少数多体系の観点からの ストレンジネスを含むエキゾチックな原子核

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少数多体系の観点からの ストレンジネスを含むエキゾチックな原子核 肥山詠美子(理研)

村山斉 機構長 講演会 “量子的宇宙” 東京大学高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構 12月4日(水) 3時00分-4時30分 村山斉 機構長 講演会 “量子的宇宙” 12月4日(水)  3時00分-4時30分 RIBF棟2階大会議室 2時半からお茶とお菓子を 用意してありますので ご利用ください。 共催 RIKEN iTHES (理論科学連携研究推進グループ) Kavli IPMU (カブリ数物連携宇宙研究機構)

1) 物理学の興味ある課題の中には、   少数粒子系(3体以上)のシュレーディンガー方程式を   「精密に」解くことに帰着する課題が多い。 2) 「精密に」解くことによって、新しい知見を得たり、 新しい予言や発見に至ることが しばしばある。 3) 従って、少数粒子系のシュレーディンガー方程式を、    a) 精密に解ける、     b) 容易に解ける、    c) 適用範囲が広い (システム、相互作用)   d) 初心者(大学院修士レベル)でも容易に修得できる、   そういう計算法を手にしていれば、心強い。

しかし、その開発は非常に困難である。なぜなら、 例えば、3体系に対する量子力学のシュレーディンガー 方程式は  しかし、その開発は非常に困難である。なぜなら、  例えば、3体系に対する量子力学のシュレーディンガー  方程式は  6変数 2階偏微分方程式(固有値問題) 粒子間ポテンシャル    (複雑な関数) 固有関数 粒子間ポテンシャル(複雑な関数) (x,y,z) (X,Y,Z) 固有値 固有関数 (境界条件:十分遠方で Ψ 0 )  4体系は、9変数 2階偏微分方程式となり、さらに困難 4

5体問題になると・・ 1)上村・肥山(日本) 2)新潟大学(日本)/ ATOMKI研究所(ハンガリー) 3)アルゴンヌ・ロスアラモス研究所 4)アリゾナ大学 5)・・・ 世界で10グループにも満たない。 ・・・というのが実状

2)それを用いて、物理学(原子核物理学)の研究に  私は、  1)この困難をどのようにして解決し、    新しい計算法を提唱したか、  2)それを用いて、物理学(原子核物理学)の研究に    どのように貢献して来たか。 について、講演

OUTLINE 1)原子核の世界の 3体問題・4体問題は なぜ難しいか。 解き方の一般論。 2)無限小変位ガウスローブ法(肥山):  1)原子核の世界の 3体問題・4体問題は    なぜ難しいか。 解き方の一般論。  2)無限小変位ガウスローブ法(肥山):    3体問題・4体問題の、適用範囲が広く、    高速で高精度な計算法の提唱。  3) 原子核物理学への応用:         ハイパー核物理 (「昨年、今年の epoch-makingな実験」に関する4体計算)

            Section 1    原子核の世界の3体問題・4体問題は    なぜ難しいか。 解き方の一般論。

原子・分子の世界 2体問題 3体問題 4体問題 ヘリウム原子など 水素分子など 電子 原子核 電子 2体間に働く相互作用 V(r) 原子・分子の世界は、電子と原子核で構成されている。 電子の質量 << 原子核の質量であり、かつ、 相互作用(クーロン力)が弱いため、良い近似解法があり、 3体問題・4体問題は、原子核の世界の3体問題・4体問題に 比べて楽に解ける。 (今、これ以上は踏み込まない) (今、これ以上は踏み込まない) 9

原子核の世界 2体問題 3体問題 4体問題 相互作用 V(r) しかし、原子核の世界では、中性子と陽子に働く相互作用 は非常に強いので、 楽な近似解法はない。 したがって、 精密に解く、適用範囲の広い方法を開発しなければならない。 10

原子核の世界の3体問題は組み合わせが多彩で複雑 2体問題は簡単 固く結合 緩く結合 もう1つ粒子が加わると 3体問題:複雑 固く結合 緩く結合 2つの粒子結合、1つの粒子が緩く結合     (3通りある) 11

2つの、2粒子グループ に分離(3通り) 4体問題は さらに複雑多彩 固く結合 緩く結合 3粒子グループ+1粒子 (4通り) 2つの、2粒子グループ に分離(3通り) 4体問題は さらに複雑多彩 固く結合  緩く結合 3粒子グループ+1粒子 (4通り)  これら全ての可能性(自由度)を取り入れて、4体問題を解かなければならない   12

量子力学的3体系、4体系のシュレディンガー方程式を     量子力学的3体系、4体系のシュレディンガー方程式を    厳密に(近似的ではなく)解く方法 を提唱 ・ 構成粒子は何でもよい、   質量、電荷を問わない。  V(R) 強い相関 (核力など) (電子、陽子、中性子、クオーク、・・・・・) ・ 粒子間に強い相関がある場合 にも精密に適用できる。 R R 現在は、 さらに 3体問題 4体問題 5体問題 13

進め方の特徴 私が創った研究法 「無限小変位ガウス・ローブ法」 (量子力学的3体・4体問題を こちらの研究を強化 してきた。今日は ハイパー核に焦点をあてる。 私の研究の 進め方の特徴 ハイパー核物理 フィードバック: 冷却原子物理 適用・貢献 私の研究法の発展 不安定核物理 私が創った研究法 「無限小変位ガウス・ローブ法」  (量子力学的3体・4体問題を   精密に解く方法) ミュオン触媒核融合 少数粒子系物理 ハドロン物理

Section 1.1 束縛状態のシュレーディンガー方程式の オーソドックスな解き方 15

3体系のシュレーディンガー方程式の一般形 H: ハミルトニアン r (x,y,z) 6変数の2階偏微分方程式の固有値問題 3体系のシュレーディンガー方程式の一般形  6変数の2階偏微分方程式の固有値問題  ( 固有値 E と 固有関数   を求める)。 H: ハミルトニアン 4体系:9変数、  5体系:12変数 R (X,Y,Z) 量子力学の教科書にある一般的な解き方: r (x,y,z) 未知関数   を、基底関数系 で展開し、 (できるだけ完全形に近い) ハミルトニアンをこの基底で対角化して、 固有値    と 係数    を求める。

Hi n Ni n Cn Cn = H i n= <Φi | H | Φn > 行列要素を計算(多変数積分)する。 N i n = <Φi | 1 | Φn > H i n= <Φi | H | Φn > *  ≡ ∬ΦiΦn dr dR (非直交系でもよい) 行列の一般化固有値問題となる。これを解いて 、 Hi n Ni n Cn = Cn エネルギー固有値のセット : ・・・・・ 1 , 2 , 3 , 波動関数のセット : ・・・・・ を得る。 1 , 2 , 3 ,

ここで、厳密解を得るために最も重要なことは、 良い基底関数を用いること  ここで、厳密解を得るために最も重要なことは、  良い基底関数を用いること  良い基底関数とは、 例えば、  1)すべての粒子間の(強い)相関を取り入れられる。  2)波動関数の遠方の漸近の形をよく記述できる。  3)行列要素の計算が容易に、   できるだけ解析的に行える。 N i n = <Φi | 1 | Φn > H i n= <Φi | H | Φn > 基底関数

Section 1.2   九大流 ガウス型基底関数展開法 19

九大流の「ガウス型基底関数展開法」による3体問題の解き方 (1988~) 1)粒子間のどこの相関も精密に取り入れるために、   3通りのヤコビ座標の組み方を使う。 20

2)波動関数を、3通りの座標の成分関数の和で表わす。 3)それぞれの成分関数を、3体の基底関数で展開する: 3体の基底関数 未知係数 4)エネルギー固有値と基底関数の未知係数を求める問題は、   前述の一般論で示したように、   行列の一般化固有値問題を解く事に帰着する。 21

3体の基底関数 (c=1) Clebsch-Gordon係数 ガウス型 等比数列

ガウス関数(サイズは等比数列)は次の記述に優れている 短距離の強い相関も compact な状態も 1 = 0 100 ガウス関数(サイズは等比数列)は次の記述に優れている 短距離の強い相関も compact な状態も 長距離の漸近領域のtailも dilute な状態も

Section 1.4   九大流 ガウス型基底関数展開法の難点 24

九大流  ガウス型基底関数展開法 (1988~) : 等比級数   九大グループは、さまざまな分野の  3体系の課題に適用して、   成果を挙げていた。

九大流 ガウス型基底関数展開法 (1988~) 九大流 ガウス型基底関数展開法の 難点 : 等比級数 九大グループは、さまざまな分野の 九大流  ガウス型基底関数展開法 (1988~) : 等比級数   九大グループは、さまざまな分野の  3体系の課題に適用して、 成果を挙げていた。 九大流 ガウス型基底関数展開法の 難点    しかしながら、4体系になると、   この基底関数では、計算が非常に困難。   球面調和関数の角度積分が大変だから。 以下で、3体系で示す

行列要素の積分を相互作用の座標(r3, R3) で行う 座標変換

行列要素の積分を相互作用の座標(r3, R3) で行う 座標変換 r 他3つも同様 その他に 計10個

3体系の行列要素式 r3, R3 において面倒なのは、 角度部分を表している球面調和関数の処理である。 角度積分し易いように、変形して行くと、 a)中心力の場合は、最終的に10個の球面調和関数が現れる。   角運動量代数(ラカー代数)の熟練者でないと大変。 b)複雑な相互作用(テンソル力、スピン軌道力、運動量依存力……) の場合は、10数個以上(しかも、中心力の場合より複雑な形で)。 c)4体系の場合は、中心力でも 24個現れる。 29

4体系の全ヤコビ座標(18通り) 30

Section 2   無限小変位ガウスローブ基底関数展開法            の提唱 31

右辺は、ガウス関数だけなので、多重積分が容易 左辺:従来の基底関数 右辺:無限小変位ガウス・ローブ基底関数 ε ε ε 丸いガウス関数を多方向に 瘤 (Lobe) のように ずらし, 重ね合わせて角度依存性を表し, ずれ が無限小の時, 左辺と同値になるように したものである。 右辺は、ガウス関数だけなので、多重積分が容易

ε ε " " 左辺:従来の基底関数 右辺:無限小変位ガウス・ローブ基底関数 ε ε 1) 2) 3) ε ε ε 2体問題 ε 係数 , 変位ベクトル        を決めるのは容易(今から示す) 注意事項: 変位が 有限でも、    より低次の項は、k の和でキャンセルする。 1) 2) 変位が 無限小でなければ、     より高次の項が mix してしまう. ε の処理は、行列要素の積分を解析的に行った後で行う (後で示す)。 3) ε " ε ε 2体問題 ε "

ε 最も簡単な例: l=0,m=1の場合 テーラー展開 ε ε (k=1,2) 無限小変位ガウス・ローブ基底関数の作り方 大雑把に 詳しく見ると テーラー展開 ε ε ε (k=1,2) Z-方向の単位ベクトル

無限小変位ガウス・ローブ法 (Infinitesimally-Shifted Gaussian Lobe) 左辺:従来の基底関数 右辺:無限小変位ガウス・ローブ基底関数 シフト係数 シフト・ベクトル  すべての積分は単純なガウス積分なので、手計算は非常に簡単。  面倒な球面調和関数は全く現れない。  シフトを無限小にする極限は、行列要素を解析積分した後に行う。  そこにも重要な工夫がある(省略)  3体・4体系の束縛状態関しては、汎用性が高く、  非常に精度の高い方法が確立した。

無限小変位ガウス・ローブ基底関数を使うことによって、 面倒な角運動量代数(ラカー代数)が無くなり、 4体系、5体系の計算 (従来のガウス基底関数展開法では、手を出せなかった計算) は大いに簡単になり (ビギナーでも容易に扱えるようになり)、 研究課題が一気に広がった。 計算法の詳細、有用なテクニック等は、レビュー論文   E. Hiyama, Y. Kino and m. Kamimura Prog. Part. Nucl. Phys. 51 (2003) 223. に書いてある。 また、高い精度で答え(エネルギー、波動関数)を得ることが できる。=>次の4核子束縛エネルギー計算を例にとる

Section 3          少数粒子系への応用 37 37

ベンチマーク テスト計算 --- 4核子束縛状態(4He核) PRC 64, 044001 (2001) , 7グループ(18著者) 4He 1. Faddeev-Yakubovski (Kamada et al.) 2. Gaussian Expansion Method (Kamimura and Hiyama) 3. Stochastic varitional (Varga et al.) 4. Hyperspherical variational (Viviani et al.) 5. Green Function Variational Monte Carlo (Carlson at al.) 6. Non-Core shell model (Navratil et al.) 7. Effective Interaction Hypershperical Harmonics EIHH (Barnea et al.) n n p p 4-nucleon bound state NN: AV8 Good agreement among the 7 different methods in the binding energy, r.m.s. radius and two-body correlation function

7グループによる国際ベンチマークテスト (2001) 4体問題における (左表)エネルギーの一致の様子 (右図)波動関数の一致の様子 肥山 肥山 39

これらの計算で分かったこと 「4体問題を解くための、非常に信頼できる理論を 確立したことになる。 また、少数多体系計算グループが、  「4体問題を解くための、非常に信頼できる理論を 確立したことになる。 また、少数多体系計算グループが、   このように 計算法の開発に関して、   互いに厳しく切磋琢磨している   ことがわかる。」

少数多体系のシュレーディンガー方程式を精密に解く 「無限小変位ガウス・ローブ法」の利点 クーロン3体問題は 10桁の精度  ・ 構成粒子は何でもよい、   質量、電荷を問わない。  V(R) 強い相関 (核力など) (電子、陽子、中性子、クオーク、・・・・・) R ・ 粒子間に強い相関がある場合 にも精密に適用できる。 R 現在は、 さらに 3体問題 4体問題 5体問題 41

進め方の特徴 私が創った研究法 「無限小変位ガウス・ローブ法」 2012年 RIBFセミナーで (量子力学的3体・4体問題を 講演 私の研究の 進め方の特徴 ハイパー核物理 フィードバック: 冷却原子物理 適用・貢献 私の研究法の発展 不安定核物理 私が創った研究法 「無限小変位ガウス・ローブ法」  (量子力学的3体・4体問題を   精密に解く方法) 2012年 RIBFセミナーで 講演 ミュオン触媒核融合 少数粒子系物理 ハドロン物理

Section 3.1          冷却原子系への応用 43 43

基礎的理論研究 4He 原子の3体・4体系 4He=電子の閉核、                   4He -4He間は中心力のみ 少数多体系分野が受け持つ諸課題の中の、最も基本的なもの。 原子核、原子分子、量子化学分野から、 多くの理論研究者が入り込んで競合 極度に強い 短距離斥力」 と 「外側の浅い引力」の下での 極度に浅い 束縛状態(3体・4体)を解くという 難しい課題

tetramer dimer trimer 4He + 4He 4He + 4He + 4He 4He + 4He + 4He + 4He 0.0 mK 0.0 mK dimer + 4He -1.30348 mK -2.2706 trimer + 4He 難問 だった -126.40 mK -127.33 -558.98 mK He 45

4He原子系 におけるuniversalityを暴くことに成功した。 詳細は、省く。 冷却原子物理 「精密に計算する」ことによって、 フィードバック: 4He テトラマー計算で得た新しい    計算技術経験    自分の研究法向上へ     のフィードバック 適用・貢献 私の研究法の発展 私が創った研究法 「無限小変位ガウス・ローブ法」  (量子力学的3体・4体問題を   精密に解く方法) 4He原子系 におけるuniversalityを暴くことに成功した。 詳細は、省く。 詳細は、 E. H. and M. Kamimura, Phys. Rev. A 85 (2012) 022502  E.H. and M. Kamimura, Phys. Rev. A 85 (2012) 062505

進め方の特徴 私が創った研究法 「無限小変位ガウス・ローブ法」 (量子力学的3体・4体問題を 私の研究の ハイパー核物理 フィードバック: 冷却原子物理 適用・貢献 私の研究法の発展 不安定核物理 私が創った研究法 「無限小変位ガウス・ローブ法」  (量子力学的3体・4体問題を   精密に解く方法) ミュオン触媒核融合 少数粒子系物理 ハドロン物理

Section 4          ハイパー核への応用 48 48

Major goals of hypernuclear physics 1) To understand baryon-baryon interactions Fundamental and important for the study of nuclear physics 2) To study the structure of multi-strangeness systems ここでは、構造の面白さに焦点を当ててお話する。

n n n n n n n n In neutron-rich and proton-rich nuclei, Nuclear cluster Nuclear cluster Nuclear cluster Nuclear cluster n n n n When some neutrons or protons are added to clustering nuclei, additional neutrons are located outside the clustering nuclei due to the Pauli blocking effect. As a result, we have neutron/proton halo structure in these nuclei. There are many interesting phenomena in this field as you know. このことが不安定核物理の発展につながった。

Λ Nucleus Question:How is the structure modified when a hyperon, Λ particle, is injected into the nucleus?

Nucleus hypernucleus nucleus hypernucleus The glue like role of Λ particle provides us with another interesting phenomena. Λ particle can reach deep inside, and attracts the surrounding nucleons towards the interior of the nucleus. Λ Λ There is no Pauli Pricliple between N and Λ. Nucleus hypernucleus Λ Due to the attraction of ΛN interaction, the resultant hypernucleus will become more stable against the neutron decay. Neutron decay threshold γ nucleus hypernucleus

Nuclear chart with strangeness Multi-strangeness system such as Neutron star Extending drip-line! Λ Outline Interesting phenomena concerning the neutron halo have been observed near the neutron drip line of light nuclei. How does the halo structure change when a Λ particle is injected into an unstable nucleus?

t n n n n 6H α Question : 中性子過剰核に Λ粒子を 注入すると 何が起こるか? ----- 中性子過剰ハイパー核の構造 n n n n 7He Λ 6H α Λ Λ t Λ Observed at J-Lab Phys. Rev. Lett.110, 012502 (2013) Observed by FINUDA group (Italy) Phys. Rev. Lett. 108, 042051 (2012). このような中性子過剰ラムダハイパー核の研究を行う上で、重要なことは、 コア原子核である中性子過剰核の性質を理解する必要がある。常に、 中性子過剰核とハイパー核の構造を両方の見据えながら研究を進めていく。

Section 4.1           7He ハイパー核の4体計算 Λ 55 55

α 6He : 最も軽い中性子過剰核の 1つ α 7He: 最も軽い中性子過剰 ハイパー核の1つ n n n n     1つ α 7He: 最も軽い中性子過剰     ハイパー核の1つ Λ n n α Λ J-LAB experiment-E011, Phys. Rev. Lett.110,012502 (2013).

6He 7He γ prompt particle decay Λ BΛ: EXP= 5.68±0.03±0.25 E. Hiyama et al., PRC53, 2075 (1996), PRC80, 054321 (2009) 6He prompt particle decay 7He Λ 2+ γ α+Λ+n+n 0 MeV 0 MeV α+n+n 5He+n+n 0+ Λ -1.03 MeV Exp:-0.98 5/2+ Halo state 3/2+ 現在励起状態 について解析中 BΛ=5.44 MeV(cal.) γ 1/2+ Observed at J-Lab experiment(2012) Phys. Rev. Lett.110,012502 (2013). BΛ: EXP= 5.68±0.03±0.25

6He 7He γ prompt particle decay Λ BΛ: EXP= 5.68±0.03±0.25 E. Hiyama et al., PRC53, 2075 (1996), PRC80, 054321 (2009) 6He prompt particle decay 7He Λ 2+ γ α+Λ+n+n 0 MeV 0 MeV α+n+n 5He+n+n 0+ Λ -1.03 MeV Exp:-0.98 5/2+ Halo state 3/2+ BΛ=5.44 MeV(cal.) γ BΛ: EXP= 5.68±0.03±0.25 中性子過剰核やハロー核の励起機構研究 に有用だろう 5/2+ →1/2+ 3/2+ →1/2+ 1/2+ 1/2+ Observed at J-Lab experiment(2012) Phys. Rev. Lett.110,012502 (2013). Observed at J-Lab experiment(2012) Phys. Rev. Lett.110,012502 (2013). BΛ: EXP= 5.68±0.03±0.25 -6.19 1/2+ この 6He と 7He のような組み合わせについての γ線測定がJ-PARCでなされることを期待する. -6.19 Λ

n n t Section 4.1 6H ハイパー核の4体計算 Λ E. H, S. Ohnishi, M. Kamimura, Y. Yamamoto, NPA 908 (2013) 29. 59 59

n n 6H Λ t Λ

n 5 H 6 H n 5H : super heavy hydrogen t t+n+n Phys. Rev. Lett. 108, 042051 (2012). Γ=1.9±0.4 MeV 1/2+ FINUDA experiment 1.7±0.3 MeV t+n+n+Λ t+n+n 5 H 4H+n+n EXP: BΛ= 4.0±1.1 MeV Λ 0.3 MeV 6 H Λ n n 5H : super heavy hydrogen t Λ

Before the experiment, the following authors calculated the binding energy using shell model picture and G-matrix theory. (1) R. H. Dalitz and R. Kevi-Setti, Nuovo Cimento 30, 489 (1963). (2) L. Majling, Nucl. Phys. A585, 211c (1995). (3) Y. Akaishi and T. Yamazaki, Frascati Physics Series Vol. 16 (1999). Akaishi et al. pointed out that one of the important subject to study this hypernucleus is to extract information about ΛN-ΣN coupling. Motivated by the experimental data, I calculated the binding energy of 6H and I shall show you my result. Λ

To calculate the binding energy of 6H, it is very important Framework: To calculate the binding energy of 6H, it is very important to reproduce the observed data of the core nucleus 5H. Λ transfer reaction p(6He, 2He)5H A. Korcheninnikov, et al. Phys. Rev. Lett. 87 (2001) 092501. Γ= 1.9±0.4 MeV 1/2+ 1.7±0.3 MeV Theoretical calculation N. B. Schul’gina et al., PRC62 (2000), 014321. R. De Diego et al, Nucl. Phys. A786 (2007), 71. calculated the energy and width of 5H with t+n+n three-body model using complex scaling method. 5H is well described as t+n+n three-body model. t+n+n threshold

n n n n t t 6H 5H Then, I think that t+n+n+Λ 4-body model is good model to describe 6H. Then. I take t+Λ+n+n 4-body model. Λ Λ n n n n t t Λ 6H 5H Λ

Before doing the full 4-body calculation, it is important and necessary to reproduce the observed binding energies of all the sets of subsystems in 6H. Λ Namely, all the potential parameters are needed to adjust the energies of the 2- and 3-body subsystems. 6H 6H Λ Λ 6H n n Λ n n n n Λ Λ Λ t t t

t t n n n n 6H Λ 6H Λ I take the Λt potential to reproduce the binding energies of 0+ and 1+ states of 4H. In this case, ΛN-ΣN coupling is renormarized into the ΛN interaction. n Λ n Λ Λ t 6H Λ n n I take the ΛN potential to reproduce the binding energy of 3H. Λ Λ t Λ

t n n Then, what is the binding energy of 6H? 0+ 6H 5H Γ=1.9±0.4 MeV  EXP Γ= 2.44 MeV  CAL 1/2+ 1.69 MeV 1.7±0.3 MeV I focus on the 0+ state. t+n+n 1+ n n σn・σΛ 0+ Λ t When a Λ particle is added to this nucleus, due to spin-spin interaction between Λ and nucleon, we have 0+ and 1+ state. Now, I focus on 0+ state. 6H Λ 5H Then, what is the binding energy of 6H? Λ

we do not obtain any bound state of 6H. Exp: 1.7 ±0.3 MeV Even if the potential parameters were tuned so as to reproduce the lowest value of the Exp. , E=1.4 MeV, Γ=1.5 MeV, we do not obtain any bound state of 6H. Γ=1.9 ±0.4 MeV Γ= 2.44 MeV Λ ½+ Γ= 0.91 MeV 1.69 MeV 1.17 MeV 0 MeV E=-0.87 MeV t+n+n+Λ t+n+n Γ=0.23 MeV 0+ 4H+n+n Λ - 2.0 4H+n+n 0+ Λ -2.07 MeV On the contrary, if we tune the potentials to have a bound state in 6H, then what is the energy and width of 5H? Λ

6H Then, I use t+n+n+Λ 4-body model for 6H and take the same t-n potential employed by N. B. Schul’gina et al., Nucl. Phys. A597, 197 (1996). Λ n n Λ t t n 6H Λ 3H-n scattering

5H It was difficult to reproduce the experimental energy and width of 5H, then, they introduced phenomenological attractive t-n-n three-body force. n n t 5H Using complex scaling method which is one of the powerful method to obtain energy and width of resonant state, I tune the strength , S3b, tnn three-body force. They fixed the strength of three-body force to be -30 MeV. And they used four different range of three-body potential like this. If we use this parameter, the calculated energy and width of ground state of 5H is good agreement with the center value of the experimental data. As increasing the this range, the calculated energy become lower and width become narrower. S3b=-57 MeV

Energy and width of 5H using tnn three-body force Exp. E=1.7 ±0.3 MeV ,  Γ=1.9 ±0.4 MeV As the strength of tnn three-body force is larger, the energy of 5H becomes lower and width becomes narrower.

n n 5 H n t 6 H n t 5H:super heavy hydrogen Γ= 1.9±0.4 MeV Phys. Rev. Lett. 108, 042051 (2012). 1/2+ 1.7±0.3 MeV FINUDA experiment t+n+n t+n+n+Λ 5 H EXP:BΛ=4.0±1.1 MeV 4H+n+n Λ t+n+n+Λ n n 0.3 MeV t 6 H Λ n n 5H:super heavy hydrogen t Λ But, FINUDA group provided the bound state of 6H. Λ

How should I understand the inconsistency between our results and the observed data? We need more precise data of 5H. A. Korcheninnikov, et al. Phys. Rev. Lett. 87 (2001) 092501. To get bound state of 6H, the energy should be lower than the present data. Question: Is it possible to measure the energy and width of 5H more precisely somewhere again? Γ=1.9±0.4 MeV Λ 1/2+ 1.7±0.3 MeV t+n+n

実験でも 崩壊幅がいろいろ。 崩壊幅は、波動関数 の広がりに重要。 こちらを実験で 決めてもらえると ありがたい。 [3] A.A. Korosheninnikov et al., PRL87 (2001) 092501 [8] S.I. Sidorchuk et al., NPA719 (2003) 13 [4] M.S. Golovkov et al. PRC 72 (2005) 064612 [5] G. M. Ter-Akopian et al., Eur. Phys. J A25 (2005) 315.

In our model, we do not include ΛNーΣN coupling explicitly. The coupling effect might contribute to the energy of 6H. Λ

Non-strangeness nuclei Σ N Δ 80 MeV Λ S=-2 ΞN N N 25MeV ΛΛ Δ In hypernuclear physics, the mass difference is very small in comparison with the case of S=0 field. 300MeV N Probability of Δ in nuclei is not large. Then, in S=-1 and S=-2 system, ΛN-ΣN and ΛΛ-ΞN couplings might be important.

Gal and D. J. Millener, arXiv:1305.6716v3 (To be published in PLB. They pointed out that Λ N-ΣN coupling is important for 6H. Λ It might be important to perform the following calculation: n n n n 6H + Λ t Λ 3N Σ

5 H Γ=1.9±0.4 MeV Phys. Rev. Lett. 108, 042051 (2012). 1/2+ FINUDA experiment 1.7±0.3 MeV t+n+n+Λ 0 MeV t+n+n 5 H Cal: -0.87 MeV EXP:BΛ=4.0±1.1 MeV 4H+n+n Λ ΛN-ΣN coupling ? Exp: -2.3 MeV This year, at J-PARC, they performed a search experiment of (E10 experiment) of 6H. If E10 experiment reports more accurate energy, we can get information about ΛN-ΣN coupling. Λ Σ 最近、E10の実験結果が報告された。

t+n+n+Λ No peak?! 4H+n+n Λ 0.3 MeV FINUDA data 6 H Λ

困ったことに、実験同士でデータ結果が異なる。 理論としてはどちらを信用していいかわからない。 理論家として言えることは、 6Hが束縛するのか、しないのか、 確定してほしい。 Λ

6Hのコア原子核である 5H を計算するために、 共鳴状態を求めることに成功。ハイパー核にも 7 Heのエネルギースペクトルを 計算予言し、実験値と誤差の範囲で 一致。 励起状態の解析を待っている状態。 Λ フィードバック: 適用・貢献 私の研究法の発展 私が創った研究法 「無限小変位ガウス・ローブ法」  (量子力学的3体・4体問題を   精密に解く方法) 6Hのコア原子核である 5H を計算するために、 共鳴状態を求めることに成功。ハイパー核にも 様々な共鳴状態が存在するので、そちらにも適用可能。 Λ

         おわりに Section 5

ハイパー核物理 冷却原子物理 不安定核物理 予想もしない 宇宙・天体核物理 少数粒子系物理 ハドロン物理 量子少数多体系の 新しい分野 適用・貢献 研究法の発展 予想もしない 新しい分野 量子少数多体系の 精密計算法 反物質科学 宇宙・天体核物理 少数粒子系物理 ハドロン物理 ITHESも活動中。 院生やPDにも 分担してもらって、 物理の発展に努めたい  中心の計算法を発展させながら、  新しい分野を開拓して行くことは非常に楽しい! 83 83

おわり