion Collider (RHIC) 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 米国ブルックヘブン国立研究所に設置 世界初の重イオン衝突型加速器 2000年より稼働 円周 3.83 km、2つのリング 4つの実験グループ 衝突核種 金金、重陽子金、偏極陽子、銅銅 Luminosity Au-Au: 2 x 1026 cm-2 s-1 p-p : 2 x 1032 cm-2 s-1 (polarized) Run Year Species s[GeV] Ldt 01 2000 Au+Au 130 1mb-1 02 2001/2002 Au+Au 200 24mb-1 p+p 200 0.15pb-1 03 2002/2003 d+Au 200 2.74nb-1 p+p 200 0.35pb-1 04 2003/2004 Au+Au 200 241mb-1 Au+Au 62.4 9mb-1 Akio Kiyomichi [RIKEN]

本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 PHENIX Experiment Two central arms to measure electron, photon, and hadrons Global detectors for trigger and event characterization グローバルディテクターとして、ビームビームカウンターとゼロディグリーカロリメータを用いてイベントの決定を行います。 2つのセントラルアーム、電子、光子、そしてハドロンの測定を行います。 2つの前後方のミューオンアームでミューオンの測定。 Two forward muon spectrometers Akio Kiyomichi [RIKEN]

Reality EAST ARM CENTRAL MAGNET BBC DC+PC1 TOF 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 Reality EAST ARM CENTRAL MAGNET + MUON ARM BBC DC+PC1 TOF Akio Kiyomichi [RIKEN]

中心衝突度(Centrality)の決定 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 中心衝突度(Centrality)の決定 BBC charge sum ZDC energy Centrality selection: ビームカウンター(BBC)の荷電粒子数とゼロ度方向カロリメータ(ZDC)の中性子が落としたエネルギーの相関より決定。 Glauber モデルの計算により、Ncoll (# of binary collisions), Npart (# of participants), TAuAu(nuclear overlap function) を決定。 左の絵の説明が必要 Number of binary collisions, Number of participants, Nuclear overlap function Akio Kiyomichi [RIKEN]

飛行時間測定器の開発 時間分解能 プラスチックシンチレーター960本 衝突点より 5m 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 飛行時間測定器の開発 particle 96 slats/panel PMT 385cm Scintillator: 1.5x1.5x64cm 10 panels 200cm 時間分解能 200cm プラスチックシンチレーター960本 衝突点より 5m 時間分解能 ~100ps を達成。Overall で~120ps さて、飛行時間測定器の開発について説明します。 飛行時間測定器はプラスチックシンチレータと両読みの光電子増倍管の組み合わせでできています。 これが960カウンターで構成されており、衝突点より5mの位置に設置しています。 分解能はこの絵のように100psを達成しています。オーバーオールには120ps程度。 Scintillator: Bicron BC404 decay constant : 1.8 ns attenuation length : 160cm PMT : Hamamatsu R3478S Rise time : 1.3 ns Transit time : 14  0.36 ns Akio Kiyomichi [RIKEN]

解析の流れ Physics Results Calibration Raw distribution Correction Factor 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 解析の流れ Raw Data Monte Carlo Event Generation Event Selection Event Selection Track Reconstruction Track Reconstruction パラメータ Momentum Reconstruction Momentum Reconstruction Calibration Particle ID Particle ID Raw distribution Correction Factor Physics Results Akio Kiyomichi [RIKEN]

ハドロン測定 飛行時間測定により高横運動量までの粒子識別が可能。 粒子識別したハドロンのスペクトル解析を行う。 ハドロン測定用検出器 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 ハドロン測定 ハドロン測定用検出器 DCH+PC1: 曲率より運動量測定 TOF+BBC: 時間差より飛行時間測定 英語を消す 飛行時間測定により高横運動量までの粒子識別が可能。 粒子識別したハドロンのスペクトル解析を行う。 Akio Kiyomichi [RIKEN]

粒子識別 2 のPIDカット 粒子識別の範囲 中間子 : 0.2< p < 3.0 GeV/c 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 粒子識別 Angular resolution: =0.835mrad Multiple scattering: ms=0.86mrad GeV Time of flight, flight path: TOF=0.12ns 2 のPIDカット 粒子識別の範囲 中間子 : 0.2< p < 3.0 GeV/c K中間子 : 0.4< p < 2.0 GeV/c 陽子 : 0.6< p < 4.5 GeV/c 質量2乗と運動量の相関をとり2シグマの粒子識別カット Akio Kiyomichi [RIKEN]

Corrections モンテカルロシミュレーションにより補正係数を導出 検出器の領域、分解能、多重散乱、崩壊、磁場影響の補正 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 Corrections Acceptance, Decay and Multiple Scattering Correction Generated Detector Occupancy Correction Reconstructed モンテカルロシミュレーションにより補正係数を導出 検出器の領域、分解能、多重散乱、崩壊、磁場影響の補正 モンテカルロの発生分布と再構成分布の比より検出効率を求める。 検出器の占有率補正 モンテカルロ1粒子トラックを実データに組み込み、その再構成の成功率より検出効率を決定。 検出器の領域、分解能、多重散乱、粒子の崩壊、磁場の影響をモンテカルロシミュレーションにより補正する。 モンテカルロで発生させた一粒子分布に対する再構成した粒子分布を、運動量毎に比をとり検出効率を決める。各粒子毎。 金金衝突のような非常に高い粒子多重度の環境下では、検出器の占有率の影響を求める必要がある。 例:1検出器に2粒子通過したら識別できない モンテカルロで生成した1粒子トラックを実データに組み込み、その再構成の成功率より検出効率を見積もる。 結果  most peripheral : ~100%, most central : 80% (p), 83% (K), 85% (). Akio Kiyomichi [RIKEN]

系統誤差 カット範囲、Correction のエラーから見積もる。 ~10%程度 カットからの誤差の内訳 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 系統誤差 カット範囲、Correction のエラーから見積もる。 ~10%程度 カットからの誤差の内訳 : Fiducial cut 2%, Eloss cut 1%, Matching cut 3%, PID cut 5% Akio Kiyomichi [RIKEN]

結果:ハドロンの横運動量分布 Central 中心衝突 分布の傾きに大きな粒子依存が見える。 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 結果:ハドロンの横運動量分布 Central 中心衝突 分布の傾きに大きな粒子依存が見える。 高横運動領域で陽子・反陽子の生成量が中間子に等しい。 Peripheral 周辺衝突 粒子の質量依存が小さい 陽子陽子衝突の結果と同等 まず実験結果より横運動量分布を紹介します。 上がセントラル、下がペリフェラルのパイオン・ケイオン・プロトンのスペクトラになります。 これらの結果は今年の2月3月にPRCにpublishされています。 この横運動量分布から分かる傾向は、 Central : Low-pt側では粒子質量の応じて盛り上がりが見える。High-pt側では陽子のイールドはパイオンに等しくなる。 SPSまではパイ中間子の生成量に比べ陽子・反陽子の生成量は非常に少ないことからRHIC初めて見えた傾向。 Peripheral: 粒子の質量依存は少ない。 Akio Kiyomichi [RIKEN]

中心ラピディティ領域におけるp データとの比較 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 中心ラピディティ領域におけるp データとの比較 電磁カロリメータによる光子検出より測定(→) 中心衝突、周辺衝突ともにのスペクトラは とよく合う。 に比べて、特に低横運動量領域のデータを提供 Akio Kiyomichi [RIKEN]

spectra in Au+Au 200 GeV 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 spectra in Au+Au 200 GeV Approximately power-law shape for all centrality. Akio Kiyomichi [RIKEN]

spectra in Au+Au 200 GeV 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 spectra in Au+Au 200 GeV Approximately exponential shape in pT for all centrality. Akio Kiyomichi [RIKEN]

Proton and anti-proton spectra 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 Proton and anti-proton spectra Corrected for weak decay feed-down effect (~40% at 0.6 GeV/c, ~25% at 4 GeV/c). Strong centrality dependence in spectra shape at low pT (< 1.5 GeV/c). Akio Kiyomichi [RIKEN]

粒子生成比 一粒子分布の積分より収量を決定: 同種粒子の生成比は中心衝突度に依らない。 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 粒子生成比 一粒子分布の積分より収量を決定: 同種粒子の生成比は中心衝突度に依らない。 K/, p/ : increase rapidly for peripheral and then saturate (or rise slowly to central). Akio Kiyomichi [RIKEN]

統計熱力学モデルとデータの比較 サーマルモデルは様々な粒子生成比を再現。 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 統計熱力学モデルとデータの比較 サーマルモデルは様々な粒子生成比を再現。 金金 200 GeV 中心衝突のモデル計算 Tch = 177 MeV, mB = 29 MeV RHICおよびSPSの結果は格子QCDの予言する phase boundary と非常に近い Statistical Thermal model: P.Braun-Munzinger et al., PLB 518, 41 (2001). PHOBOS: B.B.Back et al., PRC 67, 021901(R) (2003). BRAHMS: I.G.Bearden et al., PRL 90, 102301 (2003). STAR: J.Adams et al., PRL92, 012301 (2004). PHENIX : PRC 69, 034909 (2004). Akio Kiyomichi [RIKEN]

p/p ratio vs. pT and centrality 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 p/p ratio vs. pT and centrality 特に電子陽電子衝突の結果と合うことから、ジェット起源のハドロン生成で説明 周辺衝突 : high-pT で陽子陽子、電子陽電子衝突の結果と同等。ジェットにより生成。 中心衝突 : 比は中心衝突度に応じて増加。 Akio Kiyomichi [RIKEN]

流体モデルによる一粒子分布の検証 局所的熱平衡+集団膨張運動 (Blast-wave model) 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 流体モデルによる一粒子分布の検証 s No Boost Boosted I0 , K1: modified Bessel function Ref:Sollfrank,Schnedermann,Heinz,PRC48(1993)2462. 局所的熱平衡+集団膨張運動 (Blast-wave model) フリーズアウト温度(Tfo)と膨張速度(T)で記述。 時空発展の終状態のパラメータを引き出すためのフィット。 , K, p の運動量分布を同時フィットし、 Tfo, T を2最小にするパラメータを求める。 平均膨張速度は速度プロファイルの取り方によらず一定。 線形プロファイルは流体での膨張を表す。 線形に近い形で、光速を超えない((r)<1)プロファイルを採用。 (r) そこで、流体模型の検証を行うために、モデルフィットを行います。 ブラストウェーブモデルは局所的熱平衡と集団膨張運動を仮定したモデルであり、温度と膨張速度で記述できます。 基本的に流体の時空発展の終状態パラメータを引き出すためのフィットです。 ローレンツ変換することにより、クロスセクションに対しブラストウェーブモデル式はこのように表され、 粒子密度は一定、プロファイルはローが線形を仮定しています。 また速度ベータは表面の速度なので、平均膨張速度はこのように求められます。表面速度の約3分の2 Average flow velocity: Akio Kiyomichi [RIKEN]

(Tfo , T)パラメータ空間でのカイ2乗検定 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 (Tfo , T)パラメータ空間でのカイ2乗検定 フィットの範囲: (mT-m0) <1GeV   : pT < 1.2GeV/c,  K : pT < 1.4GeV/c,  p : pT < 1.7GeV/c Upper figure show the 2 test result of simultaneous fitting for most-central spectra. Lower figure show 2 contours for each particles. There are strong anti-correlation between Tfo and T. PHENIX Au+Au most central: Tfo = 108MeV <T> = 0.57 カイ2乗検定の様子をここに紹介します。 先ほどのフィッティングを各温度、速度のペアに行い、それぞれのカイスクェアをこのパラメータ空間上に表示しています。 上の絵はセントラルイベントのパイオン、ケイオン、プロトンに対する同時フィットの結果です。 下は粒子ごとのフィット結果です。見て分かりますように、ラジアルフロー・ベータは重い粒子によって決められます。 PHENIX 実験の金金mostセントラルイベントに対するフィット結果は以下の通りでした。 200GeVでは温度〜平均膨張速度〜 0-5%:most central Akio Kiyomichi [RIKEN]

フィットの結果と問題点 周辺衝突事象へのフィット。pT 範囲により結果が変わる。 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 フィットの結果と問題点 周辺衝突事象へのフィット。pT 範囲により結果が変わる。 1GeV/c 以下の低運動量領域では共鳴粒子の崩壊の影響が大きいと予測。 周辺衝突 Pion 0.5<pT<1.2 GeV/c Pion 0.8<pT<1.2 GeV/c 周辺衝突にてパイオンに引っ張られる。 Akio Kiyomichi [RIKEN]

中間子の横運動量分布を考察 共鳴粒子の影響を考慮 共鳴粒子の崩壊の影響を加味した上で Blast-wave フィットを行う。 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 中間子の横運動量分布を考察 共鳴粒子の影響を考慮 Tfo~180MeV では 1GeV/c 以下の収量が増大 Tfo~100MeV ではスペクトラの傾きに大きな影響が無い 共鳴粒子の崩壊の影響を加味した上で Blast-wave フィットを行う。 Resonance:  , K, p, anti-p 0, , ,  K*, K*0, anti-K*0,  , , 0, , ++,anti- Akio Kiyomichi [RIKEN]

本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 共鳴粒子の影響を加えたモデルフィット Generate resonances with pT distribution determined by each combinations of Tfo, T. Decay them and obtain pT spectra of ,K,p. Particle abundance calculated with chemical parameters Tch = 177MeV, B = 29MeV (200GeV) Ref:P.Braun-Munzinger et al,PLB518(2001)41. Merge and create inclusive pT spectra.  2 test 次に、モデルフィットにレゾナンスの効果を加える手順を紹介します。 まず先ほどの式を元に、各種粒子に対してそれぞれの温度、膨張速度からpt分布を決めます。 そしてモンテカルロシミュレーションでディケイさせ、ディケイ後のパイオン・ケイオン・プロトンの分布を得ます。 足し合わせるときの、粒子の比はケミカルフリーズアウトの結果を用いました。 フロチャートを示しますとこのようになります。 レゾナンスはこれら粒子を入れており、得られた分布はこのようになります。 これと実験結果とでカイ2乗検定を行います。 Akio Kiyomichi [RIKEN]

Fitting the pT spectra Minimize contribution from hard process 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 Fitting the pT spectra Minimize contribution from hard process (mT-m0) <1GeV   : pT < 1.2GeV/c,  K : pT < 1.4GeV/c,  p : pT < 1.7GeV/c 特に のpT範囲: 0.8 -1.2GeV/c 0.5 -1.2GeV/c へ拡大 共鳴粒子の影響を入れることによって、pT<2GeV/cの全範囲を記述できる。 , K, p スペクトラを同時に説明するパラメータセット 金金 200 GeV 中心衝突 Tfo = 108MeV, <T> = 0.57 : SPSと同程度の温度、強い膨張 パイオン、ケイオン、プロトンのスペクトラに対して同時フィットを行いカイ2乗検定を行いました。 Mostセントラルとペリヘラルについてフィッティングの結果はこのようになっています。 一方、高い運動領域ではハイドロの計算と合わないことが見て取れます。これについては Akio Kiyomichi [RIKEN]

Centrality dependence of Tfo and <T> 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 Centrality dependence of Tfo and <T> 強い中心衝突度依存性を観測 @central: saturate @peripheral : Npart  0, Tfo increase, <T>  0 中心衝突における強い断熱膨張の効果。 各セントラリティに対するカイ2乗検定の結果です。 線は3シグマまでのレベルを示しています。 温度と速度それぞれについてセントラリティ依存をN_partで見ます。 セントラルでは飽和 ペリヘラルではN_partがゼロに近づくにつれ、温度は上昇し、速度はゼロに近づく様子が分かります。 議論 Akio Kiyomichi [RIKEN]

ビームエネルギー依存性 RHIC エネルギーにおいて最も強い等方的集団運動を観測 圧力勾配大 再散乱確率の増加 局所的熱平行状態 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 ビームエネルギー依存性 (from fits to , K, p spectra) 各種エネルギー中心衝突 <T >ビームエネルギーとともに増加 Tfo  AGS 領域より saturate RHIC エネルギーにおいて最も強い等方的集団運動を観測 圧力勾配大 再散乱確率の増加 局所的熱平行状態 Akio Kiyomichi [RIKEN]

Nuclear Modification Factor RAA , RCP 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 Nuclear Modification Factor RAA , RCP p+p の単なる足し合わせからのずれで定量化  pT [GeV/c] RAA 1.0 0.34 Croning effect binary collision scaling participant scaling 一方、高い運動領域ではハイドロの計算と合わない。 高いpT領域ではニュークリアモディフィケーションファクターで議論します。 イントロで示した図をもう一度 低運動量領域(pT < 2GeV/c) Npart scaling (全粒子生成量はNpartに比例) 高運動量領域 R = 1: pp の重ね合わせ(hard scattering)で記述 R < 1: 収量抑制効果 Akio Kiyomichi [RIKEN]

Central-to-Peripheral Ratio (RCP) vs. pT 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 Central-to-Peripheral Ratio (RCP) vs. pT Ncoll scaling Npart scaling Line: Blast-wave fit の 結果を延長 * Shaded boxes : Npart, Ncoll determination errors. 粒子依存を観測 Blast-wave fit の延長からは大きくずれる。 陽子・反陽子:収量抑制効果が見られない 中間子:強い抑制効果 Akio Kiyomichi [RIKEN]

理論との比較1:Hydro + Jet Model 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 理論との比較1:Hydro + Jet Model 3次元流体力学計算 QGP相からハドロン相への一次の相転移を仮定したEOS 初期条件:  = 0.6 fm/c にて エネルギー密度 E= EmaxW(x,y;b)H() Emax = 40GeV/fm3, W(0,0;0) = 1 = 1 fm/c 時の平均エネルギー密度 ~5 GeV/fm3  エネルギー臨界密度1~2GeV/fm3 より十分大きい ジェットの寄与 p0 data の suppression factor を再現するように調整。 Soft vs. Hard クロスポイント  : pT ~ 1.8 GeV/c. p : pT ~ 3.5 GeV/c. QGPを仮定した流体計算+ジェットの寄与 PHOBOS の dN/dy を再現するように初期条件を決める。 ジェットの寄与はパイゼロのスペクトラを再現するよう調整。 質量に依存して重い粒子ほど高い運動量までブーストされる。 低横運動量では成立。 陽子のような重い粒子は高い運動量までソフトの影響がある。 Hirano, Nara (Hydro + Jet Model) PRC69,034908(2004) [nucl-th/0307015] Akio Kiyomichi [RIKEN]

Hydro + Jet Model - p/ and RCP - 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 Hydro + Jet Model - p/ and RCP - Hirano, Nara (Hydro + Jet Model) PRC69,034908(2004) [nucl-th/0307015] Hydro+Jet モデルは p/p 比をよく再現する。 中間子に比べて陽子が抑制されない理由: 質量依存。集団運動で押し上げられる。 Akio Kiyomichi [RIKEN]

理論との比較2:Recombination Model 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 理論との比較2:Recombination Model Fries, Muller, Nonaka, Bass (Fragmentation/Recombination model) PRC68,044902(2003) nucl-th/0306027 Meson Baryon pQCD spectrum shifted by 2.2 GeV Teff = 350 MeV blue-shifted temperature バラバラになったクォークが位相空間で局所的に2つあるいは3つ集まった場合にハドロンを作る過程(Recombination) qq  Meson, qqq  Baryon クォーク2つの中間子より、クォーク3つのバリオンの方がより大きな運動量を作れる。 高運動量領域はジェットの破砕(Fragmentation)が有利だが、クォークの分布が熱的である中間運動量領域ではRecombination過程が支配的。 プラズマ物質クォークが局所的にくっついてクォークレベルでのコアレッセンスがおこる。 クォークの数に依存、クォーク2つのメソンよりクォーク3つのバリオンの方が運動量が大きい。 クォーク数スケーリング Akio Kiyomichi [RIKEN]

Recombination Tested Elliptic flow (v2): 生成粒子の方位角異方性の測定 クォークの数でスケール 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 Recombination Tested Reaction plane initial geometry final momentum anisotropy Elliptic flow (v2): 生成粒子の方位角異方性の測定 d2n/dpTd ~ 1 + 2 v2(pT) cos (2) クォークの数でスケール pT → pT / n , v2 → v2 / n , n = 2,3 for meson,baryon 集団運動はクォークレベルで発展していることを示唆 Akio Kiyomichi [RIKEN]

Recombination Model - p/ and RCP - 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 Recombination Model - p/ and RCP - Fries, Muller, Nonaka, Bass (Fragmentation/Recombination model) PRC68,044902(2003) [nucl-th/0306027] Recombination モデルは実験データをよく再現する。 中間子に比べて陽子が抑制されない理由:クォーク数依存 Akio Kiyomichi [RIKEN]

検証: メソン メソンの質量は陽子に近い。質量依存かクォーク数依存かの検証に有効 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 検証: メソン メソンの質量は陽子に近い。質量依存かクォーク数依存かの検証に有効 横運動量分布はBlast-waveモデルフィットの ,K,p と同じパラメータで記述。 同じ集団運動に乗る。陽子と同じ傾向。 Rcpは中間子と同じ傾向(メソン効果?) 陽子の中間 pT領域で抑制効果が見えないのは、質量依存では”ない”ことを示唆。→クォーク数による依存性、Recombination モデルを支持 Akio Kiyomichi [RIKEN]

まとめ PHENIX実験でハドロンの粒子識別を成功させた。 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 まとめ PHENIX実験でハドロンの粒子識別を成功させた。 sNN = 200GeVの金金衝突実験において、中心ラピディティ領域における中間子、K中間子、陽子・反陽子の横運動量分布および収量を測定した。 中間ー高運動量領域において、パイ中間子には強い収量抑制効果があるが、陽子・反陽子には見られない。 統計的熱力学モデルで粒子比を再現。 共鳴粒子の影響を加えた流体モデルの検証を行い、強い横方向膨張を確認した。 中間運動量領域のハドロン生成を説明する理論モデルとして Recombination model が有効であることを示唆。 QGP相の存在を示唆 Akio Kiyomichi [RIKEN]

予備審査からの改善点 Blast-wave の計算過程を Appendix に入れること。 理論モデルの記述をもっと詳しく書くこと。 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 予備審査からの改善点 Blast-wave の計算過程を Appendix に入れること。 P.109 - 112 に Appendix A として追加。 理論モデルの記述をもっと詳しく書くこと。 Section 5.4.2 (P.101 - 106) の理論との比較の記述を加筆、修正。 飛行時間測定器の記述をもっと詳しく。Appendix に入れること。 P.113 – 125 に Appendix B として追加。 Cronin effect の説明を詳しく入れること。 Section 1.3.2 (P.16) にて説明を追加。 Abstract を書き直すこと。 書き直しました。 発表にて、モデルの描像を詳しく説明。Npart, Ncollの説明。 前回、予備審査からの改善点として、本発表と提出した論文の変更点を列挙します。 Akio Kiyomichi [RIKEN]

重イオン衝突の時空発展 p K e jet p m g Hadron phase Kinetic freeze-out 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 重イオン衝突の時空発展 p K Hadron phase Kinetic freeze-out e jet m g p Mixed phase(?) Chemical freeze-out QGP phase pre-equilibrium initial state Bjorken’s Space-Time Picture ハドロンの多重生成はある固有時間  に起こる。 Tch - Chemical freeze-out 非弾性散乱の終了。粒子数固定。 Tfo - Kinetic freeze-out 弾性散乱の終了。運動量固定。 低運動量のハドロン測定より系の時間・空間発展の情報を得る。 ジェット、光子、レプトンより直接的なQGPの情報を得る。 これは重イオン衝突における系の時空発展を表している。 衝突直後、もしできているとすればQGP相ができ、だんだん冷えていく。 Akio Kiyomichi [RIKEN]

-/+, K-/K+ and p/p ratio vs. pT 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 -/+, K-/K+ and p/p ratio vs. pT For each of these particle species and centralities, the particle ratios are constant within the experimental errors over the measured pT range. Akio Kiyomichi [RIKEN]

横運動量分布と流体力学計算 QGPを仮定した流体力学計算は pT < 2 GeV/c 以下のすべて粒子のpT分布をよく記述する。 本審査/公開発表会, Feb. 16, 2005 横運動量分布と流体力学計算 Hydro-calculations including chemical potentials: P.Kolb and R. Rapp, Phys. Rev. C 67 (03) 044903 横運動量(pT)分布: 終状態における系の運動学的な温度や膨張の度合いを反映 流体計算との比較: (初期条件) QGPタイプの状態方程式 衝突初期の圧力が非常に高い ハドロン相へ急激に転移 (~10 fm/c) * Note: all data points are preliminary results (QM02). QGPを仮定した流体力学計算は pT < 2 GeV/c 以下のすべて粒子のpT分布をよく記述する。 Akio Kiyomichi [RIKEN]