GIスライドデッキ2016 以下の会議で発表された結腸直腸癌に関する特定の抄録:

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GIスライドデッキ2016 以下の会議で発表された結腸直腸癌に関する特定の抄録: 第18回世界消化管癌会議 2016年6月29日~7月2日 | バルセロナ、スペイン

ESDOからの書簡 親愛なる会員の皆様 今回、このESDOスライドセットをご紹介できることを大変光栄に思います。このスライドセットは、2016年に開催された主 要学会で発表された、消化器癌に関する重要な所見を強調・要約することを企図したものです。このスライドは特に2016 第18回世界消化器癌会議に焦点を当てており、英語および日本語でご利用いただけます。 腫瘍学における臨床研究の分野は、絶えず変化し続ける、厳しい環境下にあります。そうした環境下において、我々は皆、 科学者、臨床医および教育者としての役割において、知識の深化を促進し、さらなる進歩の契機をもたらしてくれる、科 学的なデータや研究所見の入手の機会を貴重なものであると考えています。消化器癌の領域における最新情報に関す る今回のレビューが、皆さまの臨床診療にとって有益なものとなることを期待しています。本件につきましてご意見・ご感想 などございましたら、是非お聞かせ下さい。お問い合わせはinfo@esdo.euまでお送りください。 最後に、このような活動の実現に際し、資金、運営管理および物流管理の面においてご支援いただいたLilly Oncology 社様に心より御礼申し上げます。 敬具 Eric Van Cutsem Wolff Schmiegel Phillippe Rougier Thomas Seufferlein (ESDO運営委員会)

ESDO腫瘍内科研究スライドデッキ 編集者(2016年) 結腸直腸癌 Eric Van Cutsem教授 ベルギー、ルーバン、大学病院、消化器腫瘍科 Wolff Schmiegel教授 ドイツ、ボーフム、フール大学、医学部 Thomas Gruenberger教授 オーストリア、ウィーン、ルドルフ財団クリニック、外科I 膵癌および肝胆道系腫瘍 Jean-Luc Van Laethem教授 ベルギー、ブリュッセル、エラスムス大学病院、消化器癌 Thomas Seufferlein教授 ドイツ、ウルム、ウルム大学、内科 I 胃食道・神経内分泌腫瘍 Philippe Rougier名誉教授 フランス、ナント、ナント大学病院 Côme Lepage教授 フランス、ディジョン、大学病院および国立衛生医学研究所 バイオマーカー Eric Van Cutsem教授 ベルギー、ルーバン、大学病院、消化器腫瘍科 Thomas Seufferlein教授 ドイツ、ウルム、ウルム大学、内科 I

用語集 1L 第一選択 2L 第二選択 3L 第三選択 5FU 5-フルオロウラシル AE 有害事象 ARCAD Aide et Recherche en Cancérologie Digestive BMI ボディ・マス指数 BSC 最善支持療法 Cap カペシタビン cfDNA 循環遊離DNA CI 信頼区間 CR 完全奏効 (m)CRC (転移性)結腸直腸癌 CRM 環状切除断端 CRTx 従来の化学放射線療法 CT 化学療法 ctDNA 血中循環DNA D 日 DCR 病勢コントロール率 (m)DOR 奏効期間(中央値) ECOG 米国東海岸癌臨床試験グループ EGFR 内皮増殖因子受容体 EMS 大腸壁外への腫瘍播種 EORTC-QLQC30 欧州がん研究・治療機構生活の質に関する重要な質問票 FFPE ホルマリン固定パラフィン包埋 FOLFIRI ロイコボリン、フルオロウラシル、イリノテカン FOLFIRINOX/ ロイコボリン、フルオロウラシル、イリノテカン、オキサリプラチン FOLFOXIRI FOLFOX ロイコボリン、フルオロウラシル、オキサリプラチン GemCap ゲムシタビン、カペシタビン H&E ヘマトキシリンおよびエオシン HR ハザード比 IC 免疫細胞 IHC 免疫組織化学 IL インターロイキン IQR 四分位範囲 ITT intent-to-treat IV 静脈内 KRASmt KRAS変異 LARC 局所進行直腸癌 LDH 乳酸脱水素酵素 LP-LA 左後方-左前方 MRI 核磁気共鳴画像法 MSI マイクロサテライト不安定性 MSI-H 高マイクロサテライト不安定性 MSS マイクロサテライト安定性 MUT 変異体 NA 該当せず NE 推定不能 NGS 次世代型シーケンス NR 未到達 OR オッズ比 ORR 全奏効率 (m)OS 全生存期間(中央値) OXA オキサリプラチン (q)PCR (定量的)ポリメラーゼ連鎖反応 PD 病勢進行 PD-L1 プログラム死-リガンド1 PFR 無増悪生存率 (m)PFS 無増悪生存期間(中央値) PD 薬力学 PK 薬物動態 PO 経口 PR 部分奏効 PS 一般状態 q2w 2週間に1回 qw 週1回 QoL 生活の質 R 無作為化 RECIST 固形癌の治療効果判定のためのガイドイラン RFS 無再発生存期間 ROC 受信者動作特性 RT 放射線療法 SAE 重篤な有害事象 SCCA 肛門扁平上皮癌 SCRTx 短期放射線療法と地固め化学放射線療法の併用 SD 病勢安定 SIRT 選択的内部照射療法 SLD 長径和 SNP 一塩基多型 SoC 標準的治療 TC 腫瘍細胞 WHO 世界保健機関 WT 野生型 Xelox オキサリプラチン、カペシタビン

スクリーニング、バイオマーカー、予後マーカー 30 結腸癌 55 結腸直腸癌 59 肛門癌 71 目次 結腸直腸癌 6 スクリーニング、バイオマーカー、予後マーカー 30 結腸癌 55 結腸直腸癌 59 肛門癌 71 注:特定のセクションにジャンプするには、番号を右クリックし、「ハイパーリンクを開く」を選択してください

結腸直腸癌

LBA-01: 転移性結腸直腸癌(mCRC)の第Ib相試験における、コビメチニブ(cobi)およびアテゾリズマブ(atezo)の安全性および有効性 – Bendell J ら 研究の目的 mCRCを有する患者を対象とし、コビメチニブ(MEK阻害剤)とアテゾリズマブ(抗PD-L1)の併用におけ る有効性と安全性の評価を行うこと PD コビメチニブ 20mg/日 PO + アテゾリズマブ 800mg IV q2w(n=2 [1 KRASmt + 1 WT]) 主要な患者選択基準 進行性固形腫瘍 ECOGのPSスコアが0~1 (n=23) コビメチニブ 60mg/日 PO + アテゾリズマブ 800mg IV q2w(n=20 [全てKRASmt]) コビメチニブ 40mg/日 PO + アテゾリズマブ 800mg IV q2w コビメチニブ 60mg/日 PO + アテゾリズマブ 800mg IV q2w (n=1 [KRASmt]) 用量漸増期間(3 + 3) 用量拡大期間 エンドポイント 安全性 ORR、mDOR、mPFS、mOS、6カ月OS Bendell J et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr LBA-01

LBA-01: 転移性結腸直腸癌(mCRC)の第Ib相試験における、コビメチニブ(cobi)およびアテゾリズマブ(atezo)の安全性および有効性 – Bendell J ら 主な結果 CRCを有する患者(n=23) 治療関連、n (%) グレード3のAE 8 (35) グレード4/5のAE 0 (0) 重篤なAE 2 (9) コビメチニブの投与中止につながったAE 4 (17) アテゾリズマブの投与中止につながったAE 患者の5%以上で発生したグレード3のAE % 下痢 9 有効性評価項目 ORR、%(95% CI) 17 (5.0、38.8) mDOR、カ月(範囲) NR (5.4~11.1+) mPFS、カ月(95% CI) 2.3 (1.8、9.5) mOS、カ月 (95% CI) NE (6.5、NE) 6カ月OS、% (95%CI) 72 (0.52、0.93) Bendell J et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr LBA-01

LBA-01: 転移性結腸直腸癌(mCRC)の第Ib相試験における、コビメチニブ(cobi)およびアテゾリズマブ(atezo)の安全性および有効性 – Bendell J ら 主要な結果(続き) 腫瘍量の変化 NA IC0 IC1 IC2 IC3 PD-L1 IC状態 ベースラインからの 最大SLD縮小率、% -60 -40 -20 20 40 50 -80 PR SD PD TC0 TCNA TC3 腫瘍細胞(TC)および腫瘍浸潤免疫細胞(IC)のPD-L1 IHC 状態は以下のように定義:TC3 = TC ≥ 50% PD-L1+ 細胞、IC3 = IC ≥ 10% PD-L1+ 細胞、 TC2 = TC ≥ 5% および < 50% PD-L1+ 細胞、IC2 = IC ≥ 5% および < 10% PD-L1+ 細胞、TC1 = TC ≥ 1% および < 5% PD-L1+ 細胞、IC1 = IC ≥ 1% および < 5% PD-L1+ 細胞、TC0 = TC < 1% PD-L1+ 細胞、IC0 = IC < 1% PD-L1+ 細胞。NA(非該当)、有効性評価が可能な患者。データが欠測もしくは評価不能な2名の患者は含まず。データ収集終了日、2016年2月12日。 Bendell J et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr LBA-01

LBA-01: 転移性結腸直腸癌(mCRC)の第Ib相試験における、コビメチニブ(cobi)およびアテゾリズマブ(atezo)の安全性および有効性 – Bendell J ら 結論 化学療法抵抗性のKRAS変異型mCRC患者において、コビメチニブ + アテゾリズマブの最大用量投 与は良好な忍容性を示した。 MSS患者においては、コビメチニブとアテゾリズマブ併用の場合のほうが、コビメチニブもしくはアテゾリズマ ブ単剤で期待されたよりも高い臨床的奏効率が認められた。 これらの結果から、コビメチニブは、、腫瘍細胞でのMHCクラスI分子の発現を増加させ、腫瘍内CD8 T 細胞の蓄積を促すことで、アテゾリズマブに腫瘍を反応させるものと考えられる。 詳細な解析および第III相試験が現在行われている。 Bendell J et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr LBA-01

LBA-05: RAS野生型(wt)転移性結腸直腸癌(mCRC)を有する中国人患者を対象とした、第一選択FOLFOX-4 ± セツキシマブ 非盲検、無作為化、第III相 TAILOR試験 – Liu T ら 研究の目的 RAS WT mCRC患者において、FOLFOX-4単剤に対し、1L セツキシマブ + FOLFOX-4の、有効性 および安全性を評価すること 主要な患者選択基準 組織学的に確認されたRAS WT mCRC CTまたはMRIにより測定可能な病変を1個以上有する (RECIST 1.0) ECOG PSスコアが1以下 中国人国籍 (n=393) セツキシマブ + FOLFOX-4*(n=193) PD/ 毒性 R 1:1 FOLFOX-4* 単剤 (n=200) PD/ 毒性 副次的エンドポイント OS、ORR 安全性 主要エンドポイント PFS(RECIST規準 v1.0に基づく) *セツキシマブ 400mg/m2 (D1)、続いて 250mg/m2/週、†オキサリプラチン 85mg/m2 (D1)q2w、5FU 400mg/m2ボーラス注入、続いて 600mg/m2/ 日 連続注入(D1、D2)q2w、ロイコボリン 200mg/m2 (D1、D2)q2w。 Liu et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr LBA-05

LBA-05: RAS野生型(wt)転移性結腸直腸癌(mCRC)を有する中国人患者を対象とした、第一選択FOLFOX-4 ± セツキシマブ 非盲検、無作為化、第III相 TAILOR試験 – Liu T ら 主な結果 PFS セツキシマブ + FOLFOX-4 (n=193) FOLFOX-4 (n=200) イベント件数 135 119 mPFS、カ月 9.2 7.4 95% CI 7.7、9.4 5.6、7.9 1.0 0.8 0.6 HR 0.69 (95% CI 0.54、0.89) p*=0.004 PFSの確率 0.4 セツキシマブ + FOLFOX-4 FOLFOX-4 0.2 3 6 9 12 15 18 21 24 27 30 33 36 経過期間、カ月 Liu et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr LBA-05 *ログランク検定

LBA-05: RAS野生型(wt)転移性結腸直腸癌(mCRC)を有する中国人患者を対象とした、第一選択FOLFOX-4 ± セツキシマブ 非盲検、無作為化、第III相 TAILOR試験 – Liu T ら 主要な結果(続き) OS セツキシマブ + FOLFOX-4 (n=193) FOLFOX-4 (n=200) イベント件数 139 161 mOS 20.7 17.8 95% CI 15.9、22.1 14.9、19.6 1.0 0.8 0.6 OSの確率 HR 0.76 (95% CI 0.61、0.96) p*=0.02 0.4 セツキシマブ + FOLFOX-4 FOLFOX-4 0.2 18 36 24 30 6 12 42 48 54 60 経過期間、カ月 セツキシマブ + FOLFOX-4 FOLFOX-4単剤 OR (95% CI)、p値† ORR、% 61.1 39.5 2.41 (1.61、3.61)、<0.001 Liu et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr LBA-05 *ログランク検定、†フィッシャーの直接確率検定。

LBA-05: RAS野生型(wt)転移性結腸直腸癌(mCRC)を有する中国人患者を対象とした、第一選択FOLFOX-4 ± セツキシマブ 非盲検、無作為化、第III相 TAILOR試験 – Liu T ら 主要な結果(続き) 結論 本試験で、RAS WT mCRCを有する患者においては、セツキシマブ + FOLFOX-4がSOC 1L 治療と なりうることを確認。 FOLFOX-4単剤に比べ、セツキシマブ + FOLFOX-4 は、PFS、ORR+ORRを有意に改善した。 安全性に関し、新たな所見や予期せぬ所見は認められなかった。 サブグループ解析が現在進行中である 患者の10%以上で発生したグレード3以上のAE、n (%) セツキシマブ + FOLFOX-4 (n=194) FOLFOX-4単剤 (n=199) 好中球減少症 120 (61.9) 86 (43.2) 白血球減少症 52 (26.8) 42 (21.1) 発疹 27 (13.9) 疲労 25 (12.9) 19 (9.5) 低カリウム血症 20 (10.3) 8 (4.0) 血小板減少症 13 (6.5) Liu et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr LBA-05

O-011: RAS/BRAF wt 転移性直腸結腸癌(mCRC)における、改良型FOLFOXIRI(mFOLFOXIRI)+ セツキシマブ(cet)、続いてcetもしくはベバシズマブ(bev)による維持療法: GONOによる第II相無作為化MACBETH試験の結果 – Antoniotti C ら 研究の目的 切除不能なmCRCを有する患者を対象とし、1L mFOLFOXIRI + セツキシマブの活性および安全性、 ならびにセツキシマブもしくはベバシズマブによる維持療法の役割について評価すること(当初KRASWT患 者、ただし2013年10月に訂正後はRAS/BRAF WT患者のみ対象) 主要な患者選択基準 評価可能、切除不能なRAS/BRAF WT(中央でのスクリーニング実施済み)mCRC 進行癌に対する化学療法の治療歴なし ECOG PSスコアが≤2 (n=143) mFOLFOXIRI + セツキシマブ* 最大8サイクル (n=59) PDまでセツキシマブ R 1:1 mFOLFOXIRI + セツキシマブ* 最大8サイクル (n=57) PDまでベバシズマブ 主要エンドポイント 10カ月無増悪生存率(PFR) 副次的エンドポイント 奏効、安全性 *セツキシマブ 500mg/m2 + イリノテカン 130mg/m2 + オキサリプラチン 85mg/m2 + ロイコボリン 200mg/m2 + 5FU 2400mg/m2(投与時間:48時間)q2w Antoniotti et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-011

O-011: RAS/BRAF wt 転移性直腸結腸癌(mCRC)における、改良型FOLFOXIRI(mFOLFOXIRI)+ セツキシマブ(cet)、続いてcetもしくはベバシズマブ(bev)による維持療法: GONOによる第II相無作為化MACBETH試験の結果 – Antoniotti C ら 主な結果 セツキシマブ (n=59) ベバシズマブ (n=57) 10カ月無増悪生存、n 26 23 二次切除率、% R0/R1/R2 R0 45.8 32.2 29.8 22.8 最高奏効率、% CR PR SD PD 判定不能 ORR DCR 5 63 24 3 67.8 92 4 72 14 6 75.4 89 Antoniotti et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-011

O-011: RAS/BRAF wt 転移性直腸結腸癌(mCRC)における、改良型FOLFOXIRI(mFOLFOXIRI)+ セツキシマブ(cet)、続いてcetもしくはベバシズマブ(bev)による維持療法: GONOによる第II相無作為化MACBETH試験の結果 – Antoniotti C ら 主要な結果(続き) 結論 2群のいずれも主要エンドポイントを達成しなかった ただし、mFOLFOXIRI + セツキシマブを4カ月間導入療法として用いることは、高いコンバージョン率を もたらす作用があり、OSの結果に良好な影響を与える可能性があると見られ、実現性がある。 患者の5%以上で発生したグレード3/4のAE セツキシマブ (n=59) ベバシズマブ )(n=57) 好中球減少症 28.8 33.3 下痢 20.3 15.8 皮膚の発疹 18.6 12.3 無力症 10.1 8.8 口内炎 6.8 5.3 神経毒性 6.7 Antoniotti et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-011

O-023: イスラエルでの直腸結腸癌試験の分子疫学において、MSI-H 転移性直腸結腸癌に対し基礎治療として化学療法を行った場合の観察データ結果 – Shulman K ら 研究の目的 MSI mCRCの治療において、最新式CT基礎治療およびベバシズマブの有効性を評価すること 試験デザイン MSI-H mCRCを有する患者で、ベバシズマブ併用/非併用下1L CT治療が行われた患者に関する データが、イスラエルの集団ベースCRC試験*のデータベースから抽出された 患者らは1998年~2010年に診断が下され、2013年12月まで追跡調査が行われた。 MSIの状態は、腫瘍および正常細胞において10個の分子マーカーを比較することで判定された。 転移の日付、死亡、治療の詳細が、コンピュータ化された薬局記録でサポートされた腫瘍の追跡調査 記録から抽出された。 エンドポイント 5年OS 疾患別生存率 *直腸結腸癌の分子疫学(MECC)試験 Shulman et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-023

O-023: イスラエルでの直腸結腸癌試験の分子疫学において、MSI-H 転移性直腸結腸癌に対し基礎治療として化学療法を行った場合の観察データ結果 – Shulman K ら 主な結果 治療ごとのOS 合計(N=87) BRAF-WT (n=69) mOS、 カ月 60カ月OS、 % 5FU 18.5 10 24.2 13 イリノテカン + 5FU 17.2 11 20.0 14 イリノテカン + 5FU + ベバシズマブ 13.8 6 21.9 8 オキサリプラチン + 5FU + ベバシズマブ 31 20.2 33 人口統計学的特性 平均年齢 63.5歳(31~86) 男性 47%(n=41) 同時性転移 41%(n=36) BRAF転移-20%) BRAF発現状況別のOS n イベント件数 HR (95% CI) p値 MUT 17 1.9 (1.1、3.3) 0.02 WT 69 56 - Shulman et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-023

O-023: イスラエルでの直腸結腸癌試験の分子疫学において、MSI-H 転移性直腸結腸癌に対し基礎治療として化学療法を行った場合の観察データ結果 – Shulman K ら 主要な結果(続き) MSI状態 + 治療(BRAF-WT腫瘍) 累積生存率 治療からの経過月数 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 10 20 30 40 50 60 MSI-H (n=69) HR 0.93 (95% CI 0.51、1.71) p=0.83 「最新式」CTレジメン* 5FU 累積生存率 治療からの経過月数 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 10 20 30 40 50 60 MSS (n=410) HR 0.54 (95% CI 0.44、0.56) p<0.001 「最新式」CTレジメン* 5FU 人口統計学的特性 平均年齢 63.5歳(31~86) 男性 47%(n=41) 同時性転移 41%(n=36) BRAF転移-20%) p=0.095 (治療について;MSI状態別) *全ての併用療法 vs. 5FU単剤。 Shulman et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-023

O-023: イスラエルでの直腸結腸癌試験の分子疫学において、MSI-H 転移性直腸結腸癌に対し基礎治療として化学療法を行った場合の観察データ結果 – Shulman K ら 主要な結果(続き) 結論 MSI-H mCRCを有する患者の一部では、著明かつ生物学的に明確な差異が認められる。 MSI-H腫瘍を有する患者はMSS腫瘍を有する患者に比べ、1L CTに対し異なる奏効性を呈する。 MSI-H腫瘍における最新式CTプロトコルによる治療効果は単純な5FUの効果と統計学的に差がない。 FOLFOX + ベバシズマブの併用療法は、MSI-H腫瘍における他の治療レジメンよりも著名な効果を   持つ。 MSS/BRAF陰性腫瘍では、5FU単剤と比べ「最新式」CTレジメンにより顕著な治療利益がある。 MSI状態ごとのOS(BRAF WT) 患者、n MSI-H 対 MSS HR (95% CI) p値* 5FU治療のみ 165 0.53 (0.30、0.92) 0.025 併用治療 479 0.77 (0.59、1.01) 0.062 *年齢の影響を調整済み。 Shulman et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-023

2剤併用レジメン: エンコラフェニブ* + セツキシマブ† (n=50) O-026: 進行性BRAF変異型直腸結腸癌(BRAFm CRC)を有する患者における、エンコラフェニブ、セツキシマブ±アルペリシブの併用: 第II相の結果 – Tabernero J ら 研究の目的 進行性BRAF変異型CRCを有する患者を対象としエンコラフェニブ + セツキシマブ ± アルペリシブ (PI3K阻害剤)の有効性と安全性を評価すること 3剤併用レジメン: アルペリシブ 300mg/日 PO + エンコラフェニブ* + セツキシマブ† (n=52) 主要な患者選択基準 進行性CRC BRAF V600変異型 前療法で1回以上失敗 (n=102) PD R 1:1 2剤併用レジメン: エンコラフェニブ* + セツキシマブ† (n=50) PD 主要エンドポイント PFS 副次的エンドポイント ORR、DCR、OS 安全性 *200mg/日 PO、 †400mg/m2 IV(第1回投与) 続いて 250mg/m2 毎週。 Tabernero et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-026

3剤併用レジメン施行下における、2剤併用レジメンとの比較におけるHR: 0.8 (95% CI 0.5、1.2); p=0.14 O-026: 進行性BRAF変異型直腸結腸癌(BRAFm CRC)を有する患者における、エンコラフェニブ、セツキシマブ±アルペリシブの併用: 第II相の結果 – Tabernero J ら 主な結果 PFS 3剤併用レジメン施行下における、2剤併用レジメンとの比較におけるHR: 0.8 (95% CI 0.5、1.2); p=0.14 確率、% 1回目の投与からの経過期間、カ月 100 80 60 40 20 2 4 6 8 12 14 16 18 10 打ち切り時点 3剤併用レジメン 2剤併用レジメン mPFS、カ月(95% CI) 3剤併用レジメン 5.4 (4.1、7.1) 2剤併用レジメン 4.2 (3.4、5.4) Tabernero et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-026 23 23

O-026: 進行性BRAF変異型直腸結腸癌(BRAFm CRC)を有する患者における、エンコラフェニブ、セツキシマブ±アルペリシブの併用: 第II相の結果 – Tabernero J ら 主要な結果(続き) OS(中間解析)* 3剤併用レジメン施行下における、2剤併用レジメンとの比較におけるHR: 1.1 (95% CI 0.6、2.0) 確率、% 無作為化からの経過期間、カ月 100 80 60 40 20 2 4 6 8 12 14 16 18 10 打ち切り時点 3剤併用レジメン 2剤併用レジメン mOS、カ月(95% CI) 3剤併用レジメン 13.1(7.7、NE) 2剤併用レジメン 12.4(7.6、NE) 奏効率 3剤併用レジメン(n=52) 2剤併用レジメン(n=50) ORR、%(95% CI) 27 (16、41) 22 (12、36) DCR、% (95% CI) 85 (72、93) 84 (71、93) mDOR、カ月(95% CI) 9.9 (2.8、11.0) 4.6 (2.0、6.7) *44件のイベント有り NE、推定不能。 Tabernero et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-026 24 24

O-026: 進行性BRAF変異型直腸結腸癌(BRAFm CRC)を有する患者における、エンコラフェニブ、セツキシマブ±アルペリシブの併用:第II相の結果 – Tabernero J ら 主要な結果(続き) 結論 進行性BRAF変異型CRCを有する患者において、エンコラフェニブ + セツキシマブ ± アルペリシブは有望 な臨床的効果を示し、従来のデータ(非表示)に比べ生存率が改善 アルペリシブをエンコラフェニブ + セツキシマブに追加して併用することにより、エンコラフェニブ + セツキシマブ のみの場合に比べPFSが改善する可能性がある 両レジメンとも忍容性は全般的に良好であった AEの発生率は、3剤併用レジメンの施行下において、2剤併用下よりも高くなっていた PK/PDを計画しバイオマーカーを解析することで、有効性と安全性のデータを解釈するのに役立つ可能性 がある。 患者の10%以上で発生したグレード3/4のAE、% 3剤併用レジメン(n=52) 2剤併用レジメン(n=50) 全てのAE 79 62 腹痛 10 8 高血糖症 13 2 貧血 17 6 リパーゼ上昇 22 Tabernero et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-026 25 25

O-027: 進行性直腸結腸癌におけるMABp1の第3相ピボタル試験 – Hickish T ら 研究の目的 進行性CRCを有し、OSと逆相関の関係にあることがわかっている複数の症状を呈する患者において、 最新式 抗IL-1α抗体療法を評価すること 主要な患者選択基準 mRC オキサリプラチンとイリノテカンを含む標準的化学療法に対し難治性を示す 他の症状/機能障害(疼痛、疲労感、食欲不振、ECOG PS 1/2)、体重減少または全身性炎症の増加 (n=309) 非盲検クロスオーバー延長 MABp1 + BSC (n=207) MABp1 + BSC R 2:1 プラセボ+BSC (n=102) プラセボ+BSC 主要エンドポイント 二重X線吸収測定法およびEORTC-QLQC30 を用いたOR 副次的エンドポイント 生存率、安全性、PDとの相関がわかっている 薬物動態パラメータ Hickish et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-027

O-027: 進行性直腸結腸癌におけるMABp1の第3相ピボタル試験 – Hickish T ら 主な結果 プラセボと比較し、MABp1治療患者におけるSAEの相対リスクは26%低下 プラセボと比較し、血小板数は5倍改善 MABp1治療患者においてSD発生率は53%上昇 主要エンドポイント MABp1 (n=207) プラセボ (n=102) p値 臨床的な奏効率、% 33 19 0.0045 客観的指標 非奏効例 奏効例 p値 除脂肪体重、kg 0.072 1.41 0.0007 主要随伴性血小板増多症、1000/mm3 33.3 -2.0 0.0002 全身性炎症(血清IL-6)、pg/mL 10.3 -3.38 Hickish et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-027

O-027: 進行性直腸結腸癌におけるMABp1の第3相ピボタル試験 – Hickish T ら 主要な結果(続き) 自己報告による結果 非奏効例 奏効例 p値 総合的なQoL -6.98 4.32 <0.001 役割機能 -13.43 3.87 感情的機能 -2.33 10.03 社会的機能 -6.71 10.16 痛み 16.19 -12.66 疲労 13.08 -10.85 食欲不振 17.34 -13.80 SD(8週間)、% 11.7 24.1 0.006 SAE発生率(8週間)、% 29.3 5.7 <0.01 Hickish et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-027

O-027: 進行性直腸結腸癌におけるMABp1の第3相ピボタル試験 – Hickish T ら 主要な結果(続き) 結論 MABp1を用いた抗体療法により、臨床的な奏効率は有意に改善された。すなわち、OSにおいて大き な利益があると言える。 mOS 11.5 対 4.2 カ月 奏効例/非奏効例 イベントまでの期間、カ月 打ち切り時点 非奏効例 奏効例 生存率 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 2 4 6 8 12 14 16 20 18 10 1.0 HR 0.31 (95% CI 0.20、0.48); p<0.001 Hickish et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-027

スクリーニング、バイオマーカー、予後マーカー 結腸直腸癌 スクリーニング、バイオマーカー、予後マーカー

O-012: 転移性直腸結腸癌を有する患者における肺転移の予後:ARCADメタ解析 – Henriques J ら 研究の目的 mCRC患者におけるOSに関し、肺転移の予後を評価すること 試験デザイン 肺転移に関する第一選択治療の臨床試験が、ARCAD(Aide et Recherche en Cancérologie Digestive)のデータベースから選択された。  OSは無作為化の日付および原因によらず死亡した日付に基づいて評価された、肺転移とのOSの相関 が一般集団と2群のサブグループ(1カ所の転移部位を有するサブグループ、2カ所以上の転移部位を持 つサブグループ)において調査された。 肺転移を持つ/持たない患者間で、ベースライン時の特性に関する異質性を評価するために、傾向スコ ア解析が行われた。 注:抄録からのデータのみに基づく。 Henriques et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-012

O-012: 転移性直腸結腸癌を有する患者における肺転移の予後:ARCADメタ解析 – Henriques J ら 主な結果 結論 mCRC患者において、肺転移はOSの長期化と相関があった。 この予防的効果は、転移部位が1カ所のみであった患者においてより顕著に認められた。 患者、n mOS、カ月 HR 95% CI p値 被験者集団全体 17,102 0.85 0.82、0.88 <0.0001 肺転移が認められ、転移部位が1カ所 955 24.9 22.7、27.2 0.71 0.67、0.75 肺転移が認められず、転移部位が1カ所 6399 20.0 18.7、21.6 肺転移が認められ、転移部位が2カ所以上 5564 15.3 14.8、16.0 0.94 0.90、0.97 0.001 肺転移が認められず、転移部位が2カ所以上 4184 14.4 13.8、15.0 注:抄録からのデータのみに基づく。 Henriques et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-012

O-013: 化学療法抵抗性の転移性直腸結腸癌(mCRC)を有する患者(pts)における12週間生存率推定の新たなノモグラム – Pietrantonio F ら 研究の目的 難治性を示す転移性直腸結腸癌(mCRC)に関し治験医師が評価を行った日から12週以内の死亡率を予測 するツール(ノモグラム)を開発すること 試験デザイン 2001年から2014年までの間に、8カ所のイタリアの治験実施施設において、mCRCを有しECOG PS ≤2 を示 す515名の患者からデータが取得された。 「難治性」とは、認定された標準的治療薬の最終投与後12週の間に病勢進行が認められた場合。あるいは許 容できない毒性が認められた場合と定義された。尚、標準的治療薬にはフルオロピリミジン、オキサリプラチン、イリ ノテカン、ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ((K)RAS野生型の場合)が含まれる。 ランダムフォレストモデルにおいて予後変数を処理し、12週以内の死亡確率を予測するためのノモグラムが構築さ れた。 これらの変数は、RI統計学的有意性に基づいて選択が行われ、奏効変数を並べ替えることで求められた。最終 的なノモグラムは、有意な変数のみを含むバイナリロジスティックモデルを使用して構築された。 注目すべき予後変数:性別、年齢、原発腫瘍発生部位、腫瘍切除、同時転移、転移の数と部位数、ECOG PS、癌胎児性抗原、血小板、白血球、ヘモグロビン、好中球/リンパ球の比、ナトリウム、アルカリホスファターゼ、 乳酸脱水素酵素、転移が診断されてから難治性が認められるまでの期間、施行歴のある治療数、RASおよび BRAF変異の状態 Pietrantonio et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-013

O-013: 化学療法抵抗性の転移性直腸結腸癌(mCRC)を有する患者(pts)における12週間生存率推定の新たなノモグラム – Pietrantonio F ら 主な結果 ポイント 原発性腫瘍切除 PS ECOG LDH (U/I) 腹膜転移 推定確率 観察された比率 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 合計ポイント 確率 内部の較正は、Hosmer-Lemeshow検定において至適であった。 (p=0.117) Pietrantonio et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-013

O-013: 化学療法抵抗性の転移性直腸結腸癌(mCRC)を有する患者(pts)における12週間生存率推定の新たなノモグラム – Pietrantonio F ら 主要な結果(続き) 開発用データセット(n=411)で得られた結果は、検証用データセット(n=359)において再現した。 結論 4個の患者特性/臨床的なパラメータ(ECOG PS、切除、乳酸脱水素酵素、腹膜播種性転移)を、難治 性mCRC患者における12週以内の死亡確率予測に用いることが可能である。 開発されたモデルは信頼性が高く、開発用データセットで得られた結果は検証用データセットにおいて十分 再現した。 このノモグラムにより、日常的な臨床現場において、mCRC患者の後治療の選択が大幅に改善されると見 込まれる。 さらに、研究者の余命予測に役立ち、治験の早期段階で登録の標準化を図るのに役立つと考えられる。 開発用データセット (n=411) 検証用データセット (n=359) Hosmer-Lemeshow検定 p=0.117 p=0.0001 ハレルのC指数(95% CI) 0.778 (0.730、0.824) 0.722 (0.717、0.824) Pietrantonio et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-013

O-014: 転移性直腸結腸癌患者を対象とした容量分析モデルにおける奏効の深さに関する評価:SIRFLOX試験の結果 – Heinemann V ら 研究の目的 mCRC患者において、mFOLFOX6(±ベバシズマブ)と比較し、1L mFOLFOX6(+ 医師の判断でベ バシズマブ)+ SIRT(Y-90レジンマイクロスフェア療法)による奏効の深さについて評価を行うこと SIRT + mFOLFOX6 (+ ベバシズマブ*) (n=267) PD/ 死亡/ 毒性 主要な患者選択基準 切除不能な肝臓のみまたは肝臓が主のmCRC 化学療法の施行歴なし WHO PS 0~1 (n=530) 層別化 肝外転移の存在、肝臓病変の程度、ベバシズマブ の使用、施設 R 1:1 mFOLFOX6 (+ ベバシズマブ*) (n=263) PD/ 死亡/ 毒性 エンドポイント 最新式容量分析モデルを用いた奏効の深さ、ベースラインにおける腫瘍量と腫瘍 縮小の相関 SIRT、選択的内部放射線療法 *治験医師の判断。 Heinemann et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-014

SIRT + mFOLFOX6 (± ベバシズマブ) (n=251) mFOLFOX6 (± ベバシズマブ) (n=235) O-014: 転移性直腸結腸癌患者を対象とした容量分析モデルにおける奏効の深さに関する評価:SIRFLOX試験の結果 – Heinemann V ら 主な結果 SIRT + mFOLFOX6 (± ベバシズマブ) (n=251) mFOLFOX6 (± ベバシズマブ) (n=235) p値 全患者 ベースラインにおける腫瘍体積(中央値)3(IQR) 奏効の深さ(平均値)、%(SD) 最小値までの期間(中央値)、日数(IQR) 219.4 (451.7) -75.0 (61.3) 266 (238) 166.6 (427.7) -67.8 (82.9) 206 (187) 0.421 0.039 <0.001 腫瘍量 ≤12% 肝臓関連PFS(中央値)、カ月 61.3 -72.5 (82.3) 243.5 (211) 15.1 68.4 (87.6) -80.6 (34.0) 220 (193) 12.2 0.912 0.763 0.152 0.112 腫瘍量 >12% 512.0 (713.7) -77.5 (29.2) 298 (246) 27.2 439.9 (590.1) -57.2 (109.2) 196 (176) 13.1 0.188 0.003 IQR、四分位範囲、SD、標準偏差。 Heinemann et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-014

O-014: 転移性直腸結腸癌患者を対象とした容量分析モデルにおける奏効の深さに関する評価:SIRFLOX試験の結果 – Heinemann V ら 結論 化学療法と比べ、Y-90レジンマイクロスフェア療法によるSIRTを受ける患者においては、肝臓の奏効の 深さが有意に増大する。 ベースラインにおいて12%を超える腫瘍量を持つ患者は、SIRTによる初回イベントで肝臓関連のPFS が有意に延長した。一方、腫瘍量が12%以下であった患者はCR率に大きな影響が認められた。 肝臓において、PFSの有用な予測因子となる可能性がある。 Heinemann et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-014

O-015: APEC試験において、転移性直腸結腸癌(mCRC)を持つRAS野生型(wt)患者で、第一選択療法としてFOLFOXまたはFOLFIRI + セツキシマブ隔週投与 を受ける患者において、奏効の深さ(DpR)と生命予後に関する相関 – Cheng A-L ら 研究の目的 APEC試験に由来するRAS-WT集団において、奏効の深さとPFSおよびOSの相関を評価すること セツキシマブ 500mg/m2 D1 q2w その後 FOLFOX (n=188) PD 主要な患者選択基準 mCRC KRAS-WT (n=289) セツキシマブ 500mg/m2 D1 q2w その後 FOLFIRI (n=101) PD 主要エンドポイント 奏効の深さ(定義:腫瘍縮小の最大値) 副次的エンドポイント PFS、OS、ORR、安全性 Cheng et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-015 39 39

O-015: APEC試験において、転移性直腸結腸癌(mCRC)を持つRAS野生型(wt)患者で、第一選択療法としてFOLFOXまたはFOLFIRI + セツキシマブ隔週投与 を受ける患者において、奏効の深さ(DpR)と生命予後に関する相関 – Cheng A-L ら 主な結果 全体 セツキシマブ + FOLFOX セツキシマブ + FOLFIRI ORR、% 64.7 62.7 68.4 mPFS、カ月 13.0 13.3 12.8 mOS、カ月 28.4 27.8 28.7 奏効の深さ(中央値)、%(IQR) 62.2 (39.1~80.0) 62.2 (40.0~80.7) 62.5 (38.1~79.0) 腫瘍のサイズが最小値に至るまでの期間(中央値)、カ月(95% CI) 5.9 (5.6、7.6) 7.4 (5.1、9.2) Cheng et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-015

O-015: APEC試験において、転移性直腸結腸癌(mCRC)を持つRAS野生型(wt)患者で、第一選択療法としてFOLFOXまたはFOLFIRI + セツキシマブ隔週投与 を受ける患者において、奏効の深さ(DpR)と生命予後に関する相関 – Cheng A-L ら 結論 これらの結果は、化学療法 + セツキシマブ週1回投与を含む同ピボタル試験の早期に行われたサブグルー プ解析と一致する。 奏効の深さは、奏効性を鋭敏に反映する指標であると考えられ、PFSおよびOSと関連する可能性が高い。 第II相APEC試験によれば、RAS-WT mCRCを有する患者で、腫瘍縮小効果が最大値を達成するに は、FOLFOXまたはFOLFIRI+セツキシマブによる治療において、休薬期間を設けるよりも継続することで 利益が得られる可能性があることが示唆されている。 Cheng et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-015

O-016: 直腸結腸癌の予後マーカー:倍数性と間質の組み合わせ解析 – Fotheringham S ら 研究の目的 早期CRC患者における、DNA倍数性と腫瘍間質に関する予後予測能を評価すること 試験デザイン DNAの量(倍数性)と間質腫瘍の比率の解析は、QUASAR2試験*に登録された1074名の患者に由 来するFFPE組織サンプルについて、自動デジタル撮像システムを用い実施された。 主要な組み入れ基準: CRCの、ステージIIIまたは高リスクにあるステージII患者 完全切除(残存病変の存在を示す証拠なし) 倍数性デジタル解析 DNAが2Nを呈する場合、サンプルは2倍体と分類された(低リスク) DNAが4N以上を呈する場合、4倍体と分類された(非2倍体;高リスク) 間質デジタル解析 間質細胞の割合はHE染色により判定された。 間質の割合が高い:≥50%(高リスク) 間質の割合が低い:<50%(低リスク) *カペシタビン + ベバシズマブによるアジュバント療法の調査。  Fotheringham et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-016

O-016: 直腸結腸癌の予後マーカー:倍数性と間質の組み合わせ解析 – Fotheringham S ら 主要な結果(続き) RFS - ステージII患者 1.0 低リスク: 2倍体、低間質比 5年RFS 90% 中リスク: 非2倍体、低間質比 5年RFS 80% 高リスク: 非2倍体、高間質比 5年RFS 65% 低リスク 対 高リスク HR 3.5 (95% CI 1.6、8.0) p=0.011 患者378例 0.8 0.6 PFS 0.4 p=0.011 0.2 2倍体、低間質比のHR = 1.0(n=120) 2倍体、高間質比のHR = 0.0(n=6) 非2倍体、低間質比のHR = 1.8(n=219) 非2倍体、高間質比のHR = 3.5(n=33) 2倍体、低間質比 2倍体、高間質比 非2倍体、低間質比 非2倍体、高間質比 2 4 6 8 術後経過年数 Fotheringham et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-016

O-016: 直腸結腸癌の予後マーカー:倍数性と間質の組み合わせ解析 – Fotheringham S ら 結論 高リスクにあるCRCステージII患者を、DNAの倍数性と間質を測定しそれらを組み合わせることにより、 各リスク群に分類することが可能である。 自動デジタル病理学的検査により、バイオマーカーの解析を患者治療戦略に採用しやすくなる。 追加的試験サンプル(n=2500)により大規模患者集団における結果を確認する予定。 最終的な目標は、患者に提供可能な予後予測検査を開発し、術後のアジュバント療法の使用に関 する情報を提供するのに役立たせることである。 Fotheringham et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-016

O-017: TGFBR1およびSMAD7の一塩基置換変異は直腸結腸スクリーニングに関する勧告を変化させうるか? – Mahon GAT ら 研究の目的 CRCプレスクリーニングにおける血液検査による遺伝子マーカーの役割を調査すること 試験デザイン 欧州の白人集団から、187名のCRC患者および94名の健康な対照例に由来する血液検体が採取された。 gDNA抽出後、選択されたシーケンスがPCRにより増幅され、続いて融解曲線分析が行われた。 各被験者において、TGFBR1(rs334348)および SMAD7(rs4939827)に対するSNPの状態が判定された。 種々のSNPに対する対立遺伝子の出現頻度とCRCの状態の相関が、ロジスティック回帰により評価された。 主要エンドポイント 高リスクと低リスクの被験者を見分けるための指 標が開発された。 副次的エンドポイント 指標の種々の閾値について調査が行われ、偽陽 性または偽陰性について、種々の相対コストに関 する検査の経済性を最適化した。 注:抄録からのデータのみに基づく。 Mahon et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-017 45 45

O-017: TGFBR1およびSMAD7の一塩基置換変異は直腸結腸スクリーニングに関する勧告を変化させうるか? – Mahon GAT ら 主な結果 TGFBR1に関し、G対立遺伝子と直腸結腸癌の間には、有意な相加的関連性が認められた。 AG(ヘテロ接合性)とGG(ホモ接合性)遺伝子型はどちらも、AA遺伝子型と比べリスクが高まった (OR 3.43、p<0.00005) 優位性に関しその他の有意な影響は認められなかった(OR 0.70、p=0.216) 有意な相加的効果は認められなかったものの(すなわち、SMAD7に関し、CCおよびTT遺伝子型に関 連のあるリスクは類似していた(OR 1.00、p=0.987)、顕著な優位性が認められ、CT ヘテロ接合体は リスクが低かった(OR 0.50、p=0.014) 感度の計算は、合計症例数に対する検査陽性症例の比として求められ、特異度は、合計対照数に対 する検査陰性対照数の比とされた。 特異度と感度の間のトレードオフがROC解析によって調査された。 感度が0.33の場合、特異度は0.96、感度が0.65の場合、特異度も0.65、感度が0.87の場合、特 異度は0.33であった。 ROC、受信者動作特性。 注:抄録からのデータのみに基づく。 Mahon et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-017

O-017: TGFBR1およびSMAD7の一塩基置換変異は直腸結腸スクリーニングに関する勧告を変化させうるか? – Mahon GAT ら 結論 これらの結果により、明確にリスクが高い群を予測できるようになることで、その群の人々に対し、反復結 腸内視鏡検査がガイドラインで定められているよりも早期に実施できる可能性があることが示唆された。 この価格が安い生殖細胞系列検査は、1回のみ実施するだけでよく、何歳でも行うことができる。現在 のガイドラインで推奨されている年齢よりもずっと若い年齢でも可能である。 Mahon et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-017

O-018: 直腸結腸癌患者に対する標的化次世代シーケンシングの臨床アプリケーション:多施設(ベルギー)での経験 – Fontanges Q ら 研究の目的 CRCに関する分子的改変の評価に関しNGSを用いた3年間の臨床経験について調査すること 試験デザイン Ion Torrent AmpliSeq大腸/肺癌パネルを用いると、22個の癌関連遺伝子における変異を検出するこ とが可能である。このパネルが、BELAC ISO 15189認証法によって前向きに臨床現場で用いられた。 741個の直腸結腸癌(原発性癌と転移を含む)のFFPE試料に由来するDNAが、14カ所の異なる施 設で採取され、Ion Torrent 個別ゲノム装置を用い標的NGSに用いられた。 Fontanges et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-018

O-018: 直腸結腸癌患者に対する標的化次世代シーケンシングの臨床アプリケーション:多施設(ベルギー)での経験 – Fontanges Q ら 主な結果 腫瘍ごとの変異型の平均数(範囲)は1.6(0~5)であった。 650個のサンプル(89.4%)において、少なくとも1個の変異型が観察された 最も観察数が多かったのは、TP53(61.8%)とKRAS(46.1%)であった。 遺伝子 変異を持つサンプル、% 本試験 cBioPortalデータベース KRAS 46.1 42~55 NRAS 4.4 2.8~9 BRAF 10.7 4.3~9.9 PIK3CA 13.8 14.8~30.6 ERBB2 変異 増幅 0.4 0.3 2.8~4 3.1 AKT1 0.1 0.9~1.4 Fontanges et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-018

O-018: 直腸結腸癌患者に対する標的化次世代シーケンシングの臨床アプリケーション:多施設(ベルギー)での経験 – Fontanges Q ら 結論 これらの結果により、AmpliSeq直腸/肺癌パネルは臨床現場で日常的に用いることができ、直腸結腸 癌患者に対し、信頼性の高い臨床的に重要な情報を提供することができることが示唆される。そして、 これらの患者において治療判断を促すのに用いることが可能である。 Fontanges et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-018

O-024: 転移性直腸結腸癌における腫瘍サンプル変異状態の代用となる、循環腫瘍DNA拡張型RAS変異体の解析、および、抗EGFR療法の適用患者の選択に与えるその影響 – Grasselli J ら 研究の目的 SoCに対しctDNAを用いたRAS状態検査の有効性を評価し、mCRC患者における抗EGFR療法の 適格性を検証すること 試験デザイン mCRC患者147名に対して、血漿およびFFPE腫瘍細胞においてBEAMingアッセイを用い、もしくは、 FFPE腫瘍細胞においてqPCRまたはパイロシーケンス法を用いSoC RAS検査により、RAS状態が評 価された。 主要エンドポイント RAS検査に関する一致率 副次的エンドポイント PFS、OS SoC 腫瘍 BEAMing腫瘍 BEAMing 血漿 RAS検査 感度、% 1~5 1 0.02~0.04 Grasselli et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-024

不一致率解析: 腫瘍でのみ検出された変異型 O-024: 転移性直腸結腸癌において、腫瘍サンプル変異状態の代用となる、循環腫瘍DNA拡張型RAS変異体の解析、および、抗EGFR療法の適用患者の選択に与えるその影響 – Grasselli J ら 主な結果 総合的な一致率:89.8%、κ指数0.81 (95% CI 0.71、0.90) RAS変異: 血漿のBEAMingにより40,1% 対 SoC腫瘍法により36.7%zz 一致率解析 BEAMing 血漿 RAS MUT WT SoC 腫瘍 49 5 10 83 合計 59 88 不一致率解析: 腫瘍でのみ検出された変異型 SoC 腫瘍 BEAMing 血漿 BEAMing 腫瘍 Codon CT療法の前歴(回数) 可能な説明 MUT WT KRAS G12 組織量の不足* 2 ctDNA 離脱 NRAS G13 KRAS Q61 分子的不均一性 *1cm未満の肝転移 数個、小型腹膜インプラント 3つ。 Grasselli et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-024

不一致率解析: 血漿でのみ検出された変異型 O-024: 転移性直腸結腸癌において、腫瘍サンプル変異状態の代用となる、循環腫瘍DNA拡張型RAS変異体の解析、および、抗EGFR療法の適用患者の選択に与えるその影響 – Grasselli J ら 主要な結果(続き) 不一致率解析: 血漿でのみ検出された変異型 SoC 腫瘍 BEAMing 血漿 BEAMing腫瘍 Codon CT療法の前歴(回数) 可能な説明 WT MUT KRAS G12 2 SoC 感度 KRAS A146 NRAS Q61 1 分子的不均一性 NA KRAS Q61 2L + 3L RAS WT SoC 腫瘍(n=51) BEAMing 血漿(n=47) mPFS、カ月(95% CI) 8.7 (6.43、10.23) 8.7 (6.77、11.27) Grasselli et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-024

OS(BEAMingによる血漿解析結果別) O-024: 転移性直腸結腸癌における腫瘍サンプルの変異状態の代用として、循環腫瘍DNAをRAS変異の解析に拡張して用いること、および、抗EGFR療法の適用患者の選択に与えるその影響 – Grasselli J ら 主要な結果(続き) 結論 抗EGFR療法に適格なmCRC患者において、ctDNA RAS検査と標準的細胞検査の一致率は89.8%に達した。 BEAMingによる血漿RAS検査では、抗EGFR療法に奏効する集団を捉えることができ、その精度は、腫瘍のSoC RAS検査のものと同等であった。 不一致率は、技術的な感度、時間もしくは空間的な不均一性、腫瘍の量の少なさなどの理由により説明可能である。 ctDNA解析の実現性・実用性は、抗EGFR療法の選択に関する臨床の実践に大きな影響を与える可能性がある。 イベント未発生下累積生存率 経過期間、カ月 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 10 20 30 40 50 60 n=147 WT RAS MUT OS(SoC腫瘍解析結果別) OS(BEAMingによる血漿解析結果別) 1.0 mOS、カ月 (95% CI) RAS MUT 28.7 (24.9、41.3) RAS WT 39.1 (32.1、NR) HR (95% CI) 1.65 (1.04、2.64) mOS、カ月 (95% CI) RAS MUT 27.8 (24.6、35.6) RAS WT 42.9 (36.5, NR) HR (95% CI) 1.92 (1.21、3.06) 0.8 0.6 イベント未発生下累積生存率 0.4 0.2 WT RAS MUT n=147 10 20 30 40 50 60 経過期間、カ月 NR、未到達。 Grasselli et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-024

結腸直腸癌 結腸癌

O-010: 直腸癌に関し3カ月および6カ月にわたるオキサリプラチンベースのアジュバント化学療法について比較を行う、国際第III相、無作為化、非劣性試験:第III相ACHIEVE試験(日本)におけるコンプライアンスと安全性 – Eto T ら 研究の目的 第III相ACHIEVE試験におけるコンプライアンスと安全性を評価すること 試験デザイン ステージIIIの癌患者(n=1313) 患者は、3カ月(n=651)または6カ月(n=650)に渡りオキサリプラチンベースアジュバント療法を受けた (mFOLFOX6またはXELOX) 注:抄録からのデータのみに基づく。 Eto et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-010

O-010: 直腸癌に関し3カ月および6カ月にわたるオキサリプラチンベースのアジュバント化学療法について比較を行う、国際第III相、無作為化、非劣性試験:第III相ACHIEVE試験(日本)におけるコンプライアンスと安全性 – Eto T ら 主な結果 3カ月 6カ月 mFOLFOX6 XELOX コンプライアンス、% 87.6 69.6 85.9 58.7 毒性による恒久的な投与中止、% 11.5 28.7 グレード3/4のAE、% 42.8 グレード2以上の神経障害、% 13.6 36.5 グレード3/4のAE、% mFOLFOX6 XELOX 好中球減少症 30.4 12.4 食欲不振 1.9 5.1 下痢 1.3 5.5 注:抄録からのデータのみに基づく。 Eto et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-010

O-010: 直腸癌に関し3カ月および6カ月にわたるオキサリプラチンベースのアジュバント化学療法について比較を行う、国際第III相、無作為化、非劣性試験:第III相ACHIEVE試験(日本)におけるコンプライアンスと安全性 – Eto T ら 結論 mFOLFOX6およびXELOXは、いずれも安全で、忍容性が良好であった ただし、6カ月群の患者では、5FU基礎治療によるグレード3~4の毒性の発生率が、3カ月群よりも有 意に高くなっていた。 さらに、コンプライアンスは3カ月群での方が良好であった。 注:抄録からのデータのみに基づく。 Eto et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-010

結腸直腸癌 直腸癌

O-019: 局所進行直腸癌におけるオキサリプラチン併用/非併用下での術前化学放射線療法を比較評価する第III相無作為化試験STAR-01のアウトカム結果 – Lonardi S ら 研究の目的 局所進行性直腸癌(LARC)を有する患者において、5FUをベースとする術前化学放射線療法(RT) にオキサリプラチンを併用する効果を調査すること 5FU + RT + オキサリプラチン* (n=362) 手術 + 4カ月間アジュバント5FU単剤療法 主要な患者選択基準 放射線学的に直腸周囲脂肪組織の存在を認め、肛門縁から12 cm以内の生検により証明された切除可能直腸腺癌  (n=747) 層別化 病期(ステージ) 治験実施施設 R 1:1 5FU + RT† (n=377) 手術 + 4カ月間アジュバント5FU単剤療法 主要エンドポイント OS 副次的エンドポイント 遠隔転移の累積発生率 *注入 5FU(225mg/m2/日)+ 骨盤への外照射(50.4 Gy、28分割) + 週1回 オキサリプラチン(60 mg/m2 x 6) †注入 5FU(225mg/m2/日) + 骨盤への外照射(50.4 Gy、28分割)。 Lonardi et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-019

O-019: 局所進行直腸癌におけるオキサリプラチン併用/非併用下での術前化学放射線療法を比較評価する第III相無作為化試験STAR-01のアウトカム結果 – Lonardi S ら 主な結果 2015年12月31日時点で、248件の死亡が確認され、追跡調査期間(中央値)は8.9年であった(四分 位範囲:8.1~9.9)。また患者の94.3%が、予定された追跡調査の90%以上を受けた。 無イベント生存 無イベント生存率 追跡調査、年 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 377 362 1 329 325 2 278 280 3 262 266 4 253 257 5 246 247 6 234 238 7 220 230 5FU + RT 5FU + RT + OXA イベント HR (95% CI) 141 121 1(基準) 0.86 (0.68、1.10) ログランク検定 p=0.238 リスクに晒されていた患者数 OS 1.0 0.8 0.6 全生存率確率 0.4 5FU + RT 5FU + RT + OXA イベント HR (95% CI) 136 112 1(基準) 0.82 (0.64、1.05) 0.2 ログランク検定 p=0.114 5 290 291 6 271 274 7 248 261 8 184 210 9 114 116 10 50 53 377 362 1 364 352 2 345 339 3 326 325 4 302 311 追跡調査、年 リスクに晒されていた患者数 5FU + RT 5FU + RT + OXA Lonardi et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-019

Fine and Grayの競合リスク解析に関する比例サブ分散ハザードモデル O-019: 局所進行直腸癌におけるオキサリプラチン併用/非併用下での術前化学放射線療法を比較評価する第III相無作為化試験STAR-01のアウトカム結果 – Lonardi S ら 主要な結果(続き) 5FU + RT + オキサリプラチン群(n=2、0.5%、p=0.001)に比べ、5FU + RT群では、手術の際、顕著 に多くの患者に転移が認められた(n=16、4.2%) 遠隔転移 - 累積発生率 遠隔転移 - HRの時間経過 Fine and Grayの競合リスク解析に関する比例サブ分散ハザードモデル 5FU + RT 5FU + RT + OXA イベント HR (95% CI) 102 87 1(基準) 0.86 (0.65, 1.14) 0.30 5FU + RT + OXA 対 5FU + RT 0.25 Grayの検査 p=0.299 0.20 遠隔再発の累積発生率 0.15 累積ハザード比 0.10 0.05 Fine and Grayに基づく競合リスク解析 5 254 252 6 245 243 7 234 377 362 1 336 331 2 287 290 3 272 273 4 201 266 追跡調査、年 無作為化からの経過期間、年 リスク患者数 5FU + RT 5FU + RT + OXA Lonardi et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-019

O-019: 局所進行直腸癌におけるオキサリプラチン併用/非併用下での術前化学放射線療法を比較評価する第III相無作為化試験STAR-01のアウトカム結果 – Lonardi S ら 主要な結果(続き) 結論 これらの結果により、統計学的には有意ではないが、遠隔転移の発現に小さな持続的影響が加わって いることが示される。また、これらの結果は、術前化学放射線治療にオキサリプラチンを1回/週併用投与 することの全身への効果に関する治験の仮説を支持するものである。 この差異は死亡に関する相対リスクにおいて想定されていた低下よりも小さいとはいえ、長期的利益は 3%(5年)~6%(8年)である。 死亡原因、n(%) 5FU + RT 5FU + RT + オキサリプラチン 疾患 92 (24.4) 77 (21.3) 毒性 1 (0.2) 2 (0.5) その他 29 (7.7) 24 (6.6) 不明 14 (3.7) 9 (2.5) 全体 136 (36.1) 112 (30.9) Lonardi et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-019

O-020: 術前化学放射線療法と地固め化学療法併用下での短期的放射線療法の比較を行う第III相試験(Polish-II試験)において、cT3およびcT4直腸癌の確定診断が下された患者の治療転帰に手術施設の経験が及ぼす影響 – Wyrwicz L ら 研究の目的 局所的に進行した結腸癌を有する患者において、従来の放射線療法の転帰に、手術実施施設の経 験が影響を及ぼすかどうかを調査すること SCRTx 群 短期間の放射線療法 (5Gy/日、5日間) + 地固め化学療法*(n=261) 主要な患者選択基準 局所進行直腸癌 3サイクルのGemCap*実施後の奏効/病勢安定 WHO PS 0~2 最大腫瘍径7cm (n=545) PD R 1:1 層別化 手術件数(多数[25~114] 対 少数[1~19]の施設) CRTx 群 従来の化学放射線療法 + オキサリプラチン qw(n=254) PD エンドポイント RFS、OS(以前報告済み) *FOLFOX4レジメンのもとで、3サイクルの5FU/ロイコボリン + オキサリプラチン。 注:抄録からのデータのみに基づく Wyrwicz et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-020

O-020: 術前化学放射線療法と地固め化学療法併用下での短期的放射線療法の比較を行う第III相試験(Polish-II試験)において、cT3およびcT4直腸癌の確定診断が下された患者の治療転帰に手術施設の経験が及ぼす影響 – Wyrwicz L ら 主な結果 R0切除率は、症例数の少ない施設に比べ、症例数の多い施設で改善が認められた(80% 対 72%) 3年間の追跡調査期間経過後、CRTxを受ける患者(64%、p<0.05)に比べSCRTxを受ける患者 (78%)での方がOSの有意な上昇が認められた。 5年後患者生存率は、SCRTx群とCRTx群でそれぞれ75%と60%であった。 症例数の少ない施設で処置を受けた患者においては、R0切除率(p=0.54)またはOS(p=0.718)に差 は認められなかった。 注:抄録からのデータのみに基づく。 Wyrwicz et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-020

O-020: 術前化学放射線療法と地固め化学療法併用下での短期的放射線療法の比較を行う第III相試験(Polish-II試験)において、cT3およびcT4直腸癌の確定診断が下された患者の治療転帰に手術施設の経験が及ぼす影響 – Wyrwicz L ら 結論 短期放射線療法と地固め化学放射線療法の併用は、局所進行直腸癌患者の治療に効果的である。 直腸手術の症例数が多い施設においては、術前化学放射線療法と比べ生存率が改善。 ただし、局所的コントロールにおいて顕著な改善なく高い生存率を確認するには、長期にわたる追跡調査 が必要である。 注:抄録からのデータのみに基づく。 Wyrwicz et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-020

O-021: 局所進行直腸細胞癌のための個別戦略 第II相多施設共同試験の先行結果(GRECCAR 4)– Rouanet P ら 研究の目的 短期・集中導入三剤併用化学療法に対する早期腫瘍奏効に基づき、局所進行性直腸細胞癌 (LARC)の個別管理の実現性を評価すること。ただし、同時に全群で90%RO切除率を最低にするこ とが条件である。 A群 即時的な手術 (n=16) アジュバント化学療法 奏効が良好な例 (腫瘍体積の縮小が 75%以上) R 主要な患者選択基準 導入CT(FOLFIRINOX)後の腫瘍奏効、MRIを用いて評価。 (n=206) B群 CRT(Cap 50) + 手術 (n=14) C群 CRT (Cap 50) + 手術 (n=113) 奏効が不良な例 (腫瘍体積の縮小が 75%未満) R D群 集中CRT(Cap 60) + 手術 (n=51) 主要エンドポイント 安全性、有効性 Cap、カペシタビン Rouanet et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-021

O-021: 局所進行直腸細胞癌のための個別戦略 第II相多施設共同試験の先行結果(GRECCAR 4)– Rouanet P ら 主な結果 ベースラインにおける患者特性を比較することにより、奏効良好例と不良例の差異が明らかになった。   奏効良好な例 奏効不良な例 A群 n=11 B群:Cap 50 n=19 C群: Cap 50 n=52 D群: Cap 60 n=51 女性、 n (%) 6 (54.5) 8 (42.1) 18 (34.6) 11 (21.6) 年齢中央値(範囲)、歳 66.0 (44~78) 63.0 (39~75) 61 (22~82) 62 (22~80) BMIの中央値(範囲)、kg/m2 25.3 (18.5~33.6) 24.6 (16.9~32.5) 25.4 (16.9~34.0) 25.5 (18.3~41.3) 腫瘍の組織分布 LP-LA、cm 中央値(範囲) 1.5 (0~5.8) 0 (0~10) 3.3 (0~11) 2.2 (0~44) 周径 ≥50%、n(%) 6 (66.7) 6 (50.0) 35 (94.6) 26 (74.3) 腫瘍体積、cm3 23.0 (3.0~148) 22.0 (10.0~57.4) 43.0 (8.3~387) 47.4 (3.3~312) CRM、mm 1.0 (0~3) 0 (0~5) 0 (0~20) EMS、mm 6.0 (3.0~11.0) 4.0 (1.0~16.0) 10.0 (1.5~40.0) 12.0 (0.5~50.0) CRM、環状切除断端、 EMS、大腸壁外腫瘍播種。 Rouanet et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-021

O-021: 局所進行直腸細胞癌のための個別戦略 第II相多施設共同試験の先行結果(GRECCAR 4)– Rouanet P ら 主要な結果(続き) 奏効不良例よりも奏効良好例において、導入化学療法に対する毒性が観察された。グレード3~4の毒 性を示した患者の割合は、A群、B群、C群、D群でそれぞれ63.6%、42.1%、36.5%、15.7%であった。   奏効良好な例 奏効不良な例 A群 (n=11) B群:Cap 50 (n=19) C群: Cap 50 (n=52) D群: Cap 60 (n=51) 手術なし 病勢進行 患者の中止 コンプライアンス不良 0 1 0 0 0 0 3 1 1 R0切除 n (%) 90% CI 10 (100.0) (74、100) 19 (100.0) (85、100) 43 (82.7) (72、91) 4 (87.8) (77、95) R1 癌性腹膜炎 病勢進行 9 (17.3) 0 0 2 (4.1) 1 (2.0) 3 (6.1) CRM、環状切除断端。 Rouanet et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-021

O-021: 局所進行直腸細胞癌のための個別戦略 第II相多施設共同試験の先行結果(GRECCAR 4)– Rouanet P ら 主要な結果(続き) CRMによる有効性 111 予測 + CRM ≥ 103 CRM >1、 有効性:93% C群は効果が低い群、 13% 不適格 結論 これらの先行的な結果によれば、導入治療に対する早期癌の奏効に基づく直腸癌の個別管理は実現 性がある。 ネオアジュバント化学療法に続き奏効を早期に評価することで、治療的切除の割合にマイナスの影響を 与えることなく、奏効良好例を不良例と区別することができる。 この戦略を確認するには、さらに長期の腫瘍学的および機能的データが必要である。 CRM 予測的CRM 病理学上のCRM ≤1 >1 A群 ≤1 >1 7 2 B群 ≤1 18 1 C群 ≤1 46 5 6 40 D群 ≤1 4 38 合計 ≤1 111 12 8 103 CRM、環状切除断端。 Rouanet et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-021

肛門癌

O-022: 治療経験のある転移性肛門管扁平上皮癌(SCCA)におけるニボルマブ単剤の多施設第II相試験 – Eng C ら 研究の目的 治療施行歴のある転移性SCCA患者におけるニボルマブの安全性および毒性を評価すること 主要な患者選択基準 転移性SCCA 1回以上の前治療歴を有するが免疫療法歴はないこと PD-L1発現 の有/無 ECOGのPSスコアが0~1 (n=39) ニボルマブ 3mg/kg IV q2w (n=37、毒性、 n=34、有効性) PD 主要エンドポイント ORR(RECIST規準 v1.1に基づく) 副次的エンドポイント PFS、安全性 SCCAC、肛門管扁平上皮癌。 Eng et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-022

O-022: 治療経験のある転移性肛門管扁平上皮癌(SCCA)におけるニボルマブ単剤の多施設第II相試験 – Eng C ら 主な結果 奏効率、n(%) CR 2 (5.4) PR 7 (18.9) SD 17 (45.9) PD 8 (21.6) 評価不能 3 (8.1) ORR (ITT、n=37) 9 (24.3) ORR (評価不能、n=34) 9 (26.4) 100 病勢進行 病勢安定 部分奏効 80 60 40 PD 20 ベースラインからの標的病変の縮小率(RECIST 1.1を基準とする) –20 PR –40 –60 –80 CR –100 患者 Eng et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-022

O-022: 治療経験のある転移性肛門管扁平上皮癌(SCCA)におけるニボルマブ単剤の多施設第II相試験 – Eng C ら 主要な結果(続き) 生存率、% 経過期間、カ月 PFS 100 80 60 40 20 2 4 6 8 10 12 14 mPFS 3.9カ月(95% CI 2.8、6.9) 転移性SCCA患者(n=37) 治療関連グレード 3 AE、% 貧血 疲労 甲状腺機能低下症 発疹 5 3 Eng et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-022

O-022: 治療経験のある転移性肛門管扁平上皮癌(SCCA)におけるニボルマブ単剤の多施設第II相試験 – Eng C ら 主要な結果(続き) 非奏効例と比較し、奏効例ではcfDNAの予測的相関は認められず、予後的相関も特定できなかった。 結論 ニボルマブ単剤療法は良好な忍容性と主要エンドポイント(ORR)を達成した。 遺伝子 型 発生率、n(%) p53 変異 12 (46) PIK3CA 5 (19) 増幅 3 (12) cfDNA、循環遊離DNA Eng et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-022