Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.

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Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng. 2011. 7.23 電子計算機工学 Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng. Keiichi MIYAJIMA

メモリアーキテクチャ -メモリ装置とメモリアーキテクチャ-

メモリアーキテクチャ メモリ装置とは? ①メモリのアーキテクチャ ->各種メモリ・階層構造 ②メモリアーキテクチャの目的 ->効果的な使用   ->各種メモリ・階層構造 ②メモリアーキテクチャの目的   ->効果的な使用   ->プログラムの効率的実行

メモリの構成 メモリセルをたくさん並べることにより構成されている。 セル それぞれに1ビットの情報が入る メモリセルマトリックス

メモリのアドレス メモリにはアドレスが割り振られている アドレス(2進数) 0 (0000) 1バイト(8ビット) 1 (0001) 0 (0000) 1バイト(8ビット) 1 (0001) 2 (0010) 3 (0011) 4 (0100) ・

メモリの内部構造 バッファ アドレス 制御信号 データ 列デコーダ 行デコーダ 制御回路 読み書き回路 メモリセルマトリックス 制御回路 データ 読み書き回路 アドレス情報はデコーダにより2次元のセルに対応される

メモリの種類 大きく分けるとROMとRAMに分けられる ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM

ROM ROM (read only memory) 電源を切ってもデータは消えない(不揮発性) ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM ROM (read only memory) 電源を切ってもデータは消えない(不揮発性) 電源を入れて最初に実行するプログラムなど、消えては困る情報を格納する。 その他、ゲームなど ROMはMASK-ROMとPROM(programmable ROM)とに分けられる

メモリの種類 大きく分けるとROMとRAMに分けられる ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM

MASK-ROM MASK-ROM IC内部の配線によってデータを記憶 内容の後からの変更は不可能 RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM MASK-ROM IC内部の配線によってデータを記憶 内容の後からの変更は不可能 内容の変更はICそのものの作り直しとなるため、大変な作業と莫大な費用がかかる。 内容の変更がなく大量生産する場合は、量産効果により単価が一番安くなる。 安定性に優れている。

メモリの種類 大きく分けるとROMとRAMに分けられる ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM

PROM PROM (programmable ROM) ユーザが後からデータを書き込むことができるROM PROMは大きく分けて ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM PROM (programmable ROM) ユーザが後からデータを書き込むことができるROM PROMは大きく分けて OTPROM (one time PROM) 1回のみ書き込みが行える EPROM (erasable PROM) 何度も書き込みが行える さらにUV-EPROM, EEPROM, フラッシュメモリに分けられる とに分けられる

メモリの種類 大きく分けるとROMとRAMに分けられる ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM

UV-EPROM UV-EPROM (ultra violet EPROM) 記憶内容の消去に紫外線を用いる 紫外線消去型EPROM ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM UV-EPROM (ultra violet EPROM) 記憶内容の消去に紫外線を用いる 紫外線消去型EPROM

EEPROM EEPROM (electrically EPROM) RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM EEPROM (electrically EPROM) 電源電圧より高い電圧をかけることにより、電気的にデータを消去でき、基盤に実装したままデータを消去して書き換えが可能 1ビットだけ書き換えると行ったような、細かい操作は出ない。全てのビットをいったん消去して書き換えなければならない。

フラッシュメモリ フラッシュメモリ EEPROMの欠点を改良したメモリ ブロック単位での消去/書き込みが可能 ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM フラッシュメモリ EEPROMの欠点を改良したメモリ ブロック単位での消去/書き込みが可能 デジタルカメラやゲーム機のメモリカード、PC等に使われるメモリスティックなど現在幅広く使われている。

メモリの種類 大きく分けるとROMとRAMに分けられる ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM

RAM RAM (random access memory) 任意に読み書きできる 電源を切るとデータは消える(揮発性) ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM RAM (random access memory) 任意に読み書きできる 電源を切るとデータは消える(揮発性) RAMはSRAMとDRAMとに分けられる

SRAM SRAM (static RAM) フリップフロップ回路によって構成 電源さえ供給されていれば記憶内容を保持することが可能 ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM SRAM (static RAM) フリップフロップ回路によって構成 電源さえ供給されていれば記憶内容を保持することが可能 読み書きの速度が高速 1メモリセルあたりの回路が複雑であるため、大容量化が難しく、コスト高 キャッシュメモリなど、コストより速度を重視する分野に使用される。

DRAM DRAM (dynamic RAM) コンデンサによって構成 コンデンサなので記憶内容の保持に頻繁なリフレッシュが必要 ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM DRAM (dynamic RAM) コンデンサによって構成 コンデンサなので記憶内容の保持に頻繁なリフレッシュが必要 リフレッシュ中はデータの読み書きができないので動作速度がSRAMより遅くなる 1メモリセルあたりの回路が簡単であるため、大容量化が容易、コスト安 コンピュータの主記憶装置として使われる

DRAMとSRAM

DRAMのアクセス時間とサイクル

DRAM DRAM (dynamic RAM) コンデンサによって構成 コンデンサなので記憶内容の保持に頻繁なリフレッシュが必要 ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM DRAM (dynamic RAM) コンデンサによって構成 コンデンサなので記憶内容の保持に頻繁なリフレッシュが必要 リフレッシュ中はデータの読み書きができないので動作速度がSRAMより遅くなる 1メモリセルあたりの回路が簡単であるため、大容量化が容易、コスト安 コンピュータの主記憶装置として使われる このDRAMにもアクセス高速化のためいくつかの種類がある

メモリの並列動作 インタリープ: メモリをバンクと呼ばれる単位に分割して、それぞれ独立してアクセスできるようにする バンクA 1 3 5 7 バンクB 2 4 6 8 見かけ上のアクセス 1 2 3 4 5 6 7 8 時間 見かけ上のアクセス時間を半分にできる

メモリインターリープの構成

DRAMの高速化 CPUの高速化←クロック速度の上昇→メモリアクセス速度向上の必要性 ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM CPUの高速化←クロック速度の上昇→メモリアクセス速度向上の必要性 SRAM:アクセスタイム2~25ns、1万円~2万円/1メガバイト DRAM:アクセスタイム60~120ns、200円~500円/1メガバイト ハードディスク:アクセスタイム10^7ns、10円~20円/1メガバイト (1998年頃) (元データは古いが、アクセスタイムとコストの関係は今も変わっていない)

SDRAMとDDRRAM DDR SDRAM (Double Data Rate SDRAM) SDRAM(Synchronous DRAM)に代わって、パソコン用のメモリの主流の地位を占めるようになったのが、DDR SDRAM SDRAM…クロック信号の立ち上がりを使ってデータの転送を行う(立ち上がりのみに同期) DDR SDRAM…クロック信号の立ち上がりと、立ち下りの両方を使ってデータを転送を行う(立ち上がりと立下りに同期) この結果、DDR SDRAMは、1クロックで2回のデータ転送を行えるようになり、SDRAMと比べて、理論的には最大2倍のデータ転送速度が得られる。

SDRAM

DDR RAM

DDR RAMの形状 DDR RAMは、Athlon、Duron用の主力メモリであり、Coreシリーズ用のマザーボードの大半も、このタイプのメモリを使用します。 現在の主流はDDR3と呼ばれるタイプで、そのデータ転送速度は21.2GB/sec(1333のデュアルモード)。

DDR SDRAMの形状

RD RAM Ramubus社が開発した、高速メモリチップの名称。 SDRAMの網目構造と違って、メモリチップが直列に並んでいるのが大きな特徴。現在は、データの転送方式を改良したDirect RDRAMが登場しており、パソコン向けのメインメモリやグラフィックスカードのビデオメモリとして採用  RDRAMのメモリモジュールの形状は、RIMM(RambusIn-line Memory Module)と呼ばれ、184個のピン(端子)がある。

RDRAMの形状

メモリの階層構造 高速 CPU (レジスタ) キャッシュメモリ メインメモリ 大容量 ハードディスク(仮想記憶) 外部記憶装置 ネットワーク (インターネット)

次世代のメモリ QRSL (Quad Rambus Signaling Level) クロック数を上げるために1 クロックあたり4値の低振幅信号を使うことで高速なデータ転送速度を実現した.

次世代のメモリ 次世代の不揮発メモリ

次世代のメモリ FeRAM(Ferroelectric RAM) (強誘電体)

次世代のメモリ Magnetic RAM

次世代のメモリ 次世代の不揮発メモリ

次世代のメモリ OUM(Ovonic Unified Memory) オブシンスキー効果

各種メモリの比較表

補助記憶装置 ・ハードディスク ・半導体ディスク ・ディスクキャッシュ ・光磁気ディスク(Magneto Optical disk) ・ハードディスク  ・半導体ディスク ・ディスクキャッシュ ・光磁気ディスク(Magneto Optical disk) ・光ディスク ・磁気テープ ・ディスクアレイ ・フロッピーディスク ・フラッシュメモリ ・ネットワークファイル装置 これらの装置については説明不要だと思うので説明しない。

本日のまとめ メモリアーキテクチャ1 -メモリ装置とメモリアーキテクチャ- メモリの構成 メモリの種類 メモリの高速化手法 メモリの階層構造 次世代のメモリ

本日の課題 次の4つの記憶装置をアクセス時間の短い順に並べ替えよ。 ア.CPUの2次キャッシュメモリ イ.CPUのレジスタ (H16年春, H10年春 改題) ア.CPUの2次キャッシュメモリ イ.CPUのレジスタ ウ.ハードディスク(磁気ディスク) エ.主記憶(メインメモリ) 2.SRAMとDRAMについてその特徴と用途の違いを記述せよ。 ( H20年改) 3.メモリインターリープについて記述せよ (H11年秋, H13年春 秋, H14年秋, H17年春, H18年秋 改題)