ゲノム分子生物学1 (金井 昭夫、柘植 謙爾、中東 憲治 )

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ウイロイド (Viroid) は塩基数が 200 ~ 400 程度と短い環状の一本鎖 RNA のみで構成 され、維管束植物に対して感染性を持つもの。分子内で塩基対を形成し、多くは 生体内で棒状の構造をとると考えられる。 ウイルスは蛋白質でできた殻で覆われているがウイロイドにはそれがなく、また プラスミドのようにそのゲノム上にタンパク質をコードすることもない。複製は.
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第 2 章 : DNA 研究法 2.2DNA クローニング クローニングベクター 大腸菌以外のベクター ゲノム分子生物学 年 5 月 7 日 担当 : 中東.
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ゲノム分子生物学1 (金井 昭夫、柘植 謙爾、中東 憲治 ) ゲノム分子生物学1 (金井 昭夫、柘植 謙爾、中東 憲治 ) 2008年度春学期 水曜日1時限(9:25-10:55) 科目コード: 44200 / 2単位 カテゴリ: (学部)先端開拓科目-環境情報-生命と身体 開講場所:SFC(湘南藤沢キャンパス)・TTCK(鶴岡タウンキャンパス) 授業形態:講義・遠隔あり(主にTTCKより)

ゲノム分子生物学1(ゲノムサイエンス) 1. 主題と目標/授業の手法など 2. 教材・参考文献 ゲノム分子生物学1(ゲノムサイエンス)  1. 主題と目標/授業の手法など 主題: ゲノムサイエンスは21世紀の生物学を担う学問の一つ 生命科学を専攻する大学生・大学院生にとって必須の学問分野 本授業と秋学期のゲノム分子生物学2で基本的な事象から、 最先端の議論まで 授業: 教科書「ゲノム3」 第I部 ゲノムを学ぶ 第II部 ゲノム解剖学 講師3人が分子生物学やゲノム研究に従事してきた経験から より具体的な解説を行う。 2. 教材・参考文献 教科書: 「ゲノム第3版」 T.A.BROWN [著]; 村松正實・木南 監訳 メディカル・サイエンス・インターナショナル ISBN:4895923371

ゲノム2 教科書の構成と講義内容 「ゲノム分子生物学1」 第I部 ゲノムを学ぶ ゲノム-トランスクリプトーム、プロテオーム研究法 第II部 ゲノム解剖学 ゲノム構造 「ゲノム分子生物学2」(秋学期) 第III部 ゲノムの機能 ゲノムの発現 第IV部 ゲノムの複製と進化 ゲノムの維持と変化

ゲノム分子生物学1(ゲノムサイエンス) 3. 授業計画 第2回 ガイダンスおよび「ゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム」 講師:中東 

第3回 DNAを知る  講師:中東

第4回 ゲノム地図の作成 1  講師:中東

第5回 ゲノム地図の作成 2  講師:中東

第6回 ゲノム配列の解析 講師:柘植

第7回 遺伝子の機能を調べる 1 講師:柘植

第8回 遺伝子の機能を調べる 2 講師:柘植
 第9回 ゲノムがどのようにして機能するかを理解する 講師:柘植
 第10回 真核生物ゲノム 
 第11回 原核生物ゲノムと真核生物の細胞小器官ゲノム 講師:金井
 第12回 ウイルスゲノムと動く遺伝子 講師:金井
 第13回 最終テスト  講師:金井、中東、柘植


ゲノム分子生物学1(ゲノムサイエンス) 4. 提出課題・試験・成績評価の方法など 5. 履修上の注意・その他 成績評価:期末テスト、小テスト、出席、授業態度を加味した上で評価 5. 履修上の注意・その他 ・本講義を受講するまでに、基礎分子生物学1-4を履修していることが望まれる。 ・授業は湘南藤沢キャンパス(SFC)でも鶴岡タウンキャンパス(TTCK)でも履修可能であるが、基本的にTTCKからの遠隔システムを用いて進められる。 ・より直接的な授業を望むならばバイオキャンプ時にTTCKで受講することを推奨する。 6. 前提となる知識(科目名等) 基礎分子生物学1-4で単位を取得していることが望まれる。 7. 履修者数制限(予定人数および制限方法) 履修人数を制限しない。

ゲノム分子生物学1 8. 授業URL 9. 学生が準備するソフト・機材 10. 授業に関する連絡先 akio@sfc.keio.ac.jp ゲノム分子生物学1  8. 授業URL (http://www.bioinfo.sfc.keio.ac.jp/class/GenomeScience/) ? 9. 学生が準備するソフト・機材 10. 授業に関する連絡先 akio@sfc.keio.ac.jp

第1章 ゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム Part 1 今日の講義内容 第I部 ゲノムを学ぶ  第1章 ゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム Figure 1.2 Genomes 3 (© Garland Science 2007)

ゲノムとは? Genome(ゲノム)=Gene(遺伝子)+ome(集団) 「ある生物をその生物足らしめるのに必須な遺伝情報」 すなわちその生物の遺伝子の総和 1920年にH. Winklerによって配偶子が持つ染色体の一組として定義された。後にコムギの研究を通して木原均(1930年)がある生物をその生物足らしめるのに必須な遺伝情報として概念的に定義し直した。 (Wikipedia) Transcriptome = Transcript(転写産物) + ome Proteome = Protein(タンパク質) + ome Metabolome = Metabolite(代謝産物) + ome Interactome = Interactant(相互作用) + ome Phenome = phenotype (表現型) + ome

遺伝子(Gene)とは? 遺伝子(いでんし)は生物の遺伝的な形質を規定する因子であり、遺伝情報の単位 遺伝情報は次世代に伝達される。 遺伝情報は生物の形質として発現する。 遺伝情報の実体は DNAの塩基配列である。

1.1 DNA 1.1.1 遺伝子はDNAで出来ている 遺伝情報の実体は DNAの塩基配列である。 必要であったか。

細胞の遺伝物質とは何か? 1.1 DNA 1866年 遺伝因子に関する論文 (G. Mendel) エンドウ 1869年 DNAの発見 (J. F. Miescher) ヒト白血球 酸性、リン酸に富む物質、細胞におけるリンの貯蔵? 1900年 メンデルの法則の再発見 1903年 染色体説 (WS Sutton) 。遺伝因子は染色体にある (染色体は核酸とタンパク質の複合体) 1928年 形質転換 (transformation) の発見 (F. Griffith) 1944年 形質転換物質の同定 (O. Avery) 1952年 バクテリオファージを用いた形質転換物質の同定 (A. Hershey and M. Chase) そもそも、遺伝子とは 子は親に似る、それが何らかの物質による物という考えはわりと新しい。 さらに、DNAと遺伝子を結びつけたのは有名なこれら3つの実験、それまではタンパク質が有力

形質転換 (transformation) の発見 (F. Griffith): 1928年 図 1.2 形質転換 (transformation) の発見 (F. Griffith): 1928年 The significance of pneumococcal types F Griffith - J. Hyg, 1928 Type 「免疫型(筴膜組成)の違い」 II III IV (全て病原性、S型) 肺炎球菌 (Streptococcus pneumoniae) 病原性のあるS株から、病原性の無い(筴膜のない) R型の突然変異株が 生じることがある。 IIS ⇔ IIRなど、逆もあるが、II ⇔ IIIなどの変異はおきない +

形質転換 (transformation) の発見 (F. Griffith): 1928年 図 1.2 形質転換 (transformation) の発見 (F. Griffith): 1928年 The significance of pneumococcal types F Griffith - J. Hyg, 1928 Type I, III, IVetc.. マウス死亡 Type II III IV (all S) マウス生存 Type IIR マウス生存 肺炎球菌 (Streptococcus pneumoniae) Type I, III, IV etc.. マウス死亡 Type IIR + Type I, III, IV etc..熱で死んだ方の型が 検出された! Type I, III, IV etc.. 形質転換した! 死んだ病原性型菌から遺伝物質がIIRに取り込まれた?

図1・3a 形質転換物質の同定(O. Avery): 1944年 図1・3a 形質転換物質の同定(O. Avery): 1944年 図 1.3 図 1.2 病原性型菌(SIII型)からの抽出物 熱処理  Wash(ppt.) 0.5% SDS,デオキシコール酸での溶出(sup.) エタノール沈殿(ppt., デオキシコール酸除去) クロロフォルム処理(タンパク質除去) 酵素によるポリサッカライド除去 エタノール沈殿でactive materialの濃縮 active materialを分析した結果、DNAの元素 組成とほぼ同じだった。 (ほぼ全てDNA)

図1・3a 形質転換物質の同定(O. Avery): 1944年 図 1.3 図 1.3 病原性型菌(SIII型)からの抽出物 熱処理  Wash(ppt.) 0.5% SDS,デオキシコール酸での溶出(sup.) エタノール沈殿(ppt., デオキシコール酸除去) クロロフォルム処理(タンパク質除去) 酵素によるポリサッカライド除去 エタノール沈殿でactive materialの濃縮 active materialを分析した結果、DNAの元素 組成とほぼ同じだった。 (ほぼ全てDNA) 僅かに残っている成分がactive materialの 可能性もあるので、 分解酵素による確認を行なった。 RNA分解酵素 形質転換を担うのは DNA? DNA分解酵素

バクテリオファージを用いた形質転換物質の同定 (A. Hershey and M. Chase): 1952年 図 1.4, 1.5 図 1.4, 1.5 INDEPENDENT FUNCTIONS OF VIRAL PROTEIN AND NUCLEIC ACID IN GROWTH OF BACTERIOPHAGE The Journal of General Physiology, Vol 36, 39-56 バクテリオファージT2 タンパク質とDNAより成る 大腸菌に感染 大腸菌 遺伝物質を注入 大腸菌に入るものこそが遺伝物質だ 37℃、20分 (P1 phage) 250~300個の子ファージ

バクテリオファージを用いた形質転換物質の同定 (A. Hershey and M. Chase): 1952年 図 1.4, 1.5 図 1.4, 1.5 INDEPENDENT FUNCTIONS OF VIRAL PROTEIN AND NUCLEIC ACID IN GROWTH OF BACTERIOPHAGE The Journal of General Physiology, Vol 36, 39-56 バクテリオファージT2 DNA:32P タンパク質とDNAより成る タンパク質:35S 大腸菌に感染 大腸菌 DNA, タンパク質それぞれを放射性同位体でラベル 遺伝物質を注入 大腸菌に入るものこそが遺伝物質だ 細胞内に取り込まれるほうが遺伝物質だろう 37℃、20分 250~300個の子ファージ

図1・3b バクテリオファージを用いた形質転換物質の同定 (A. Hershey and M. Chase): 1952年 図 1.4, 1.5 100% of 32P 100% of 35S 70% of 32P 20% of 35S 細胞内 30% of 32P 80% of 35S 細胞外

細胞の遺伝物質とは何か? DNAが遺伝物質かも知れない 1.1 DNA 1928年 形質転換 (transformation) の発見 (F. Griffith) 1944年 形質転換物質の同定 (O. Avery) :図1・3a 1952年 バクテリオファージを用いた形質転換物質の同定 (A. Hershey and M. Chase) :図1・3b 1953年 DNAの二重らせん構造の発見 (Watson and Crick) DNAが遺伝物質かも知れない 1953年当時のDNAの構造についての知識

1.1.2 DNAの構造 (ヌクレオチドの構造) アデニン シトシン グアニン チミン プリン塩基 ピリミジン塩基 プリン塩基 Figure 1.4 Genomes 3 (© Garland Science 2007)

DNAの構造 (ポリヌクレオチドの構造) ホスホジエステル結合 Figure 1.5 Genomes 3 (© Garland Science 2007)

DNAの構造 (ポリヌクレオチドの形成) とはいえ、DNAの構造自体は既に知られていた。ヌクレオチドが一列につながった高分子である。 Figure 1.6 Genomes 3 (© Garland Science 2007)

二重らせんへとつながる証拠 図 1.10 1953年 Watson and Crick 全ての要件を満たす構造 1. 生物物理学データ 図 1.10 1953年 Watson and Crick 1. 生物物理学データ (DNA繊維の水分含有量) 2. X線解析像 R. Franklin (らせん構造) 3. 塩基存在比 E. Chargaff 4. 原子の相対的配置 (模型の組立) 塩基存在比 (E. Chargaff) 全ての要件を満たす構造

図 1.11補足2 DNAの二重らせん構造 F. Crick J. Watson

DNAの二重らせん構造の重要な特徴 (1a) 図 1.11 DNAの二重らせん構造の重要な特徴 (1a) 1. 塩基対形成(水素結合)  AとT、GとCがペアになることで、安定で大きさの同じ塩基の組ができる 塩基のペア(塩基対)を真ん中に、逆方向にリン酸、糖のバックボーンが並ぶ

DNAの二重らせん構造の重要な特徴 (1b) 図 1.11 DNAの二重らせん構造の重要な特徴 (1b) 2. 塩基のスタッキング(p-p相互作用) による、安定な構造 外側に親水的なリン酸と糖、内側に 疎水的な塩基が位置する

(遺伝物質としての役割を示唆する重要な特性) DNAの二重らせん構造の重要な特徴 (2) (遺伝物質としての役割を示唆する重要な特性) 図 1.11補足 DNAの半保存的複製(鋳型依存性DNA合成)が容易に想像できる なんで2重らせんモデルが画期的だったか、その理由がここにある。 これによって、遺伝子がDNAであると、信じられるようになった。

二重らせんは柔軟な構造である Figure 1.9 Genomes 3 (© Garland Science 2007)

1.2 RNAとトランスクリプトーム 1.2.1 RNAの構造 Figure 1.10a Genomes 3 (© Garland Science 2007)

図 1.9 RNAとDNAの構造上の違い リボース(五炭糖)

DNA依存RNAポリメラーゼによるRNAの合成 Figure 1.11 Genomes 3 (© Garland Science 2007)

1.2.2 細胞に含まれるRNA コードRNA 機能性RNA(非コードRNA) トランスクリプトームの構成要素 Figure 1.12 Genomes 3 (© Garland Science 2007)

1.2.3 RNA前駆体のプロセシング Figure 1.13 Genomes 3 (© Garland Science 2007)

1.2.4 トランスクリプトーム Transcriptome Total messenger RNA expressed in a cell or tissue at a given point in time. (IUPAC Glossary of Terms Used in Toxicology, 2007) ある時間に、特定の細胞(組織、生物etc)に発現している(存在する)全てのmRNA 新たに合成される事はなく、細胞分裂時に親細胞から受け取り、 分解と新規合成による置き換わり(turnover)によって維持されている

プロテオーム Proteome Description of the complete set of proteins encoded by the genome. (IUPAC Glossary of Terms Used in Toxicology, 2007) 特定の細胞(組織、生物etc)に存在して、その細胞の持つ生理的活性を決めている全タンパク質 ある時間に、特定の細胞(組織、生物etc)に存在する全タンパク質 タンパク質が細胞の生理活性をになっている 新たに合成される事はなく、細胞分裂時に親細胞から受け取り、 分解とmRNAの翻訳による合成による置き換わり(turnover)によって維持されている

1.3 タンパク質とプロテオーム Figure 1.17 Genomes 3 (© Garland Science 2007)

1.3.1 タンパク質の構造 ペプチド結合 アミノ末端 カルボキシ末端 タンパク質の一次構造はアミノ酸がペプチド結合で繋がったポリペプチド Figure 1.15 Genomes 3 (© Garland Science 2007)

タンパク質の二次構造 ペプチド結合のバックボーンに形成される水素結合によってできるα-ヘリックス、β-シート等の立体構造(コンフォメーション) R-基は各構造の取りやすさに寄与するが、結合には参加しない Figure 1.16 Genomes 3 (© Garland Science 2007)

タンパク質の三次構造 二次構造を構成単位として、これらが折りたたまれて生じる3次元の立体構造 R-基が参加するため、一次構造によって多様な構造を取りうる 水素結合 静電的相互作用 疎水性相互作用 ジスルフィドボンド 等、様々な要素で安定化 Figure 1.17 Genomes 3 (© Garland Science 2007)

タンパク質に多様性をもたらすアミノ酸の多様性 R-基 Figure 1.18 Genomes 3 (© Garland Science 2007)

Figure 1.19 Genomes 3 (© Garland Science 2007)

トランスクリプトームとプロテオームの関係 DNAからRNAへの情報の流れ ・塩基間の1対1対応 ・塩基の対合によって相手を指定 RNAからタンパクへの情報の流れ ・4種類の塩基(A, U, G, C)で20種のアミノ酸をコードする ・塩基対のような物理化学的な必然性の欠如?

3.3.2 トランスクリプトームとプロテオームの関係 3.3.2 トランスクリプトームとプロテオームの関係 RNAからタンパクへの情報の流れに伴う疑問 ・塩基対のような物理化学的な必然性の欠如 mRNAと合成中のタンパク質をつなぐアダプター分子が存在? 1957, F. Crick 194x後半〜 in vitro タンパク質合成系の開発 cell free system for incorpotation of amino acids into protein fraction アミノ酸はいったんRNAと結合してからタンパク質に取り込まれる。 (A soluble ribonucleic acid intermediate in protein synthesis) 1958, HOAGLAND MB, STEPHENSON ML, SCOTT JF, HECHT LI, ZAMECNIK PC, J Biol Chem

3.3.2 トランスクリプトームとプロテオームの関係 RNAからタンパクへの情報の流れに伴う疑問 ・4種類の塩基(A, U, G, C)で20種のアミノ酸をコードする

3.3.2 トランスクリプトームとプロテオームの関係 3.3.2 トランスクリプトームとプロテオームの関係 RNAからタンパクへの情報の流れに伴う疑問 ・4種類の塩基(A, U, G, C)で20種のアミノ酸をコードする 図1.20 遺伝コード(genetic code)(普遍コード) 遺伝コードは普遍?

Figure 1.20 Genomes 3 (© Garland Science 2007)

“偶然の固定化(Frozen accident)”説 (F. Crick) 遺伝コードの成立と普遍性 “偶然の固定化(Frozen accident)”説 (F. Crick) (いったん固定化した後の変更は困難故、暗号は普遍的) 成立は偶然ではなかったかも知れない(説) ・特定のRNAがアミノ酸に結合 遺伝コードは普遍的でない ・種特異的な非普遍コードを使う生物(細胞内小器官)の存在 ・配列依存的コドン再指定(context-dependent codon reassignment) ・配列依存的フレームシフト

遺伝コードは普遍的ではない 種特異的な非普遍コードを使う生物(細胞内小器官)の存在 表3.2 非普遍コードの例(種特異的な変化) 生物種 コドン 普遍コード 実際の指定  ミトコンドリア ほ乳類 UGA 終止(termination) Trp AGA, AGG Arg 終止 AUA Ile Met ショウジョウバエ AGA Ser Yeast CUN Leu Thr  核 数種の原生生物 UAA, UAG Gln カンジダ(真菌) CUG  真正細菌 ミクロコッカス属 ユープロテス属 Cys マイコプラズマ属 CGG 表3.2 非普遍コードの例(種特異的な変化)

遺伝コードは普遍的ではない 種特異的な非普遍コードを使う生物(細胞内小器官)の存在 Trends Biochem Sci. 1999 Jun;24(6):241-7

遺伝コードは普遍的ではない 種特異的な非普遍コードを使う生物(細胞内小器官)の存在 Nonsence(unassigned)とstopは(本当は)違う!

普遍コード〜種特異的コードへの変化 1. 非常に小さなゲノムでのtRNA遺伝子数の節約 2. nonsenceを経由したコドン変化(codon capture theory) 3. nonsence を経由せず、曖昧なcodonを経由した? CUGコドンがLeu, Serどちらもコードする中間段階の存在

UGA 終止 → selenocysteine 遺伝コードは普遍的ではない 配列依存的コドン再指定 コンテキスト(周辺のmRNA構造)に依存して、終止コドンが21番目、 22番目のアミノ酸に読み替えられる。 UGA 終止 → selenocysteine UAG 終止 → pyrrolysine