20世紀前半の中国経済 1820年代の中国は世界のGDPの3分の1 工業化の20世紀 19世紀半ばから近代的機械工業 対外貿易が工業化を促進

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20世紀前半の中国経済 1820年代の中国は世界のGDPの3分の1 工業化の20世紀 19世紀半ばから近代的機械工業 対外貿易が工業化を促進  19世紀半ばから近代的機械工業  対外貿易が工業化を促進 第一次世界大戦→欧米からの工業製品の輸入が途絶える→輸入代替工業化 1890~1930年代→軽工業の発展 1940~70年代→重工業が発展 (戦時経済への傾斜) 満鉄→製品の大半は日本へ   (中国経済との連携を欠く)

工業製品自給率の推移

製造業生産額業種別構成比の推移

工業発展の担い手 軽工業~外国資本→国内資本        ↓     ↓    原料や販路  華僑や留学生 (華僑送金~工業化に要する資金提供) 重工業~日本企業と国家資本企業 第二次世界大戦後  国民政府~旧日本資本企業を接収  (国営企業の割合高まる)  人民共和国政府~社会主義モデルの下、国営化

地域的分布  上海を中心に (国内交通の要地、 租界→商取引や金融センター、近代的機械工業) 工業化が進んだのは、大連・天津・青島・武漢など沿海もしくは長江流域 40年代から70年代 東北と内陸地域

交通通信の近代化 1850~70年代 外国資本主導により長江および沿海航路に汽船輸送(国際貿易網に組み込まれる) 電信→外国資本主導で  外国資本主導により長江および沿海航路に汽船輸送(国際貿易網に組み込まれる)  電信→外国資本主導で      80年 清朝政府が天津に電報総局 1876年 上海~呉淞(最初の鉄道       英国のジャーディン・マセソン商会) 1881年 唐山~胥 各庄(国営鉄道)

*外国からの投資や借款によって進められた東北および華北地方の幹線鉄道 *内陸諸都市と沿海部との汽船航路 *日清戦争後 鉄道ブーム  民間の汽船会社、電信網の整備 *1930~40年代 日中戦争および国共内戦によって整備進まず →49年以降も交通通信網の抜本的な拡充進まず

農業 19世紀末から 対外向けや国内の工業用原料作物 地主と小作人 社会主義化後は土地改革→大量の自作農 →経営規模の過小化(コスト上昇)  対外向けや国内の工業用原料作物  地主と小作人  社会主義化後は土地改革→大量の自作農 →経営規模の過小化(コスト上昇)  集団化によって労働意欲を失わせる  人口増加によって一人当たりの穀物消費量増えず

金融 19世紀初めに約束手形を発行する金融機関 19世紀半ば~貿易拡大→送金と外国為替 1897年 中国通商銀行 1935年 金融恐慌 1897年 中国通商銀行 1935年 金融恐慌  →民間銀行に対する政府の影響力強化   →通貨発行権を中央政府に 日中戦争期 戦時統制経済 社会主義化~金融の国有化  悪性インフレの収束、経済活動の要 

前近代中国の経済秩序 文書による契約 →「包」(請負)→中国経済の不確実性に伴う危険性の分散、他に転嫁する志向性 →地域的多様性に富む重層的な市場が重なる →前近代の中国経済の発展が遅れる

商業ネットワークと同業団体 同じ業種の商工業者の団体 18世紀 「公所」「会館」 →商品市場や雇用市場のシステムを大枠において規制 18世紀 「公所」「会館」 →商品市場や雇用市場のシステムを大枠において規制 →国家と市場の中間に同業団体(市場秩序) 1904 清朝 商会簡明章程 1914 中華民国 各地に商工会議所(商会法) 1918 工商同業公会規則 1929 南京国民政府 商会法 工商同業公会法 

前近代の国家と経済 対外貿易 清朝 全面禁止 1684年 マカオなど4つの港で(厳しい規制) 1757年 広州に限定 対外貿易 清朝 全面禁止  1684年 マカオなど4つの港で(厳しい規制)  1757年 広州に限定 消極的(対外経済関係が国内市場秩序に影響を及ぼさないように) 漕運~皇族、官吏などの食糧を運ぶ(割合少) 塩専売 国家が果たした役割は小さい

経済構造の変容過程 1880~1910年代半ば 対外貿易の拡大と外国資本の流入 工業製品の輸入代替を企図した近代工業  対外貿易の拡大と外国資本の流入  工業製品の輸入代替を企図した近代工業  商品的農業の拡大(農産物輸出の増大) 資本蓄積→本格的な輸入代替 第一次世界大戦(西欧からの工業製品の輸入激減)→中国の工業化を進展

1910年代半ば~30年代 国内経済主導で発展(交通・通信網、商業・金融業の発展、エネルギー供給拡大) 日本の中国侵略→軍需工業 第二次世界大戦、朝鮮戦争、戦後冷戦 中華人民共和国の建国 →重工業中心の経済発展

経済発展戦略 1860~90年代 洋務運動 太平天国運動の鎮圧→西欧の武器や軍艦の威力→軍需機械工業の国産化 1860~90年代 洋務運動  太平天国運動の鎮圧→西欧の武器や軍艦の威力→軍需機械工業の国産化 1870年代 軽工業品の輸入代替工業化 20世紀 日清戦争敗北、義和団運動   1898年 戊戌の変法  1902年 光緒帝 抜本的な政策を  →内部抗争や恐慌の影響→失敗

1911年の辛亥革命後 経済関係法制の整備 貨幣制度の統一 1920年代 急進的な輸入代替工業化政策→資金の裏づけなし 1930年代  急進的な輸入代替工業化政策→資金の裏づけなし 1930年代  内陸部に鉄鋼、アルミ、硫安、電機などを建設しようとするもの→日本軍の中国侵略に備え軍需工業確立に傾斜 1945年 日本企業の接収

国民経済の形成過程 近代以前の中国 →遠隔地との取引(銀両)、 地域経済(銅銭) 19世紀末~1930年代 国内市場の統合 →遠隔地との取引(銀両)、 地域経済(銅銭) 19世紀末~1930年代 国内市場の統合 ①国内の商品流通の拡大 ②対外貿易の発展→保護関税→輸入代替工業化、通貨の統一、度量衡の統一 都市の形成 第二次世界大戦後→国民経済の再統合と復興の課題に失敗(国民政府が国民の支持を失う)