コミュニケーション・マネジメントを重視したITサービス企画開発方法

Slides:



Advertisements
Similar presentations
サイボウズ株式会社 2016/4月 版 「サイボウズ Office on cybozu.com」 すぐできるBOOK -スケジュール 編-
Advertisements

IBMユーザ研究会九州研T3 3.Web2.0を実際に使ってみた. Web2.0を実際に使ってみました 研究会をプロジェクトに見立 てて “ Google SpreadSheet ” で会議を開く “ SNS ” でコミュニケーションを補助する “ Wiki ” で成果物を共有する.
静岡大学情報学研究科 戸根木千洋 ユーザーイメージ収集 インターフェースの開発. 2 目次 背景と目的 研究の構成 研究の詳細 イメージ収集インターフェースの提案 映画イメージ収集システムの開発 システムの評価 今後の課題.
プロジェクト名称 Inception Deck (Project Charter) 201X.XX.XX.
ファーストステップガイド ( 管理者向け) ナレッジスイート株式会社 Copyright (c) knowledgesuite inc. All rights reserved.1.
1 アップデート 株式会社アプライド・マーケティング 大越 章司
3 班 北川 竜平 ( 検索担当 ) 星田 仁史 (html デザイン担当 ) 前田 一樹 ( ログイン画面担当 ) 鎗谷 浩明 ( プレゼン担当 ) 関 喜史 ( ブックマーク担当 )
事業計画フォーマット 応募書類「事業計画書」の作成・提出にあたっての留意事項 – 事業計画書は、一人一事業計画をご提出ください。 – 目次は変更しないでください。 – 収支計画などエクセルで作成いただいたものはサマリーをページに貼付ください。 エクセルを別添いただいた場合は評価の対象外となる場合があります。
コミュニケーション・マネジメントを 重視した IT サービス企画開発方法とそ の実施 静岡大学情報学部情報社会学科 湯浦研究室 4 年 六鹿槙美.
JSP を利用した 書店検索サイトの構築 佐々木研究室 03k1012 川村禎恵. 内容  背景  目的  サイトの説明  デモンストレーション  今後の課題.
情報学部ビジネスコンテ ストの開催とその活性化 方法 情報学部情報社会学科 IS 4年 7071-1047 孫 暁維.
ユーザーイメージ収集 インターフェイスの開発
企画書作成ソフトウェアの開発 佐々木研究室 05k1134 吉村祥平.
東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 亀田弘之
情報システム開発向け プロジェクト管理計画と その学習支援方法
「図書管理」のための Webアプリケーション開発 -Apache/Tomcat/MySQL/Java on Windows XP-
W e b 2.0 メディアコミュニケーション論Ⅲ 第4回.
リーンスタートアップを応用した 旅行計画の支援環境
テキストベースの会議における議論の効率化に関する研究
XXXの提案書 チーム名 サブタイトル(必要であれば).
PHPエディタによる 情報システム演習 01.
Rapid紹介 開発手法(Rapid活用)
OJT研修 「テスト実施、テスト設計の技術習得」 日時: 8月22日(月)  場所: 本社5階.
リーンスタートアップ法を適用した プロジェクト立案・計画方法
続 Entity Framework 入門 SQLWorld #8 サヴロウ.
2016/05/30 駒澤大学 経営学部 市場戦略学科 Mr4026 ばーちー
オンライン英単語・リスニング 学習ソフト 佐々木研究室 N02k1114 北隅 麻実.
第5章 要約 イノベーション・プロセスを設計する
PaaSの起源とxaaSの今後.
事業計画 発表者名 | 会社名.
ビジネスパターンに基づく クラウドシステムのサービスレベル設計
リーンスタートアップ・ビジネス 計画法における有効性の評価方法
情報系大学生の将来目標に関する 情報共有システムの構築と活性化方法
卒業論文 最終発表 WWW情報検索 ナビゲーションシステムの設計と実装
プロトタイプ PoC プロジェクト概要 6 weeks ソリューションの検討 ビジネスの理解 プロトタイプの範囲 本稼動 システム検討
パッケージソフトウェア利用コンピュータシステム構築委託契約書 パッケージソフトウェア、OS、第三者ソフトウェアの使用許諾契約
よりよいe-Learningの ための研究
卒業研究 先輩の経験談に基づいた就職活動の目標管理方法
開発流れ.
Youtubeへの 動画アップロード方法        D8694 初村 聡.
コースのタイトル 教師の名前 |コース番号.
学生の相互評価を用いた モデリング演習支援システム
~企画~ GO,桑田,ヒルズ.
ユースケース オブジェクト指向の要求分析のためのモデル。 スウェーデンのイヴァー・ヤコブソンが1990年代前半に開発。
技術参照モデルとシステム要件定義 に関する学習システム
プログラミング 設計資料 メンバー:.
リーンスタートアップ法を適用したプロジェクト立案・計画方法
すぐできるBOOK -プロジェクト編-.
XP Extreme Programming.
Satoimo 最終発表 PM 吉田浩二 篠崎友識 野上大輔 姉崎祐樹.
すぐできるBOOK -スケジュール編-.
技術参照モデルとシステム要件定義 に関する学習システム
学生の相互評価を用いた モデリング支援システムの開発
すぐできるBOOK -基本設定編-.
SaaS/PaaSの起源とこれから 株式会社アプライド・マーケティング 大越 章司
“SFC SUBWAY Maniacs” プロジェクト計画書
All Rights Reserved, Copyright © 2004, Kobayashi
W3CがHTML5を勧告として公開 ( ).
ビジネス プロジェクトの計画 発表者名 | 会社名.
Firebaseを用いた 位置情報共有システム
早稲田大学大学院 基幹理工学研究科 情報理工学専攻 後藤研究室 修士1年 魏 元
PaaSの起源.
パッケージソフトウェア利用コンピュータシステム構築委託契約書 パッケージソフトウェア、OS、第三者ソフトウェアの使用許諾契約
設計情報の再利用を目的とした UML図の自動推薦ツール
教育情報共有化促進モデル事業報告 中学校数学 平成16年1月31日 岐阜県 学習システム研究会「楽しく学ぶ数学部会」
コースのタイトル 教師の名前 | コース メンバー.
知識ベースの試作計画 ●●●研究所 ●●●技術部 稲本□□ 1997年1月.
オブジェクト指向メトリクスを用いた 開発支援に関する研究 --- VC++とMFCを用いた開発を対象として ---
アジャイル開発プロセス 森口朋広.
情報基礎Ⅰ 情報セキュリティの部 共通認証IDの使い方
Presentation transcript:

コミュニケーション・マネジメントを重視したITサービス企画開発方法 静岡大学情報学部情報社会学科 湯浦研究室 4年 六鹿槙美

目次 1. 背景と目的 2. ITサービス企画開発に関する企画・開発方法 3. ITサービス企画開発の要件 4. 企画・開発方法比較 5. ITサービス企画開発の手順 6. 開発ツール 7. ITサービス企画開発実施 8. 評価 9. 結論

1. 背景と目的 ▽ITサービス企画開発に関する企画・開発方法の比較 ▽ITサービス企画開発を定義、実践 1. 背景と目的 スマートフォンアプリの市場は今後も成長し続けると予測されている 著:アッシュ・マウリャ 2012年出版 出典:App Annie ▽ITサービス企画開発に関する企画・開発方法の比較 ▽ITサービス企画開発を定義、実践 ▽ITサービス企画開発成功のための要素の分析

2. ITサービス企画開発に関する企画・開発方法 企画方法① 中小企業ビジネス支援サイトによる事業計画 Jnet21(中小企業ビジネス支援サイト)で提供されるフォーマット一部抜粋 ↓ 成果物が大量・時間がかかる J-net21で提供されるフォーマット一部抜粋 出典:J-net21

2. ITサービス企画開発に関する企画・開発方法 企画方法② リーン・スタートアップ ・2008年:エリック・リース ・リーン・キャンバスを用いてビジネスモデルを立案 ・構築-計測-学習の顧客主導型開発モデル ・最小限の機能の製品(MVP: Minimum Viable Product) インタビューにより顧客ニーズを把握 MVPで開発を短縮 リーン・キャンバス 出典:RUNNING LEAN アッシュ・マウリャ(2012) 顧客主導型開発モデル 出典:RUNNING LEAN アッシュ・マウリャ( 2012)

2. ITサービス企画開発に関する企画・開発方法 開発方法① ウォーターフォール開発 ・最もよく使われる開発手法 ・上流から下流にかけて戻ることなくプロジェクトを進める 要件定義 外部設計 内部設計 プログラミング 単体テスト 結合テスト システムテスト 開発方法② プロトタイプ開発 ・開発者による構築と顧客による評価を繰り返し行いながら  機能を確定する 構築1 評価1 構築2 評価2 構築3 評価3 ・・・ 最終評価

3. ITサービス企画開発の要件 人数 少人数 規模 小規模 短期間 視点 誰でも企画開発に参加できる 市場 スマホアプリ

4. 企画・開発方法比較 高 リーン・スタートアップ プロトタイプ開発 中小企業ビジネスサイトにおける事業計画 遅 速 スピード 4. 企画・開発方法比較 高 リーン・スタートアップ プロトタイプ開発 中小企業ビジネスサイトにおける事業計画 遅 速 スピード ウォーターフォール開発 低 コミュニケーション

5. ITサービス企画開発の手順 ◎リーン・スタートアップとプロトタイプ開発の接続方法 リーン・スタートアップ リーン・キャンバス作成、修正 キャンバス優先順位 構築(デモ) 課題インタビュー 顧客インタビュー準備 学習 計測 (ソリューション インタビュー) 構築 (MVP) (機能追加) 拡大 リリース リーン・キャンバス作成、修正 リーン・スタートアップ プロトタイプ開発

6. 開発ツール ◎Application Craft 6. 開発ツール ◎Application Craft ・クラウド上でWebアプリケーション、ハイブリッドアプリケーション、ネイティブアプリケーションを開発可能 ・データベースや他のクラウドサービスとの連携なども構築可能

6. 開発ツール ◎Parse ・2013年4月Facebookが買収 6. 開発ツール ◎Parse ・2013年4月Facebookが買収 ・2014年1月現在BaaS(Backend as a Service)の最有力候補の一つ モバイルアプリのバックエンドサーバーに必要な主な処理をあらかじめ用意し、APIで提供するサービスのこと。 ・ユーザー登録・管理 ・プッシュ通知 ・GPSを利用した位置サービス情報サービスとの連携 ・TwitterやFacebookなどSNSとの連携 ・データやコンテンツの保存・管理機能

7. ITサービス企画開発実施 構築 期間:約3ヵ月 メンバー:4人 約1ヶ月 約2ヶ月 リーン・キャンバス作成 細川努先生による講義 企画(LC) 課題 インタビュー 構築(MVP) 計測(1) 学習 構築 リリース 計測 (2) 約1ヶ月 約2ヶ月 リーン・キャンバス作成 細川努先生による講義 ①リーン・スタートアップの理解 ②ツールの使い方

3 1 2 7. ITサービス企画開発実施 課題 顧客セグメント ソリューション ・多くの人の予定を 把握するのが困難 スマートフォンを所有している人 課題 ・多くの人の予定を  把握するのが困難 ・既存のツールは  使いづらい  (LINE,調整くん,  Googleカレンダー) ・イベントの発信が      しづらい 2 ソリューション ・個人の予定を  グループ内で  公開、共有 ・予定調整にのみ  特化した  インターフェイス ・イベント発信が可能

7. ITサービス企画開発実施 ◎課題インタビュー(8名) 顧客と課題の仮説検証 ・手帳→充電が切れたら見れない。書くのが楽しい。スマフォを打つのが面倒。 ・アプリ→スタンプとかあると面白い。LINEとかと2画面にできるとなおよい。「ちむすけ」のユーザが増えたら便利。

7. ITサービス企画開発実施 1 LINE 2 Twitter 3 メッセージ ◎課題インタビュー ・よく使うツール  ・よく使うツール 1  LINE 2  Twitter 3  メッセージ その他 Facebook     カカオトーク

7. ITサービス企画開発実施 ▽見ていない間に話が進む ▽返事が来ない ▽発言しない ◎課題インタビュー よく使うツールで不便に思う点 ▽誰が何言ったかわからない ▽結局調整君を使う

7. ITサービス企画開発実施 ◎構築(MVP) ユースケース図 アプリケーションの構成 機能:友人と予定を公開・共有、イベントの発信 開発チームとデザインチームに分かれて作業 成果物:ユースケース図、クラス図、画面遷移図、アプリケーション(MVP) ユースケース図 アプリケーションの構成 会員情報を入力する IDとPASSを元に会員情報を照会・参照する 一致したら会員のマイカレンダーを表示する 会員情報を登録する IDとPASSを入力して ログインする 例) 会員登録・ログイン DB ユーザ

7. ITサービス企画開発実施 ◎ソリューションインタビュー(10名) ▽友人と共有したくないイベントもある 顧客とソリューションの仮説検証 ▽友人と共有したくないイベントもある ▽カレンダーの表示を月別ではなく日別にできるページを作る ▽イベント発信へのレスポンスが欲しい 追加機能検討 ▽公開・非公開を選択できるボタン追加 ▽参加・不参加を選択できるボタン追加

1 3 2 7. ITサービス企画開発実施 顧客セグメント 課題 ソリューション ◎学習 顧客セグメント、ソリューションの内容を変更 ほぼ仮説通り 顧客セグメント スマートフォンを所有し かつ 予定把握をスマート フォンでしている人 顧客を拡大していく 2 ソリューション イベント発信を メインにする ※予定把握を手帳で していても イベント発信は可能

7. ITサービス企画開発実施 ◎学習 リーン・キャンバス修正

7. ITサービス企画開発実施 ◎リリース、計測 ◎構築(追加機能) Test Flight 開発チームとデザインチームに分かれて作業 成果物:アプリケーション(追加機能) ◎リリース、計測 Test Flight 開発者向けのWebサービス テスト用のアプリケーションをテスターに配布 ▽動作が遅い ▽プッシュ通知が欲しい ▽LINEとの連携(友人追加の円滑化)

8. 評価 ①開発のスピード ②顧客ニーズの吸収 ③ITサービス企画開発を行うメンバーに求められること ①リーン・スタートアップの目的の理解 8. 評価 ①開発のスピード 使用したツールと開発方法のスピード感が合っていた ②顧客ニーズの吸収 顧客との直接のコミュニケーションにより、「本当に必要」な 機能をアプリケーションに反映することができた ③ITサービス企画開発を行うメンバーに求められること ①リーン・スタートアップの目的の理解   ・・・細川努先生による講義 ②プロトタイプ開発(顧客志向)への慣れ   ・・・チームの技術力を把握、スムーズな役割分担 ③ソフトウェアツールの使い方 ④自立した開発メンバーとコミュニケーション   ・・・友人関係、信頼関係、コミュニケーションの多さ

9. 結論 ①ITサービス企画開発における企画と開発の接続方法の 事例を示すことができた ②ITサービス企画開発をより効果的に実践するために 9. 結論 ①ITサービス企画開発における企画と開発の接続方法の   事例を示すことができた ②ITサービス企画開発をより効果的に実践するために   チームのメンバーに求められる要素が明確になった 今後の課題 ①マニュアル作成   ・・・ITサービス企画開発に取り組むためのメンバーへの条件を提示する。 ②リリース実験   ・・・実際に市場にリリースすることで新たな課題が出てくる可能性が高い。 ③企画力・開発力・チーム力を養うために多くの学生に実践してもらいたい

ご清聴ありがとうございました。