淀川の治水計画について (株)ニュージェック 奥田 朗.

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淀川の治水計画について (株)ニュージェック 奥田 朗

淀川の治水計画について 目 次 淀川の概要 淀川の治水史 日本の河川法の歴史と現行河川法の特徴 淀川の治水計画の現在の取り組みと課題 淀川の治水計画について 目   次 淀川の概要 淀川の治水史 日本の河川法の歴史と現行河川法の特徴 淀川の治水計画の現在の取り組みと課題 河川環境への取り組み 参考

淀川の概要 項目 諸元 流域面積 8,240km2 幹線流路延長 75km 流域内人口 1,179万人 想定氾濫区域面積 773km2 想定氾濫区域内人口 766万人 想定氾濫区域内資産額 137兆618億円 流域内市町村 54市24町4村 琵 琶 湖 湖面積 約674km2 湖容積 約275億m3 最大水深 約104m

淀川の概要 大甲渓

淀川の治水史 786 延臣、和気清麻呂が淀川から神崎川を分流 1596 太政大臣、豊臣秀吉による築堤 786  延臣、和気清麻呂が淀川から神崎川を分流 1596  太政大臣、豊臣秀吉による築堤 1874  オランダ人土木技師による近代的な淀川修築工事に着手 1885  台風豪雨による淀川大洪水 1896  河川法制定 1896  新淀川開削 1905  瀬田川洗堰(旧)完成 1917  台風による淀川大洪水 1953  台風13号による淀川大洪水 1954  淀川水系改修基本計画策定 1964  河川法改正 1972  淀川河川公園事業に着手 1974  淀川近代改修工事百周年 1983  淀川大堰完成 1988  全国初のスーパー堤防完成 1997  河川法改正 2001  淀川水系流域委員会設立 2007  淀川河川整備基本方針策定

淀川の治水史 ダ ム 1963 瀬田川新洗堰完成 1965 天ヶ瀬ダム 1969 高山ダム 1969 淀川水系ダム群の統合管理開始 ダ ム 1963 瀬田川新洗堰完成 1965 天ヶ瀬ダム 1969 高山ダム 1969 淀川水系ダム群の統合管理開始 1970 青蓮寺ダム 1974 室生ダム 1992 布目ダム 1997 琵琶湖総合開発終結 1998 日吉ダム 1999 比奈知ダム

淀川の治水史 淀川堤防の変遷 (1896~1910) (1896~1910) (1596~ ) (1918~1932) (1939~ )

淀川の治水史 新淀川開削

河川法 河川法改正の流れ 近代河川制度の誕生 治水・利水の体系的な制度 の整備 治水・利水・環境の総合的 な河川制度の整備 治水・利水の体系的な制度 の整備 水系一貫管理制度の導入 利水関係規定の整備 治水・利水・環境の総合的 な河川制度の整備 河川環境の整備と保全 地域の意見を反映した    河 川整備の計画制度の導入 1964

改正河川法 河川法改正のポイント ・ 河川法改正の趣旨 ・河川環境の整備と保全 ・新しい河川整備の計画制度 ・ 渇水調整の円滑化のための措置    次世紀へ、治水、利水、環境の総合的な河川整備を推進。 ・河川環境の整備と保全    豊かで美しい河川環境の創出をめざして。 ・新しい河川整備の計画制度    地域の意見を反映した河川整備を推進。 ・ 渇水調整の円滑化のための措置    渇水調整の早期化、情報提供、手続の簡素化を推進。 ・樹林帯制度    河畔林、ダム湖畔林を整備し、環境と調和のとれた治水、利水対策を推進。 ・水質事故処理対策    原因者の施行、負担により、水質事故処理対策を推進。 ・ 不法係留対策    除却した不法係留船舶の売却、廃棄等の手続を整備。

改正河川法

改正河川法

整備計画の目標

淀川の治水計画

淀川流域委員会

淀川水系河川整備基本方針 2007年8月 目 次

淀川水系河川整備計画基本方針 基本高水流量 基準地点 基本高水の ピーク流量 洪水調節施設に よる調節流量 河道への 配分流量 枚方 基本高水の   ピーク流量 洪水調節施設に よる調節流量 河道への  配分流量  枚方 17,500m3/s 5,500m3/s 12,000m3/s

計画高水流量の流量配分

基本高水流量の決め方

計画高水流量の決め方

淀川水系河川整備計画原案 2007年8月 目 次

目次(続き)

淀川流域の主な課題(1) 上下流バランス 狭窄部 洗堰 ○計画規模以上の洪水が起こることは上下流ともに考えるべきで、下流を守る   ○計画規模以上の洪水が起こることは上下流ともに考えるべきで、下流を守る     ために上流が努力することも上流側として認識。   ○河川の特性や現状を踏まえ、全体としてバランスのとれた治水対策を着実に     推進すべき。   ○水系全体の上下流を含めたバランスを持った整備という考えが必要。 狭窄部   ○狭窄部について、上流被害軽減の観点から現在の計画通り所要の開削をすべき   ○狭窄部を開削する場合、下流のリスクを増幅させない方策について検討が必要   ○狭窄部を開削することについては慎重に考えるべき 洗堰   ○一方が他方の犠牲になるということを前提にした治水計画は条理がない。     これまでの対立の100年から、これからは協調の100年にするよう、条理ある     治水計画にすべき   ○下流の安全度を確保した上ではあるが、洗堰による洪水調節は廃止できないか。   ○宇治川に十分な疎通能力がないことが問題

淀川流域の主な課題(2) 超過洪水等 水利用と河川利用 ○超過洪水に対しては流域全体で助け合うという特別な措置をあらかじめ検討   ○超過洪水に対しては流域全体で助け合うという特別な措置をあらかじめ検討     しておくことが必要。   ○明治29年の洪水を計画の中に取り込むか、超過洪水として位置付けるかは     大きな問題。 水利用と河川利用   ○近年、局地的な集中豪雨が多い一方全体的には少雨化傾向であり、「利水の     危機管理」という発想が必要。   ○水は流域共有の貴重な財産であるという認識に立ち、利水者と自治体等関係     機関、住民のと連携を一層強化する必要。   ○琵琶湖は生き物であり、周辺住民の暮らしとの関わりが深い。この自然の宝庫を     未来に健全な姿で伝えなければならない   ○河川敷は地域住民が憩える貴重な空間であり財産   ○ワンド、ヨシ原の整備、干潟の再生とともに、共存、棲み分けが必要

淀川水系河川整備基本方針の基本的考え方 *) *)事業中の5ダムについては、現在実施するかどうかを検討中である。

淀川水系河川整備基本方針の基本的考え方2

淀川水系河川整備基本方針の基本的考え方3

堤 防 堤防の被災パターン 越水(溢水) 浸透(漏水) 洗 掘 堤 防 堤防の被災パターン 越水(溢水) 浸透(漏水) 洗 掘 増水した河川の水が堤防の高さを越えてあふれ出す状態のことで、あふれた水が堤防の裏のりを削り、破堤を引き起こすことがあります 河川の水位が上がり、その水圧で河川の水が堤防を浸透し、堤防の裏のり面などに吹き出すことで、水が浸透することで堤防が弱くなり、破堤を引き起こすことがあります 激しい川の流れや波浪などにより、堤防の表のり面の土が削り取られる状態のことで、削られた箇所がどんどん広がると破堤を引き起こすことがあります。 出典:「国土交通省河川局」ホームページ

堤防の被災パターン事例 越水(溢水)の事例 太田川(平成11年9月洪水) 浸透(漏水)の事例 新川(平成12年9月洪水) 越水(溢水)の事例 太田川(平成11年9月洪水) 浸透(漏水)の事例 新川(平成12年9月洪水) 太田川(広島県広島市) 出典:第3回 淀川流域委員会 資料 新川(愛知県名古屋市) 洗掘の事例 関川(平成7年7月洪水) 関川(新潟県新井市) 出典:第3回 淀川流域委員会 資料

淀川堤防の液状化(阪神・淡路大震災(平成7年1月))

淀川の堤防詳細点検および対策

スーパー堤防

淀川・宇治川・木津川・桂川浸水想定区域図 ソフト対策 浸水想定区域図 淀川水系洪水ハザードマップ公表状況 淀川・宇治川・木津川・桂川浸水想定区域図

河川環境計画のあり方/基本的事項 環境の回復:1960年代前半の環境を意識 1.川や湖のダイナミズムを許容する河川整備  環境の回復:1960年代前半の環境を意識   1.川や湖のダイナミズムを許容する河川整備   2.多自然型川づくりからの脱却   3.河川環境再自然化計画 (淀川水系流域委員会提言 2003年1月)

河川環境 今なぜ河川環境なのか   1992年の国際連合が開催した「開発と環境に関わる国際会議」で提唱された「持続可能な開発」という概念と、その際に調印された「生物多様性条約」である。   河川に自然を取り戻そうとする1990年代に入ってからの日本における運動は、こうした全地球的な関心事と連動し、生態環境を考えることが次世代の地球にとって必要であるという理解に達している。 玉井信行編 「大学土木 河川工学」より

河川をめぐる環境問題における中心課題の変遷 時 期 河川環境をめぐる主題 1960年代 水質汚濁 1970年代 親水活動 1980年代 空間計画 1990年代 生態環境 玉井信行編 「大学土木 河川工学」より

自然特性 この三つの条件を満足しているのが自然状態の 河川であり、こうした中で健全な生態系が保たれる。 河川の自然特性を表す基本的な3要素は、  ① 自然のかく乱と更新  ② 縦断方向および横断方向の連続性  ③ 河床形態の多様性 である。  この三つの条件を満足しているのが自然状態の 河川であり、こうした中で健全な生態系が保たれる。  どの時代の自然状態で満足するかについては、社会的に議論し、合意に達する必要がある。 玉井信行編 「大学土木 河川工学」より

河川環境の整備と保全 ・動植物の良好な生息・生育環境の保全・復元 現状と過去からの変遷及びその背景を踏まえ、その川に   現状と過去からの変遷及びその背景を踏まえ、その川に   ふさわしい生物群集と生息・生育環境が将来にわたって   維持されるように努める。 ・良好な景観の維持・形成   その川の自然景観や地域の歴史的・文化的な背景を踏まえ、   河川が本来有する水を基本的とした良好な景観が維持・形成   されるよう努める。 河川砂防技術基準 計画編 基本計画編 第2章 河川計画 4節 4.2、4.3

<参考>雨の状況 集中豪雨の多発 1時間に50mmや100mmを越す集中豪雨

<参考>雨の状況 少雨化 琵琶湖流域の総年雨量

<参考>河川法 法河川 ○ 河川法において「河川」とは一級河川及び二級河川を いい、これらの河川に係わる河川管理施設を含むもの  ○ 河川法において「河川」とは一級河川及び二級河川を    いい、これらの河川に係わる河川管理施設を含むもの    とする。(河川法第3条1項)  ○ 一級河川及び二級河川以外の河川で市町村長が    指定したもの(以下「準用河川」という)    (河川法第100条1項)

<参考>河川法 河川の区分と管理

<参考>河川法 河川の区分と管理

<参考>河川法 河川数等の状況